Ring Ding Dong ―本編— 黒い夜に浮かぶ、橙色の常夜燈。
昼の熱気のなごりの残る常夜神社の参道を、二人と一匹は並んで歩いていく。
「君の浴衣姿もだいぶさまになってきたんじゃないかね。さすが私の仕立て!」
「ヌヌヌヌヌン、ヌッヌイイ!」
「お、おう……ジョンはメロンパンみたいでかわいいぜ!」
ドラルクが転がり込んできて二度目の夏に仕立てた浴衣は、さらりとした肌触りが気持ちのいい赤地に白の縞が格子模様に入ったもの。隣のドラルクが揃いで拵えたのは、同じようなさらさらした布の、濃くて渋い紫がかった紺色に、朝顔みたいな模様の入ったもの。ドラルク曰く、七宝柄という縁起物の柄らしい。ジョンはドラルクの紫の帯と共布で作った帯に、あざやかな緑のマジロ柄の浴衣を作ってもらっていた。
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