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    palco_WT

    @tsunapal

    ぱるこさんだよー
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    palco_WT

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    こんなガタイのでかい受初めて書いてるよ!!!と思ったけど龍〇の弁護士190㎝越えてたネ……そんなに厚みなかったね……股下1㍍あったけど……

    #ゆばかん
    hot-bulbOrSemi-driedBonito

    陽の当たる場所2 神田が今住んでいる一人暮らし向けの1DKの部屋は、大学に進み親元を離れ一人暮らしをする前に慣れておいたほうがいい、という母親の意見を容れて、二年の春から借りているアパートで、だからこういう事態になることを想定してのことではなかった。結果オーライではあったかもしれないが。多少何か咎めることもないと言えば嘘になるが。
     窓を開け、一日だけとはいえ、閉め切った部屋の空気を入れ替える。警戒区域からは近い上に、あまり新しいとは言えないアパートに住む人は少なく、実際、神田の部屋も真下も隣も今の所空き室だった。それでも心映えのいい大家はアパートの駐車場や周辺の手入れは欠かさず、一角にある小さな道祖神には花や供え物は絶えない。きっと、ここを手掛けた亡き父もそれを知ったら喜んでくれたに違いない、と神田は秋の気配が深まる空気に目を細めると、しかし人目を避けるようにカーテンを引くと、バスルームへと足を向けた。
     高さも厚みも、同世代よりはある神田からすれば、生まれる前に作られたアパートの三点ユニットバスはかなり狭苦しくはあったが、その用途には便利ではあった。弓場を――男を受け入れる為に腸内なか洗浄あらう行為には。
     指に泡立てた石鹸を絡めて、まだ頑なな堰をやんわりとほぐすようにしながら、中へと忍ばせる。圧を逃すようにしながら、ゆっくりと、そして届く限りまで洗い、そして濯ぐ行為。彼と夜を越す度に何度も繰り返したこととはいえ、正直なところ一向に馴れはしない。そしてもし馴れる日が来たとしても、その甲斐などないに等しいということも。本来の目的ではなく、性交の為に整えられた場所にぬめりがなくなったことを確かめて、神田はかすかな自虐を引きずりながら、弓場の好むシトラスの香りの入浴剤の入った湯へとその逞しく、そして既に少しだけ火照った身を沈めた。


     関係を請うたのは、神田のほうからだった。きっかけはほんのささいなことだった。
     去年の秋、今よりももっと広葉樹が色づいていた季節。既に九州の大学への進学も視野に入れていた神田だったが、比較対象は幾つあってもいいだろうと春に高校に入学したばかりだったが、隣の市の大学までオープンキャンパスに参加した帰路だった。
    『あれ、あのひと、弓場先輩の彼女じゃなかったっけ?』
     その姿を目敏く見つけたのは、同行していた犬飼だった。
    『……そう、だな』
     他人の交友関係に目配せを積極的にしている犬飼ほどではなくても、弓場の性格上ひけらかすことはなかったが、学校とボーダーと過ごす時間を共にしている中で神田も知るともなしにその存在は知っていた。犬飼や神田、そして蔵内や荒船からすればふたつ、そして弓場からすればひとつ上の、かつては六頴館高校の門をくぐっていたこともある女性だ。今は三門大学ではなく、近隣の別の大学に通っているという話だった。
     だが、その女性が親しげに腕を組み、お揃いの指輪をした手の指を絡めているのは、弓場ではない男性だった。身なりからして同じ大学生といったところだろうか。
     自分に何を言う権利も資格もない。しかし、弓場と、その見知らぬ男を秤にかけているのだとしたら、バカだ、と思った。あれほどに手に入れる価値のある人はめったにいやしないというのに。
    『神田ちゃん、顔、怖いよ?』
     少しばかり鼻白んだ声色が犬飼にしては珍しいと思ったのだけは覚えている。ちょうど立ち尽くした喫茶店のショーウィンドに映っていただろう、自分の表情はもう記憶にない。
     だがそんな神田の行き場のない焦れるような感情とは裏腹に、遠回しに伺ってみた弓場の返答はあっさりしたものだった。
    『あァ、優衣のコトか。あれなら向こうから終わりにしてくれって言われてな、泣いてすがりつくワケにもいかねェから終ェーにしただけのことだ』
    『泣いてすがりつく……』
     作戦室でのやりとりで、居合わせた蔵内が思い切り釈然としない顔をしてくれたおかげで、むしろ神田は感情の揺らぎを表に出さずに済んだ。
    『冗談だぞ?』
     次期生徒会長と目されるほどに基本的に真面目な部下に、刺した釘に神田のほうがほっとした。
    『どうしても任務と高校の掛け持ちともなりゃァ、こぼれるものもあらァな。そこらへんは弁えてるから付き合ってくれって言われて、知らねェー仲でもないから恋人らしいふるまいはしてみたつもりだが、一番にはしてやれねェーからな、仕方ねェ。しばらくはタマっても右手の世話で済ませなきゃなんねェーからな……っておまえ赤くなり過ぎだぞ、蔵内ィ』
     あけすけな物言いに、耳まで赤くした蔵内を弓場は呵々と笑い飛ばした。
     だから、本当ならば話はそこで終わりのはずだった。だが。
     蔵内が帰り、二人きりになるのを待って神田は、どんなこだわりなのかは分からないが、壁に背を預けてタブレットを覗き込んでいる弓場へと声をかけた。
    『弓場さん、オンナと別れた話なんですが』
    『ん? ああ、まだその話か。王子には言うなよ、あいつはどう面白がるか分かりゃしねェーからな』
     前回のランク戦のログが流れるタブレットから視線を上げずに、弓場はそう告げる。
    『次、ってのはいないんスよね』
    『あ? 次? ……ああ、後釜ってコトか。いねェーよ。さすがにしばらくその気にもなれねェな、男心ってのは繊細だからな』
     わざとらしくそんな風に言う弓場が、一時はおそらくはベッドも共にしたであろう相手との別離にどんな感慨を抱いているのかなど、読心のサイドエフェクトでも持っていない限り神田には分らなかった。
     口の中がからからに乾いていた。
     あの時、弓場以外の男と歩いていた彼の元恋人であった女性に対する感情。あれは憤りとそして嫉妬だった。それにやっと気づいた。自分が弓場に、敬愛以上の想いがあったことに。
     そして、もし、踏み越えるとしたら今しかないのだということにも。
    『俺と、どうですか』
    『……何だって』
    『俺と寝ませんかってことです。平たく言えばセフレに。もちろん、ここと学校では今までと同じ。ただたまに合意でセックスするだけ』
    『おめェー、男がイケる口だったのか?』
     初耳だ、とさしもの弓場も、その怜悧な顔にかすかな狼狽を見せた。
    『さすがに男と寝たことはありませんよ。ただ、弓場さんとならヤれそうだな、と思って』
    『気軽に言ってくれるな、おい』
    『それくらいの気分でいいんですよ。でも、俺となら同じ隊で学年は違いますけど同じ学校で、行動範囲も近いし、スケジュールも合わせ易い。それに何より、少なくとも、弓場さんにとって俺は都合のいい男になれますよ。俺は、いつか、あんたの前からいなくなる。嫌でも終わりになるのが決まってる。気が楽だと思うんスよね。……さすがに男と寝たことはないですけど、今のご時世、少し調べればだいたいの手順ややりくちは分かる。そんなに手はかけさせませんよ。だから』
     俺を少しだけあんたのものにしてみませんか。
     その最後の一言を吐き出すと、弓場はふんと軽く鼻を鳴らした。
    『俺のモノになるようなタマじゃねェーだろ、てめェは』
    『だから、少しだけ、ですよ。ダメですか』
     神田は手を伸ばし、弓場の唇に親指を、そして残りの四指をそっと触れさせた。指先にまとったかすかな震えを気づかれないように祈りながら。そして同時に、聡い彼が気づかないはずと絶望しながらも。
     だが、弓場はその神田の手を取って、親指の先の爪のあたりに軽く歯を立て、濡れた舌を這わせてきた。指先だけなぶられているというのに、ぞくりと背中を這いあがる官能。
    『男なんざ抱いたこたァねェから、後で泣き言言っても聞かねェぞ』
     まるで今から一対一タイマンを挑むように、弓場はレンズの奥のまなざしでまずは神田を貫いた。
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    palco_WT

    PROGRESS冬コミ新刊の水王の、水上の過去の捏造設定こんな感じ。
    まあそれでも入会金十万円+月一万余出してくれるんだからありがてえよな……(ワが2013年設定だとたぶんんぐが小学生で奨励会にあがったとしてギリギリこの制度になってるはず。その前はまとめて払ってダメだったら返金されるシステム)
    実際、活躍してるプロ棋士のご両親、弁護士だったり両親ともに大学教授だったり老舗の板前だったりするもんね……
    「ん、これ、天然モンやで」
     黄昏を溶かしこんだような色合いの、ふさふさした髪の毛の先を引っ張りながら告げる。
     A5サイズのその雑誌の、カラーページには長机に並べられた将棋盤を前に、誇らしげに、或いは照れくさそうに賞状を掲げた小学生らしき年頃の少年少女が何人か映っていた。第〇〇回ブルースター杯小学生名人戦、とアオリの文字も晴れやかな特集の、最後の写真には丸めた賞状らしき紙とトロフィーを抱えた三白眼気味の、ひょろりと背の高い男の子と、優勝:みずかみさとしくん(大阪府代表/唐綿小学校・五年生)との注釈があった。
    「でも黒いやん、こん時」と生駒が指摘する。
     彼の言葉通り、もっさりとボリュームたっぷりの髪の毛は今のような赤毛ではなく、この国にあってはまずまずありがちな黒い色をしていた。
    1983