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    dps94kakuriyo

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    クラノス、サテヨモ、フククワのネタ帳からSS化したものをここにあげたり、文庫の作業場だったり。他にもいろいろ。

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    あの日と今の景色は、似ているようで違う

    #サテヨモ
    iwomo

    ブルーアワーに、君と そうか、夜明け前にはこんなに鳥が鳴くんだな。知っていた筈なのに、すっかり忘れていた。
     あの頃、家族の誰よりも先に起きて、コロと散歩に行った。遠く日の出を臨む河川敷はまだ寒くて、暖かいコロを腕に抱いて一休みして、また歩く。周りが明るくなるまでずっと歩いて、人の姿が増え始める前に帰った。

    「散歩に行く」
     と言ったら、サテツ君は飛び起きて身支度を始めた。俺様がすっかり着替えていたから慌てたんだろう。一緒に来いとは言ってないんだが。
     家を出る前、体調はどうかと聞かれた。調子が悪かったら散歩になんぞ行くか。……まぁ、腰は少々痛むが、いつものことだ。
     外は、存外に寒かった。
     川や地面に靄がかかっている。こんな時間から走っている馬鹿が居たから、仕方なく道を外れてそのまま土手に降りた。
     腕の中のコロはとても冷たい。
     だから自分が暖めてやらねばならないのに、フラスコは全く熱をもってはくれない。
    「暖めてくれ」
     と伝えるといきなり抱きしめられた。違う、そうじゃない。スリングを伸ばして指示をすると、彼は素直にフラスコを暖め始めた。
    「寒く無いですか?」
    「寒いな」
     だから、大きな体に身を寄せて暖を取った。全く、デカ過ぎて腕に抱くこともできやしない。

     そうして何度か一休みしながら周りが明るくなるまで歩いて、人の姿が増え始める前に帰った。

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