台湾料理を食べる降志「ありがとう。君のおかげで全て終わったよ」
乾杯、その言葉を合図にグラスを打ち付ける。片方は烏龍茶、もう片方はアイスミルクティー。目の前には湯気を上げる食事。
降谷と志保は、一緒に食事に来ていた。
深夜に台湾まぜそばを食べに行ってから2週間。降谷との再開は案外早くやってきた。
『先日の件で君にお礼がしたい。何でも言ってくれ』
何でもない平日、お昼にさしかかった午前11時過ぎ。突然ふらっと現れた公安はこう言った。なんでも、前回の事件について、犯人の確保から証拠、報告書類等々、全てを終えることができて少し時間が空いたらしい。
急に欲しいものを言われても困ってしまう。フサエブランド、有名ホテルのアフタヌーンティー、新しい試薬、最新の実験器具…。少し悩んで志保が選んだのはランチだった。特に理由はない。たまたまそんな気分だっただけ。
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