Twitterまとめ⑥☆140文字SSのお題 様
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【こっちの台詞です】
一つ唇を交わし、一つ手を繋ぎ、一つ躰を繋ぐ度に想いが強くなる。
月の光が失せる夜、密事を行う最中に従者は王の躰を掻き抱くとついに溢れた想いを口にした。
「貴方の事が愛しくて、大切にしたいのに滅茶苦茶にしてしまいたい」
その告解に王は艶やかに笑み、頬を寄せて答える。
「それは俺の台詞だよ」
【負けてたまるか】
「そろそろ…負けを認めたらどうだ…?」
互いに肩で息をしながらフィンが掠れた声で言った。力が抜けた王の体を支えながらどちらとも分からない唾液で濡れた唇を舐める。
「は、馬鹿に…っ、すんなよ…まだまだこれからだ…」
王は力を振り絞り腕を伸ばすと、フィンの頬を両手で捕らえ再び深く口付けた。
【ごめんね、諦めて】
抵抗しても無駄なのは分かっている。それでも真意を聞かずにこの様な事をされるのは堪らない。
「フィンッ」
最後の抵抗に唾を飛ばした。
しかし彼は動じずにこちらを見下すばかりで。
「悪いが諦めてくれ」
硬い地面に組み敷かれる。
『言ってくれれば俺も同じ想いを返すのに』
胸が張り裂けてしまいそうだ。
☆この台詞から妄想するなら2 様
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【イエス?まさか、ノーとでも?】
編んだ髪を引っ張られたと思えば次いで腕を掴まれ乱暴に地面に組み敷かれる。痛みに呻く間もなく腹の上にヒトの重みを感じ、見上げれば我が王がじとりとこちらを見下していた。
「フィン、俺を抱け」
威圧的に放たれる言葉。
王は目を細め続ける。
「悪いがお前に拒否権はない」
全く愛しくも理不尽な王だ。
☆この台詞から妄想するなら 様
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【髪、伸びたね】
特徴的に切られた黒髪が遂に肩に付くほど伸びた。
「随分伸びましたね」
従者が長い指で髪を梳かす。共に在るようになってそれ程の時間が流れたのだ。
「フィン、切ってくれないか。お前に切り揃えて貰うのが夢だったんだ」
王が無防備に髪を差し出した。
「仰せのままに」
一房を手に、ナイフの刃を入れた。
【やっと、君に好きだと言える】
彼からの好意は嬉しい。けれど俺は従者。彼は王。あまりにも不釣り合いだ。
しかし王はその隔たりを突き破り手を伸ばしてくる。
「それはお前が設けたものだろ?」
俺の手を掬い取り、愛し気に瞳を揺らす姿に息を飲む。
「フィン、愛してるよ」
…ああ、俺もやっと告げられそうだ。お前さんを愛していると。
【ほっこりするね】
草の上に座し得物の手入れをしている彼の後ろ姿を見つける。
「っお、どうした?」
広い背中に抱き着き金糸に鼻を埋めて息を吸い込む。彼の香りが体中を満たしていく。温かく広い背中に頬を寄せれば確かな鼓動が聴こえてきた。
「お前に抱き着いてるとなんかほっこりするなって」
何だそれ、と彼が笑った。
【よそ見は、だめ】
目の前にある金色の瞳と頬を包む掌。温かい吐息と濡れた感触が唇から伝わり、王に口吻をされているのだと気付いた。音を立てて離れていく唇と、愛しげに笑む王の表情に躰の熱が上がる。
「俺だけを見ていろ。よそ見する隙なんて与えないからな」
初めて逢った時から、俺はお前さんの事しか見えていない。
【眠いの?肩貸すよ?】
「ほらおいで」
と、目の前で王が両手を広げ待っている。
状況が読み込めず首を傾げた俺の手を焦れた手が掴み強い力で引かれれば、そのまま肩に頭が乗るようにして抱き締められた。
「疲れたら休んでいいんだぞ」
そう言って髪を撫でる手が優しく心地よい眠気が訪れる。
お言葉に甘えて細い肩に擦り寄った。
【舐めれば治る】
「その傷は」
戦闘終了後、王の頬から一筋の血が垂れていた。従者は焦りの色を隠す事無く問う。
「ああ、ただの擦り傷だよ。唾付けとけば治る」
そうは言うが柔い肌はぱくりと割れている。指先を頬に伸ばそうとするのを制し、従者は頬の傷を舐めた。
「それなら俺の唾でも治るな」
王の甘露な血の味がした。
【きっと一度はやるだろうお米様抱っこ】
敵の一閃に致命傷を喰らい跪く。
油断した、相手の力量を見誤った。
「王!」
紅緋のマントを翻し従者が躍り出る。続いて仲魔達が楯になる様に前へ。攻防を繰り広げる中で従者は退避すべく王の体を俵抱きにした。
「…おいおい」
そこはお姫様抱っこだろうと内心突っ込みながらも以外と悪い気はしなかった。
【フィンの躾をする主ちゃん】
請う声色で名を呼び指を絡ませる。
躰を近付け耳朶を喰む姿はお預けをされた犬の様で愛らしい。口付けを落とそうとする従者の唇に人差し指を当てて制止する。
「まだ、だめ」
「…もう十分待っただろ?」
従者が不満気に吼えて抗議する。
「待てば待つ程美味くなるぞ?」
そう言えば、彼はぐうと押し黙った。
【キスしてほしい】
ふと王の唇から甘い香りが漂っているのに気付いた。いつもより艷やかな唇を奪い舐める。芳醇で甘ったるい花の味がした。
「これは…蜂蜜?」
訊けば悪戯が成功した子供の無邪気な笑みを称えて答える。
「お前がキスしたくなるかなって。大成功だな」
そんな事をしなくとも、何時だってしたくなっているさ。
【背中合わせに戦う】
群がる悪魔を一掃するが、直ぐに新たな悪魔の群れに囲まれる。前へ躍り出て叢雲を一閃。次いでフィンが剣を突き立てる。
「今ので何体目だ?」
追撃の構えを取りながらフィンが訊ねた。
「さぁな。ま、俺とお前の前じゃ塵みたいなもんだろ」
「…違いない」
背中を合わせ不敵に笑い合い、悪魔達を見据えた。
【事故チュー】
「あっ」
山の様に積まれた瓦礫に足を取られ、王が小さな悲鳴を上げて転びそうになった。「王!」
俺は体を支えようと慌てて手を差し伸べた。体がこちらへ倒れてくる。掛かる体重と…唇に柔らかい感触。
「わ、ご、ごめん!」
顔を赤くして離れる王。
「…いえ」
一瞬の出来事。だが俺の中で何かが変わった。
【たまには甘えたいんじゃないかな】
「ん?」
背中にやってきた小さな衝撃。腹部に逞しい腕が回され肩口には金糸が見える。
「何、どうした?」
手を伸ばし頭を撫でれば腕に増々力が籠る。
「今日の騎士様は随分甘えん坊さんだな?」
彼は顔を上げ戯れるように頬に口付ける。
「…もっと甘やかせてやろうか」
言えば、彼が俺をそっと押し倒した。
【頬に朱を差す】
王の肌は色が透けるように白い。白銀の世界では尚更だ。蒼い髪と金色の瞳が一際映えるがあまりにも儚く美しく、今にも消えてしまいそうな程の透明さ。
「王」
「何…んむ」
頬を捕えて口付けを落す。
「…よし」
「ん…っな、何?」
透明な頬に桃色が差す。
その肌を捕え染められるのは俺だけしか居ないのだ。
【振り向いてほしい】
飽きなく贈られる沢山の愛の言葉と口付けに蕩ける。長い指が髪を梳き、唇が触れ、柔らかな声色で囁かれる度に心が揺れる。
「我が王…愛しています。貴方か応えてくれるまで、俺は諦めません」
俺を射抜き告白する。
「…うん、頑張って」
本当は応えたい。
だがそうすれば、俺は世界よりお前を選ぶだろう。
【閉じ込めてしまいたい】
※四肢欠損、微グロ注意
※メリーバッドエンド
《フィン》
逃げてしまわないよう両の手脚を斬り落し絶命しないよう回復を施し誰もわからない場所に大切に仕舞い込んだ。
純白の褥の上に横たわる躰を抱き起こす。
「おはよう。今日も綺麗だな」
「…」
俺の手がなければ躰を起こすことも出来ない。
そうしたのは俺。頼れるのは俺だけ。
貴方が愛する騎士の、俺だけだ。
《主人公》
四肢の痛みは感じなくなった。切り落とされた時に喉が潰れる程叫んだから、もう声が出ない。俺の躰を優しく抱き上げる彼の腕がなければ一人では生きていけない。
「愛している」と彼は言う。
俺は幸福だ。愛しい彼と共に在れるのだから。
「…」
ただ悲しい事は、お前に愛を伝えて抱き締めてやれない事だ。