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    ao_lake

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    ao_lake

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    半ロナワンライ「窓」
    ロナルド君の事務所の窓の修理に来たモブ業者がうっかりちゅーしてる半ロナを見てしまう話

    #ワンライ
    oneLai
    #半ロナ
    half-lona

    半ロナワンライ「窓」ロナルドさんの事務所は、新横浜に店を構えるうちの工務店のお得意様だ。
    特に多いのは窓ガラスの破損……というか、今までほとんどの依頼が窓の修理だった。
    ロナルドさんほどの退治人になると吸血鬼に狙われることもあるだろうし、応戦して窓が割れてしまうこともあるのだろう。ロナ戦みたいに。
    退治人は地域密着型の職業だから支払いを渋ることもないし、店に下等吸血鬼が出たときも退治に来てくれるから良いお客様だと社長も言っていた。

    事務所に一歩足を踏み入れると、いつも修理している正面の窓は予想に反して無事だった。
    「今日は居住スペースの方でして…」
    ロナルドさんは申し訳なさそうな笑顔を浮かべながら、居住スペースへ続くドアを開けてくれた。
    右手に見える窓のガラスは無残にも粉々に破れているが、見たところ幸いにも窓枠は無事のようだ。
    靴を脱いでお邪魔しようとしたところで、窓に目を奪われていたせいでなにかにつまずいてしまった。
    足元を見ると、真っ黒な棺桶。
    葬儀場で見る白木の日本式のやつではなくて、六角形の西洋のやつだ。お化け屋敷でも見たことがあるか分からないクラシカルな棺桶。
    いやいや、こんなものくらいで驚いていたら吸血鬼のホットスポットといわれるこの新横浜ではやっていけない…!とは思いつつ、やはり少し不気味だ。昼間だから中身入りだろうな…と思うとなおさらに。
    「すみません!今片づけますんで!」
    ロナルドさんは棺桶を軽々と持ち上げて運んでいく。漆黒の棺桶は何事もなかったようにキッチンの床に片付けられた。
    「俺は事務所にいるんで、なにかあったら呼んでください!」
    なにやら忙しそうに事務所に戻っていくロナルドさんの背中を見送って、作業開始だ。
    新しい交換用ガラスを搬入し、無事だった窓枠を外して、いつも通りにガラス交換を済ませる。
    ひと仕事終えた充実感に大きく伸びをすると、すっかり新しくなった窓の透明なガラスの向こうに新横浜の青い空が見えた。

    作業終了を告げるために靴を履きながら事務所へ続くドアに手をかける。
    靴を履き終えて足元から視線を上げると、目に映ったのは驚きの光景だった。

    机に腰掛けたロナルドさんが、キスをしていた。
    相手は白と青の制服を着ている。街で見かける警察官――吸対の白い制服だ。
    互いの頭と背中に手をまわして、抱き合うようにして夢中でキスを交わしている。
    開け放たれた窓から差し込む太陽の光に照らされた二人の青年は信じられないほど美しくて、映画のワンシーンのようだった。

    吸対の銀色のバッジと男の指の間を流れる銀髪がキラキラと光って見えて、そのまぶしさに目を細める。
    と、同時にあまりに綺麗な光景に一時停止していた脳がようやく動き出し、状況を認識し始める。
    ロナルドさんと吸対制服の男がキスしてる!?
    しかもしっかり抱き合ってるし!?
    二人とも顔がいいから映画みたいだけど、昼間からこんな濃厚なラブシーン流していいのかよ!?
    もしかして、これってスクープ!?熱愛発覚ってやつ!?週バンに投稿したらいい!?
    いやいやお得意様にそんなことしたら社長からなんて言われるか……そんなクビだけは勘弁してください〜!
    一人でパニックになりかけている間に、手に持っていたスマホが床へと音を立てて落ちた。
    二人分の視線を一気に浴びて、冷や汗がドッと吹き出す。
    「あっ…す、すみません!なにも見てないです!!!!」
    「「ゔ……!!!!」覚えてろ!!!ロナルドォ!!!!」
    目の前の二人の絶望的な絶叫が耳をつん裂き、窓ガラスが割れる音が響く。なぜか吸対の男が窓をブチ破ったのだ。
    なにが起こっているのか分からず呆然と立ち尽くすしかできない自分に、ロナルドさんはすっかりガラスのなくなった窓を指差して言った。
    「あの……こっちの窓も修理頼めますか?」
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    related works

    岩藤美流

    DONEアズイデワンライ第21回お題「お菓子」お借りしました!
    なんかキャンディキスの話を書こうかなと思って、詳細を調べようとしたらマシュマロをちゅっちゅするとそれっぽい感じがするという記事が出てきたので、これアズイデちゃんでやってたらかわいいなあ、と思って書いてみました。
    なお全く描写してませんが、アズールもめえっちゃ練習はしてます。努力の君だもんね。
    イデアはオルトがスリープモードに入ったことを確認すると、いそいそと机の引き出しに隠していた紙袋を取り出した。中に入っているのは、マシュマロとチョコレート、それにキャンディだ。なんのやましいところもないお菓子……なのだが。イデアはそれをこそこそとベッドの上に並べて、溜息を吐き出した。
     そう、これらはイデアにとっては、恥ずかしい品物……つまり、彼はキスの練習をしようとしているのだった。


     経緯を簡単に説明すると、イデアは部活の後輩アズールとお付き合いをする関係になった。アズールが了承してくれたのは奇跡だと思っているし、未だに彼が自分のことを本当に恋愛対象として見ているかどうかは怪しいのだけれど、とにかく、関係は築けたのだ。これまで、部屋デートのようなことや、スキンシップは繰り返してきた。次は、キスだ。年上であるからして、こういうことはイデアがリードするべきだろう、と思っている。しかし、やり方を全然知らない。
     そこで頼ったのがネットの知恵だ。キスをするにはまず清潔感、そしてムード、ダメ押しにテクニック。イデアは熱心に記事を読み漁って、念入りに歯磨きをするようになり、練習に踏み出そうと 2823

    れんこん

    DONE第二回ベスティ♡ワンライ
    カプ無しベスティ小話
    お題「同級生」
    「はぁ……。」
    「んんん? DJどうしたの?なんだかお疲れじゃない?」

    いつもの談話室でいつも以上に気怠そうにしている色男と出会う。その装いは私服で、この深夜帯……多分つい先ほどまで遊び歩いていたんだろう。その点を揶揄うように指摘すると、自分も同じようなもんでしょ、とため息をつかれて、さすがベスティ!とお決まりのような合言葉を返す。
    今日は情報収集は少し早めに切り上げて帰ってきたつもりが、日付の変わる頃になってしまった。
    別に目の前のベスティと同じ時間帯に鉢合わせるように狙ったつもりは特に無かったけれど、こういう風にタイミングがかち合うのは実は結構昔からのこと。

    「うわ、なんだかお酒くさい?」
    「……やっぱり解る?目の前で女の子達が喧嘩しちゃって……。」
    「それでお酒ひっかけられちゃったの?災難だったネ〜。」

    本当に。迷惑だよね、なんて心底面倒そうに言う男は、実は自分がそのもっともな元凶になる行動や発言をしてしまっているというのに気づいてるのかいないのか。気怠げな風でいて、いつ見ても端正なその容姿と思わせぶりな態度はいつだって人を惹きつけてしまう。
    どうも、愚痴のようにこぼされる 2767

    岩藤美流

    DONEアズイデワンライ「カップ」
    前回の「誕生日」の前、アズール視点の話。バグったアズールが双子に相談しているだけの話です。
    「おまえたち。イデアさんへの誕生日プレゼントに何を贈ればいいと思いますか」
     アズール・アーシェングロットがソファに腕組みをしたまま腰かけ、そう尋ねて来たのは11月18日の夜であった。テーブルの上には会計書や誓約書が束になっており、それを整理していたジェイドと、ソファに靴を履いたまま転がっていたフロイドがアズールを見る。
    「おまえたちの考えを聞かせてもらいましょう」
    「えー、なんでオレたちがアズールのプレゼントを考えなきゃいけねえの」
    「僕たちより、あなたのほうがイデアさんのことは詳しいでしょう?」
     リーチ兄弟の言葉に、アズールは「ふぅ」と溜息を吐いた。
    「いいですか? 僕とイデアさんの関係については、二人共理解していますよね」
    「恋人同士、ということですね」
    「そんな身内のプライベートなこと、オレ、首つっこみたくねぇんだけど」
     フロイドが嫌そうな表情を浮かべている。ジェイドも「できれば先に会計書を処理したいのですが」と顔に書いてあったけれど、アズールは無視して続けた。
    「そんな僕が、イデアさんへのプレゼントに失敗したとしましょう。どうなると思います? ああ、僕はショックのあまり会 2934

    岩藤美流

    DONEアズイデワンライ「誕生日」
    いつものハードプレイしている時空のあまあま誕生日。ノーマルなえっちをしたことがない二人にとっては特別なのは普通のことでしたとさ。
    『18日、金曜日ですよね。生憎モストロ・ラウンジの仕事も年の瀬を控えて忙しいので。当日はお伺いはできませんが、祝福しますよ、イデアさん』
     大切な後輩兼友人かつ恋人であるアズールが、いつも通りの営業スマイルでそう言ったのは先週のことだ。イデアは自室で一人、高級そうで繊細なティーカップを眺めている。青を基調とした優雅なそれは、確かにイグニハイドや、イデアの髪に近い色をしていたし、美しいとは思う。けれど、この汚部屋にリーチのかかったオタク部屋には不似合いだ。
     今日は日付変更からゲーム仲間にお祝いされテンションが上がったものの、この学園でバースデーボーイが晒し者になるのだということに気付いて憂鬱になりながら部屋を出た。顔も知らない寮生達にお祝いの言葉をかけられるのは、通りすがりに雪玉でもぶつけられているような気分で、イデアはとても気分が落ち着かなかった。
     購買に行く道、できるだけ人のいないところを……と、裏道を通っていると、ばったりとアズールに出会った。いやもうそれは、教科書に載せたいほど偶然に、ばったりと。
    『ああ、イデアさん。こんなところで会うなんて偶然ですね。そういえば今日、あなた 2794

    岩藤美流

    DONEワンライお題「かわいい」です。
    何がかわいいって二人の関係ってことにしようと思ったんですけど、あずにゃんが「かわいい」って言いすぎていでぴが慣れて信じてくれない、みたいな設定でいこうかな、だけ考えて書きました。どっちかっていうと「火」とか「恋」のほうが主題に見える気もします。相思相愛です。


     あれは随分前のことだ。といっても、数か月程度のことだけれども。
    「イデアさんって、かわいいところがありますよね」
     何がきっかけだったか、部活の最中にひとしきり笑った後で、アズールはそうポツリと漏らしてしまった。気が緩んでいたのだ。口から零れ落ちた本音は、もう取り消せない。見れば、ポカンとした顔のイデアがこちらを見つめている。
     まずい。
     一瞬でアズールは、それまでの本気で笑っていた表情をいつもの営業スマイルへと切り替えた。
    「本当に、かわいい人だ」
     繰り返すことで、言葉に含まれた真実を、嘘で上塗りする。我ながら咄嗟の判断でよくできたと思う。思惑通り、イデアは顔をしかめて、「そーいう煽り、キツいっすわ」と溜息を吐いた。よかった。本音だとは思われなかったようだ。アズールはイデアに気付かれないように、そっと胸をなでおろした。



     陸の事はよく勉強したから知っている。人間は、一般に同性同士や親族間で番にはならない。今でこそ理解の必要性が問われ、寛容な社会の形成が始まっているとは言うけれど、それでも一般的なことではないのだ。多種多様な生態を持ち、性的タブーの形が全く異なる人魚の 3062

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    れんこん

    DONE第二回ベスティ♡ワンライ用
    フェイビリ/ビリフェイ
    お題「HELIOS∞CHANNEL」
    何度も何度も震えるスマホ、画面も何度も光って、最早充電も尽きかけてしまっている。
    鳴り止まなくなって電源ごと落としてしまうのも日常茶飯事ではあるけれど、今回は規模が違う。
    ……今朝おチビちゃんが撮ってエリチャンにアップロードした写真がバズっている。
    その写真は新しく4人の体制となったウエストセクターで撮ったもので……それだけでも話題性があるのは確かだけれど、それよりもっとややこしいことでバズってしまった。

    『フェイスくん、この首の赤いのどうしたの!?』
    『これってキスマーク……。』
    『本当に!?どこの女がこんなこと、』

    「はぁ〜……。」

    止まらない文字の洪水に、思わず元凶である自分の首を撫でさする。
    タグ付けをされたことによる拡散の通知に混じって、彼女たちからの講義の連絡も合わさって、スマホは混乱するようにひっきりなしに泣き喚いてる。
    いつもはなるべく気をつけているからこんなこと滅多にない。……ただ、昨夜共に過ごした女の子とはまだ出会ったばかり……信じて寝入っている間にやられてしまったらしい。
    今日はタワーから出るつもりがないから別にそのマークを晒していてもわざわざ突っ込んでくる 2313

    h‘|ッЛ

    DONE #しん風版深夜の60分一本勝負
    お題「放課後」

    遅刻!ワンライ+20分!

    何度書いてもくっつく話は良いよねぇ...
    しん風しか勝たん...マジで...

    ※誤字に気づいて途中修正入るかもかもです。

    ⚠️アテンション
    高校生未来パロ。
    同じ学校通ってる。
    最初付き合ってない。

    3 2 1 どぞ
    しん風ワンライ『放課後の告白』

    ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

    西陽の射す窓。教室から溢れ出る紅に染る廊下。笑い声や掛け声が重なり心地よく耳を掠めていく。
    一般生徒の最終下校のチャイムまであとわずか。

    委員会の集まりが長引き、担当教員に頼まれて資料室に資料を置きに行った。ついでに整理まで行った所までは予定通りだった。そこから更に社会科教師に捕まり、今日提出だった課題を社会科教室前の箱から持ってくることを頼まれ、更にそれを名簿に纏めあげた。あろうことか最後に教頭に捕まって長話に付き合わされてしまった。

    今日もしんのすけと帰る予定だった。社会科教師に捕まった時点でしんのすけには先に帰っていいと連絡した。本当はしんのすけと帰れたのに。きっとしんのすけはモテるから、そこらのJKに絡まれて流されて一緒に帰ってしまったんだろう。

    アイツの隣は僕のものなのに――

    鞄は教室に置いてきた。しんのすけとは教室で待ち合わせていた。明日アイツに彼女が出来てたら、僕はどんな顔をするだろう。泣くか怒るかそれとも笑うか。こんな思いをするなら先に帰っていいなんて言わなきゃ良かったんだ。僕の心はなんて狭く 2725

    r0und94

    INFO【アンソロ寄稿のお知らせ(サンプル付)】
    2022/12/11 半ロナオンリーにて半ロナ学生アンソロジー「放課後の運命論」に参加させていただきました!
    ◯は夏を担当させていただいております〜。高1の頃のまだ距離感が掴めきれてない半ロナだよ! 全年齢で初々しい感じの二人だよ!!
    よろしくお願いいたします〜
    おれたちの夏はこれからだ!!(冒頭サンプル)「お前らはもう高校生になったんだから分かってるだろうが、休み中は羽目を外しすぎるなよー。ああそれと、期末で補習になった奴は特別課題を出すから職員室に各自取りに行くように」
     今日はここまで、と担任が話を切り上げたのを合図に教室から一斉に同級生たちが引き上げていく。明日からの予定について騒ぎ立てる声は、一夏を謳歌する蝉時雨にどこか似ていた。
    (どいつもこいつも、何でこんなに夏が好きなんだ?)
     級友たちがはしゃぎ回るのを、半田は窓際の席に座ったまま他人事の様に眺めていた。
     昔から夏は得意になれない。体質のせいで日に焼けると肌が火傷したみたいに痛むし、夏場の剣道の稽古は道着のせいで軽い地獄だ。それに、夜が短くなるせいで母と過ごす時間が少なくなってしまう。嫌いとまでは言わないが、好きになれる要素が少ないからどうしても気が重たくなる季節だ。
    2601