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    pk_3630

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    pk_3630

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    メイドの日記念
    現代AUの同棲してる曦澄
    かっこいい、美しい、可愛い江澄はいません
    何でも許せる方用でございます

    メイドの日恋人は腹を押さえて床に突っ伏していた。
    曦臣が何かしかけたわけではない。むしろ、自分は被害者だ。

    繁忙期を脱し同僚達と飲みに行った江澄は非常に機嫌がよかった。酒が入れば入るほど気分は上がっていき、最後のほうは箸が転がっても爆笑するようなあり様だった。
    明日も仕事があるため、そこそこの時間で切り上げることになり華やかな繁華街を一人歩く。気持ち良く酔っている頭にふと自宅にいる曦臣のことが思い浮かんだ。
    (曦臣に何か土産でも買ってくか)
    コンビニで気になっていたスイーツやらアイスやらを買い、駅に向かって歩いているとある店が目に入った。
    この時の江澄は酒が入っており、正常な思考は麻痺していた。にやりとした笑みを浮かべ、店に入っていく。

    「ただいまー」
    「おかえりなさい、早かったね」
    「明日仕事だからな。ほいっ。」
    「あっ、このカップケーキ美味しそう。ありがとう阿澄。」
    「アイスもあるから冷凍庫に入れといてくれ。シャワー浴びてくるわ。」
    「じゃあ、お茶の準備をしとくね。」
    風呂から出ると曦臣がちょうどいいタイミングでお茶を用意してくれていた。
    普通ならお茶をして、恋人とゆったりとした時間を共有する雰囲気だ。
    しかし、この時の江澄はいまだ頭が酒に支配されており、重ね重ねになるが正常ではなかった。
    「もう一つ土産がある。曦臣に似合うと思って買ってきた。」
    「おや、嬉しいね。」
    「喜んでくれるか?」
    「阿澄がくれるものなら何でも嬉しいよ。」
    曦臣の言葉に嘘はなかった。しかし、わずか数分後に己の認識を改めないといけなくなる。
    「これ、着てくれ」
    紙袋を渡されリビングの隣の寝室に押し込められた。
    「ちゃんと着て出てこいよ。そうじゃなきゃ、週末好きにさせてやらないからな!」

    そして15分程経っただろうか。やきもきした江澄が寝室に突入しようとした時である。
    ギィッと扉が開き、恥じらった様子で曦臣が出てきた。
    「ギャハハハハッ!曦臣!いいなっ!」
    メイド服を着た曦臣を見て、江澄は大声で笑った。
    「阿澄…どうしたのこれ」
    曦臣はげんなりした声を出す。
    「今日はメイドの日らしいからな!飲み会帰りに買ったんだ!もっと近くで見せてくれ!」
    スカートを捲ったり、ぱつぱつの胸筋部分の布地を引っ張ったりと江澄はやりたい放題だ。
    恋人が外でアルハラやらパワハラやらをしていないかと、曦臣は遠い目をした。
    「おい、曦臣!メイドなんだから茶を入れてくれ!」
    間違いなくパワハラはしているだろうなと曦臣はより虚ろな目になった。
    アラサーの男(180センチ越え、筋肉質)がはちきれんばかりのメイド服を纏い茶を入れる。
    思考が酒の奴隷となった江澄はさらに「ご主人様って言ってアイス食わせろ!」と要求を重ねていく。
    いつも余裕さと優雅さを忘れない恋人が恥じらってお世辞にも似合わないメイド姿を晒していることで、江澄は調子にのりにのった。
    アイスをのせたスプーンを口に運ぶ間もスカートの中に手を入れたりと暴挙の限りを尽くそうとする。
    「阿澄!酔っ払いすぎだよ!明日も仕事でしょ!」
    流石に曦臣も注意したが、江澄は悪ふざけをやめない。
    「阿澄じゃなくてご主人様だろ!あー明日仕事かぁ。曦臣が『ご主人様頑張って』って言ったらちゃんと寝て明日も頑張れるわ。」
    曦臣は早く酔っ払った恋人を寝かせたかった。
    そのため、健気にも眉根を寄せて意を決したのだ。
    「ご…ご主人様…、明日も頑張って」
    恥をかなぐり捨て懸命にご主人様と言った。
    江澄は一瞬キョトンとしたが、一拍開けると腹を押さえて床に突っ伏し爆笑した。
    「ハハハハハッ!いい!いいな!はっ、腹が痛いぃっ!ハハハハッ!ひぃっ!」
    ヒイヒイと笑い転げる江澄を前にし、曦臣も変な空気にのまれていった。
    恥じらった顔は今やうっすらとした微笑みを浮かべている。いまだ笑い転げている江澄は不幸にしてそのことに気づかなかった。
    「おや、ご主人様。お腹が痛いなんて大変ですね。診てあげましょう。」
    江澄をラグの上で仰向けに縫いつける。
    「お腹の中まで、じっくりとね」

    翌朝、江澄は腰をさすりながら枯れた声で会社に電話した。
    「有休ください」
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    takami180

    PROGRESS長編曦澄13
    兄上、自覚に至る(捏造妖怪を含みます)
     姑蘇の秋は深まるのが早い。
     清談会から半月も経てば、もう色づいた葉が地面に積もる。
     藍曦臣は寒室から灰色の空を見上げた。
     彼の弟が言っていた通り、今年は寒くなるのが早かった。今にも雪が降りだしそうな空模様である。
     藍曦臣の手には文があった。十日も前に送られてきた江澄からの文である。
     まだ、返事を書けていない。
     以前は書きたいことがいくらでもあった。毎日、友に伝えたくなる発見があった。
     それが今や、書きたいことといえばひとつしかない。
     ――会いたい。
     顔が見たい。声が聞きたい。朔月に飛び乗ってしまいたくなる衝動が襲う。
     もしこの欲求をかなえたら、自分は次に何を願うだろう。
     彼が寒室に泊ったときを思い出す。あの朝、たしかに髪に触れたいと思った。そうして前髪に触れたのだ。
     許されるならば、額にも、まぶたにも、頬にも触れてみたい。
     もはや認めざるを得ないところまで来ていた。
     断じて、彼が言っていたような義弟の代わりではない。だが、友でもない。あり得ない。
     ため息が落ちる。
     何故、という疑念が渦を巻く。己の感情さえままならない未熟を、どのようにして他人に押し付け 1845

    sgm

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    TLで見かけて可愛くて思わずつぶやいたカフェ曦澄の出会い編。
     その日、藍曦臣がその店に入ったのは偶然だった。
     一休みしようと、行きつけの喫茶店に足を向けたが、残念ながら臨時休業だった。そう言えば前回訪れた際に、店主が豆の買い付けのためにしばらく店を休むと言っていたことを思い出す。それがちょうど今月だった。休みならばまっすぐ家路につけばよかったのだが、喉が乾いていたのと、気分的にカフェインを摂取したくて仕方がなかった。ならば、と喫茶店を探しながら大通りを歩いたが、めぼしい店が見つからず、あったのはチェーン系のコーヒーショップだった。
     藍曦臣が外でコーヒーを飲むのは常に、注文を受けてから豆を挽き、サイフォンで淹れてくれる店で、チェーン系のコーヒーショップは今まで一度たりとも入ったことがなかった。存在そのものは知識として知ってはいるが、気にしたことがなかったため、今日初めてこの場所に、コーヒーショップが存在する事を認識した。
     戸惑いながらも店に足を踏み入れる。席はいくつか空いていたが、席へと誘導する店員はおらず、オーダーから受け取りまでをセルフで行い自分で空いている席へと座るのだと、店内を一瞥して理解した。
     あまり混んでいる時間帯ではないのか 3066