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    ROM

    @94_ROM_12
    稲妻の目金君関連のみ

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    メガネハッカーズの会話文のみを詰め合わせたまとめ。自分の中のメガネハッカーズの説明書の役割も兼ねているかもしれない

    #メガネハッカーズ
    glassesHackers
    #CP無し
    noCp

    メガネハッカーズ会話文「僕はエロゲーを楽しむ才能がないのかもしれません……」

    ゲームセンターの奥にあるメガネハッカーズのアジトにて。リーダー格である目金欠流はパソコンの前で項垂れ、絶望した表情で馬鹿げた悩みを呟いた。その悩みをしっかりと耳にした漫画萌は、愉快な出来事の前触れに口元に弧を描く。

    「愉快な独り言だね。詳しく聞かせてくれないかい?」
    「漫画君、いえ萌先生。僕の悩みを聞いてくれますか?」
    「ああ、勿論。君が馬鹿げた理由で悩んでいる時ほど面白いものはないからね」

    ウキウキとした様子を隠す事なく答える萌に対し「馬鹿げたとは失礼な、こっちは真剣なんですよ」と不満げに口元を尖らせる目金。だがその表情はすぐ深刻なものに変わり萌へ問いを投げる。

    「……萌先生は成人してから何本エロゲーをプレイしましたか?」
    「ふっ、目金君。君は今まで食べたパンの枚数を覚えているかい?」
    「流石萌先生。それに比べ、僕は決して多くのエロゲーをプレイしていません」
    「意外だね。高校生の頃は過去の名作も遊び尽くすって意気込んでいたじゃないか」

    萌が記憶する限り、未成年だった頃の目金は『XP時代の名作も網羅して見せます!』と声高らかに宣言し、秋葉名戸サッカー部員達から拍手喝采を浴びていた筈だ。

    「……僕もそのつもりでした。ですが、あるゲームをプレイした時に思ってしまったのです。『このゲーム、本当に18禁描写は必要なのか?』と。主人公とヒロインの美しい関係性を表す描写は、何も濡れ場でなくとも良いのではないか。……そう考えてしまったのです」
    「そういうことか……」

    その作品を深く愛するあまりエロ描写を余分に感じるという話は決して珍しいものではない。目金もその作品に敬意を払っているからこそそのような悩みに至ったのだろうと萌は納得する。

    「君の言う通り、ストーリーが素晴らしいからこそ濡れ場が不必要に感じる作品も存在する。だけど、シナリオの良さもエロゲーを評価する際に重要視されるポイントなんだから、君の感性は決して間違ってはいないと思うよ」
    「ですが!エロゲーというジャンルである以上、その素晴らしいストーリーや演出は濡れ場を引き立たせるための、いわば前菜と呼ぶべきものです。それなのに、一番重要視すべきメインディッシュの存在を不要に感じてしまうなんて……。やはり僕は、エロゲーを楽しむ才を持ち合わせていないのでしょう。エロゲー界隈にとって、僕は招かれざる客だったみたいですね」
    「目金君……」


    「ゲームを楽しむのに才能など必要ない!!!」


    「うわあっ!?芸夢君、いたんですか」

    突如現れた芸夢好武に目金は驚きの声を上げ、萌は突然のことに声を上げることも出来ず、目をパチパチと瞬かせる。

    「目金。お前、本気でゲームを楽しむのに才能がいると思っているのか」
    「え?ええ、まあ。現に今僕は、エロゲーを楽しむ才能がないことを痛感していますし」
    「馬鹿野郎!!!」
    「ひいっ。一々大きな声を出さないでください!」
    「芸夢、いつにもまして変なスイッチ入っているね」

    いきなり大声を出す芸夢に目金は怯え、萌はまた旧友の奇行が始まったと静観の構えを取る。

    「ゲームを上手くなるにはそれなりの才能と時間が必要になるだろう。だが!ゲームを楽しむだけなら才能など必要ない!ゲームを遊ぶ上で重要なのはそのゲームを愛する事。ただそれだけだ!!!」
    「へえ。流石、ゲームに関する事だとまともなことを言うね。どうだい目金君、彼の言葉は響いたかい?」
    「…………」
    「目金君?」

    愛と熱意に溢れた演説に萌は素直に称賛の言葉を贈る。その言葉を投げかけられた張本人は、沈黙の後、徐々に表情を明るくする。

    「__ゲームを愛する事。ゲームを遊ぶ上で最も重要なことであり、基本中の基本でもある。それを忘れ、やれ濡れ場の必要性が見いだせないだの、才能がないだの。……僕が愚かでした。芸夢君、君の言う通りです。ゲームを楽しむうえで大事なのは才能なんかじゃありません、愛する心です!」
    「おお!その意気だ目金!エロゲーだけじゃない。作り手が丹精込めて制作したゲームはどんなものであろうと愛すべき要素をはらんでいる。全てのゲームを愛していけ!」
    「はい!」
    「……ところで。話は変わるが、あのP-GXを生産した会社から横スクロール式アクションのアーケードゲームが販売されるんだが」
    「え?」

    突如始まった雑な購入交渉に萌はつい声を上げる。明らかに流れがおかしいと冷静な者なら分かる杜撰な交渉だが、今対話に応じているのは熱に浮かされきった目金である。

    「導入しましょう!20年前にゲーム機産業で大赤字を叩き出した会社が再びゲーム産業に帰ってきたのです。最高のゲーム愛を見せてくれることでしょう!」
    「よし!その言葉取り消すなよ!そうと決まれば契約の準備だ。行くぞ目金!」
    「ええ、行きましょう!」



    「……芸夢のやつ、珍しく目金君の相談事に首を突っ込んできたと思ったらそういう事だったのか。赤字確定の筐体を購入させるなんて、彼もやるなあ。……ふふ、目金君が正気に戻ったら、面白い展開になりそうだね」

    萌は言う間もなく訪れるであろうドタバタ劇に胸を躍らせ、1人残されたアジトの中で鼻歌を歌うのであった。







    以下おまけSSS


    「えええ!?あの○○先生の新刊が3年ぶりに発売!?忘れずに絶対入手しなければ。って、××先生の読み切りが今月号に掲載ですって!?ふふふ、これは忙しくなりそうですね……」
    「…………」
    「おや漫画君。どうかしましたか?」
    「……君って本当に漫画が好きだよね」
    「漫画だけではありません!アニメ、ラノベ、その他様々な媒体で展開されているコンテンツ、その全てを僕は愛しており」
    「あー、うん。そうだね。君はどんなコンテンツであろうと偏見なく熱意を持って作品を愛するオタクの鑑だ。……ねえ、目金君」
    「何ですか?」
    「もし僕が、新作の読み切り書くって言ったらどうする?」
    「__え、萌先生の新作が読めるんですか⁉︎⁉︎4年前にシルキー・ナナの続編を書き終えて以来、創作活動をしていなかった漫画萌先生の新作が読めるなんて……!ジャンルは?やはり萌え漫画ですか?それとも別ジャンルに挑戦……。あ、掲載する媒体は何です?SNSですか?それともどこかの出版社を通して?」
    「……うん。満足しちゃったから新作はまた今度かな」
    「何で?!」


    [たまには漫画家として尊敬されたい萌先生]



    「目金、俺は旅に出ようと思う」
    「ほう、旅ですか。それは一体何故?」
    「ここ最近の俺はハッカー業やゲーム制作を主体にしすぎた!今のゲーム界隈に追いつけているつもりだったが、日々更新されていく新技やバグ技の情報を拾い切れず対人ゲームで負け越しているのが事実だ。挙げ句の果てに、雷門中の子供たちに得意の格ゲーで負ける始末……くっ、情けねえ」
    「天馬君、ガチャガチャプレイで隠しコマンドの即死技決めてましたもんね」
    「そんな自分を改めるために、俺は自分自身を見つめ直さねばならない!止めてくれるなよ目金」
    「ええ、別に君が修行に行くのを止めはしませんよ。今のところ立て込んだ業務はありませんしね。
    ……ところで、君が『このゲームは絶対に流行る』と言って僕らの忠告を無視し大量に仕入れた筐体が他に類を見ない大赤字なのですが、これについてどうお考えで。……ちょっと、まだ話は終わっていませんよ。芸夢君、こらっ!」


    [年に一度高跳びを試みる芸夢好武]



    「いやー、まさかフィギュアを予約し忘れたショックで倒れるなんて。流石の僕らでも驚いたね」
    「雷門中の生徒がフィギュアを持って来なければ、入院期間も長引いていただろうな」
    「本当だよ。御飯もろくに食べていなかったから、点滴栄養剤を投与されるのも時間の問題だっただろうね」
    「……なあ、まんがか」
    「何だい、ゲームき」
    「お前。あのフィギュアの予約期間がゲームの製作時期とぶつかること、分かっていたよな?」
    「……それがどうかしたかい?」
    「何でそれを目金に教えてやらなかったんだ」
    「だって、教えちゃったら勿体無いじゃないか。放っておいたら愉快なものが見られるって分かっているのに。事実、正規の手段ではもう手に入らないと分かった時の目金君のリアクションは最高だったからね!」
    「悪趣味だな」
    「そういう芸夢こそ、何で伝えなかったのさ」
    「俺はプリティレイナには全く興味がないからな。目金がそのせいで苦しもうとどうでもいい」
    「そっちも大概じゃないか」
    「お前よりましだ」
    「……あー、何だか目金君と喋りたくなってきちゃったや」
    「目金の愉快な様子を見たくなったの間違いだろ」
    「おんなじだろ?」
    「……お前、あいつに本気で怒られても知らないからな」
    「ハハハっ!」


    [愛すべき僕らのリーダー]
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    ROM

    REHABILI「嘘はまことになりえるか」https://poipiku.com/4531595/9469370.htmlの萌目の2/22ネタです。22日から二日経ちましたが勿体無い精神で上げました
    猫の日「……えっと、つまり。漫画君は猫耳姿の僕を見たいのですか?」
    「今日は2月22日だろう?猫の日に因んだイベント事をこう言う形で楽しむのも、恋人がいるものならではの体験だと思うよ」

    2/22。2という数字を猫の鳴き声と準えて猫の日と呼ばれているこの日。そのイベントに乗じてインターネット上では猫をモチーフとしたキャラクターや猫耳姿のキャラクターが描かれたイラストが数多く投稿されている。そして、猫耳を付けた自撮り写真が数多く投稿され、接客系のサービス業に勤めている女性達が猫耳姿になるのもこの日ならではの光景だろう。
    古のオタクを自負する萌にとって、猫耳とは萌えの象徴であり、身に付けたものの可愛さを最大限までに引き出すチートアイテムである。そんな最強の装備である猫耳を恋人にも身につけて欲しいと考えるのは自然な流れの筈だ。けれど、あくまでそれは普通の恋人同士ならの話。萌と目金の間に結ばれたこの関係は、あくまで友として萌と恋人のごっこ遊びに興じる目金と、目金に恋慕する萌という酷く歪な物であった。
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