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    かも🦆

    @mikamika__1111

    ビリグレ、フェイグレ中心。
    増えろ〜

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    かも🦆

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    月夜の杞憂(ビリグレ ?)

    夜中に不安になっちゃう🍬。🧁はほぼ寝てます。
    付き合ってない世界線なのでカプ要素は薄いですが、ビリグレの人間が書いております。
    短い、そして8章ネタバレ注意!

    #ビリグレ
    bigotry

    かちかち、という時計の針の音とグレイの静かな寝息が部屋を満たす。
    ビリーは目を瞑りながらそれを聞いていた。
    そして時折、ちらりと時計を見ては小さくため息をついた。
    その時刻は現在3時を指しており、普段ならとっくに夢の中であるため、なかなか眠れない事実にビリーは焦っていた。
    何より、その眠れない原因が分からないのだ。

    (早く寝ないとネ…)

    そう思うも、ただただ時間が過ぎていく一方。
    今日はヒーローとしての仕事は無いものの、グレイとリトルトーキョーへ行こうと約束していた。
    早く寝なければ寝不足で楽しめない。
    ビリーはそれを、友だちとの大切な時間を無駄にしてしまうことを懸念していたのだ。
    ふと、グレイの方へ目を遣ると少し大きめの体を丸めるようにして眠っている。
    その姿が何とも愛おしく、顔を見たくなったビリーはそっと立ち上がり、2人で買ったソファ越しのグレイのスペースへ入って行った。
    自分のために、と綺麗にされたそこにしゃがみこみ、グレイの顔をじっと眺める。
    その表情は普段よりも幾分穏やかで、見ているビリーの心もスっと穏やかになっていくのがわかった。
    そのままグレイを起こさないようにそっと頬を撫でると、少し高い体温が手を伝っていく。

    「温かい…」

    その事実にビリーは酷く安心した。
    同時に心のモヤモヤが少し晴れ、眠れない原因が分かった気がした。
    今度は少し布団を剥いで、グレイの胸元に顔を近付ける。

    トクン、トクン

    一定のリズムを刻むそれをしばらく聞き、また一言ぽつりと呟いた。

    「………動いてる」

    頬が少し濡れるのを感じたその時、グレイがモゾモゾと動きゆっくりと目を開けた。
    目の前にビリーが居て、更に涙を流していることにグレイは少し驚いた顔をしていたが、寝ぼけているのかいつものように慌ただしい反応は見せなかった。
    代わりに、ビリーの頭を抱え込むように優しく抱きしめた。

    「…どうしたの、ビリーくん…?」
    「ンー…ちょっとだけ、不安になっちゃったのかナ、」

    グレイの前ではゴーグルを外し、本心を伝えたいと思ったあの日から、なるべく嘘を吐かないようにしていた。
    だからビリーは正直に伝えた。
    何かしらの不安が心のモヤモヤになり、それが原因で寝付けなかったこと。
    そしてグレイに触れ、温かさや心音を聞いてそれが晴れたことを。
    ここまで伝えると、頭のいいグレイはその【不安】が何であったか気付くだろう。

    「大丈夫…僕はどこにも行かないよ……?それに生きてる」
    「……ウン」
    「ビリーくんのお父さんも、生きてる。これからも大丈夫……きっと。」
    「…えへへ、グレイは俺のことなんでも分かってくれるネ」
    「そ、そうかな…?でも、確かに意外と泣き虫なのは僕以外の子は知らなさそうだね……」
    「それ、グレイが言っちゃうノ〜?」

    こうやって素直に泣けるのはグレイの前だけだヨ、とは恥ずかしくて伝えられないまま少しだけ会話を交し、グレイのベッドで二人一緒に寝ることにした。
    リトルトーキョーへは昼過ぎに行こう、という約束もしたのでこれからたっぷり眠ることができるだろう。
    遊ぶのが楽しみで思わずニヤけそうになるが、それを抑えつつ、眠りにつく前にビリーは小さな声でこう伝えた。

    「……ありがとう」













    (それは、大切な存在が増えてしまったゆえの杞憂)
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    昨日の特別配信2部のネタバレ?あり。
    付き合ってるビリグレです。
    ちょっと可愛らしいお話にしてみました。
    短いです。
    ゲーム内のボスを倒し、グレイは「ふぅ」と一息ついた。
    しばらく同じ体勢だった体は凝り固まっていたので、それを解すように体を伸ばし、関節の骨をぽきぽき鳴らす。
    時計を見ると、日を跨ぎ時刻は1時を指していた。

    「明日は…朝からパトロールか、寝なきゃ…」

    以前、寝不足で体調を崩してからは睡眠時間の確保に気を使うようになった。
    とはいえ、今日は少し遅くなってしまったなとグレイは心の中で小さな反省をした。
    このままネガティブな気持ちになってしまうのも良くない、とルームメイトであり恋人でもあるオレンジ髪の彼によく言われているため、気持ちを切り替えて、その彼に一言声をかけてから寝よう、と隣の整理整頓された部屋をちらっと見てみる。
    すると、彼は既にベッドに横たわっていた。
    いつもはこの時間でも起きていて、いそいそと情報集めをしているのだが。

    (今日は疲れちゃったのかな…)

    実を言うと、グレイはあまり彼、もといビリーの寝顔を見たことがなかった。
    もしかしてこれ、チャンスなのでは?とグレイの心の中に興味心がうずうずと湧いてしまった。
    そうとなれば、意外にも行動は早かった。
    そっと、ビリーを起こさな 1368

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