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    Hoopono41030595

    @Hoopono41030595

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    Hoopono41030595

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    なんだか急に書きたくなってばばっと書きました。
    パライソのネタバレ注意です。
    エロはないけど事後です。
    特に考察はありません。そうだったらいいなってこと。

    【くわぶぜ】天草四郎と江【パライソネタバレあり】「そんでな、そのえもさんがな、あ、えもさんってのは本当はえもさくっていうんだけど、呼びにくいからさ、えもさんって呼んでたんだ……」

    薄暗い閨。
    豊前は、僕の右肩。ちょうどほくろのある位置に顔を埋め、すりすりとほおずりするようにしながらが嬉しそうに話をしている。
    だいぶ厳しい任務だったらしく、帰ってきてからしばらくは松井や浦島の様子がおかしいと、みんな言っていたから、僕もちょっとは心配になったのだけれど、そんな空気も数日で治まったみたいだった。

    どんな任務だったかはよく知らないし、ちゃんと聞こうと思ったこともないのだけれど……。
    今日の豊前はなんだか饒舌にそのことを語ってくれるみたいだ。

    「でもおかしいんだよ。」
    「何?」
    「鶴さんも、日向も浦島も……みんな天草四郎だって信じちゃうんだぜ?」
    「ふぅん……」
    「顔も違うし、声だって背の高さだって、それに来歴だって違う……。日向なんかいつの間にか豊臣の遺児にされちまうしさ……」
    クスクス笑う豊前を僕は右手でぎゅっと抱きしめる。さっきまでの熱が残りまだ体は暖かい。
    「みんながそれを信じたんだね。」
    「まあ、信じねーやつもいたけど。あらかた信じたな……。俺が最初にあった天草四郎はもっとこう……純真無垢な感じの好青年って感じだったし……まったく似てなかったよ……。」
    「日向に怒られるよ?」
    僕もつられるようにしてクスクス笑う。
    「そんな最初と顔が全然違う天草四郎がさ、しかも何人もいてもみんな信じちまうんだ、おもしれ―よなぁ。」

    「それは僕たちと同じじゃない。」
    「え?」
    キョトンと赤い瞳が僕をとらえる。
    僕はその瞼に優しくキスをして、小さくつぶやいた。
    「僕たちも同じ。誰かが江だって、名前を挙げてくれたから、僕たちは江になった。僕たちは本当に江なのか、それは今は誰にもわからないんだから。」
    「みんなが、俺たちを江だと認めてくれたから、江になったんだな。天草四郎と同じか……。」
    「そうだね。本物の江はもしかしたらもうすでに朽ち果ててしまっているかもしれないけど、僕たちを江と認めて、信じている人たちがいる限り、僕たちは江なんだよ。」
    「そう……だな。」
    熱が冷めてきたのか、豊前がぶるりと肩を震わせて僕にぎゅっとしがみつく。僕はその肩に薄いブランケットをかけてあげた。
    「それに俺は、もう本体もないわけだし、本物かどうか見分けることももうできねーのかな。」
    へらっと笑う豊前に無理やり唇を押し付ける。
    「40年くらい行方不明になったくらいで、なに感傷的になってんのさ。僕なんか200年くらい行方不明だったんだからね。」

    力いっぱい豊前を抱きしめる。
    その腕の中で豊前はぽつりとつぶやいた。
    「いつか、本物の江が見つかったら、俺たちはどうなるんだろうな……。」
    「バカなこと言わないで。さっき豊前が言ってたじゃない。鶴さんの言葉。真実なんてどうでもいい、大事なのは事実だって。」
    「俺たちは江じゃなかったっていう事実じゃないのか?」
    「違うよ、僕たちを江だと信じ、大事にしてくれた人たちがいたっていう事実だよ。」

    きっともし僕たちが江じゃなかったとしても、僕たちがこの時代に江と呼ばれていたという事実は残る。多分、それが僕たちの生きる証になる。

    だから

    「大事に生きなきゃね。」
    「そうだな。」

    今度は豊前から僕の唇に吸い付いてくる。
    ツンツンとつつくように唇を刺激される。

    「なぁに、もう一回したいの?」
    「……ダメか?」
    「ダメだよ。明日早いもん……。」
    「ちぇっ……じゃあ、明日の晩も予約入れとく……。」
    「了解~。」

    僕たちはそのまま、まるで溶け合うように眠りに落ちていった。
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    Hoopono41030595

    MOURNINGくわぶぜの日りたーんに合わせて書いていたのですが、「美しい悲劇」で全て吹き飛んだので、出しそびれた。
    キス魔の豊前くんと、キスするタイミングがわからない桑名くん。
    加減がわからず暴走する桑名くんが大好き。
    桑名江はキスがしたい【くわぶぜ】「おけーり、桑名。今日も畑楽しかったか?」
    ニコニコの笑顔で、豊前が両手を広げて胸に飛び込んでくる。
    僕はそれを、両手を広げて受け止める。
    「うん、いっぱい収穫したよぉ」
    僕が、豊前の身体を引き離すようにして声をかけると豊前は満面の笑顔で「そっか、よかったな」と言いながらその唇に優しくキスをした。


    これは大広間での出来事。


    夕食前のひととき、歓談するもの、テレビを見るものなどたくさんの刀剣男士たちが集う大広間での出来事だ。

    キスをする僕たちに、びっくりするもの。冷やかしの声を上げるもの。にこやかに微笑むものなどその反応はさまざまだが、豊前は、そんなことは全くお構いなしのようだった。

    まあ、僕も豊前のかいた胡坐の膝に、頭を乗せようとしているわけだし、僕たちが恋人同士だということを知らない男士はこの本丸にはいないわけだし、日常の後継だといわれればその通りなのだが……。
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    DOODLEラクガキ、になるんかな。これも
    診断メーカーで出た
    『おうせ本丸のくわぶぜのBL本のタイトルは「シーツの波間で待っている」で、帯のフレーズは【 身体だけでも愛して欲しかった 】です。』をちょっぴりと

    ぶぜの「存在感すごいのに、何だか希薄」という雰囲気やばい…
    目を覚ますと…背後から緩やかな寝息が聞こえて来た。
    「…………」
     そうだな。夜明けがくるにゃあまだ早い。
     ふわりとあくびをつきながら…俺はその場に起き上がる。
     腰に回っていた桑名の腕が、へたりと敷布の上に滑り落ちた。



     昨夜の事は全部覚えている。
     呑んで。酔って。

    「自分の事なのにさ、俺は自分が今…本当に在んのか。正直わかんねぇんだ」

     言葉が零れる。

    「確実なのは、俺という自覚を持つこの身体だけ。振るう本体だって…結局は主に与えられた仮初の器だから…」

     考える事すら億劫で…
     だけど気持ちかひどく逸る。

    「……布団敷いてくるから、少し休みなね?」

     ふわっと笑う桑名の声。
     いつものように優しくて……

    「大丈夫?立てるかい」
    「…………」
    「そんな風に見上げてくるだけじゃ、解んないよ」

     なぁ。この戦が終わって…
     俺たちが全て本霊のもとに帰るとして。
     だけど。
     もしも…俺の寄る辺が逸話だけであったのなら。

    「わり…確かに深酒しちまったみてぇだ」
    「うん」

     当たり前のように桑名が俺を抱き上げる。
     多分…立てないと判断してなのだろう。
     善意 1247

    Hoopono41030595

    DONE鶴田さん(@ayanenonoca)からのお題「くわぶぜ、お互いの弱いところ」をようやく書きました。遅くなってごめんなさい。

    バカなぶぜくんが性癖なので。このあと塩対応しながらくわわがめっちゃ甘やかしてくれると思います。
    「今日こそは教えてもらう!」
    「もう~、またなん?毎日しつこいなぁ。」

    部屋で横になりながら、本を読む桑名に豊前はドーンとその胸にダイブするように飛び込んだ。
    自然に桑名が受け止める。

    「そうだよ。教えてくれるまでは毎日聞く。」
    「だから、僕の弱点なんて、教えないってば。動物は弱点を知られたら死んじゃうんだよ。」
    「刀だからでーじょぶだよ。」
    そんなやり取りが続いていた。

    ◇◇◇

    桑名の弱点を知りたい。
    豊前がそんなことを言い始めたのはつい数日前のことだ。
    きっかけは何だったか覚えてはいない。
    なんだか、話の流れで「豊前には弱点が多いよねえ。」と桑名がつぶやいた。
    「俺に弱点が多い?」
    「そ、小さい虫は嫌いだし、ピーマンは食べられない。それに……。」
    桑名が豊前に背後からのしかかりおなかや脇をくすぐる。
    「やめろちゃ、こちょばい!」
    豊前は逃げようとするが、体に力が入らないのか上手く桑名の腕から逃れられない。
    「こしょぐられるのも弱いし……。」

    その言葉に豊前はむっと口を結んだ。
    「桑名には弱点はねーのかよ。」
    「どーかな、自分じゃよくわからないけど。」
    「よーっし、俺が弱点 1118

    Hoopono41030595

    DONEエアスケブじゃなくエアSSで頂いたお題「お酒を飲むウリブゼン君」です。
    いちゃいちゃじゃなくてごめんなさい。
    める(@mxexrxu)さんリクエストありがとうございました。

    #江楽宴
    俺は酒が飲めない。
    世の中には酒が強いやら弱いやらという体質による違いもあるが、俺のはそれとは根本的に違うようだ。アルコールアレルギーとかそんなかんじだろう。 
    アルコールを口から少しでも摂取すれば頭痛、嘔吐、呼吸器官に影響が出ることもある。アルコール消毒だって危険だ。不意に消毒液を手に吹き付けられて、真っ赤に腫れ上がったこともある。

    とにかく、酒はダメなのだ。
    こういう夜の仕事をしていて、これは結構なイメージダウンだ。必ず酒の席につき合わせる客もいるし、無理やり飲ませようとするヤツもいる。
    まあ、それで一度救急車で運ばれてからは、俺も断固として拒否するようになったのだが……。

    そして、ここにもひとり。その事情を知らないやつが。

    「ねえ、豊前。本当にお酒飲めないの?」
    桑名が、日本酒を片手に首をかしげている。
    「ああ、飲んだら死ぬぞ。」
    俺はにこやかに返すが決して比喩ではない。
    しかし、桑名はその返答に長い前髪の下で眉根を寄せた。
    どうやら、大学の友人から希少な日本酒を貰ったらしい。
    「豊前と一緒に飲みたかったのになぁ……。」
    「いーじゃねーか。飲めば。コーラで付き合ってやるよ。 1731