Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    Hoopono41030595

    @Hoopono41030595

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 98

    Hoopono41030595

    ☆quiet follow

    おおうぐ書きました。J隊パロです。
    潜水艦艦長の大包平2佐と副長(副艦長)鶯丸2佐です。
    いちゃいちゃはしませんでしたけど、深いところでつながる二人です。

    【おおうぐ】深海の音【J隊パロ】狭く薄暗い室内。複数の人間がいるとは思えないほどの、静かな空間に時折小さく電子音が響く。

    「前方11時の方角、確認中……」
    静かで穏やかな声に、数名の人間がそちらに意識を集中させた。

    深い海の底である。鶯丸は潜水艦のソーナールームでヘッドフォンから聞こえるわずかな音に集中していた。遠くから聞こえる海鳴りのような音にわずかに雑音が混じり、眼前のモニターに波形の乱れが生じる。

    (これは……クジラかな……)
    少しだけ緊張の糸をほどいたところに、キィっという耳障りな金属音が聞こえた。

    「やはりここにいたのか鶯丸。お前の持ち場はここじゃないだろう」
    扉があくと同時に、これまた穏やかな声が聞こえ、鶯丸はヘッドフォンをゆっくりと頭からはずした。
    「おや、大包平艦長直々のお迎えとは……ありがたいね」
    ソーナールームの扉によりかかるようにして立っていたのは、艦長の大包平である。
    「そろそろ、次の作戦行動に入るぞ。副長のお前はCICに戻れ」
    強い口調ではない。しかし、有無を言わさぬ説得力があった。鶯丸はよいしょっと椅子から立ち上がる。
    「そうは言うけれど……俺の能力はここでだいぶ重宝されているんだ。知ってるだろう」
    「ああ、聞いている。誰よりも……最新のパッシブソーナーよりも早く正確に目標を発見するんだそうだな。耳がいいんだな」
    「そう、それに俺はこの空間が気に入っている。CICのごちゃごちゃした雰囲気や、にぎやかなお前の声が入ってこないからな」

    ソーナールームはまるで深海そのものだ。光も届かず、わずかな音しか聞こえない。その部屋で副長の鶯丸は任務のないときは過ごすのが好きだった。

    「根暗な奴め……でもまあお前のソナーマンとしての能力が高いことはわかっている。だからこうして水測でもないのに自由にさせてやっているんだろう」
    ふんと、腕を組んで偉そうに語る大包平に鶯丸はふふふっと小さく笑った。
    「ああ、感謝しているさ」
    「じゃあ、すぐにCICに戻れよ。すぐに始めるからな」
    いうなり、静かに扉は締められた。耳障りな音もしない。


    「はぁ、心安らぐ時間も終わりか……席、ありがとう」
    軽く、水測長に声をかけると彼はにこりと微笑んだ。
    「こちらこそ、助かってます。それにしても、大包平艦長ってもっと大きな声を出す、にぎやかな人かと思ってました」
    「……ふふ、どうしてそう思うんだ?」
    「噂を……聞きまして」
    「噂……どれだろうか」
    防大時代の新入生スピーチで声が大きすぎてマイクが壊れた話だろうか。それとも、江田島時代に、意地悪をした先輩を大声だけで吹き飛ばした話だろうか。それとも、護衛艦との手旗信号が上手く伝わらなくて、大声を上げて伝えた話だろうか。
    (まあ、どれも噂を広めたのは俺なんだけども……)
    当時を思い出して、笑みがこぼれる。
    「まあ、彼の大きな声はライオンのたてがみと同じなんだ。敵から味方を護るための物で、普段必要なければ使われないのさ」
    「そうなんですか」
    「そう、だからこの艦の乗組員、例えば君がピンチに陥った時に彼は驚くほどの声を出すと思うよ。きっとこの潜水艦が破裂するくらいの……ね」
    その場面を想像して鶯丸はまた微笑む。
    「それに、潜水艦内で普段から大きな声を出していたら、迷惑でしかないだろう」
    特にソーナールームでは大声は厳禁だし、酸素を多く使うことだって禁止事項だ。
    「……確かにそうですね」
    「さて……大きな声を出されないうちに、行ってくるよ。またくる……」

    鶯丸がソーナールームの扉を開けると、その向こうから、さっきより少しだけ大きな「遅い!」という声が聞こえた。


    Tap to full screen .Repost is prohibited
    ❤❤❤🍵🍵🍵🍵❤💚
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    Hoopono41030595

    MOURNINGくわぶぜの日りたーんに合わせて書いていたのですが、「美しい悲劇」で全て吹き飛んだので、出しそびれた。
    キス魔の豊前くんと、キスするタイミングがわからない桑名くん。
    加減がわからず暴走する桑名くんが大好き。
    桑名江はキスがしたい【くわぶぜ】「おけーり、桑名。今日も畑楽しかったか?」
    ニコニコの笑顔で、豊前が両手を広げて胸に飛び込んでくる。
    僕はそれを、両手を広げて受け止める。
    「うん、いっぱい収穫したよぉ」
    僕が、豊前の身体を引き離すようにして声をかけると豊前は満面の笑顔で「そっか、よかったな」と言いながらその唇に優しくキスをした。


    これは大広間での出来事。


    夕食前のひととき、歓談するもの、テレビを見るものなどたくさんの刀剣男士たちが集う大広間での出来事だ。

    キスをする僕たちに、びっくりするもの。冷やかしの声を上げるもの。にこやかに微笑むものなどその反応はさまざまだが、豊前は、そんなことは全くお構いなしのようだった。

    まあ、僕も豊前のかいた胡坐の膝に、頭を乗せようとしているわけだし、僕たちが恋人同士だということを知らない男士はこの本丸にはいないわけだし、日常の後継だといわれればその通りなのだが……。
    2552

    recommended works

    Hoopono41030595

    DONE初音さん(@itsuki_40)より頂いたお題:くわぶぜの背中合わせ。

    戦闘の緊張感もまったりお部屋のくつろぎ時間も、背中越しにお互いの鼓動を感じていたらいいな。
    ぺたぺたと素足で廊下を歩く。
    何時間くらい寝ていたんだろうなぁ。大きく伸びをひとつ。
    体はすっかり元気になったが、ずっと寝ていたせいで、なまっているように感じる。
    廊下は薄暗く足元を照らす常夜灯が等間隔で小さく灯っている。
    朝にはまだ少し早いようだ。しかし、真夜中というわけでもない。
    「今、何時だろ。」
    豊前はそんなことをぼんやり考えながら自室へと向かった。

    部屋の障子を静かに開くと中には豊前と同室の桑名が、読んでいた本を置いて、静かに微笑んだ。
    布団は敷かれていない。

    「おかえりー。」
    「おー、お前の方が早かったのか。ところで今何時?」
    「今は、朝の5時。僕は6時間とちょっとだったから。豊前は7時間半だったかな。」

    そっか、結構な傷だったんだな。
    でも治ってよかったね。
    お互い重傷を食らって、手入れ部屋に直行したのが昨日の夜。
    手入れ時間を確認し合い、そして無事を確認し合う。

    「どうする?布団敷く?」
    桑名の提案に豊前が首を横に振る。
    「いや、いいよ。よく寝たし。ここがいい。」
    言いながら、腰を下ろしたのは本をもって胡坐をかいた桑名の背中側。
    その背中に自分の背中をくっつける 1327

    Hoopono41030595

    DONE鶴田さん(@ayanenonoca)からのお題「くわぶぜ、お互いの弱いところ」をようやく書きました。遅くなってごめんなさい。

    バカなぶぜくんが性癖なので。このあと塩対応しながらくわわがめっちゃ甘やかしてくれると思います。
    「今日こそは教えてもらう!」
    「もう~、またなん?毎日しつこいなぁ。」

    部屋で横になりながら、本を読む桑名に豊前はドーンとその胸にダイブするように飛び込んだ。
    自然に桑名が受け止める。

    「そうだよ。教えてくれるまでは毎日聞く。」
    「だから、僕の弱点なんて、教えないってば。動物は弱点を知られたら死んじゃうんだよ。」
    「刀だからでーじょぶだよ。」
    そんなやり取りが続いていた。

    ◇◇◇

    桑名の弱点を知りたい。
    豊前がそんなことを言い始めたのはつい数日前のことだ。
    きっかけは何だったか覚えてはいない。
    なんだか、話の流れで「豊前には弱点が多いよねえ。」と桑名がつぶやいた。
    「俺に弱点が多い?」
    「そ、小さい虫は嫌いだし、ピーマンは食べられない。それに……。」
    桑名が豊前に背後からのしかかりおなかや脇をくすぐる。
    「やめろちゃ、こちょばい!」
    豊前は逃げようとするが、体に力が入らないのか上手く桑名の腕から逃れられない。
    「こしょぐられるのも弱いし……。」

    その言葉に豊前はむっと口を結んだ。
    「桑名には弱点はねーのかよ。」
    「どーかな、自分じゃよくわからないけど。」
    「よーっし、俺が弱点 1118

    nanana

    DONE見えないものが見えるようになった🏍の話。
    まだくわぶぜ付き合ってはいない。
    ミュ本丸の話ではないですが、少しだけミュの設定お借りしてます。
    雨落つ庭(くわぶぜ)1.

     ゆめうつつで聞く雨音は鈍くどこか柔らかい。初夏の朝、ましてや雨降りの朝は少し肌寒く、豊前はつい先日薄手にした毛布をしっかりと被りなおす。明けたはずの梅雨が戻ってきた、最近の天気はそんな感じだ。もっとも、やろうと思えば審神者の力で季節さえも操れるこの本丸仮想空間では四季などそんなに意味もないのかもしれない。世の中には常春の本丸もあるという。絶えることなく桜花が降り続くというのに、いつまでたっても満開の桜が咲き続けるのは一種の狂気だ、と思ってしまうのは移り行く四季を愛するここの主に影響されたせいなのかもしれない。
     水分を含んだ空気が起き抜けの眠気を加速させる。どうせ今日は非番なのだこのままもう一度眠ってしまうのも良いかもしれない。人の身を得てからというもの、二度寝と言うものは非常に気持ちが良いものだと知ってしまったのだ。その気持ちよさと走り出したい気持ちを天秤にかけて前者を選んだ。雨で外には出られないのだし、今日はもうのんびり過ごそうと布団に体を完全に預けた。
    5032