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    社会人藍湛×学生魏嬰。🍫
    後ろを振り返らない書き殴りなので大変読みにくい。

    #忘羨
    WangXian

    藍湛には一回り年の離れた恋人がいる。彼は藍湛とは正反対でクルクルと変わる表情で藍湛を魅了して離さない。
    義弟がいると話すだけあって、大人びた考えを持っており、ふとしたとき大人顔負けの色気を醸し出しながら振る舞うこともある。
    しかし藍湛にだけは甘えるように擦り寄ってきて、「羨羨3歳だから」と少女漫画も裸足で逃げ出すような行為を求めてきたりする。
    しかしそれがいい。
    藍湛は年甲斐もなく、年下の恋人にぞっこんだった。魏嬰のお願いはどんなことでも聞き入れたし、我儘を言われた日には心の中で両手を上げて喜んだ。
    しかし、自分たちは一回りも年が離れている。いつ「やっぱり同年代の方がいいや。おっさんとか無理〜w」と振られてしまうか常に怯えていた。魏嬰からメッセージが来る度別れ話かと身構えたし、電話がかかってくるとやはり別れ話かと身構えた。決して嫌われないように会う時はいつも以上に身嗜みに気を使ったし、「藍湛臭い」と言われないように体臭には敏感になった。
    最も魏嬰は藍湛の体臭が大好きだったので、頻繁に抱きついては「いい匂い好き」と甘えてくれて、その度に藍湛を安堵させた。夜の営みも変態くさいと言われないように至ってノーマルプレイを心がけていたが、最近は性欲旺盛な年頃である魏嬰自身があれこれと新しいプレイを望むので、結局は変態くさいものになりつつある。
    閑話休題。
    年下の恋人しか見えていない藍湛は今、人生で1番浮かれていた。先程魏嬰から「来週の月曜日泊まりに行ってもいい?」とメッセージが届いたのだ。
    来週の月曜日といえば、俗世に疎い藍湛でも知っている。バレンタインデーだ。
    藍湛は何度もメッセージとカレンダーを見比べ、日にちが間違っていないことを確認する。合っている。間違いない。魏嬰は私にチョコをくれるのだ!藍湛はスマホの前でガッツポーズを取った。
    すると新しいメッセージが届く。
    「次の日休校だから、一日中一緒にいられるな」
    続けて投げキッスを送るよくわからないキャラクターのスタンプが送られてきた。正直このキャラクターのどこがいいのかさっぱりわからないが、魏嬰が使うととても愛らしいキャラクターに見えてくる。
    藍湛は急いでスケジュール帳を開き、月曜日と火曜日の予定を確認する。いける。特に予定は無い。あとは有給をもぎ取れば勝ちだ。
    「わかった。楽しみにしている」と返信して藍湛は翌日に備えた。何がなんでも休みを取らねばならない。火急の仕事が入れば金曜日までに必ず終わらせる。


    ◇◇



    藍湛は鬼のような形相で仕事を片し、恋人のいる社員たちがこぞって休みを希望する中、月火と休みをもぎ取った。
    勝った。
    周りは藍湛がこの為に必死に仕事を片していたのを知っていたので、金曜日の就業後は「良いバレンタインデーを」「恋人さんと楽しんでね」と送り出してくれた。
    土日の間に買い出しを済ませ、常に整理整頓された部屋を隅々まで掃除し直す。ベッドメイキングは完璧にし、ローションとゴムの補充も完璧だ。
    魏嬰が訪れるまでに彼の好物をたくさん拵え、さらにはバレンタインデーの贈り物としてチョコブラウニーを作った。あとは恋人がやって来るのを待つだけ。


    ◇◇



    藍湛が一息ついていると、インターホンが鳴った。続けて玄関の鍵が開く音がする。この家の合鍵を持つ人はただ1人。
    「らんじゃーん!」
    パタパタと足音を響かせ、愛しい恋人が胸の中へ飛び込んできた。
    「藍湛藍湛会いたかったー!やっとテスト終わったよー!藍湛褒めて!いっぱい甘やかして!」
    「うん」
    藍湛は魏嬰を力いっぱい抱きしめると、顔中にキスの雨を降らせた。猫のように擦り寄る恋人をめいっぱい甘やかした後、食事の並んだテーブルへと案内する。魏嬰は美味しい美味しいとにこにこ食べてくれるので、藍湛の表情も自然と緩んだ。
    食後にブラウニーを出すと、魏嬰はわっと喜んだ後、「兄ちゃん、食べさせて」と可愛らしくおねだりをしてきた。藍湛が雛鳥のように口を開ける年下の恋人のおねだりを聞かないわけがない。二人は思う存分イチャイチャしたあと、一緒に風呂に入り、夜の営みも大変盛り上がった。
    そして朝になった。早朝目覚めた藍湛はすやすやと腕の中で眠る恋人を蕩けた瞳で見つめる。可愛い。好き。そんな感情しか浮かばない。
    さて、そろそろ朝ごはんの支度をしなければ。温かい体温をぎゅっと抱きしめたあと、名残惜しげに離れてベッドから降りた藍湛は、はたと気がついた。チョコを貰ってない。
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