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    aymsyb94

    @aymsyb94

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    aymsyb94

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    @DR_60min
    #ドラロナワンドロワンライ一本勝負
    Δドラロナで、時間に巻き戻されちゃうΔ吸ロくんを絶対に幸せにするし、何度でも取り戻すハピエンΔドラロナ 先にupしたSSメーカーの続きです

    #ドラロナ
    drarona

    炭鉱のカナリアと不死の王は何度でも踊り明かす水底に沈んでいく、はらはらと儚く消えていくさくら、桜。
    泡沫になることも許されずに深い、ふかい深淵へと堕ちていく"きみ"を何度でもなんどでも掬い上げようとするのに、私の両手から零れ落ちた花弁は新しい世界へと、旅立ってしまった。
    ……ああ、

    また"始まり"の鐘が私を呼ぶ、あの子を何度でも私のもとへと呼び戻すために。




    私は本来なら享楽主義者だ。
    生まれた環境が環境なら楽しそうな事を追及するだけの、そんな生涯を送っていたかもしれない。
    ……だが現実は非常だ。

    ここのところ、あんのクソヒゲハブラシに立て続けに案件を持ち込まれ精神的にも体力的にも疲労しまくっているが、そこはこの類いまれなる頭脳を駆使して、部下達に肉体労働は任せている。
    ~~~だからってあんっのクソッタレ、不死身の吸血鬼を監督しろだなんて無理ゲーにも程があるぞ!

    積みゲーも消化したいし、思う存分料理やお菓子を作って愛らしい私のジョンと優雅に過ごしたい、…筈だったのだがね。









    高等吸血鬼って滅茶苦茶畏怖い存在だろ?
    兄貴みたいにスッゲー強くて、高潔で紳士で、魅了だって念動力も高等吸血鬼の能力を一通り扱える兄貴みたいな畏怖い吸血鬼になるのが俺の夢だ。
    でも俺にあるのは馬鹿力で、それもうっかり加減を忘れると人間達の作ったビルとかスポンジケーキみたいに崩しちまうし、畏怖い吸血も得意じゃない。
    ……だ、だって兄貴が魅了して連れてきてくれるのおねーさんばっかりで、急に噛みつくなんて、そ、そそんなのエッチだろ!
    だからせめてさいっこうに畏怖い死んで蘇る!
    それなら頑丈な俺にも出来そうだし、兄貴は怒られるかもしれないと思いつつ、拠点としてこの町に暫く滞在することになった。

    ……そういえば、なんかあっちこっちから色々打たれて、頭がぼんやりし始めて……なんか、懐かしい声が聞こえたんだよな。

    "畏怖すべき不死の王よ、……なたに捧げ物を"

    ぼんやりとした頭で目の前に差し出された懐かしい香りと、俺だけに作られた小さなバナナケーキ……記憶にない筈のあの味を、俺は覚えている気がした。
    それに俺の"知ってる"声はもっと楽しそうに弾んでいて、やりたくないことは死んでもやりたくない、そんな……あれ?

    俺、誰を"知っている"んだっけ?



    吸血鬼の大侵攻から数ヶ月が経過しようとしていた。
    桜が満開になったこの時期には花見の見物に訪れた人間の血を吸うチザクラケムシだの、新たな性癖に目覚めた変態吸血鬼だの、吸血鬼対策課の業務は繁忙を極める。

    「はい、面倒臭いから一度しか言いませんので全員頭に叩き込んでください」

    更に新しい監督任務に加えて、最早吸血鬼のホットスポットと呼ばれつつあるこの新横浜では最近危険度A級の高等吸血鬼が出没したらしい。
    それを迅速に対処し、後処理まで終わらせるのが私達のお仕事、ではある。……のだがあ~~面倒臭い。

    「狙撃班は待機場所で合図があるまで待機、第一班はランチャーいつでも発射できるように、第二班裏通りから確実に追い込んで、その都度指示は送るので宜しく」
    「ドラ公俺は?」
    「はいはいちょっと待ってね、えー……ミカエラ君に着いていって綺麗にお片付け出来たらビルを壊さない程度に吸血鬼と遊んで貰える?」
    「隊長?!」
    「分かった!」
    「君もそろそろ隊を任せるぐらいに指揮を預ける事も出来るんだからロナルドくんぐらいのイレギュラーにはそろそろ慣れて貰わないと……期待しているよ」
    「ぐ、ぐぐ……拝命しました……ッ」

    ミカエラ君にはあえて独立した少数精鋭の小隊を第一、第二班とは別に任せてある。
    彼が指揮官として育てば私も楽になるし、ロナルドくんぐらいのイレギュラーで崩れるほど伊達に戦略指揮をこなしてきた訳じゃない。
    数百年を生きる高等吸血鬼を親族に持つダンピールとしては、年若い吸血鬼の若造は歩きたての雛のようなものだ。
    ……まあ、少々力の加減が出来ていないのは実に惜しいところなので、これからゆっくり学んでいくといい。

    「さて、危険度A級?お手並み拝見させて貰うとしようか」


    部下達には不測の事態に対応できるように幾つかのパターンを仕込んである。
    この町の全域MAP程度、クソゲーのランダム発生ダンジョンのMAPを攻略する事よりもよっぽど容易い。
    何せ区画整理の情報などコネで幾らでも手に入る、複数のモニターを見ながら同時に微に入り細を穿つ指示は骨が折れるが、任務失敗した末の後処理やあんのクソッタレ本部長に嫌味を言われるよりも何倍、いや何百倍もマシだ。





    「おおおおおおおらああああああああっ!!」
    「うわああああか、勝手に動くんじゃない!愚兄でもそこまで、は……あ、あああビ、ルが……」
    《あ、問題ないよミカエラ君、そこ取り壊し予定のビルだから、後でどうとでもなるから》

    いや彼の手加減の出来なさはこの半年間で嫌という程理解したからね、勝手に暴れまわるのならそれ相応の場所を用意してやれば良い。
    彼自身が抱えているコンプレックスは理解できないが、ロナルドくんが鮮やかにその才能を花開かせる事ぐらい、この吸血鬼対策課ドラルク隊隊長の私が出来ないなんて、それこそあり得ないからね。


    「こちら第一班、ランチャーいつでもいけます」
    「こちら第二班、合流地点まで到達、標的を目視にて確認しました、突入しますか?」
    《いや……ああ、そろそろ来るかな、ロナルドくんのお友達が乱入するからそのタイミングで……「ロナルドオオオオオオオオオオオオオオッ!!」うわっうるさっ!?》
    「……っまーたあの退治人ね……任務に支障がでるじゃないの……!」
    《うん、ニク美君ちょっとお灸を据えてあげて、では第二班突入!!》

    倒壊したビルによって巻き込まれた下等吸血鬼達が一掃されたのは予定どおり、だがどうもロナルドくんの幼馴染みらしい彼……退治人組合にもそろそろ通告するべきかな、セロリで気を引こうとするのは頂けない。"昔"とは違うんだから。
    まったくロナルドくんが絡まなければ優秀な退治人なのにねぇ。

    「…隊長、まさかここまで予測していらっしゃったのですか?」
    「まあ、エセ昼行灯から報告は貰ってるしね、ついでに巻き込まれて貰おうか」
    「……隊長が上司で本当に良かったと思いますわ」

    稀美君は誉め上手だこと、……さあて、流石は優秀な退治人の半田君、即座に目標を切り替えて高等吸血鬼へ攻撃を始めたね。
    …よし、益になるならまだ通告はしなくても良い。
    それにしてもどんな巡り合わせでこんな形になるのか……本当に何度人生を繰り返しても退屈しないね!

    「どらこーー!捕まえた!!」
    「うんさっすがはロナルドくん、ちゃんと作戦通りにこちらで動きを封じてから気絶させてくれたね、偉い偉い」

    第二班の突入を確認後、捕獲用ランチャーによって動きを封じられた高等吸血鬼は麻酔弾を狙撃班によってたっぷりと浴びせられた。
    それでも耐性のある高等吸血鬼には、ロナルドくんのちょっとだけ力を込めた拳で昏倒したので、作戦終了だ。

    ……え?ロナルドくんだけで良いんじゃないかって?
    そうすると、吸血鬼対策課に所属するロナルドくんと、部下達の連携を市民にお披露目できないじゃないか。
    そんなの勿体無いし、彼だってこんなに蒼い瞳をきらきらと輝かせている。

    「畏怖い?」
    「畏怖い!畏怖いから特別報酬も出しちゃおう!」
    「やった!!えーと、ジョンが好きなアップルパイと、あと……バナナケーキ!!」
    「……君、ほんとに好きだね、そんなに気に入ってるの?」
    「だって、あれ俺のケーキだろ?」
    「…………うん、そうだよ、ロナルドくんだけのケーキだ」

    さて、現場の後処理は優秀な副隊長に任せてさっさと報告書を仕上げてしまおう。
    ゲームもジョンとの癒しの時間も大切だけど、ようやく私の元に舞い降りた美しい蒼い瞳の吸血鬼は絶対に手放さないと決めている。



    「吸血鬼との共存状態ね……今度の世界の"この町"ではどんな結末が……"始まり"を迎えるんだろうね……私のロナルドくん」
    「ん?なんか言ったか?どらこー」
    「いーやなんでも、さあジョンとメビヤツが待ってるから帰ろうか」

    私達の新しい居場所はどこでだって作り出せるし、どんな世界でも君が訪れる日を私は待ち望んでいるんだよ。









    うん多分このあとむゆさんお得意の常夜神社で要石がなんか吸血鬼のホットスポットと化している原因みたいな感じで、それをΔドラロナ&ジョンと使い魔のメビヤツで吸血鬼対策課として事件を追っていくうちになんか色々情報つかんでΔド隊長の戦略指揮いーえっくすで、なんとかしちゃうんですよ
    それで実はΔ吸ロくんが何度も時間が巻き戻っちゃう(半田くんとかダンピール、高等吸血鬼持ちは記憶保持者が多いので幼馴染み扱いという解釈になりました)んだけど、
    うちのΔド隊長は激重執着攻なので、
    Δ吸ロくんが幸せに未来に向かって歩んで欲しいし、手放す気は無いし、とにかくハッピーエンドΔドラロナです!
    だけど一時間じゃそこまで書けないね!
    でも久しぶりに緊張感持って沢山書けました!
    ドラロナワンドロワンライ一本勝負ありがとうございました!!


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