sirokuma594
DONE紆余曲折あったラブストーリーも後世から見れば数行で収まる現l場l猫l案件だった話。#ドラロナワンドロワンライ一本勝負 (@DR_60min)よりお題「猫」で書かせていただいたものです。 3
sirokuma594
DONE200年物のメッセージボトルがようやく退治人の元に流れ着いた話#ドラロナワンドロワンライ一本勝負 (@DR_60min)よりお題「海」で書かせていただいたものです。
純情inボトル、onペイパードラルクが初めて手紙を書いたのは、8歳の時の海辺でのことだった。
流れる水の傍というのは、吸血鬼にとって昼と同じくらい恐ろしい。虚弱なドラルクであれば尚更だ。人間の子供であっても海の事故は多いという。当然、心配性の父母はドラルクを海になど連れていきたがらなかった。
「おじいさま、あれはなんですか?」
「手紙。瓶に入れてどこかの誰かが流したの」
「てがみ! よんでみたいです」
偉大かつ子供のような祖父の腕に抱かれ、ドラルクは海辺の綺麗な小瓶を指差した。夜の砂浜に動くものは二人の他になく、曇り空の果てから真っ黒な水が唸るように打ち寄せる音だけが聞こえていた。
ドラルクは祖父に似て好奇心が旺盛だった。血族には内緒の二人きりの冒険にも当然付いていく。手紙入りの綺麗な小瓶も当然欲しがった。祖父はキラキラと期待に満ちた孫の顔を見て、裾が濡れるのも構わずにざぶざぶと波打ち際を歩いて行った。祖父の大きな手の中に収まった透明な丸い瓶を見て、ドラルクはさらに目を輝かせた。
5312流れる水の傍というのは、吸血鬼にとって昼と同じくらい恐ろしい。虚弱なドラルクであれば尚更だ。人間の子供であっても海の事故は多いという。当然、心配性の父母はドラルクを海になど連れていきたがらなかった。
「おじいさま、あれはなんですか?」
「手紙。瓶に入れてどこかの誰かが流したの」
「てがみ! よんでみたいです」
偉大かつ子供のような祖父の腕に抱かれ、ドラルクは海辺の綺麗な小瓶を指差した。夜の砂浜に動くものは二人の他になく、曇り空の果てから真っ黒な水が唸るように打ち寄せる音だけが聞こえていた。
ドラルクは祖父に似て好奇心が旺盛だった。血族には内緒の二人きりの冒険にも当然付いていく。手紙入りの綺麗な小瓶も当然欲しがった。祖父はキラキラと期待に満ちた孫の顔を見て、裾が濡れるのも構わずにざぶざぶと波打ち際を歩いて行った。祖父の大きな手の中に収まった透明な丸い瓶を見て、ドラルクはさらに目を輝かせた。
sirokuma594
DONEGWは忙しかった頑張り屋の恋人と、あわよくば手でも繋ぎたかった吸血鬼の話です。#ドラロナワンドロワンライ一本勝負 (@DR_60min)よりお題「休日」で書かせていただいたものを、一部修正して掲載しています。
懲役4時間、内5回「冬が終わった! ビキニの季節だ! 下僕ども、今こそ新横浜に我が覇道を敷け!!」
「海開きまで大人しくしとけやポンコツ!」
「そして野球拳の季節でもある! さあそこ行く春服のお嬢さん! よよいのよい!」
「そんな季節どこにもねぇよタコ!! 兄弟仲良くみなとみらいででも遊んで来い!」
「ゴールデンウイークに? 観光客でバカ混むでしょ。ホントに神奈川県民?」
「チクショーそうですね!」
大型連休中も退治人に休みはない。なぜなら春になれば変態共も活性化するからだ。ロナルドのゴールデンウイーク最終日は、日付が変わるまで吸血鬼をとっちめて終わった。
「今年のゴールデンウイークも何にもなかった……ちょっと遠出して飯とか……遊園地とか……あとは、アレ……スーパー寄ったり」
3903「海開きまで大人しくしとけやポンコツ!」
「そして野球拳の季節でもある! さあそこ行く春服のお嬢さん! よよいのよい!」
「そんな季節どこにもねぇよタコ!! 兄弟仲良くみなとみらいででも遊んで来い!」
「ゴールデンウイークに? 観光客でバカ混むでしょ。ホントに神奈川県民?」
「チクショーそうですね!」
大型連休中も退治人に休みはない。なぜなら春になれば変態共も活性化するからだ。ロナルドのゴールデンウイーク最終日は、日付が変わるまで吸血鬼をとっちめて終わった。
「今年のゴールデンウイークも何にもなかった……ちょっと遠出して飯とか……遊園地とか……あとは、アレ……スーパー寄ったり」
shi_na_17
DONEワンライのやつが思ったよりえっち(気持ち的にR15くらい)になってしまったので、こっちに。お題「マフラー」 ドゴッッッッッ!!!
渾身の力で振るった拳は、真冬に現れた季節外れの(?)マイクロビキニを吹っ飛ばした。
「寒々しいんだよこのバカ!!!!」
一般人への被害は抑えられたが自分はしっかりマイクロビキニになってしまった。まぁ、催眠対策の自前のやつの方だけど。
「ぶえっくし!!!!」
あーさむ。今日は今冬一番の寒さだと言っていた。そんな中マイクロビキニだなんてバカなんじゃないだろうか。バカだから風邪はひかないんだろうか。それとも吸血鬼だから風邪ひかねぇの? 寒そうではあるが。マント羽織ってたりするしな。日によっては。
「ロナルド君また性懲りも無く……」
今更になって追いついたドラルクがぱたぱたと軽そうな足音をさせながら追いついてきた。今日のドラルクは今の俺とは対照的にいつもより暖かそうな格好をしていた。
2797渾身の力で振るった拳は、真冬に現れた季節外れの(?)マイクロビキニを吹っ飛ばした。
「寒々しいんだよこのバカ!!!!」
一般人への被害は抑えられたが自分はしっかりマイクロビキニになってしまった。まぁ、催眠対策の自前のやつの方だけど。
「ぶえっくし!!!!」
あーさむ。今日は今冬一番の寒さだと言っていた。そんな中マイクロビキニだなんてバカなんじゃないだろうか。バカだから風邪はひかないんだろうか。それとも吸血鬼だから風邪ひかねぇの? 寒そうではあるが。マント羽織ってたりするしな。日によっては。
「ロナルド君また性懲りも無く……」
今更になって追いついたドラルクがぱたぱたと軽そうな足音をさせながら追いついてきた。今日のドラルクは今の俺とは対照的にいつもより暖かそうな格好をしていた。
東野文風
DONE #ドラロナワンドロワンライ一本勝負@DR_60min
第14回目『ハロウィン』で参加させて頂きます!(+30min)
読切ドラロナ。死神コスした読ロ様が町内でお菓子配りをする話。ほのぼの(一瞬だけ不穏)でCP要素薄め。
誰のものか示すためでもある、と後に語った「退治人だー、トリックオアトリート!」
「ねぇねぇ何でお面つけてんの、取っていい?」
「今日、ロナルド様が来てるって本当?!」
今日はハロウィン。夜の公園は思い思いの仮装をした子供達がやって来ては、ベンチの前で待機していた人影――お菓子配りのボランティアで配置していた退治人に群がっていた。
「ったく、元気が有り余ってんな」
小さなモンスターたちに包囲された退治人は、お面を取ろうと飛び跳ねる子供を制しながら彼らへお菓子の入ったバスケットを見せる。
「お菓子ならやるから、ちゃんと並べよガキども。良い子にしないと……死神様の鎌がお前らの魂を取っちまうぞ?」
「きゃー!」
「わぁーい!」
「全っ然ビビらねぇなオイ……はは」
2460「ねぇねぇ何でお面つけてんの、取っていい?」
「今日、ロナルド様が来てるって本当?!」
今日はハロウィン。夜の公園は思い思いの仮装をした子供達がやって来ては、ベンチの前で待機していた人影――お菓子配りのボランティアで配置していた退治人に群がっていた。
「ったく、元気が有り余ってんな」
小さなモンスターたちに包囲された退治人は、お面を取ろうと飛び跳ねる子供を制しながら彼らへお菓子の入ったバスケットを見せる。
「お菓子ならやるから、ちゃんと並べよガキども。良い子にしないと……死神様の鎌がお前らの魂を取っちまうぞ?」
「きゃー!」
「わぁーい!」
「全っ然ビビらねぇなオイ……はは」
東野文風
DONE #ドラロナワンドロワンライ一本勝負@DR_60min
第13回目『キャンプ』で参加させて頂きます(+30min)
できてる本編ドラロナで脱稿Highロ君がキャンプしたがったりドさんが軌道修正したりする話。ほのかな甘さを目指しました。
素面なら屋外もやぶさかではないとの事「そうだ、キャンプ行こう」
脱稿から解放されカップケーキを平らげたロナルドは頭の中で思いついた言葉をそのまま口にし、リビングの戸棚を開け放った。外に転がり出てくる品々からマットレスとタオルと着替えと、何か使えそうなものをかき集めて小さな山を作り上げる。テントは見つけられなかったが、後で何処かで買えばいい。
「キャンプといえばー……キャンプファイアーか! デカい炎でマシュマロ焼いて朝まで踊るんだよな!」
ふわふわとしたイメージを拠り所にして、今度はキャンプファイアーの炎を起こせそうなものを探し始める。最近出番がめっきり減ったライターの火は小さいので、もっとガーッと大きな炎が出て来るのが欲しい。
「んー……うん?」
1386脱稿から解放されカップケーキを平らげたロナルドは頭の中で思いついた言葉をそのまま口にし、リビングの戸棚を開け放った。外に転がり出てくる品々からマットレスとタオルと着替えと、何か使えそうなものをかき集めて小さな山を作り上げる。テントは見つけられなかったが、後で何処かで買えばいい。
「キャンプといえばー……キャンプファイアーか! デカい炎でマシュマロ焼いて朝まで踊るんだよな!」
ふわふわとしたイメージを拠り所にして、今度はキャンプファイアーの炎を起こせそうなものを探し始める。最近出番がめっきり減ったライターの火は小さいので、もっとガーッと大きな炎が出て来るのが欲しい。
「んー……うん?」
東野文風
DONE #ドラロナワンドロワンライ一本勝負@DR_60min
第12回目『十字架』で参加させて頂きます。どうにか規定時間内。
できてる本編ドラロナでドさんがロくんに着衣プレイを強請る話。一人称でモノローグ調ですけべな文章を頑張りたかった。
ョンは町内会の皆さんと紅葉狩りツアーに参加中とかそんな感じです。
退治人服着衣プレイしよルド君! ヴァー文頭から殺すな!
いいじゃないか別に、減るものでもないだろう? 服を破ったりはしないというか不可能だし、色々汚したりしたとしてドラドラちゃんの華麗なる洗濯スキルによって元通りにしてやるとも。
それともプライドの問題かね? それこそ今更だろう、これまで幾度となく脱がされたり裂かれたりビキニに変換されたりしているじゃないか。だったら、私だって君の衣装で楽しんだっていいだろう。
……ファーーー? 別に、全っ然拗ねてませんがー? この完璧にジェントルな存在であるドラドラちゃんが、ちょくちょく噛まれたり変な催眠に喰らって醜態さらす君を笑うことこそあれポンチどもに嫉妬なんてする訳ないんですけどーーー?
953いいじゃないか別に、減るものでもないだろう? 服を破ったりはしないというか不可能だし、色々汚したりしたとしてドラドラちゃんの華麗なる洗濯スキルによって元通りにしてやるとも。
それともプライドの問題かね? それこそ今更だろう、これまで幾度となく脱がされたり裂かれたりビキニに変換されたりしているじゃないか。だったら、私だって君の衣装で楽しんだっていいだろう。
……ファーーー? 別に、全っ然拗ねてませんがー? この完璧にジェントルな存在であるドラドラちゃんが、ちょくちょく噛まれたり変な催眠に喰らって醜態さらす君を笑うことこそあれポンチどもに嫉妬なんてする訳ないんですけどーーー?
東野文風
DONE #ドラロナワンドロワンライ一本勝負@DR_60min
第11回目『バトル』で参加させて頂きます(+10min)
できてる本編ドラロナで糖度はあっさりめ。ドさんが捕まって闇コロシアムの賞品になったり、殴り込みに来たロくんがスケスケの衣装を着たりする話です。よろしくお願いします!
催眠かセロリでも持って出直してこい ――やたら華美で豪奢な前時代的なコロシアムの中に、観客たちの歓声が湧き上がる。
円筒形のケースの中に博物館の展示物のように押し込められたドラルクは、冷めた気分で最上階から見える景色を眺めていた。頭上の空気穴は砂粒を通さないようにきめ細かいメッシュが貼られており、適当に壁を蹴った反作用死で脱出を試みることは難しそうである。
『それでは、本日の豪華賞品を求める勇敢な挑戦者を――』
「はー……」
つまらない気分のまま、ため息を吐く。自分が賭ける側になったり実況席に座ったりするならともかく、ただただ身動きできない賞品のように扱われるのは面白くない。
スピーカーから聞こえる実況はスルーしつつ、反対側に見えるVIP席らしき場所へ視線を向ける。「悪い吸血鬼が私有地に潜んでいる気がするから調査して欲しい」という、やや具体性に欠けた依頼を事務所に持ち込んできた人間が一人、その男に露骨にゴマすりされてふんぞり返っている吸血鬼が一人。どうも自分たちはまんまと嵌められたようであった。
2074円筒形のケースの中に博物館の展示物のように押し込められたドラルクは、冷めた気分で最上階から見える景色を眺めていた。頭上の空気穴は砂粒を通さないようにきめ細かいメッシュが貼られており、適当に壁を蹴った反作用死で脱出を試みることは難しそうである。
『それでは、本日の豪華賞品を求める勇敢な挑戦者を――』
「はー……」
つまらない気分のまま、ため息を吐く。自分が賭ける側になったり実況席に座ったりするならともかく、ただただ身動きできない賞品のように扱われるのは面白くない。
スピーカーから聞こえる実況はスルーしつつ、反対側に見えるVIP席らしき場所へ視線を向ける。「悪い吸血鬼が私有地に潜んでいる気がするから調査して欲しい」という、やや具体性に欠けた依頼を事務所に持ち込んできた人間が一人、その男に露骨にゴマすりされてふんぞり返っている吸血鬼が一人。どうも自分たちはまんまと嵌められたようであった。
東野文風
DONE #ドラロナワンドロワンライ一本勝負@DR_60min
第10回目『ホラー』
本編ドラロナでロくんが生け贄役に選ばれる話です。(+55min)
タイトル通りの創作変態吸血鬼が出てきます。CP要素は薄め、恐怖描写は皆無の上あっさり解決しますが宜しくお願いします。
「我は吸血鬼『人身御供シチュエーション大好き』!」 ――はて、自分はどうしてここにいるのだろうか。
夕餉を食べている最中、野菜の煮物を飲み込んだ青年は不意にそんなことを思った。
古めかしい和風の旅館みたいな屋敷で過ごすようになって、何日目になるだろう。朝に目を覚まして、人肌程度の湯で沐浴を行い。白一色の着物を纏い、しめ縄で四隅を囲った部屋で屋敷の人々が唱える歌声に日がな一日、耳を傾けて。肉と魚と乳を使わない、野菜と穀物だけの食事を三回摂って。一日の終わりに再度沐浴を行って眠る。
「おや、どうかされましたかな?」
今の今まで何の疑問も持たずに行ってきた日課に首を傾げている青年に、背後から声をかける者があった。振り返れば、料理人のような格好をした異様に血色の悪い男が薄い笑みを浮かべている。男の足下には何故かアルマジロがいて、ヌーと可愛らしい鳴き声を上げていた。
3065夕餉を食べている最中、野菜の煮物を飲み込んだ青年は不意にそんなことを思った。
古めかしい和風の旅館みたいな屋敷で過ごすようになって、何日目になるだろう。朝に目を覚まして、人肌程度の湯で沐浴を行い。白一色の着物を纏い、しめ縄で四隅を囲った部屋で屋敷の人々が唱える歌声に日がな一日、耳を傾けて。肉と魚と乳を使わない、野菜と穀物だけの食事を三回摂って。一日の終わりに再度沐浴を行って眠る。
「おや、どうかされましたかな?」
今の今まで何の疑問も持たずに行ってきた日課に首を傾げている青年に、背後から声をかける者があった。振り返れば、料理人のような格好をした異様に血色の悪い男が薄い笑みを浮かべている。男の足下には何故かアルマジロがいて、ヌーと可愛らしい鳴き声を上げていた。
東野文風
DONE #ドラロナワンドロワンライ一本勝負@DR_60min
第9回目『バナナケーキ』で参加させて頂きます!
嘘ドラロナでドさんがロ君にバナナケーキを食べさせる話。CP要素は薄めです。
心臓に刻む味 セーフハウスに使用している雑居ビルの一室にて。
カタン、とダイニングテーブルに一枚の皿が置かれる。その上に鎮座した甘い香りのするものに、退治人ロナルドは己の視界が信じられずに何度も瞬きした。隣の席に座るメビヤツと目を合わせて、再び皿に視線を戻す。
「何だよこれ」
「バナナケーキ」
「は?」
「名前の通り、バナナを使ったケーキだ。あぁ、そもそもケーキを知っているかね? 基本的には小麦粉を主材料とし、卵、砂糖、牛乳などを加えて――」
「馬鹿にすんじゃねえよ吸血鬼、それぐらい知っている。俺が聞きたいのは、どっからこんなもん調達したかってことだよ」
向かいの椅子に座って怪しく笑う吸血鬼ドラルクを、ロナルドは疑わしげに見据える。テーブルの上に乗ったアルマジロのジョンが場を和まそうと努力しているが、生憎流される訳にはいかない。
1586カタン、とダイニングテーブルに一枚の皿が置かれる。その上に鎮座した甘い香りのするものに、退治人ロナルドは己の視界が信じられずに何度も瞬きした。隣の席に座るメビヤツと目を合わせて、再び皿に視線を戻す。
「何だよこれ」
「バナナケーキ」
「は?」
「名前の通り、バナナを使ったケーキだ。あぁ、そもそもケーキを知っているかね? 基本的には小麦粉を主材料とし、卵、砂糖、牛乳などを加えて――」
「馬鹿にすんじゃねえよ吸血鬼、それぐらい知っている。俺が聞きたいのは、どっからこんなもん調達したかってことだよ」
向かいの椅子に座って怪しく笑う吸血鬼ドラルクを、ロナルドは疑わしげに見据える。テーブルの上に乗ったアルマジロのジョンが場を和まそうと努力しているが、生憎流される訳にはいかない。
東野文風
DONE #ドラロナワンドロワンライ一本勝負@DR_60min
第8回目『浴衣』で参加させて頂きます!(+20min)
ドラロナが丑三つ時に浴衣デート(散歩)する話。気合いでロ君の誕生日お祝いの気持ちも添えています。
祝い、喜び、ちらり 日付が変わり、退治人がリビングに顔を出した瞬間に鳴らされるクラッカー。凝った夜食と揶揄とお祝いの言葉とセロリトラップと暴力の応酬で一頻り騒いだ後の、八月八日の丑三つ時。
昼を挟んで夜の十九時からがパーティー本番だと伝えれば、本日の主役は照れた顔で「ありがとう」と言い、落ち着かない様子。そんなに楽しみかい、まぁ五歳児らしく素直にはしゃぐと良いとドラルクが茶化せば砂にされた。ジョンの泣き声が響く。
「ちがっ、いや、楽しみなのはそうなんだけど!」
「じゃあ何が違うというんだ」
「――っ、あのさドラ公」
もう料理とかは終わっているのかと聞かれ、そうだと返す。すると、ロナルドはじわじわと顔を真っ赤にしながら数度口を開閉させてから、震える声を絞り出した。
1739昼を挟んで夜の十九時からがパーティー本番だと伝えれば、本日の主役は照れた顔で「ありがとう」と言い、落ち着かない様子。そんなに楽しみかい、まぁ五歳児らしく素直にはしゃぐと良いとドラルクが茶化せば砂にされた。ジョンの泣き声が響く。
「ちがっ、いや、楽しみなのはそうなんだけど!」
「じゃあ何が違うというんだ」
「――っ、あのさドラ公」
もう料理とかは終わっているのかと聞かれ、そうだと返す。すると、ロナルドはじわじわと顔を真っ赤にしながら数度口を開閉させてから、震える声を絞り出した。
東野文風
DONE #ドラロナワンドロワンライ一本勝負@DR_60min
第7回目『熱』で参加させて頂きます!(+40min)
できてるドラロナでドさんが体調を崩す話。吸血鬼の体調変化について捏造してます。
熱を幻視する 電子レンジでぬるめに熱した牛乳へ、人工血液をスプーン一杯分投入。そのまま、赤い色が拡散して色味が均一化するまでかき混ぜる。
「本当にこれだけでいいのか?」
「それ以上入れたら胃もたれ死するから」
棺桶から聞こえた返事にロナルドは眉をひそめながら、言われた通りに作った血の牛乳割りをドラルクへ差し出した。気怠げに身を起こした吸血鬼はマグカップを受け取り、退治人手ずから用意したそれをちびちびと飲み始める。棺桶のすぐ傍ではアルマジロのジョンが水で濡らしたタオルを懸命に絞っていた。
「吸血鬼は風邪引かないんじゃなかったか」
「人間の病気にはかからないが、調子が悪くなる時はある」
見たまえこの顔色、と血色の悪い顔面を指してドラルクは言う。ロナルドには普段との差が分かりにくいがジョンには一目瞭然のようで、ヌヌヌヌヌヌ、と不安げに主人を呼んだ。
1605「本当にこれだけでいいのか?」
「それ以上入れたら胃もたれ死するから」
棺桶から聞こえた返事にロナルドは眉をひそめながら、言われた通りに作った血の牛乳割りをドラルクへ差し出した。気怠げに身を起こした吸血鬼はマグカップを受け取り、退治人手ずから用意したそれをちびちびと飲み始める。棺桶のすぐ傍ではアルマジロのジョンが水で濡らしたタオルを懸命に絞っていた。
「吸血鬼は風邪引かないんじゃなかったか」
「人間の病気にはかからないが、調子が悪くなる時はある」
見たまえこの顔色、と血色の悪い顔面を指してドラルクは言う。ロナルドには普段との差が分かりにくいがジョンには一目瞭然のようで、ヌヌヌヌヌヌ、と不安げに主人を呼んだ。
東野文風
DONE #ドラロナワンドロワンライ一本勝負@DR_60min
第5回目『雨』で参加させて頂きました(+40min)
できてるドラロナの日常のひとコマ。何気に隙を狙うドさんと隙だらけのロくん、そしてョンは蜜豆をおかわりした。
雨の日、蜜豆、濡れた髪 雨粒が地面を、壁を、屋根を叩く音が外から絶え間なく響いてくる。
「誰も来なかったな……」
「雨だからな」
事務所のデスクで時間を持て余しているロナルドのぼやきに、応接ソファでジョンとマルチプレイに興じるドラルクが淡々と返す。流水を嫌う吸血鬼にとっては雨もまた忌避すべきものになりがちで、今晩は珍しく何の騒動もないまま深夜の二時を回ろうとしていた。
時計を確認したロナルドがぐっと背伸びし、欠伸を噛み殺しながら立ち上がる。ドアを施錠し、帽子を預かるメビヤツをぐりぐりと撫でた。時を同じくして、ドラルクたちもゲーム機をスリープモードへ移行させる。
「今日はもう閉めるか……メビヤツ、誰か来たら頼むぜ」
「ビッ」
「ヌヌヌヌヌヌ、ヌヌーヌ、ヌヌヌイヌン」
1209「誰も来なかったな……」
「雨だからな」
事務所のデスクで時間を持て余しているロナルドのぼやきに、応接ソファでジョンとマルチプレイに興じるドラルクが淡々と返す。流水を嫌う吸血鬼にとっては雨もまた忌避すべきものになりがちで、今晩は珍しく何の騒動もないまま深夜の二時を回ろうとしていた。
時計を確認したロナルドがぐっと背伸びし、欠伸を噛み殺しながら立ち上がる。ドアを施錠し、帽子を預かるメビヤツをぐりぐりと撫でた。時を同じくして、ドラルクたちもゲーム機をスリープモードへ移行させる。
「今日はもう閉めるか……メビヤツ、誰か来たら頼むぜ」
「ビッ」
「ヌヌヌヌヌヌ、ヌヌーヌ、ヌヌヌイヌン」
東野文風
DONE #ドラロナワンドロワンライ一本勝負@DR_60min
第4回目『デート』で参加させて頂きました(計130min)
できてるらしい読切ドラロナが夜の植物園に行く話です。よろしくお願いします。
お土産に赤い薔薇を一本買った 今日も今日とてロナルドに呼び出されて外に躍り出る夜。本日の目的地は、某県某所にある植物園であった。
「へー、色々あるもんだねぇ」
「約七百種、約六万本あるんだとよ」
興味深そうに周囲の花壇に植えられた花を見回すドラルクに、ガイドブックを手にしたロナルドが淡々と返す。すっかり日が落ちた夜空の下、淡い光で照らされた植物が彼らを取り囲んでいた。
「ねぇロナルド君、私あっちの熱帯植物館っての見てみたい」
「……お前それ、暑さで死ぬんじゃねえの」
「一回だけ、一回だけ試させて! まだ今日は死んでないから数分で復活できると思うし! それに、仕事なら全部見回る必要があるだろう?」
「それは……くそ、仕方ねぇな」
一回死ぬまでだからな、と不承不承といった態度で許可を出したロナルドにドラルクは微笑む。一回までと言いつつ、次案を出せば乗ってくれることが簡単に想像つくのが楽しい。仕事とはいえ、彼がわざわざチケットを用意し誘ったという事実に、己が思った以上に浮かれているのを感じる。
2069「へー、色々あるもんだねぇ」
「約七百種、約六万本あるんだとよ」
興味深そうに周囲の花壇に植えられた花を見回すドラルクに、ガイドブックを手にしたロナルドが淡々と返す。すっかり日が落ちた夜空の下、淡い光で照らされた植物が彼らを取り囲んでいた。
「ねぇロナルド君、私あっちの熱帯植物館っての見てみたい」
「……お前それ、暑さで死ぬんじゃねえの」
「一回だけ、一回だけ試させて! まだ今日は死んでないから数分で復活できると思うし! それに、仕事なら全部見回る必要があるだろう?」
「それは……くそ、仕方ねぇな」
一回死ぬまでだからな、と不承不承といった態度で許可を出したロナルドにドラルクは微笑む。一回までと言いつつ、次案を出せば乗ってくれることが簡単に想像つくのが楽しい。仕事とはいえ、彼がわざわざチケットを用意し誘ったという事実に、己が思った以上に浮かれているのを感じる。
東野文風
DONE #ドラロナワンドロワンライ一本勝負@DR_60min
第3回目『旅』参加させて頂きました!(『海』要素も少し含)
できてるドラロナが出張退治でお泊まりする感じの話です。(+15min)よろしくお願いします。
旅の恥は掻き捨て、結局のところ通常運転 夜も深まった頃、遠くから聞こえてくる波の音にロナルドは耳を澄ませる。空気にたっぷりと含まれた潮の香りは、ついさっき舌鼓を打った魚料理の数々を思い起こさせた。大浴場から上がった後の浴衣姿には夜気は少々冷たいぐらいだったが、それが何だか心地好い。
ロナルド退治事務所には、時折遠方からの依頼が舞い込んでくることがある。今回は海鵜捕獲場に巣を張った下等吸血鬼を退治するため、電車を乗り継ぎ北関東某所へやって来たのだった。
退治はつつがなく終わり、依頼者である地元組合から報酬とは別に民宿に食事付きで明日の日没まで滞在できるよう取り計らわれた。その民宿というのがしっかりしたホテル並みに立派だったので、気後れしたロナルドは最初辞退しようとしたのだがドラルクがさっさとチェックインの手続きをしてしまったので厚意をありがたく頂くことになったのである。(クソ砂は一度殺した)
1558ロナルド退治事務所には、時折遠方からの依頼が舞い込んでくることがある。今回は海鵜捕獲場に巣を張った下等吸血鬼を退治するため、電車を乗り継ぎ北関東某所へやって来たのだった。
退治はつつがなく終わり、依頼者である地元組合から報酬とは別に民宿に食事付きで明日の日没まで滞在できるよう取り計らわれた。その民宿というのがしっかりしたホテル並みに立派だったので、気後れしたロナルドは最初辞退しようとしたのだがドラルクがさっさとチェックインの手続きをしてしまったので厚意をありがたく頂くことになったのである。(クソ砂は一度殺した)
東野文風
DONE #ドラロナワンドロワンライ一本勝負@DR_60min
『酔い』『休日』両方を使わせて頂きまして、何でもない1日を過ごしたロくんがドさんに幸せを肯定される話です。自己肯定感育成中5歳児。ぎりぎり治まらずに+10minです、よろしくお願いします。
休息日、受容よ育て 事務所は休みで、雑務は粗方片付いていて、ロナ戦の〆切日でもなくて、ギルドの予定も入っていない。そんな珍しいぐらいの休息日、ロナルドは昼過ぎに目を覚ました。
冷蔵庫に入っていた食事を電子レンジで温めて食べて、軽く準備体操をしたらメビヤツを「いってきます」と撫でて事務所を出る。空は快晴、運動日和。何もない日中、時間の潰し方が分からない時はとにかく身体を動かすに限る。
道行く人々に挨拶しながら二〇キロほどジョギングしたら、射撃場で銃の訓練。帰りにドーナツを一箱分買って事務所に戻ってくる頃には、日が傾き始めていた。
出迎えてくれたメビヤツを「ただいま」と出る時よりも一層丁寧に撫でる。ますます滑らかさが増しているような気がするが、メビヤツが嬉しそうならきっと良いことなのだろう。
1595冷蔵庫に入っていた食事を電子レンジで温めて食べて、軽く準備体操をしたらメビヤツを「いってきます」と撫でて事務所を出る。空は快晴、運動日和。何もない日中、時間の潰し方が分からない時はとにかく身体を動かすに限る。
道行く人々に挨拶しながら二〇キロほどジョギングしたら、射撃場で銃の訓練。帰りにドーナツを一箱分買って事務所に戻ってくる頃には、日が傾き始めていた。
出迎えてくれたメビヤツを「ただいま」と出る時よりも一層丁寧に撫でる。ますます滑らかさが増しているような気がするが、メビヤツが嬉しそうならきっと良いことなのだろう。
aymsyb94
DONE@DR_60min#ドラロナワンドロワンライ一本勝負
Δドラロナで、時間に巻き戻されちゃうΔ吸ロくんを絶対に幸せにするし、何度でも取り戻すハピエンΔドラロナ 先にupしたSSメーカーの続きです
炭鉱のカナリアと不死の王は何度でも踊り明かす水底に沈んでいく、はらはらと儚く消えていくさくら、桜。
泡沫になることも許されずに深い、ふかい深淵へと堕ちていく"きみ"を何度でもなんどでも掬い上げようとするのに、私の両手から零れ落ちた花弁は新しい世界へと、旅立ってしまった。
……ああ、
また"始まり"の鐘が私を呼ぶ、あの子を何度でも私のもとへと呼び戻すために。
私は本来なら享楽主義者だ。
生まれた環境が環境なら楽しそうな事を追及するだけの、そんな生涯を送っていたかもしれない。
……だが現実は非常だ。
ここのところ、あんのクソヒゲハブラシに立て続けに案件を持ち込まれ精神的にも体力的にも疲労しまくっているが、そこはこの類いまれなる頭脳を駆使して、部下達に肉体労働は任せている。
3828泡沫になることも許されずに深い、ふかい深淵へと堕ちていく"きみ"を何度でもなんどでも掬い上げようとするのに、私の両手から零れ落ちた花弁は新しい世界へと、旅立ってしまった。
……ああ、
また"始まり"の鐘が私を呼ぶ、あの子を何度でも私のもとへと呼び戻すために。
私は本来なら享楽主義者だ。
生まれた環境が環境なら楽しそうな事を追及するだけの、そんな生涯を送っていたかもしれない。
……だが現実は非常だ。
ここのところ、あんのクソヒゲハブラシに立て続けに案件を持ち込まれ精神的にも体力的にも疲労しまくっているが、そこはこの類いまれなる頭脳を駆使して、部下達に肉体労働は任せている。