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    とこのべ

    @tokonobe75

    七五・五受推し/20↑Shipper

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    とこのべ

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    75afterparty II展示SS
    イチャイチャさせたかった七五。途中まで。

    #七五
    seventy-five

    匂い(仮題) 玄関が開かれる気配を察知したのは丁度シャワーを浴びている最中だった。
    「え?七海?」
     水音の向こうに聞こえた物音と捉えた呪力にシャワーを止める。からり、と風呂場の戸を開けて廊下の向こうに声をかけた。
    「なーなーみー?」
     廊下を進んでいた足音が止まる。そうして開けられたドアの向こうから疲労を滲ませた七海が顔を見せた。
    「おかえり。早かったじゃん」
    「ただいま帰りました。急な変更があって今日は早々に上がれました」
     五条の姿を認めて七海の表情がふっと緩む。それを愛しく思いながら五条はにんまりと笑って濡れた手先を揺らした。
    「オマエもさっさと汗流したいだろ。一緒に入ろうぜ」
     久々に会えた恋人。しかも明日七海は休みで自分は夕方に高専に行けばいいのでゆっくりできる。となればすぐにでもいちゃつきたいに限る。そう思っておいでおいでと手招いたのに、七海はビタッと動きを止めて五条の元には来てくれない。
    「…いえ、私は後で入ります」
    「えー?なんでだよ?」
    「今入ったらここで襲わない自信がないです。正直濡れて頬を赤らめている今のアナタは物凄くエロいです。とても理性が持ちません」
    「襲えよ。別に僕嫌だなんて思ってない」
     怖い目をして真面目にそう宣った七海に、五条は湯のせいだけでなく頬が熱くなるのを感じながら不貞腐れた口調で返した。言わなくてもわかるだろ?と言外に含ませる。しかし七海は誘いに乗ってはくれない。
    「いえその…今夜はゆっくり出来そうなので、ここではなくベッドでしっかりアナタに触れたいんです」
     そう言った七海は少し考えるそぶりで口を閉じる。そして視線を下げて五条の尻のあたりを見つめた。
    「ですが、今夜は私に準備をさせてくれるというなら今ここで入るのは吝かではありませんが」
    「やっぱ1人で入る!オマエは後でな!」
     恥ずかしさに慌ててドアを閉めた五条に七海がクスリと笑った。
    「ゆっくり入ってください」
    「〜オマエが後悔するくらいゆっくり入っててやるよ!いつもの店で適当にデリ買ってきたからそれでも摘んで待ってろ!」
    「先に食べたりしませんよ。後でアナタと二人で食べる方がいい」
     随分と甘い声で言い残していくものだから、五条はそれだけですっかりのぼせてしまいそうだった。
    (別に風呂場でエッチするくらい珍しくもないのに…でもこういう時の七海って後で凄かったりするんだよなぁ…)
     ”こういう時”とは久々の逢瀬でお互いに溜まっているのに七海がすぐに触れようとせず全ての準備を万端にしてからセックスに臨もうとする時のことだ。最上級の食材を最高の状態で味わおうとする美食家のように。しかもお預けにお預けを重ねた後だからか、何というかそういう夜の七海は大変に激しいのだ。ついでにねちっこかったりする。七海とのそういうセックスを思い出して五条の背筋がゾクリと震えた。本当は髪も身体も洗って湯船にゆっくり浸かってから準備しようと思ってたのに…と文句を溢しながら、五条はゆっくりと己の尻の狭間と、少し勃ちあがりかけている前に手を伸ばした。

     それから七海への嫌がらせも兼ねて時間をかけて準備して湯船にものんびり浸かってから風呂を上がったので一時間近く経っていた。どんな顔して待っているのか。澄まし顔してたら腹立つな。なんて思いながら髪を拭きリビングの扉を開けた五条の目に飛び込んできたのはソファの端に座ってうたた寝をしている七海の姿だった。スーツのジャケットを脱ぎ、ネクタイも外して首元は緩められている。そうして腕を組み微かに上体を斜めにしてソファに寄りかかりながら俯むいているその顔を見て五条は噴き出してしまった。
     (すげー顰めっ面。任務の合間の待機時間じゃあるまいし…)
     どうやら七海はそれなりに深く眠りに落ちているようだった。その様を見下ろしてから、五条はダイニングテーブルに視線を移す。五条が買ってきたデリが袋から出され、食器も並べられている。疲れてるだろうに本当律儀で、やさしい奴。五条は七海が愛しくて仕方なくなった。ソファの前に膝を突いて七海の顔を覗き込む。これだけ近づいても七海は起きる様子がない。しばらくその濃くて短い金の睫毛と眉間の皺を観察していた五条は、ふとあることを思い出しそっと身を寄せて七海の肩口に顔を埋めた。両手は七海のよく鍛えられた太い上腕に添えて、ゆっくりと視界を閉じて埋めた鼻先から息を吸い込む。七海の体臭、汗の匂い、七海がいつも纏っている香水の匂いは薄い。薄れたのかそもそも忙しさ故に纏っていないのか…。代わりに嗅ぎとれた覚えのあるこの匂いは補助監督の車内のフレグランスだろうか。それに埃っぽい街の夜の匂い、そして人工的な甘いこの匂いは…。
    「…五条さん?」
     上から降ってきた声にゆるりと薄目を開ける。七海が起きたらしい。
    「起きた?」
    「ええ…少し眠ってしまっていました」
    「すげー顔してたよオマエ。目閉じてるのに呪霊が裸足で逃げ出すような顰め面」
    「寝てるだけで呪霊が逃げてくれるなら楽でいいですね…いや結局祓わなくてはならないなら逃げられたら余計面倒か…」
    「ふふっ真面目に答えるなよ」
     まだ覚醒しきってない声のまま抱きつく五条を閉じ込めるかのように七海の腕が五条の背中に回り胸と胸がくっついて心地いい。七海も自分と同じように五条の肩口に顔を埋めてスゥーと息を吸うのが分かった。それに倣って五条も再度七海の匂いを吸った。が、すぐに勢いよく離される。
    「うおっ」
    「っすみません、まだ汗も流してないのに」
     ようやく覚醒したらしい七海が汚れるからと五条と距離を取ろうとする。それが何だか面白くなくてムッとした顔で五条は無理やり抱きついた。
    「あの五条さん」
    「いいだろ。オマエはこれから風呂に入るんだから」
    「私ではなくアナタが汚れるでしょう」
    「いーからいーから。もう少しこうさせてよ。…会えなくて寂しかったのって僕だけ?」
     少し顔を上げて七海の耳たぶに唇をくっつけて精一杯甘えた声でおねだりした。それに七海は「うっ」と声をあげて抵抗が止む。自身を離そうとする力が弱まったので、五条はすりすりと機嫌よく七海の肩に鼻を埋めたのだった。
    「あの…五条さんそろそろ。匂い酷いでしょう」
    「そんなことないよ…いやあるけどないって言うか」
    「どっちです。それに恋人にひどい匂いだと言われるのは流石に傷付きます」
    「七海の匂いを酷いなんて思うわけないじゃん。いやちょっと思い出してさ」
    「何をです?」
     もはや五条を引き剥がすのを諦めたのか七海は優しく五条の背を抱き締めている。その気持ちよさに満たされながら五条は思い返す。
    「この前…学生寮の共有スペースに行ったら真希と野薔薇がドラマを見てて。あ、棘とパンダもいてさ」
    「はい」
    「ドラマは恋愛ものっぽかったけど、その中で主人公が帰ってきた夫に抱きついてるシーンがあって。パッと見はイチャついてるように見えたんだけど…」
    「だけど?」
    「その実主人公は夫の匂いを嗅ぎ取ってそこから浮気相手と会っていたかをチェックしてたってシーンでさ」
    「恐ろしいですね。…まさかアナタも私の不貞を疑っているんですか?」
     七海の声に先程まではなかった不穏さを読み取って五条は微かに笑った。
    「オマエ今日電車乗った?」
    「いいえ。車移動だけです」
    「女物の香水の匂いがする」
    「は?…あぁ今日同行した補助監督ものだと思いますよ」
    「ふーん」
    「…それを浮気と言うつもりですか?」
    「匂いが残るほど近づいたんだ?」
    「まさか。五条さん本気で私がアナタ以外に惹かれると?」
    「オマエをガチで狙ってる補助監を僕は3人は知ってるよ」
    「馬鹿馬鹿しい。知りませんよそんなの」
     七海は心底うんざりしたように一蹴した。

    ーーーーーーーーーーー

     中途半端ですがここまで。
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