初めての冬 二十四日の朝。
「光忠!」
僕が朝の支度をしている間に、先に外に出た実休さんが、弾んだ声で僕を呼んだ。
昨夜から結構冷え込んでいたと思うけれど、何かいいことがあったのかな?
「どうしたの? ……わ、真っ白だね」
僕も外に出てみると、部屋の前の庭は一面銀世界になっていた。一夜の内に積もったらしく、実休さんの脛の中ほどまで雪が積もっていた。
東の空は晴れていて明るいけれど、今もちらちらと雪が舞い落ちてきている。
実休さんは初めての雪が珍しいのか目を輝かせ、さらさらの雪を掬い上げて楽しんでいた。
普段は格好良いひとだけど、こんな純粋なところは可愛いくて愛しさが募る。
「今年は暖冬かと思ってたけれど……ちょうどホワイトクリスマスになって良かったね」
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