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    milk_tea_bu5n

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    ゆるい学パロの設定説明回がやたら長いので一旦切った この後級長に寮を案内されたり歓迎会をされたりする そのあとは「この設定です」と言って都合のいい学パロものあげていいマイルールのための設定回

    黒青金に春を塗って ※ナチュラルにベレトスが双子
     
     貴方がたが来てくれて助かりました、とレアが心底ほっとした様子で告げるものだから、ベレトとベレスは顔を見合わせて「それはよかった」と頷いた。よもやガルグ=マクほどの巨大学園都市の、学園プログラムほどのエリートコースにおいて、寮監が男女両方ひとときに辞職するなどということが有り得るのか、という疑問は飲み込んでしまう。
     他ならないおばの──厳密にはそう形容するのは正確ではなかったが二人はレアをおばと認識していた──頼みであったし、もとより断る理由のほうが少ない。しかしながら、やはりどうにも釈然としないところがあった。
     にこにこと微笑むレアはそれ以上何か説明してくれるつもりはないらしい。ガルグ=マク学園の校長室に、沈黙が落ちる。
     かたわらのベレトが自分から言い出す様子がないので、ベレスは代わりに口を開いて、あらためて懸念を伝えることにした。
    「だけど、私たちに寮監が無事務められる自信はないですよ」
     ベレスは淡々と言った。ベレトがここでようやく話し出す。
    「俺たちはまともに学校に通ったこともないし。ご存知の通り」
     ベレスはそこへ「学園プログラムに行くような子を指導できるとも思えない」と付け足そうとして、やめた。仕事として引き受けるからには、自信がないなりにやるしかないのだ。
     たとえそれが、超のつくエリートな子供たちの通う寮の寮監、などという無理難題でも。
     学園プログラムというのは、通称ではかつて各国の貴族の子弟が学んだという士官学校に因んで、士官学校プログラムと呼ばれている。毎年このフォドラの各地方から選りすぐりの優秀な子供たちを集めて行われる特殊な学術プログラムなのだ。学問、武道、その他の分野で活躍する可能性の卵たちがひとところに集められ、切磋琢磨する場として、優秀な教師陣が招かれ、豊かな設備が整えられているのだ。そして人格涵養のためと銘打って、一年間の寮生活が義務付けられている。
    「ええ、ええ、もちろん知っていますとも。ですが、だからこそ貴方たちを指名したのだということを覚えておいてください」
     レアはたおやかに微笑むと、ふたりを見比べた。
    「貴方がたはジェラルトについて、各地を回っていたでしょう。それは何ものにも代え難い経験です。きっと生徒たちにも良い刺激になるでしょう」
    「そういうものですか」
     ベレトが呆けたように聞き返したが、ベレスも全く同じ気持ちだった。そもそも子供と言っても、プログラムに参加する生徒たちとベレスたちはそう年齢が変わらない。これほど年の近い人々に囲まれて生活するのも初めてのことだから、戸惑いの方が大きかった。
    「何か困ったことがあれば、いつでも私が力になりますし、頼もしい先生方もいます」
    「頼らせてもらいます」
     ベレスは深々と頷いた。そうしてください、と機嫌良く返したレアは、さてと、と扉の入り口に視線を向ける。
    「それでは早速寮へ行ってもらいましょう。せっかくですから、級長たちに案内を頼んでおきました」
    「級長?」
    「それぞれの学級の級長たちです。寮においても、自分の学級の生徒たちを率いるのが彼らの役目ですからね。もちろん、男女の壁があって行き届かないところもあるでしょうけれど」
     レアはそこで言葉を切った。ベレトが言葉を引き継いだ。
    「そこを引き受けるのが自分達というわけか」
    「そういうことです。さあ、お入りなさい」
     レアが扉の外に呼びかける。物音がして、「失礼します」と凛々しい声が飛んできた。扉が開く。ベレスは自然と姿勢を正し、初めて会う生徒たちを待った。
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