Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    hbnho210

    @hbnho210

    BMB!

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 45

    hbnho210

    ☆quiet follow

    ルクアロ版ワンドロワンライ様よりお題をお借りしました。

    #ルクアロ
    rquaro.

    お題:「無防備」「腹筋」5/29 腹をまるだしにして眠っていた柴犬のことを思いだした。無防備すぎやしないか、そう言ったら、安心している証拠だと言われた。自分の近くにいる存在を信頼しきってまあるい腹をみせてすやすやと眠る犬はとんでもなく無防備で、動物としてそれでいいのだろうかと思ったが、その信頼を裏切りたくないと、何故か自然とそう思った。安心して眠れる場所が在るのはいい、心から信頼できる存在が在ることも。今、この家には二人しかいない。こいつは腹をだしてすっかりと眠ってしまえるくらい俺のことを信頼してくれているのか。いや、でも、こいつの他人を信頼するハードルはずいぶんと低そうだ。誰にでも腹をだしてみせるのか、誰のそばでもこんなふうに無防備な顔をして眠るのか。そんなことを悶々と考えながらリビングのソファで眠るルークをながめていたアーロンはずいぶんと険しい顔をしていたらしく、しばらくして目を覚ましたルークがまだ半分とじたままの目をこすりながら傍らにいるアーロンに気付くと、ぎょ、として、よく状況が掴めずにぎこちなく笑った。
    「……おはよ、アーロン、どうした」
    「……別に、」
     アーロンの顔から険しさは失えたが、なんとなく不機嫌そうだ。
    「もうこんな時間か、ついうっかり眠っちゃったよ、……アーロン、僕どれくらい寝てた?」
    「一時間」
     ずいぶんと長い時間居眠りをしてしまった、ルークは呆、とした頭で、……もしかしてアーロンは一時間ずっと見ていたのだろうか、眠る、自分を。そう思ったら何だかとても恥ずかしく、早々にソファから起き上がり衣服を整えた。
    「あ、もしかしてアーロン、おなかが空いてるのか。ごめん、すぐ何かつくるよ」
     キッチンへ足を向けたルークの腕が強く引かれ、ふたたびルークの身体はソファへと戻された。ルークの身体はふかふかのソファの上ではなく、アーロンの大きな胸と硬い腹筋の上にのしかかるように倒れた。
    「……無防備すぎるんだよ、てめえはよ」
     アーロンの身体の上に倒込み、そのままうしろから身体をまるごと抱きしめられてしまったが、いかに屈強なアーロンといえどさすがに成人男性の全体重がのしかかったままでは重いだろうと、ルークは何とか身体を起こそうとしたが、アーロンはルークを抱いている腕の力を緩めるつもりはないらしい。仕方なくルークはその体勢のままアーロンの身体に背中を預けた。
    「そりゃ、いま家のなかには君と僕しかいないんだ、警戒する必要ないだろう」
    「……いつも、誰といても、こうなんじゃないのか、てめえはよ」
     その声がどことなく苛ついているように聞こえたがその理由がまったく解らず、ルークは意図不明ながらも絡んでくるアーロンのその様子が、何だか猫みたいだなあ、と思い、いつかネットで見た、飼主に暴力的なまでに体当たりであまえまくる猫の動画を思いだした。
    「僕だって警官の端くれなんだぞ、何があるかわからないんだからいつだって細心の注意ははらっているつもりだ。君のまえでだけだよ、君になら何をされてもいいと思っているし」
     アーロンの腕の力が、不意にゆるくなる。ルークは身動きが出来ることを確かめると、アーロンの手首に口吻けた。
    「、何、」
    「だって君、あまえているんだろう」
     そう言って、また手首に、そして前腕、肘窩、二の腕へと口吻けをして、唇が腕のやわらかい部分までたどりつくと、そこを強く吸った。この男は、無防備なくせに隙がない。こちらのどんな攻撃もまるで通用しない。それどころかこんな反撃を仕掛けてくるとはまったく思ってもいなかった。唇で、アーロンの腕を侵略しながら、あまい、微笑みの爆弾を抱えて挑んでくるルークの挑戦を、……望むところだ、その挑戦受けて立ってやる。アーロンは不敵な笑みで、応戦した。

    【そんなこんなでいちゃらぶセッ…になる、おまけ】
    「アーロンのおなか……、ほんとうに綺麗だなあ、うらやましい、この腹筋……」
     ルークはアーロンの腹の上に顔をのせて指で腹の筋肉をなぞりながら、舌で舐めた。
    「てめえは俺の腹、舐めんの好きだよな」
    「うん、すごくきれいでひんやりしていて、弾力があって歯ごたえもあって……おいしい」
    「……食うなよ」
    「僕はそんなに悪食じゃないぞ?!」
    「いやわからねえ、俺の腹がクソ甘くなくてよかったぜ」
     ルークはアーロンの臍のまわりを舌の先端で舐め、その虚に噛みついて、強く吸った。痛み、と云うよりも、腹のしたがあまく、疼く。突然の刺激にアーロンの剥きだしのままの無防備な部分が反応した。
    「……別の意味で食べさせていただきます」
    「……くそったれ」
     食いしん坊とおいしいお肉のいつもの、じゃれあい。

    Tap to full screen .Repost is prohibited
    🍗🍗🍗👏👏👏👏👏👏👏🙏🙏🙏🙏🙏🙏🙏💖👏🍗🍪👏👏👏💖💖💖💖💖☺🙏💕💕💕💕💕💕🙏🙏👏
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    hbnho210

    DONEアーロンが宝石専門の怪盗ビーストとして世間を騒がせている頃のお話。ルークとは再会する前。オリジナルキャラがでてきます。※設定捏造アリ※本編と齟齬が生じている可能性アリ。展示①『Don't cry my hero』も読んで頂けたら嬉しいです。
    4/12「Hero`s echo」展示②『Give me a smile my hero』「またハズレか、……なかなか見つからねえもんだな」
     車のクラクション、海の遥か向こうの異国の言葉たち、石畳を歩く靴の音、店の前を通りすぎていった爆発音みたいな笑い声に店のドアにはめ込まれた色とりどりの色硝子が振動してカタカタと音を立てた。
    「おまえさんが何を探しているのか知らんが、どれも一級品だよ、まったくたいした腕だ」
    「ハッ、ドロボウの腕なんざ褒められても嬉しくねえんだよ」
     白昼の街の喧騒からうすい壁いちまいで隔てられた店の中はきれいに掃除が行き届いているのにどこか埃っぽく、店に並ぶ品はどれも古い映写機で映したように見える。何処かで嗅いだことのあるようなまったく知らないような不思議な匂いがして、壁に掛けられた時計の針が刻む音はどこかうさんくさい。アーロンは横目で時計を睨みながら店主が入れた茶を呑んだ。旨いが、何の茶なのかはわからない。
    2021

    hbnho210

    DONEアーロンがハスマリーで怪盗稼業をしていたときのお話。オリジナルキャラがでてきます。ルークはでてきませんが作中ではルーク(ヒーロー)の存在感がアリアリです。アーロンの心のなかにはいつでもヒーローがいるから……。アーロンが”怪盗ビースト”と呼ばれていますが、そのあたりは展示②の『Give me a smile my hero』を読んでいいただけると嬉しいです。※捏造設定アリ
    4/12「Hero`s echo」展示①『Don't cry my hero』「ねえ、聞いたかい? またでたってサ」
    「ああ、朝から物々しいからどうしたのかと思ったら、狙われたのは前々から黒いウワサのあった政府のお偉いさんの屋敷だっていうじゃねえか。相変わらず小気味がいいねえ」
     土埃と乾いた風、午前七時の太陽は容赦なく肌に照りつける、破れた幌の下にできたわずかな日陰で眠る猫、往来で市の支度をする者、共同水屋で衣類を洗ったり野菜を洗う女たち、野良犬を追いかける子ども、しきりに警笛を鳴らして怒鳴っている役人、いつもとおなじ変わることのない街の朝。だが、今朝の街はどことなくいつもより騒がしく街の人々もなにやら浮足立っていて、顔を合わせると目くばせをして何やら話し込んでいる。声をひそめながら、しかし時折、興奮して声が大きくなり相手にたしなめられている者もいた。
    3803

    related works

    recommended works