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    hbnho210

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    ルクアロ版ワンドロワンライさまよりお題をお借りしました!BOND諸君とナデシコさんがでてきます。

    #ルクアロ
    rquaro.

    お題:「薬」「はじめまして」1/22 とある麻薬のシンジケートをひとつ、潰して欲しいとチームBONDに依頼があった。潰して欲しいとはまた物騒なことで、と、モクマが笑う。言い方を変えようが諸君らのすることは、まあ、完膚なきまでに奴等を叩き潰し二度と日の目を見ることができないよう組織を根絶やしにすることだからな、と、涼しい顔でナデシコは組織に関わる情報と任務の詳細が記された書類を各々に渡した。書類は二、三枚ほど。任務は至ってシンプルで、情報は極めて少ない。法の目をかいくぐり国家権力を欺いて人々を苦しめている悪魔たちとの闘いの場は、紙の上ではない。この世界で暮らす人々の安寧を犯そうとする悪鬼共の巣喰うこの街だ。この街を、この街に住む人々を喰いつくされる前に、叩き潰す。それが、BOND諸君の使命だ。

     四人揃っての任務は久振りだった。だが、任務開始以降、四人は互いに連絡をとることも顔を合わせることもなくナデシコが用意した偽りの身分で潜入した場所で着実に任務を遂行していた。計画は順調だ。このまま世界各地に潜む巨大な組織の全貌を暴き、一気に壊滅へと導く準備は整いつつあった。一週間ほど過ぎた頃、唯一、四人と連絡をとっていたナデシコから三人にあるメッセージが入った。いつもと同じく、まるで誤送信されたメッセージのように、または自動送信されたプロモーションメールのように。
     ”マックスが迷子になっちゃったの”
     「マックス」とは、この国でもっともポピュラーな飼い犬に名付ける名前だ。それは、飼い犬がどこかへいってしまい、幼い子供があわてて送ってしまったメッセージのようだった。だが、そのメッセージの意味を、三人はすぐに理解した。犬が、迷子になった。つまり、ドギーことルークと連絡がとれなくなった、ということだ。その一文の他に、メッセージはない。だが、その短いメッセージにはいくつかの意味が含まれている。
     ルークの現状。しかし、自分の任務はそのまま続行。そして、今まで以上に慎重に行動しろ。つまり、ルークに何かあったことは明白だが、それに関して自分たちは何も手をだすことが出来ない。各々のつながりを敵に知られてはならないからだ。そして、次に音信不通になるのは自分かもしれない可能性もある。しかし絶対にこの任務は成功させなければならない。故に、これまで以上に慎重に、かつ確実に任務を遂行すること。それが最優先だ。
    「……ふざけるな、」
     アーロンの唸るような呟きは誰の耳に届くことなく喧騒に紛れ、失えていった。しかし、アーロンの怒りは失えることなく、その怒りは胸を、拳を、燃やしている。握りしめたタブレットがみしり、と音を立てた。任務中に偽装されたメッセージを受取ったとき、それがどんな内容であれ状況を考えふさわしい反応をする。何処で誰が見ているかわからない中で、誰から何を訊かれても対応できるように。早速、どうした? と声をかけてきた同僚(敵である)がタブレットを覗き込んできた。既にメッセージの画面は閉じられている。同僚が見ているのは初期設定のままのロック画面だ。
    「……なんでもねえ」
     同僚は、あからさまに不機嫌な男のその態度を特に怪しむこともなく素直に受けとったようで、女にでもフラれたか、仕事中の退屈しのぎにはぴったりだと言わんばかりに揶揄ってきた。アーロンは舌打ちをして忌々し気に、うるせえ、とだけ吐いて乱暴にタブレットをスーツのポケットへ突っ込んだ。

     仮の身分で潜入しているお互いの連絡先は誰も知らない。四人はまったくの赤の他人であり、不意に鉢合わせをしたとしても他人の顔をする。無論、プライベートの端末も所持していない。ルークの仮初の連絡先をナデシコに訊いても教えてくれることはないだろう。アーロンはためらうことなくタブレットに“奴”の連絡先を入力した。
    「……ルール違反ですよ」
    「てめえこそ」
     チェズレイなら仮の身分用に支給されたタブレットに自分のプライベート端末と同様の機能を持たせ難なく使用できるようにすることなど造作もなく、そのことを味方にも敵にも知られずに好き勝手をしているだろうことなど、チェズレイという人物を理解しているチームの皆にとっては当然の如く承知するところであった。おそらく、ナデシコも。
    「つまらないですねえ」
     チェズレイの大仰な溜息に舌打ちをするアーロンの額には汗が滲み、タブレットを強く握りしめる手は白く冷たい。
    「無駄話をしているヒマはねえ、手短に話すぞ」
    「聴くまでもありませんよ、ボスの現在の居場所を怪盗殿の端末へ送っておきました」
    「……、」
    「ボスのことを心配しているのが自分だけだとでも」
    「……てめえは、」
     アーロンが見えないタブレットの向こうで今どんな顔をしているか手にとるように解るとでも言いたげにチェズレイが笑う。
    「じゃあ何故、私が自分で救けにいかないのか、とでもおっしゃりたいようですねえ。たいへん不本意ではありますがボスも怪盗殿に救けに来てもらったほうが嬉しいでしょうからね。騎士の役目は怪盗殿にお譲りしてさしあげようと思った次第で」
     そう言って、通話は一方的に切れた。アーロンは沈黙したタブレットを睨みつけても足りないほどに睨み、いちいち癇に障る嫌な野郎だと思いながら、チェズレイの言から現在、ルークが無事であるということだけは確認が出来た。アーロンは全身から抜けていった血がふたたび身体中を駆け巡る感覚に一瞬、目眩を憶え壁に背を預けると、すぐにタブレットの示す位置を確認し、その場所へと駆けた。

     正体はバレなかったものの行動に不審な点を見咎められ、ルークは一切の通信機器を没収されて潜入先の組織の一室に監禁されていた。そこまでは突き止めることができたが組織のアジトへ侵入し、かつルークが監禁されている部屋までのルート解放の手立てが見つからず、アーロンは正攻法でいくことに決めた。組織の部下と街中で揉め事を起こし、やっかいなチンピラを装って部下の二、三人を殴ったところで車に放り込まれた。ここまでは計算通りに事が運んでいる。この後は、薬漬けにして海へ沈めるつもりか射撃の練習台にでも使うのか、それとも内臓でも売るか。アーロンは様子を伺いながら車を奪う算段をしていたが、根無し草のチンピラ一人くらいどうとでもなるとでも思ったのだろう。アーロンは組織のアジトへと連行される事になった。さして警戒されることもなく難なくアジトへ潜入できることになったことはやや拍子抜けだったが、あとは頃合いを見計らってルークの監禁されている部屋を探るだけだ、アーロンは腹のなかで煮えたぎる怒りをふつふつとさせながら、黙してその時を待った。

     手足を縛られ、目隠しをされたまま背中を押され床に倒れ込んだアーロンは大仰に悪態をつきながら、頑丈で重い鉄扉が閉められ鍵がかかる音を聞いて、どうやら自分はアジトの何処か一室に閉じ込められたのだろうという事を理解した。さて、ここからどうやってルークの監禁されている部屋を探すか。とりあえず目隠しが鬱陶しく、アーロンは縛られた腕を難なく解放すると目を覆っている布を乱暴に掴んだ。無機質な窓のない部屋には一切の家具や道具はなく、天井にはぎらぎらとどぎつい光を放つ蛍光灯。そして、部屋の隅に、迷子の犬が、一匹。
     あらゆる事を想定して、十数通りの策を用意し、それでも命が危険にさらされる可能性があることを覚悟して、敵のアジトへ単身乗込んだ。腕の一本くらいもっていかれようと、内臓を潰されようと、ルークだけは、絶対に救ける。生きて、此処を出る。ルークには指一本触れさせない。俺が絶対に護る。その為にはどんなことでもする。たとえ、この身がどうなろうとも。そう、覚悟はしていた。していたが、こんな覚悟はしていなかった。まさか、こんな、こんなことが、何故、
     部屋の隅で、膝を抱えて座りながらとぼけた顔でこちらを見ているルーク・ウィリアムズが居るなんて、そんなこと、いったい誰が、予想できただろうか。
    「ドギー!!てめえっ、」
    「やあ、はじめまして。君も捕まってしまったのか?」
     はじめまして
    「……何、言ってやがる、俺の顔を忘れたのか、この駄犬が」
     ルークは首を傾げ、少し考えるように俯くと、困った顔をして笑った。
    「君とは初対面だと思うのだけれど……、もしかして以前、何処かで会ったことがあっただろうか?」
     あの、遠く波の音が聞こえる海の匂いで満たされた暗い倉庫で、歓びと絶望と怒りと哀しみと、どうしたらいいのかわからない、脳も心も真っ白になって膨らみに膨らんだ十八年間の想いが爆発した、瞬間。もう二度と会えないと思っていた相手に再び出逢うことができた。しかし、その相手は何もかもを忘れていた。幼い日、熱い太陽がかがやく赤い大地の国で共に過ごした日々のことも、“相棒”と呼んでその手をさしのべた相手のことも、あの、何もかもが一瞬にして炎に灼かれた夜のことも。だけれど、心と身体が頽れそうになりながらそれでも、生きていてくれてよかった、そう思った。たとえ自分の事を忘れてしまっていても、“ヒーロー”が生きていた。その事実に泣きたいほど感謝した。絶望より、何倍も何千倍も、歓びのほうが強かった。もうそれだけでいいと思った。それなのに、あの幼い日とおなじようにためらうことなく自分に真直ぐと向けられた笑顔は、ふたたび、その手をさしのべてくれた。自分のことを「相棒」と呼んでくれた。
     それなのに、もう一度あの絶望をくりかえすのか。また、俺は相棒に忘れられるのか。また、俺はひとりになるのか。お前は、俺を、ひとりに、するのか。
    「……俺を、忘れたのか、俺の事を、もう、二度と、忘れないんじゃなかったのか、」
     凍えるような冷たい頬に、流れる涙は熱く、皮膚は火傷をしたようにヒリついて、穢れたリノリウムの床には涙の滴が幾つも々も、こぼれ堕ちた。
    「……どうして、泣いているの、もしかして奴らに何かされたのか?! どこか痛いところが、」
     触れようとした手を払いのけた。きつく睨んだ眼は赤く、涙に濡れて光り、夜を彷徨い仲間を恋うて咆哮する翡翠の眼をした獣のよう。
    「…………ああ! もう! 君ってやつは!!」
     その腕は、頭蓋骨が砕けんばかりに強く強く、啼いている獣の頭を抱きしめた。
    「泣くなんて反則だよ! そんなの……無理だ、」
     ルークは胸にアーロンの頭を抱いて、頬を何度も何度も旋毛に強くすりつけて、口吻けをした。
    「僕たちは任務の間、道端でバッタリでくわしたとしても他人の振りをすることになっていただろう?! それなのに君は、君ときたら……」
     唇は額、鼻の頭、そして頬にいくつも々押され、赤い髪を梳く手は優しく、ルークはアーロンの身体を強く自分のほうへと引き寄せた。突然のキスの嵐に呆然としながら事の次第をようやく呑込むことができたアーロンは発火してしまいそうなくらい顔も身体も真っ赤になって、身体中は燃えるように熱く、今にも爆発しそうになりながら震える唇で激昂した。
    「……ふ、二人だけなんだからいいじゃねえか!」
    「監視カメラがあっただろう! そんなことも解らない君でもあるまいし、どうしちゃったんだ君、やっぱり何かされたんじゃないか?!」
     はじめまして。ルークにそういわれたとき、頭が真っ白になった。今、自分が何処にいるのか、何をしているのかも解らなくなった。それは自分を奈落へと堕とす、呪いの言葉のようだった。
    「……情けねえ」
     もう二度と手に入らないと思ったものが手に入った。叶うはずのない願いが叶った。でも、もしかしたらこれは夢で、いつか目覚める日がきたそのとき自分はまた何もかもを失うかもしれない。そんな悪夢に、自分はまだ支配されているのか。今、ルークは此処に在るのに。
    「僕のことが心配だったんだろう。君のその優しさは、弱さなんかじゃないよ。あの扉が開いて君が現れたとき、僕がどんなに嬉しかったかわかる? ほんとうはすぐにでも抱きしめて君の名を呼んでいっぱいキスをしたかったよ。有難う。僕はいつも、君に生かされている」
     もっと強くなりたい。もっと強くならなければ。この、相棒と一生、共に在る為に。
     アーロンはルークに抱かれながらその胸に額をこすりつけて、目を閉じた。瞼は熱く、濡れた睫毛は重く、ルークの胸は陽だまりのようにあたたかい。
    「それはそうと、これはもう正体バレたよなあ」
    「……すまねえ」
    「ナデシコさんには二人でいっしょに謝るとして、まずはここからどうやって脱出するか……」
     一瞬、地震かと思うほどの揺れが二人を監禁している部屋を襲い鼓膜が破裂せんばかりの爆発音がした。二人は体勢を立て直し扉から離れて身構えた。重厚な鉄扉は外側から吹飛ばされ、崩れた壁のコンクリートが欠片となって部屋の中に飛散る。二人はそれを難なく避けると、扉へ向かって走った。その二人の頭上に、声が響く。飄々とした、あの声が。
    「二人とも無事かい? 遅くなっちまったけど、むかえにきたよ」
     廊下に設置されたスピーカーから雑音交じりに聞こえてくる声に、二人は百パーセント、いや二百パーセントこの任務が成功し、そして今まさにフィナーレをむかえようとしているのだということを確信した。ルークは、モクマさん! と嬉しそうにスピーカーにむかって声をかけ、アーロンは舌打ちしながら退路を確保すべく視線を走らせた。

     
     満を持してナデシコ率いる公安部隊は麻薬組織の全てのアジトを制圧し、悪鬼共を一網打尽にした。モクマとチェズレイはルークとアーロンの捕らわれているアジトへ向かい、先程の派手な救出劇となった。少々、予定は違えたが結果は大成功、これにてチームBONDの任務は終了、ミッションコンプリートと相成った。

     この大捕物は世界的なニュースとなりしばらく世間を賑わせることになるが、ルークとアーロンはナデシコから説教を喰らった後、反省文を提出するまでナデシコの家に軟禁されることになった。
    「しかし、どんなドジ踏んで捕まったんだてめえは」
     おまえらしくもねえ、そう、心のなかでつけくわえながらアーロンは笑った。
    「それがさ、毎日交代でボスのために三時のおやつを買いに行くことが部下である僕たちの日課だったんだ。そして僕の当番の日が来たから僕は気合を入れてとっておきのおやつを買った。そう、“はずれまんじゅう”をね! 何と! ミカグラから期間限定で特別出店していたんだ! よし、これでボスの心を鷲掴みにして信頼度もアップだ! そう思ったんだけど、どうやらここのボスは甘いものが苦手だったらしく、甘すぎる! て怒られてしまって……それでタブレットも取り上げられちゃって、あの反省部屋へ入れられたってワケ。それにしてもここのボスが甘いものが嫌いだなんてデータにはなかったし、普通にケーキとか食べているのも見たんだけどなあ、まんじゅうが駄目だったのか?」
     ルークは腕を組んでしきりに首をひねりながら考込んでいる。
    「……甘いもんが好きな奴でもあんなもんだされたら怒るわ!!」
     まさかそんな理由で、いやそんな理由だからか。アーロンはふるえる拳を振りあげて、そのままルークに抱きついた。
     とんでもねえヒーローだ。誰よりも強いのに、どんなヒーローよりも最高のヒーローなのに。いつだってこちらの考えが及ばないことをする。一緒にいると、いつも心臓がドキドキしてたまらない。
    「……任務失敗しちゃったな」
    「任務は成功しただろうが。まあ、いまいち釈然としねえが」
    「君のことを泣かせてしまった」
    「忘れろ」
    「もう、絶対に君を泣かせない、そう約束したのに」
     アーロンは抱きついていたルークを放り投げて背を向けた。その背を追いかけて、ルークがアーロンの背中を抱きしめる。
    「……もう僕は絶対に、君のことを忘れない。二度と、君のことをひとりになんかしないよ。不安にさせて、ごめん」
     背中が熱い。熱くて、首も、頬も、耳も熱くて、とけてやわらかくなってしまった心に、ルークの言葉がはいってくる。アーロンは熱くなった瞼を強く、閉じた。そうしてずっと黙ったまま動かないアーロンから、そろそろ照れ隠しという名の鉤爪がとんでくるかもしれないと思いながら、ルークはそんなアーロンも可愛くて可愛くて仕方がなくて、さらに強くアーロンを抱きしめた。
    「……ああ、もう忘れるなよ」
     アーロンからとんできたものは鉤爪ではなく、まっすぐな、アーロンの言葉だった。アーロンのあまりにも嬉しい不意打ちにルークは狼狽え、そのルークの狼狽が背中越しに伝わってきたアーロンも我に返ったが、もう、この状況をどうしたらいいのかわからず、ルークはうしろからアーロンを抱きしめたまま、アーロンはルークに抱きしめられたまま俯いて、ふたりはしばらくそうやって、黙ったまま、その場に立ちつくしていた。
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    SPUR MEルクアロ版ワンドロワンライさまよりお題:「バカップル」「たばこ」お借りしました!闇バもでてくる。ルクアロだけどBOND諸君がみんなで仲良く?しています。
    お題:「バカップル」「たばこ」7/16「キスしたときにたばこの味がすると、オトナのキスだな、て感じがするってむかし同級生の女の子が言っていたんだけど」
    「……女とそういう話するのか、意外だな」
    「ハイスクールのときだよ。隣の席の子が付き合いはじめたばかりの年上の彼氏の話をはじめると止まらなくて……それでさ、アーロンはどんな味がした」
    「何」
    「僕とキスをしたとき」
     午后の気怠さのなか、どうでもいい話をしながら、なんとなく唇がふれあって、舌先でつつくように唇を舐めたり、歯で唇をかるく喰んだり、唇と唇をすり合わせて、まるで小鳥が花の蜜を吸うように戯れていた二人は、だんだんとじれったくなってどちらからともなくそのまま深く口吻けをした。そうして白昼堂々、リビングのソファで長い々キスをして、ようやく唇を離したが、離れがたいとばかりに追いかける唇と、舌をのばしてその唇をむかえようとする唇は、いつ果てるともわからぬ情動のまま口吻けをくりかえした。このままではキスだけではすまなくなると思った二人はようやく唇を解いて呼吸を整えた。身体の疼きがおさまってきたそのとき、ルークが意味不明な問答を仕掛けてきた。アーロンは、まだ冷めやらぬ肉体の熱を無理矢理に抑込みながら寝起きでも元気に庭を走りまわる犬のような顔をしたルークの顔をまじまじと見た。
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