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    くまだ

    @enbun_yum

    文章のみです。主に、ぴくしぶにあげられないような、書きかけて力尽きたもの、短すぎるものを投稿します。

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    くまだ

    ☆quiet follow

    モくんが告白した後、その返事をまだ返してないレが、急に夜の上下の相談を持ちかけるレのお話です(エロ描写は無しです)。なんだこれ。

    #モブ霊
    MobRei
    #年齢操作
    ageManipulation

    どっちがいいの「お前さ、どっちがいいの?」

    夕飯のラーメンを食べての帰り道。
    スーツに跳んだラーメンの汁の行方をそれとなく探していた茂夫は、投げかけられた唐突な質問に戸惑って霊幻を見た。

    「どっちって、何のことですか?」

    「抱くのと、抱かれるの。付き合いたいんだろ、俺と」

    「急に何言い出すんだアンタ………大体、まだ告白の返事、貰ってないですよ」

    茂夫がそう返すと、霊幻はふい、と顔を背けた。何か言いたげな後頭部が、歩く度に少し揺れる。

    (……………かわいいな)

    そんなことを反射的に考えながら、はて、と茂夫は立ち止まる。

    (師匠はなんで、急にそんなこと聞いたのかな)

    頼もしくて、真っ直ぐで、それでいてどこか寂しげな背中が遠ざかっていく。
    茂夫の想い人は、己の感情を大切にするのが苦手なふしがあった。告白の返事がもらえないのも、それと関係があるのだろう。
    きっと今も、己の感情を飲み込んでいて、心を押し殺している。その感情の正体を察して、茂夫の胸は沸き立つと共に痛んだ。

    「やっぱり、僕のことが好きなんじゃないか」

    ポツリと呟いた言葉は届かない。茂夫を想って身を引こうとしているのであろう、寂しげな背中が遠ざかる。

    「師匠────────!!」

    堪らず、走り出した。
    追いつくのに時間は掛からなくて、すぐさま腕を掴んで、引き寄せる。腕の中で、霊幻が息を震わせた気がした。

    「何だよ急に」

    「好きです、師匠。僕の為を想うなら、僕から離れて行ったりしないで」

    硬いままの身体をしっかり抱きしめる。

    「たとえあんたが僕を拒絶したって、僕はずっと、あんたを好きなままだよ。だから、もう、諦めてください」

    「……………趣味悪いぞ、お前」

    「どうとでも言ってください。あと師匠、師匠が良ければ、僕はあんたを抱きたいな」
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    humi0312

    DONE2236、社会人になって新生活を始めたモブくんが、師匠と通話する話。
    cp感薄めだけれどモブ霊のつもりで書いています。
    シテイシティさんのお題作品です。

    故郷は、
    遠くにありて思うもの『そっちはどうだ』
     スマートフォン越しの声が抽象的にしかなりようのない質問を投げかけて、茂夫はどう答えるか考える。
    「やること多くて寝るのが遅くなってるけど、元気ですよ。生活するのって、分かってたけど大変ですね」
     笑い声とともに、そうだろうと返って来る。疲労はあれ、精神的にはまだ余裕があることが、声から伝わったのだろう。
    『飯作ってる?』
    「ごはんとお味噌汁は作りましたよ。玉ねぎと卵で。主菜は買っちゃいますけど」
    『いいじゃん、十分。あとトマトくらい切れば』
    「トマトかあ」
    『葉野菜よりか保つからさ』
     仕事が研修期間のうちに生活に慣れるよう、一人暮らしの細々としたことを教えたのは、長らくそうであったように霊幻だった。利便性と防犯面を兼ね備えた物件の見極め方に始まり、コインランドリーの活用法、面倒にならない収納の仕方。食事と清潔さは体調に直結するからと、新鮮なレタスを茎から判別する方法、野菜をたくさん採るには汁物が手軽なこと、生ゴミを出すのだけは忘れないよう習慣づけること、部屋の掃除は適当でも水回りはきちんとすべきこと、交換が簡単なボックスシーツ、スーツの手入れについては物のついでに、実にまめまめしいことこの上ない。
    1305

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