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    Laugh_armor_mao

    @Laugh_armor_mao

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    Laugh_armor_mao

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    J様のお題
    Q.🧡に「おまえは人間じゃないから、だから好き」と言われた際の、❤️の心境を答えよ。

    #Foxakuma

    A.逃しませんが何か?「お前は、人間じゃ無いから」
    「だから、好き」

     お気に入りのヌメ革のソファに沈み込みながら、ミスタがぽつり。と呟いた。
     極自然に、ほろりと落したその言葉に幾つかの仮定を立てながら、ヴォックスは持って来た毛布でミスタを包み込むとぎゅっと抱き締めた。

     暫くモゾモゾと逃げ場を探すように身動いだ後、漸く観念して自分に身を預けたその背を撫ぜながら、彼の中で膨らんで弾けそうな思考をもう少し、吐き出させんと言葉をかけた。

    「それで、永遠か刹那の、何方に折合いが付いたんだい?」

     ヒュッと息を呑む音がして、悪戯を咎められた子供のような顔でちら。とこちらを見たかと思うと、さっと首を縮めてグリグリと肩口に擦り寄った。

    「ひとつ。私がミスタから離れても、ペットに飽きたとでも思えば諦めが付く」

     毛布越しから、ぎゅっと身体が強張るのが伝わる。肩甲骨から脇腹にかけて、ゆっくり掌全体で撫でながら更に続ける。

    「ひとつ。ミスタの寿命まで付き合っても、私からすれば一瞬だから時間を無駄にした等と言わないかもしれない」

     少し、筋繊維が弛み、僅かな鼓動と共に仄かに体温が上がった。どうやらコチラが正解らしい。
     つまり、自分の心は移ろわないと盛大な告白を言外に示している訳なのだが。
     思わず口元が緩んで笑いが出そうだ。本人は毛布の中で全く気が付かないのも好都合。

    「其処に私がお前を想う心持ちの度合いは考慮されていない気がするが…?」

     意地悪く前提条件を混ぜ返してやると、ガバリ!と眉を下げて悲壮な顔をした小動物が顔を出した。
     強めに額からクビへと滑らかな髪を漉きながら撫で、告げる。

    「安心して良いぞミスタ。私は人外だから、肉体が擦切れて無くなっても、剥身の魂もずっと手元に置いて愛でてやるから」

     うん?と今ひとつ認識出来無い部分に首を傾げた仔狐に、鬼は蕩ける様な微笑みを向けた。
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    iori_uziyama

    DONE勢いで書いた。
    🦊😈🦊、🧡❤🧡
    置いていかれたヴォと置いていってしまったミの話。死ネタ。
    いっそ愛さなければよかったなんて鬼の生は長くて、今まで何度も人を愛したし、見送ったし、それでも時間が傷を癒やして、また人を愛せたし。だからミスタを愛したときも、彼の人生いっぱいいっぱいまで最大限の愛を注ごうと決めていた。そこに悲観はなかった。それは本当だったのに。彼を抱きしめて寝るのが好きだった。彼の体温が好きだった。彼の声が好きだった。彼の笑顔が好きだった。あぁ、忘れていた。そうだった。愛するものを失うのは心が引きちぎれるほど悲しくて、過ぎ去ることはわかっていてもその時間が果てしなく長く感じる。彼のことをずっと覚えて抱えていたいのに、あまりにも辛すぎて今すぐ忘れてしまいたくもなる。あと何年で忘れてしまうのだろう。あと何年で忘れられるのだろう。この傷が愛おしいのに辛くて堪らない。日本では49日で魂があの世へ行くらしいけれど、私の心にはミスタが染み付いて離れない。死んでしまいそうなくらいギュウギュウと締め付けてくるのに、決して殺しはしてくれない。ミスタに会いに行かせてくれない。鬼の身体を呪うしかない。焦がれて、力の制御もうまく行かずに引っ掻いたシーツが引き裂かれても、もがくことをやめられない。ああ、いっそ愛さなければよかったのにと思ってしまうほど、苦しくてつらい。楽しい思い出が輝くほどに、彼を思い出すほどに、憎くなる。なぜ私を置いていく。頼むから、置いていかないでくれ。泣き叫んで、縋り付いたっていい、どんなに情けない姿になってでも、ずっと側にいてくれるならそれでいい。たのむ、みすた、一人にしないでくれ。金色の瞳からポロポロと涙が溢れる。牙のある口から嗚咽が溢れて、雨の日も、雪の日も、晴れの日も風の日も、嵐の日も、昼も、夜も、朝も、ひたすら墓にすがりついていた。一ヶ月が経ってもニヶ月が経っても三ヶ月が経っても、半年が過ぎても、四季が巡ろうとも、涙は止まらなかった。両手の指を超える年を経ても未だに夢に思い、起きては絶望した。取り繕う余裕もなく、余りにも変わらず居るものだから、街中の話題になっても、国中の話題になっても世界中の話題になっても、頭の中にはミスタしか居なかった。ひとりぽっちになってしまった鬼が、いまだにわんわん泣いている。
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