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    Laugh_armor_mao

    @Laugh_armor_mao

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    Laugh_armor_mao

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    鬼狐ワンドロワンライ
    お題 『ハグ』

    Solitude 背に回した手に力を籠めると、己の背中にも同じ様に、されどしがみつく自分とは違って少し優しく抱え込む力が強まった。
     首筋を擽るように当たる呼吸と、柔らかく仕上げられた300番手のシャツ越しに感じる体温を、眼を閉じて受け容れる。

    「ミスタ。ミスタ、私はずっとお前と共に在りたい」

     夜を凝固させて造られたような美しい彫像から落ちた音は、何時もの様に深く深く血液に混じって体内を駆け巡る。幾許か余裕の無いリズムが、彼が心を持つ生き物であると主張している。

     朝日を浴びてキラキラと煌めく水面の様にくるくると色彩を変える、飛切り大きなセントラルヘテロクロミアの瞳が、嬉しそうにも哀しそうにも見える様に揺れた後、再び肩口にギュッと収まった。

    「もー、無理。どうしてヴォックスってば…」
    「うん。すまない」

     弾力性を持つ薄い皮膚の下、筋張った筋繊維から伝わる鼓動は速く、呼吸する度に圧迫される肺が、ミスタとヴォックスに各々別の個体であると認識させる。
     お互いの胸懐を顕すように体温が上昇していった。

    「あっつぃ」
    「ムードの無いヤツだ」

     喉の奥で転がる笑い声を鎖骨で感じても尚、取り付いたまま体制を変えないミスタと共にベッドに倒れ込んで、空調のリモコンを片手に探し当てる。
     室温を2度下げて、お互いの体温を享受して眠った。

    『』

     ふと、意識が浮上して辺りを見廻した。何時もと変わらぬ自室の天井を見るとも無しに眺めながら、微睡みに身を委ねる。

     カーテンの隙間から漏れる僅かな光を見るに、明け方頃か。肌寒さを覚えて、隣の温もりに手を伸ばせば、冷たいなめらかなシルクの感触が手の甲を滑った。
     ヴォックスは緩慢に身体を起こし、あの頃より随分長く伸びた髪を掻き上げる。

     本日の朝食は温かいボリッジが良いな。

     ここ数日、夏の暑さが嘘のように気温の低くなった部屋のベッドから、ガウンを羽織って抜け出す。

    「全く。酷い呪いをかけてくれたものだね」

     サイドチェストに置かれたフォトフレームを突くと、ヴンと云う起動音と共に、あの日と同じ蒼にオレンジ色を滲ませた瞳で笑う想い人の姿がモニターに現れる。スライド式に何枚も切り替わる画面を置き去りにして、ドアがパタリと音を立て閉じた。



    『ちゃんと、返事するから待ってて』
    『待ってるさ。ずっとね』

    2222/09/01 5:00am
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    iori_uziyama

    DONE勢いで書いた。
    🦊😈🦊、🧡❤🧡
    置いていかれたヴォと置いていってしまったミの話。死ネタ。
    いっそ愛さなければよかったなんて鬼の生は長くて、今まで何度も人を愛したし、見送ったし、それでも時間が傷を癒やして、また人を愛せたし。だからミスタを愛したときも、彼の人生いっぱいいっぱいまで最大限の愛を注ごうと決めていた。そこに悲観はなかった。それは本当だったのに。彼を抱きしめて寝るのが好きだった。彼の体温が好きだった。彼の声が好きだった。彼の笑顔が好きだった。あぁ、忘れていた。そうだった。愛するものを失うのは心が引きちぎれるほど悲しくて、過ぎ去ることはわかっていてもその時間が果てしなく長く感じる。彼のことをずっと覚えて抱えていたいのに、あまりにも辛すぎて今すぐ忘れてしまいたくもなる。あと何年で忘れてしまうのだろう。あと何年で忘れられるのだろう。この傷が愛おしいのに辛くて堪らない。日本では49日で魂があの世へ行くらしいけれど、私の心にはミスタが染み付いて離れない。死んでしまいそうなくらいギュウギュウと締め付けてくるのに、決して殺しはしてくれない。ミスタに会いに行かせてくれない。鬼の身体を呪うしかない。焦がれて、力の制御もうまく行かずに引っ掻いたシーツが引き裂かれても、もがくことをやめられない。ああ、いっそ愛さなければよかったのにと思ってしまうほど、苦しくてつらい。楽しい思い出が輝くほどに、彼を思い出すほどに、憎くなる。なぜ私を置いていく。頼むから、置いていかないでくれ。泣き叫んで、縋り付いたっていい、どんなに情けない姿になってでも、ずっと側にいてくれるならそれでいい。たのむ、みすた、一人にしないでくれ。金色の瞳からポロポロと涙が溢れる。牙のある口から嗚咽が溢れて、雨の日も、雪の日も、晴れの日も風の日も、嵐の日も、昼も、夜も、朝も、ひたすら墓にすがりついていた。一ヶ月が経ってもニヶ月が経っても三ヶ月が経っても、半年が過ぎても、四季が巡ろうとも、涙は止まらなかった。両手の指を超える年を経ても未だに夢に思い、起きては絶望した。取り繕う余裕もなく、余りにも変わらず居るものだから、街中の話題になっても、国中の話題になっても世界中の話題になっても、頭の中にはミスタしか居なかった。ひとりぽっちになってしまった鬼が、いまだにわんわん泣いている。
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    kohan_saniwa

    DONE寝れない🦊と寝かしつけに行く👹の🦊👹
    健全
    ⚠なんでも許せる人向けです⚠
    口調が定まらね〜 特に👹
    ⚠読んだ後の誹謗中傷は受け付けません⚠
    ⚠本人様達とは一切関係の無い二次創作です⚠

    ディスコードって、相手がメッセージ打ってると分かるようになってるんですよね。あれ便利
    今すぐいくね- 今すぐいくね -
    真っ暗な場所は嫌いだけど、真っ暗な自室は、嫌いとは違う感覚がする。
    配信を終えて電気を切った真夜中の部屋はしん、と静まり返っている。ベッドに転がって天井を眺めていると、カーテンの隙間から街頭や車のヘッドライトがちらちらと視界の端を照らしてくれた。ミスタはぼんやりとそれを見ていたが、やがて車の通りもなくなってしまうと、部屋は更に暗闇に包まれる。
    静かな部屋では、自分だけが音源だ。
    呼吸の音、寝返りのシーツの擦れる音、心臓の音
    、頭の中をぐるぐると巡る自分や他人の声。横向きになって、枕をギュッと抱き締める。
    暗い部屋は落ち着かない。落ち着かないから、ミスタはつい部屋の明かりをつけ直した。明るい場所で寝ることがあまり良くないことは勿論理解している。理解しているけれど、やっぱり嫌いなものは嫌いなのだ。明るくなったことで、心臓の音がほんの少しだけ小さくなった。頭にガンガンと響く心拍も、ミスタは嫌いだった。逸る心音を聞いていると、心が落ち着かない。ソワソワして、なんだかそこがなんともないのに怖い場所のように思えてたまらない。一人で部屋にいることを嫌でも理解出来て、どうしようも無い焦燥感に、ますます眠れなくなる。
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