Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    hanakagari_km

    @hanakagari_km

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 18

    hanakagari_km

    ☆quiet follow

    エーギルがわんこで、ベストラがにゃんこです

    エーギルフォンとベストラニャン 柑子色の長髪犬は緑の庭が見える窓のそばで顎を床にぺたんとつけて伏せていた。
     ぽかぽかの日差しを自慢の毛に受けると、まったりと昼寝をする。くありと欠伸をひとつ。
     温かなお日様を受けると気持ちがいい。手足を伸ばして伸びをして、舌を出してまた欠伸をひとつ。うとうとする。瞼がとろんと重い。とふと、ナニカがイヌの尻尾を踏んだ。
     人に踏まれると鳴くほど痛いが、今回のはあまり痛くない。顎を床から上げ、首を後ろに回そうとしたが、それよりもナニカが尻を踏み、背中に乗りあがってくる。
     四足で無遠慮に乗りあがったソレは、柑子色の中で一番温い場所を探しだすと身を丸めてうずくまり、最後に黒い尻尾を自分へと巻き付けると落ち着いた。
     振り返らず好きにさせたイヌは、背中でくうくうと眠りだすナニカを振り落とさないよう気をつけた。
     消毒薬の臭いがツンと鼻を掠める。微かだが、血の臭いもする。
     自慢の毛並みを踏んで乗り上げてきのは、2日前に人間が拾ってきた小さな生き物だ。人間はたしか、ネコと言っていた。
     数日前、イヌはずぶ濡れになった人間が焦って扉を開き、腕に抱いたネコを必死になって看病する様子を見ていた。
     人間らはイヌに「これから一緒に住む子だ。仲良くしてくれ」とお願いをしていた。
     イヌは利口なので吠えて了承を返し、猫に先輩としてこの家でのいろいろを教えようと意気込んだのだが、近づくと毛を逆立て怒り、鋭い爪で目元を引っ掻かれそうになった。また猫は隙あらば家から脱走を試みるので咥えて連れ戻れば、ぐったりとしてしまう。怪我が治っていない、体力も回復していないと教えても、猫はツンとそっぽを向いていたのに。
     人間の一人、小さいほうの男がそっと四つ這いで近づいてくるのをイヌは視線で追うが、人差し指を立てられた。これは、静かにしないといけない時にされる仕草だ。
     イヌの横にくると人間は四つ足を倒して寝転がる。彼の目は、じっと猫を見つめ、薄い腹がぴくぴくと動いているのを見るとほほ笑んでいる。
     人間が欠伸をした。イヌも欠伸をする。後ろでパシャリと音が聞こえれば、大きな方の人間がカメラこちらに向けていた。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works