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    sy_leg

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    sy_leg

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    9/1 雨クリワンドロワンライお題。
    いちゃついてるだけの話になりました。

    優しく触れる 何か温かなものに包まれている。その優しい温もりに幸福感を覚えながら、クリスはゆっくりと瞼を持ち上げた。
    「起こしちまったかい?」
     寝起きの視界に飛び込んできたのは、穏やかな笑みを浮かべる雨彦の顔だった。どうやら自分は彼に抱き締められているらしい。
    「…おはようございます」
    「ああ、おはようさん」
     まだ眠気でぼんやりとした頭を働かせようとしていると、彼の腕が緩んでクリスの身体から離れて行く。
     それを寂しく思う間も無く、雨彦の手がそっとクリスの頭を撫でた。
    「もう少し眠るといいさ。まだ時間はある」
     撫でる手付きも声音もひどく優しくて心地が良い。思わず目を細めてしまうと、彼は更に頬まで緩ませてくれた。
     確かにまだ部屋の中は薄暗い。カーテンの向こう側から仄かな光が漏れてきているが、時刻はまだ早朝だろう。クリスも朝は早い方だが、それにしても随分早い時間に目覚めてしまったようだ。
     クリスが普段よりも時間をかけて状況を把握する間も、雨彦はずっとクリスの頭を撫で続けていた。まるで猫でも可愛がるような扱いだが、不快感は無い。むしろ、もっと触れていて欲しいと思う。
     そんなことを思いつつ雨彦を見上げれば、「ん? どうかしたかい?」と微笑まれる。その甘やかな視線と撫でられる心地良い感覚に、自分の身が溶かされてしまいそうな感覚になる。
    「いえ、何でもありません」
     ふわりと笑って首を横に振ると、雨彦もまた嬉しげに口元を綻ばせていた。
     幸せだな、と思う。
    「あめひこ」
    「うん?」
    「……ありがとうございます」
     何に対して礼を述べたのか自分でもよく分からなかったが、それでも言わずにはいられなかったのだ。
     雨彦は何も答えずただ小さく笑うだけで、クリスの頭を繰り返し撫でてくれていた。
     それがまた気持ち良くて、クリスは再びうっとりと瞳を閉じる。
    「おやすみ、古論」
     眠りに就く直前、耳に届いた囁きはとても優しかった。
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