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    ゆうゆう

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    ゆうゆう

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    pixivの続き
    コツコツやれば終わるかな…。

    #晴道
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    戯れで構いません「来なさい」
    出された手を取ることに少し戸惑った。けれども、これも一つの練習になればよいと思い、自分よりも身長が幾分か低い男の手を取った。
    今日は初めての出勤日だ。ドッドッと早鐘を打つ心臓が痛いくらいで、背中には冷や汗が絶えず流れているような気さえした。ちらりと横を見ると、晴明は涼し気な顔で運転をしている。時折煙草にのばす手が相変わらず白かった。本来であれば出勤日はまだまだ先だったのだが、人だけでも紹介しておこうと言われ、車に乗せられた。でもこれは晴明が言い出したことではないと、なんとなく道満にも察せられていた。この男は、自分の扱いにことさら神経を使っているから。極力触れず、でも会話は丁寧。そんな男が、昨日の夜に
    「病院行きますか」
    「え、な、なんと」
    「おまえの職場。私の職場でもありますけど、事務の資格取れそうなんですよね?」
    「このままいけば、そうですが…」
    「では予習がてらに」
    とトントン拍子に決まってしまった。大方、出勤時に言われたのだろう。なんとなくそんな気がする。
    晴明は職場の話を基本しない。患者の話はもちろんだが同僚のことすらも。話はしないが、道満の話をしきりに聞きたがる。日々に代わり映えなどあまりないのに。
    「着きましたよ」
    「は、はい」
    心臓が緊張で潰されそうだった。吐きそうなくらいで助手席から動くことも叶わない。はやく、はやくしなくては…
    「道満」
    「せ、晴明殿。すこし、お待ちを…すこし、少し…」
    「大丈夫とは気軽に言っていい言葉ではないと思う。だから私は信じてほしいとしか言えない。私を信じてほしい。ベータの香水もかけた。私以外のアルファはこの病院には居ない。もし、何かあれば私がどうにかするよ」
    いつも、いつもこの男は欲しい言葉を言ってくれる。あの時みたいに。
    『信じて』
    その言葉と一緒に差し出された晴明の手を掴む。そのまま引っ張られ、立ち上がった駐車場の空気は少し湿り気を帯びた暑さが充満していた。
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    nicola731

    DOODLE「罪深き墓前まで」
    思いつきの時代物パロ晴道。多分この後二人で共謀して旦那を始末します。
     晴明の兄が妻を娶ったのは彼が十五の時だった。付き合いのある旧家の長子で、美しいことで評判だった。まだ十八になったばかりだった。晴明の幼馴染だった。
     晴明は義姉になる前まで兄の結婚相手を「道満」と呼んでいた。義姉になるまで兄の結婚相手を抱いていた。去年の盆に宴会があり、その裏で二人は体を繋げた。お互い初めての相手だった。晴明にとっては初恋だった。
     道満は自分の妻になるものだと信じ切っていた彼は、夏の盛りを過ぎた頃に兄から婚姻のことを聞かされて、がらがらと全てが崩れていくような心地になった。美しい上に賢い道満は詩経さえ誦じてみせる。対して夫となる晴明の兄は凡庸で家柄ばかりが取り柄の役人だった。幼少のみぎりから才覚を発揮していた晴明とは大違いだった。
     晴明は兄が何処か勝ち誇ったような顔をして自分を見ていることに気付いた。兄が自分を打ち負かしたいがためだけに、道満を妻に迎えたのだとすぐに理解した。殺してやろうかと思った。
     道満は家庭に入ると頗る良妻で、よく躾けられた奥様になった。夫の父母に気に入られ、夫の床屋政談にも美しい笑みを浮かべたまま付き合った。晴明が「義姉さん」と呼んでも笑み 1027

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    nicola731

    TRAINING晴道の練習。明るくポップな話とか、優しくて可愛い話とか思い付けたら、良いなって思ったんですよホント・・・。

    こあら「球体関節人形!ちょっと難しいけどまともな晴明さんを練習したいから考えてみるぞ!」
    企画こあら「はいネタ」
    脚本こあら「はい書いた」
    こあら「なんでだよ!なんでこんな感じなんだよ!」
    晴明はついうっかり道満を殺してしまったので作り直すことにした。術比べで事故死してしまった道満の残骸を集め、自宅に持ち帰った晴明は自分で組んだ人形にそれを納めた。名を三度呼び、魂を吹き込めば血が通う。
     出来上がったのは完璧な人形だった。可愛い弟子の生き写し。寸分違わぬ麗しい拵え。晴明は暫く自画自賛していた。だが現在進行形の問題は、それでは解決しない。
    「うーん、余った」
     何故か部品が余った。腑が幾らか、肉が幾らか、皮が幾らか、髪が幾らか余った。はみ出た分を切り取ったら余った。骨は全て外して綺麗に取ってある。腹が減ったら舐める用に。
     仕方が無いので人形を作成する際に出た端材を使い、七歳程度の大きさでまた別に人形を拵えた。足りていない部品は輝石を削り出して充てがった。
     出来上がったのは輝くばかりの美童だった。
    「うーん、端材だけで傑作が出来てしまった。さすが私」
     子供の顔は現在固定している自分の顔に寄せてみた。絹のような肌に映える濡羽色の髪。所々に月白の色が混じっていて雲母のようだった。魂を調達するのは面倒なので自分の尾を一本を裂いて入れてみた。己の中では比較的素直で大人しい側面な 1652

    スズメ虫

    DOODLE道が霊基異常でショタ化したネタツリーをまとめてざっくり整えました。 2022.5.10
    小僧と狐の化生【概要】
    デアの晴道。霊基異常でショタ化した道をいつものノリでどついたらガチでおびえられてフルボッコにされる晴の話。 #雀虫メモ
    霊基異常の原因はノープラン。ただし完全に不随意。道は被害者。肉体だけショタに退行して霊衣のサイズはそのままのあの格好です。記憶もなく、播磨の廃寺寸前の小さな寺の身寄りのない小僧だという認識でいる。

    ***

     ふと小僧が目を覚ますと、見慣れない部屋の中にいた。見たことのない材質で、とにかくとても頑丈で清潔である。そんな部屋の、柔らかい台ので眠っていた。とにかく身を起こして見ると、さらに不可思議な事に継ぎ当てどころか繕った跡もない、身頃がとても大きい上等な着物を羽織っていた。
     何もかも分からない。分かるのは、自分が場違いな存在であるということだけ。見たこともない、理解できないようなもので溢れているという事はおそらく貴族の屋敷だろう。ここに居続けて心当たりもないのに盗人と思われるのもまずいが、裸で抜け出すのも妖しすぎる。かと言って部屋の中にあるものはどれも上等そうなものばかりで腰巻になるようなあるものはなく、この上等な着物を着たまま移動して汚すのも恐ろしい。
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    さじろうろん

    DOODLEメイン台牧サブ台葬 現パロ

    1.文字数
    5000文字

    2.言わせる言葉
    「風邪を引いて目元がうるうるしててちょっと赤らんで弱ってる君が見れると聞いて!」

    3.登場させる小物
    冷たいもの

    4.仕草、行動
    耳打ち、内緒話
    風邪ひいた受けと看病する攻めの話! 恋人が屈強すぎて隙が無いとつねづね思っていましたので今回受け取ったメールを俺はまず三度見してからそれでも真偽がわからず甥っ子に画面を見せた。「これ詐欺かな?」と言って見せると甥っ子は我ながら整った顔をいかにもウワ、めんどくせえのきた、みたいな顔に歪めて(世の女子が見たら泣く)それでも優しい奴なので嫌々見てくれた。
     ソファに隣り合って座り、スマートフォンのメッセージアプリの画面上だと気づくやいなや甥は顔をばっと勢い良く上げて俺の顔をまじまじと見る。
    「これ、ほんとに僕が見ていいもの?」
     眉間に皺が寄っている。こちらがなんなく頷くと、抵抗感を示しながらも再度画面に目を落としていた。
     俺とウルフウッドだけが喋りあっているその画面では、短い一文が交互に投下されているだけなのだが。甥からすればたしかに恋人とやりとりしている部屋というものは、しかもそれが親類のものというのはどうにも目にしていいものではないと思うのかもしれない。
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