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    一生休日

    @kccakg

    最近はえぺの💻💉が栄養。基本文字のみ、絵は描けません。発作的に字を描きます。

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    一生休日

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    雨続きで散歩に行けなくてご機嫌斜めのチーターとそれに付き合うハイプ

    #プトオク
    ptochu

    雨の日ハイプビースト×ワイルドスピード。ハイプの描写はないのでそっちはお好みで。
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    「……」
    どんよりした鉛色の空から雨がしとしとと降る外を恨めしげに見つながら、オクタンはベランダに繋がる窓に凭れ掛かっていた。
    「散歩は無理だぞ」
    「ー」
    ソファでハックの手入れをしていたクリプトが目もくれずに言えば、不満げな声を漏らして長い尻尾をピシッピシッと床に叩きつけるオクタン。
    ここ数日天気が悪く、日課の散歩ができてないことも尚更ストレスを増加させている原因だろう。連れて行ってやりたい気持ちは山々だがと思いつつも、傘をさすのも嫌い、合羽を着るのも嫌い、雨に濡れるのも嫌いとくれば「行かない」選択肢以外に取れるものはない。
    「さんぽ…」
    「傘さすか?」
    「いや」
    「じゃあ合羽」
    「もっといや」
    「濡れるしかないな」
    「もっともっといや」
    ほら結局。とクリプトはその言葉を飲み込んで、テーブルの上にハックを置いて立ち上がる。
    「明日は晴れるらしいから、今日の分も明日行けばいいだろ?」
    「昨日の分は」
    「昨日の分も明日行こう」
    「一昨日の分」
    「それも明日」
    「三日前も雨だった」
    「ならそれも」
    「四日前は」
    「四日前は晴れてただろ」
    「ちっ」
    座り込むオクタンの背中に寄り添うように座れば、床を叩いていた尻尾がするりとクリプトの脚に絡む。
    「散歩行きたかった」
    「そうだな」
    しょんもりと肩を落としてオクタンは外を見るのをやめた。クリプトに背を向けていたのを横に並ぶように座り直すと、床についていたクリプトの手をちょんちょんと尻尾でつつく。
    察したクリプトが手のひらを上に向けてオクタンに差し出せば、わずかに空いた隙間を埋めて座り直したオクタンが差し出された手をきゅっと握った。
    「テジュン」
    「なんだ」
    「俺と散歩行くのめんどくさいか?」
    何を今更とクリプトは思いつつ、そう口には出さずにオクタンの気持ちを探る。
    (多分、雨続きで気が滅入ってるんだろうな)
    天気予報でしばらく雨が続くのがわかっていたから、事前に「しばらく雨だから散歩に行けなくなるぞ」とオクタンに伝えていた。それでも雨が降ればこうして窓辺に座り込んで恨めしそうに、つまらなそうに外を見ながら「散歩に行きたい」と駄々をこねていたここ数日。その度に似たような会話を繰り返していた。
    「面倒なことに付き合ったりする性分じゃない」
    それはお前もよく知ってるだろ。と俯いたオクタンのこめかみにキスをして耳もとで囁けば、気儘なチーターはくすぐったそうに身を捩る。
    「オクタビオ」
    「んー?」
    「明日は気の済むまで散歩に付き合ってやる」
    「約束だぜ」
    オクタンはくふくふと嬉しそうに笑うとクリプトに擦り付いて、クリプトはされるがまま穏やかにそれを受け入れていた。
    外を見るのをやめたふたりには、空が明るくなったことも、このあとすぐに雨が降り止むことも気付けるはずもなく。
    薄くなった雲の間を抜ける柔らかな日差しがふたりを包もうとしていた。


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    語彙力のなさを実感するここ数日
    2022-07-22 一生休日

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    2022-08-30 一生休日
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    _BeHa_

    DONE雇プト×オク
    裏ではテロリスト組織のシルバ製薬妄想。悪いオクタビオのアースです。
    面接に行った雇われの話の続きです。

    エロ無しキス有り
    ※何でも許せる方向け
    「ここがアンタの住処か。悪くねえな」


     廃車のスクラップ工場付近にポツンとあるトレーラーハウスが俺の現在の家だ。普通の住宅に比べれば小さいが、中に入れば一般的な住居とほぼ変わらない。勿論、外観は洒落た綺麗なものではなく内装にも拘っていないせいで無骨だが、誰かを招く予定もリフォームする気も一切無かった。
     キッチンにトイレにバスルーム。空調も完備していて不便もない。冷蔵庫やレンジなど家電製品も充実し、通常の生活を送るのに全く問題は無く、狭ささえ目を瞑れば快適と言える。ベッドもソファーもあり贅沢なくらいだ。

     彼の言葉が皮肉なのかお世辞なのかは分からないが、オクタビオは朝早くから金持ちにとってはスクラップ紛いに見えそうな俺の住居にやって来た。
     早朝からの来客に眠気まなこを擦りモニターを確認すると、そこに映り込んだ鮮やかなライムグリーンに急速に目が冴え脳が起動した。サングラスにマスク姿の雇い主に驚き携帯端末で予定を確認するが、今日までは完全にオフで間違いはない。
     今日まで、と言うのは、あのイカレた面接に合格した日。流れと勢いに身を任せて、雇い主と高級レストランのテーブルの上でセック 3196

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