【キラキラな笑顔】ヒュンポプ「はー、やっぱり家の方がいいよなー」
ポップは家の庭にある菜園畑にいた。
城の籠った暑さよりは、こうして日差しの中にいる暑さの方がどこか心地よく感じる。
しゃがみこみながら、トマトの苗を植えていた。
手袋をして土を掘り起こし、一つ一つ丁寧に。
風が吹けば、土の匂いがする。
それが、生きているという実感が湧く。
「ちゃんと美味いトマトになれよ~?」
ザクザクと苗を植え込み、上から土をかけていき、更にその上から特製の肥料をふりかける。
炎天下での作業ながら鼻歌を歌いながら、さっさっとこなして行くそれは、この人物が世界を救った勇者一行の中の一人である、大魔道士だとは誰も思わないだろう。
まあ姿からして、ラフなシャツに麻のズボンだ。
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