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    おもち

    気が向いた時に書いたり書かなかったり。更新少なめです。かぷごとにまとめてるだけのぷらいべったー→https://privatter.net/u/mckpog

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    おもち

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    PsyBorg。🐱浮奇③前の話を読んでいないと訳わからないと思う好き勝手パロです。

    #PsyBorg

    人の体温って俺たちより低いんだ。夜中に目が覚めて外を散歩した後に彼の隣に潜り込むたび、あまりに静かで「ちゃんと息をしてるかな?」って不安になって顔を近づけてしまう。すぅすぅと呼吸をしていることを確認してから、ようやく俺は彼のことをぎゅっと抱きしめる。そうして俺の体温を分けてあげる。目覚めた彼が「暑い」って文句を言って、でも俺のこと突き飛ばしたりはしないでほんの少し身を捩ってみせるだけだから、俺は余計に彼に抱きついてしまうんだ。
    「おはよう、ふーふーちゃん」
    「おはよう……なんで朝からそんな機嫌がいいんだ……」
    「ふーふーちゃんのおかげだよ。ね、今朝は何を食べたい?」
    「起きたばかりでまだ食欲がない……」
    「昨日の夜全然食べてなかったでしょう。お仕事に集中するのはいいけど食事はちゃんと摂って」
    「……おまえは母親か……」
    「今はお母さんよりふーふーちゃんの近くにいられる恋人だよ。ごはんは二人で楽しく食べたい。今日は俺が作るから、一緒に食べて? お願い」
    うるうるさせた瞳で彼を見つめれば、彼は少しのあいだ眉間に皺を寄せて俺のことを見つめた後、はぁっとため息をついて俺の頭を撫でた。日に日に俺に甘くなっていく優しいこの人が、世界で一番だいすき。
    ずっと周りの気配に敏感に生きていたのに、彼と出会ってから俺はぐうたらと油断した生活を送っていた。彼の家の中はとても安全で、彼の周りは空気が穏やかだ。そんなところで永遠と気を張っているのは無駄だって気がつくのに時間はかからなかった。精神が摩耗していた最初の数日以外は彼より先に起きて寝たふりをして彼の起床を待っていたのに、今はもう彼に起こされるのが当たり前になってしまった。俺って朝に弱かったんだなぁって初めて知ったんだけど、それを彼に言ったら笑いながら「おまえは寝相も悪いよ」とか言われてめちゃくちゃ不本意。そんなことないもん、と拗ねてみたのに俺の親友でありふーふーちゃんの愛犬でもある彼にも「わふっ」と同意されてしまったから逃げ場がなかった。
    「ぐっすり眠れてるならいい。嫌な夢や怖い夢を見ることはないか? 夜中にうなされていることがある」
    「え……そうなの? 夢のことなんて全然覚えてない。あれかな、起きてすぐふーふーちゃんの可愛い顔見てるから、嫌な夢見てたとしても吹っ飛んでるのかも?」
    「ばか。まあ、覚えてないならそれでいい。嫌なことをわざわざ思い出す必要もないしな」
    「ていうか夜、俺うるさい? ふーふーちゃんの安眠妨害はしたくないな……しばらく猫で寝たほうがいい?」
    「別に。俺はそんなに眠りが深くないから時々目が覚めるだけだ。おまえのしたいようにすればいい」
    いつもぐっすり眠っているとばかり思っていたのに。もしかしたらこの人は、俺が夜に外へ出ていってることも知っているのかもしれない。
    彼は俺より長く生きていて、俺よりたくさんの人と接してきたはずだ。優しいなんて簡単な言葉で片付けてはいけないくらい、自分より他人のことを考えて過ごしているんだろう。
    甘やかしてもらってばかりで嫌になる、今まで知り合った誰よりも俺がふーふーちゃんを甘やかしてあげないと。そしたら、彼も俺に依存して離せなくなってくれるでしょう。
    「ん……んー、よし、起きよう。今朝の散歩はどうする?」
    「ふーふーちゃんが行ってきて。その間に朝ごはんを作っておくから」
    「オーケー。何を作るんだ?」
    「帰ってきてからのお楽しみ」
    おはようといってらっしゃいのキスをいっしょくたにして、彼の頬にキスを落とす。もうすっかり俺のキスに慣れてくれた彼はそれを自然に受け入れて、同じように俺の頬にキスを返してくれた。わお、今朝は俺だけじゃなくてふーふーちゃんも機嫌がいいみたいだね? 調子に乗って唇にしようとしたキスは避けられてしまったけれど。
    「いってくる」
    「へへ、はぁい。いってらっしゃい」
    朝を迎えるのが楽しみだなんて、幸せ過ぎて困っちゃう。愛犬と家を出て行く彼の背中を見送る時間すら愛しくて、緩んだ頬をそのままに俺はキッチンに立って得意のオムレツを作り始めた。
    朝の明るい日差しの中で鼻歌を口ずさむ未来があるなんて、過去の俺が知ったらビックリしちゃうかも。
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    fraidy catの秘事 月明かりの下をステップでも踏むかのように楽しげに歩いていく影がひとつ。そしてその少し後ろをゆったりとついていく影がもうひとつ。
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     呆れた風な物言いではあるが、どこか気遣うような響きにアルバーンは振り返らずに応える。
    「だいじょーぶ、だいじょーぶ」
     にゃははと笑い混じりの言葉に返ってきたのはやれやれといったふうな溜め息の気配。だがそんなことも気にならないとばかりに、アルバーンはまるでターンでもするかのようにくるりと振り返ってみせた。
    「ちょっと楽しくなっちゃっただけだって!ファルガーだって楽しんでたじゃん」
     今夜は友人達と集まってコラボ配信なんてものをしていたわけだが、面子が面子なだけに少しばかり過激なおふざけで盛り上がってしまった自覚はある。昔からあるカードゲームでよくもまあそこまでと言われればそうなのだが、そこにちょっとした罰ゲームを加えればエンタメとしてはバッチリだ。際どい台詞もなんのその。ノリの良さでどんどんと内容はエスカレートしていき、ファルガーに絡みに絡んだ結果、その仲に妬いてお怒りの浮奇・ヴィオレタなんて存在も盛り上がりの一因になった。
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