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    おもち

    気が向いた時に書いたり書かなかったり。更新少なめです。かぷごとにまとめてるだけのぷらいべったー→https://privatter.net/u/mckpog

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    おもち

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    PsyBorg。まーた朝の話書いてる…。

    #PsyBorg

    天気、スケジュール、交流など、さまざまな外的要因でストレスを溜めやすいたちの恋人は、それでも簡単には疲れたと口にしないで一人で抱え込んでしまいがちだ。ここへ来るまでの移動にだって体力を使ってしまうだろうから俺が浮奇の家に行くことも提案したのだけれど、ふーふーちゃんの家でのんびりしたい、久しぶりにわんちゃんにも会いたいな、と言われてしまえば断ることはできなかった。たしかに浮奇の家より田舎にあるから無駄に広いし周りは静かだし、リラックスするのならこっちの方が適しているだろうけど。久しぶりに見るその顔がやつれていたらどうしようと心配していた俺の期待をいい意味で裏切ってくれて、浮奇はにこにこと楽しそうな様子で俺にハグとキスを浴びせた。到着時間が遅かったから昨日はデリバリーで簡単に夕飯を済ませた後二人で時間をかけて風呂に入り、毎日通話していても話し足りない会話を楽しむために晩酌をしようと思っていたのだけれど……やっぱり目の前にいると話すだけじゃ物足りなくなって。疲れているからかアルコールが回りやすかったらしい浮奇がいつもより早く瞳をとろけさせて俺を見つめ、俺はそれ以上浮奇が酔って眠ってしまう前にとベッドに彼を連れ込んだ。
    浮奇が寝落ちたのはそんなに遅くない時間だったと思う。もともと彼にゆっくり休んでほしくてここにきてもらったのに、無理をさせてしまったかもしれないとすこしだけ後悔。だけどあまりに幸せそうな寝顔にそんな考えも吹き飛んだ。自分で言うのはどうかと思うけれど、浮奇は俺と話して、触れ合って、自由にすることですごくリラックスするらしい。それなら俺にできることは変に気遣うことではなく、浮奇の好きなようにさせてやることだろう。浮奇を起こさないようにベッドを整えてから俺もその隣に入って眠りについた。自分のものではない心臓の音にこれほど心が癒されることを教えてくれたのは浮奇だった。

    浮奇が自然に目を覚ますまで起こさないというのは俺のエゴだけれどそれくらい許してくれ。その間に俺は愛犬の朝の散歩、買い物を済ませて帰宅し、シャワーを浴びてから浮奇が持ってきた土産を開けた。俺の好きな銘柄のウイスキーに、浮奇の好きな甘いリキュール、なぜか羊のぬいぐるみのキーホルダー、浮奇のゲーム機にトランプ……遊びたいのか? テーブルにそれらを広げると大人とこどもの混ざった並びが面白い。今夜は酒を飲みながらゲームでもするか。できたらまったりできるものを、浮奇を抱きしめながらしたい。なんだかんだゲームをすると熱くなってしまう俺たちには難しいかもしれないけれど。
    「ふーふーちゃぁん……」
    「お、起きたな。はいベイビー、こっちにいるよ」
    「んん……おはよ……ベッドの中でおはようのキスをしてよ……」
    「ねぼすけ相手には難しい。よく眠れたか?」
    「うん……起こしてくれても良かったのに、ありがと。ん、いい匂い、お風呂入ったの?」
    「浮奇も入ってくるといい。一応見える範囲は綺麗にしたつもりだけれど、シャワーを浴びたほうがスッキリするだろう」
    「一緒に入る?」
    「朝から二回も風呂には入らない。コーヒーを淹れておくから行っておいで」
    「はぁい」
    おはようのキスを頬にしたと思ったらいってきますのキスを反対の頬にして、珍しく朝から上機嫌な顔で浮奇はバスルームに向かった。シャツを一枚羽織っただけの後ろ姿は無防備で唆られるが、浮奇の意図的な色気に朝から手を出したりしない。おまえが思ってる以上に俺はおまえのことを大切にしたいんだよ。たとえ本人がそうするのを望んでいたとしても、心だけでなく身体的にもここで休んでいってほしいのだから。
    浮奇のためだけにあるコーヒーのドリッパーは昨日のうちに手入れをしてあったからいつも通り問題なく美味しいコーヒーを淹れるのに役立ってくれた。と言っても俺はそれの味を知らないのだけれど。デカフェのものを淹れてみたことがあるが、それはそれでまた味が違うらしい。
    部屋中香ばしいコーヒーの匂いに包まれてすこししてから浮奇が濡れた髪のままキッチンへやってきて、さっきよりさらに機嫌よく俺の顔中にキスをした。ちょっと犬みたいだと思いながら髪を先に乾かすのかコーヒーを飲むのか二択を迫る。
    「ふーふーちゃんが俺にキスをするのが一番最初」
    「……おはようのキスはしただろう」
    「それだけ?」
    「……目をつむれ」
    「えへへ」
    自分が浮奇に弱いことなんて分かってる。きっといくら抵抗しても浮奇の可愛いおねだりに勝てっこないし、二人きりならなおさら、むしろ気がつかないうちに要求が増えていくんだと予想がつく。それなら一度でそれを叶えてやったほうが他のことに時間を使える。もちろん、浮奇とこうしてくだらなく甘いやりとりをするのも大切な時間だけれど。
    「ふふ、ふーふーちゃんだいすき」
    「ああ、おれも」
    大好きのキスなら、ただ触れるだけじゃ足りないよな。浮奇が濡れた髪を放置できるギリギリの時間まで、あとすこしだけ。
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