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    おもち

    気が向いた時に書いたり書かなかったり。更新少なめです。かぷごとにまとめてるだけのぷらいべったー→https://privatter.net/u/mckpog

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    おもち

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    PsyBorg。家庭教師🐏と高校生🔮

    #PsyBorg

    勉強なんて嫌いだったのに、最近はきちんと教科書をカバンに入れてたり授業中にノートを広げてみたりする。今まで勉強してこなかったせいで先生の話は分からないことが多いし眠さに負けることもあるけれど、サボることなく授業を受けていた。クラスが同じ友達たちに揶揄われて、先生たちに「最近頑張ってるな」なんてうざったい声掛けをされて、ほんとちょっと頑張るのやめようかなって思ったけど。
    それでもマジメに頑張ったのは、俺だけの先生に、家庭教師をしてくれているふーふーちゃんに、褒めてほしかったから。
    学校が終わってから、いつもは寄り道をたっぷりして時間をかけて帰るところを、近道を使って足早に家に帰った。バタバタと自分の部屋に駆け込んで朝寝坊したせいでめちゃくちゃになってる部屋の中をテキパキと片付ける。ベッドの布団を綺麗に整えてヨシ!と大きく息を吐いたタイミングでピンポーンとインターホンが鳴った。慌ててスマホを見るともう約束の時間になっていた。
    玄関の扉を開けて母親が先生を招き入れている声が聞こえる。掃除が間に合ったのは良かったけど、まだ授業の準備ができていない。俺は部屋の入り口に放り投げたままだった学校の鞄を手に取った。
    「おっ……と。悪い、ぶつけなかったか? そんな近くにいると思わなかった」
    「あ、うん、大丈夫……こんにちは、ふーふーちゃん」
    「ん、こんにちは」
    部屋の扉が開いて先生が顔を覗かせた。すぐ近くにいた俺に驚いて目を丸くした顔が可愛い。心臓のドキドキを隠しながら俺が挨拶をすると、先生も微笑んで挨拶を返してくれた。俺が勉強を頑張り始めたキッカケ、というか、理由、原因、……エネルギーの源?
    一番シンプルに説明するなら、彼は俺の家庭教師の先生。そして、俺の好きな人。
    まだ机の上に何も出ていないのを見て、先生はちょっと首を傾げ「今日は学校終わるの遅かったか?」と言った。学校はいつも通りの時間に終わったしなんならいつもより早く帰ってきてたけど、あなたを迎え入れるために部屋を掃除してたんだよ、なんて、絶対絶対言いたくない。俺は勉強がちょっと(だいぶ)できないだけで、部屋はいつでもピカピカのしっかりした人間だもん。
    「ん、ちょっとギリギリだった。すぐ準備するから待っててね」
    「いや、ゆっくりでいいよ。お茶をもらってきても?」
    「俺がやるよ」
    「浮奇は準備してて。そろそろ定期試験だろう? 試験勉強のために授業を増やすならお母さんにも相談しないといけないから、ついでに話してくる。……浮奇が俺で良ければ、だけれど」
    「いいよ! ふーふーちゃんがいい! 俺、勉強頑張るから……!」
    「……ん、ありがと。それじゃあ飲み物を持ってくるから、浮奇は準備してて」
    ぽんと俺の頭を軽く撫でて、先生は部屋を出て行く。声を上げそうになって、俺はぎゅーっと目を瞑りその場にしゃがみ込んだ。
    もう! 好き過ぎる!
    体の中を暴れ回る抑えきれないくらいの大好きの気持ちを、数秒間自分の体を抱え込むことでなんとか堪え、俺はパッと立ち上がり教科書やノートを机の上に出した。気を抜いたらニヤけて鼻歌を歌っちゃいそうだ。
    コンコンと扉がノックされて「はぁい」と返事をすると先生が入ってきた。持ってきてくれたトレイを受け取って、ベッドの横の棚の上に置く。先生のコップにはお茶、俺のコップにはカフェラテが入ってた。
    「ふーふーちゃん、今日はなんのお茶?」
    「ダージリン。浮奇のはモカコーヒーのカフェラテだよ」
    「やった、好き」
    「うん、知ってる」
    「……ちょっとお茶してからでもいい? 途中の休憩ナシでいいから」
    「もちろん。落ち着いた方が頭に入るしそうしよう。それに途中の休憩もちゃんと取ること。頑張り屋なのはいいけど、休憩しないと頭も疲れてうまく働かないから」
    「……ん、わかった」
    「いい子だ。……っと、悪い、また小さい子相手にするみたいに言っちゃったな。つい」
    「別にいいけど、……俺、高校生だしふーふーちゃんとそんな年変わんないからね?」
    「いいや、高校生なんてまだまだ成長途中だよ。一年後には全然違う浮奇になってるかもしれない」
    「……テストで一位とったり?」
    「良い目標だ。目指すか?」
    「無理だよ! 冗談!」
    こども扱いしないでって思うのに、先生が楽しそうに笑うだけで全部どうでもよくなっちゃう。それに先生に褒めてもらいたくて勉強頑張ってるんだから、こどもに違いなかった。
    どうやったら先生に一人の男として意識してもらえるかな。いくら自分の部屋に好きな人がいても先生と生徒の関係じゃ無理にベッドに押し倒すこともできやしない。今のこの関係を壊さずに先に進むのはものすごく難しい気がした。
    でも、きっと答えを見つけてみせるよ。ただの生徒のままでは終わらせない。この先もずっとあなたといたいから、勉強以外でも一緒にいられる理由を探し出す。
    まずは、目の前の試験勉強。前回より点数が上がったらデートして、なんて、直球過ぎて呆れられちゃうかな……?
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