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    rica_km

    @rica_km

    👹滅:💎🔥/🔥🧹中心リバ含雑食、時々作文。ねんどーる&オビツろいど歴2周年(ねん🔥兄弟持ち、💎×2)。かなり20↑成人済

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    rica_km

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    DD煉さんの一目惚れから始まる宇煉(またはメスお兄さん攻め)の4章目です。
    【01〜02】https://poipiku.com/5529112/8858837.html
    【03】https://poipiku.com/5529112/8887252.html

    やさしい夜の雨(仮題)◆04◆04
     ドライブに誘ったら、雨だった。煉獄と会う日は必ず雨が降る。

     前回は、ランチタイムだけ一緒にと言って会い、煉獄が最近見つけたというアメリカンダイナーで大きなハンバーガーを食べた。からりと明るい雰囲気の店内から見る外の景色はグレーの空に霧雨。何となく浮かないのは空の色だけではなく、別れ際の煉獄の表情もだった。その日の会計を宇髄が持ったことで、煉獄から物言いがついたのだ。
     初めて食事を奢った時に、今度は煉獄の気に入っている店でご馳走してくれとは確かに言った。それは次に会う口実も込みのもので、端から宇髄は学生である煉獄に財布を出させる気はなかったのだ。
    「俺の方が年上で社会人なんだし、カレシの前でくらい格好付けさせてよ」
    「年齢なんて関係ない。格好付けたいなんて、そんなのおれだって同じだ」
     宇髄とのランチを喜びながらも、そんなことで少々拗ねてしまう煉獄が新鮮に映る。カレシ面をしたがる年下の男の子という存在に眩暈がしそうだ。
     こればっかりは煉獄本人には言えないが、もしかしたらこの諸手を挙げて降参してやりたくなる愛らしさは、子供やペットに対するものに近いような気すらする。
     少なくとも、宇髄が好んで付き合ってきた物分かり良く保身に長けた大人との恋愛とは全く違っていた。


     そんな経緯を経て「共通の財布を作ろう」というリクエストが煉獄からあった。今日はその『割り勘デート』の初回である。
     傘なしで歩く気にはなれない本降りの雨に、風も強め。だというのに、宇髄がこの日決めた行き先は『海が見えるおしゃれなカフェ特集』にもよく掲載されるような人気店だった。海を臨む人気店も、雨なら普段より混まないという意味ではアリという選択だ。
     雨天ゆえにテラス席は封鎖されていたが、大きな窓を向く横並びの二人席は今日一番の特等席だろう。
     ふたりが並んで食べているのはこの店の人気メニューでもあるカレーだ。大ぶりの皿は夏空のような濃いブルー。テクスチャが緩めのさらりとしたカレーは雑穀米と相乗りで、米の紫がかった色味が小洒落たヘルシーさを醸し出す。野菜は根菜のグリルと数種類のベビーリーフが添えられている。シックな彩りのその一皿も、いかにもデート向きのカフェといった雰囲気だ。
    「風があるせいか、波が高いな」
     熱心に窓の外も眺めながらカレーを食べていた煉獄へ話し掛けると、宇髄を振り向いて深く頷いた。
    「だからか。こんな雨でもサーフィンをしてる人がいるんだな……」
     熱心に眺めていたのは海というより、サーフィンに興じている人だったらしい。この天気でマリンスポーツに興じるのをすごいとも思うし、大丈夫かと心配にもなる。どちらにせよ目を奪われる光景ではあるか。
    「天気がいい時にまた来てみたいな。王道のドライブデートって感じしない?」
     尋ねると、宇髄の顔を見返す表情が微笑から何か物言いたげに変化した。宇髄は何か失言をしたらしいことは感じたが、具体的に何が引っ掛かったのか見当がつかない。
    「どうしたの、煉獄」
    「いや……。宇髄のデートってこういうのなんだなと思って」
    「ん? イメージと違った?」
     行きたいところがあるならリクエストを聞くつもりで横顔を覗き込むが、煉獄は手元のカレーと向こう側の海を交互に見るばかりだ。
    「宇髄はいつもこういう……、おしゃれなデートをしているんだろうな……と、思っただけで……」
     と、声がフェードアウトしてゆく。言いながら恥ずかしくなってきたらしいことが見て取れた。それはヤキモチなのか、全く別の感情なのか。それが何であれ、時々こうして躊躇う煉獄の心の揺らぎ自体を愛おしいとも感じるのだ。
    「前から気になってた店だけど、来たのは今日が初めてだよ。煉獄と海見ながらカレー食ったら美味そうだなって思ったの」
     煉獄の皿は宇髄のそれよりも格段に減りが早い。その良い食べっぷりを見たかったんだと笑えば、煉獄は唇を引き結んで眉を下げた。恥ずかしげな、困ったような、もしかしたら泣き出すんじゃないかとさえ思うような複雑な表情の後、煉獄は宇髄へ笑顔を向けてくる。
    「変なことを言って済まない。——このカレー、とても美味いな!」
     それは決して煉獄自身が無理をして笑っているわけでもなく、彼にとっては気持ちを切り替えるための最適解なのだろう。不安はいつも予告なく心へ忍んでくるが、きっと煉獄はそれを笑顔で振り切ってしまいたいのだ。
    「うん、美味いね」
     頷いて見せると、煉獄の笑みはより深くなった。表情が感情を映し出すものならば、表情が感情を変えることもできるかもしれない。そうして明るい場所を目指して歩こうと目を上げる煉獄は、宇髄にとって眩しく映る。
    「煉獄。この後、行ってみたいところある?」
     車の中でこの辺りのおすすめ情報を煉獄も検索していた。煉獄は今日、宇髄とどんなところでどんな風に過ごすことをイメージしていたのだろう。
    「砂浜まで行ってみたい」
     このカフェは海より少し高台になっている。けれど二車線の車道を渡ってしまえば堤防があり、そこから砂浜へは階段やスロープが設置されている場所から降りられるはずだ。
    「いいね。せっかく海まで来たんだし、行ってみようか」
     雨ではあるが、多少濡れても車の中にタオルくらいは用意がある。
     カレーの後にはコーヒーをゆっくりと飲み、そろそろ外へ出てみようかという頃、宇髄は財布を取り出して二人の間に置いた。これは宇髄が普段使っているものではなく、以前作ったサンプル品のひとつである。それを今日の煉獄との共通財布として使うことにしたのだ。中にはそれぞれが一万円ずつ入れている。
    「どっちが会計してくるか、ジャンケン」
     握り拳を小さくゆらゆらと見せると、煉獄はどこか挑戦的に片眉を上げた。
    「おれはかなりジャンケンが強いぞ。いいのか?」
    「何、その煽り。逆に燃えるんだけど」
    「ふうん……そうか。くじ引きでも腕相撲でも良かったが、ならジャンケンで決めよう。勝った方が会計でいいな?」
     出会ってから最も自信満々な顔を見ているような気がして、宇髄は思わず小さく笑いが込み上げる。
    「そこまで言うほどジャンケン強いなんてことある? 確率だろ?」
    「やってみようか」
     楽しげな煉獄の笑いはどことなく不穏ではある。不思議に思いながらジャンケンをしてみれば——、宇髄は見事に一発で負けた。握った宇髄の拳へ、煉獄の大きく開いた掌が噛み付くように被さって、離れる。完敗だ。
    「よし!」
     煉獄は小さく勝利宣言の声を上げると、軽々と財布と伝票を取り上げた。
    「おれがジャンケンに強いのは本当なんだ。勝負の前に少し圧を掛けると、相手は力が入るのかグーを出す確率が上がる」
    「……まじか」
    「もちろん戦略はひとつじゃないぞ。次はまた別の作戦で挑む」
     今回はまんまとグーを出させられたらしい宇髄は、勝ち誇っている煉獄に「ご馳走様デス」と会釈した。煉獄は意気揚々と席を立ってレジへと向かい、会計をしている。こういうことも彼には嬉しいらしく、なんだかイキイキとして見えた。——であれば。店員のいる前で改めて煉獄へご馳走様を言って、奢られた体裁にしてみるか。そう思い付いた宇髄も急いで席を立ち、煉獄の後を追った。



     外へ出てみれば、窓越しに眺めていた雨風がさらに勢いを増している。その光景に、二人で声を合わせて大笑いした。
     風で煽られてしまい、傘は差していられない。傘を閉じれば、より大粒になった雨はシャワーより強く打ち付けてきて、ちょっと痛いくらいだ。店の出入り口に立った時点でずぶ濡れなのだから、笑うしかない。
     海へ降りることを諦めるのも手だが、濡れ損になるのも癪だと意見が合った。
     濡れるのも構わず、傘を閉じたまま歩き出す。信号を渡って、車道の向こう側へと渡る。歩きながら宇髄は風に掻き乱される髪を纏めてひとつに結んだ。既に髪から水が滴るほど濡れている。煉獄もハーフアップにしていた髪をひとつに結い直しているが、掬いきれなかった髪が頬や額へ張り付いてしまう。
    「宇髄は雨男なのか?」
     砂浜へ降りる石段を下りながら、煉獄が問う。隣からさりげなく煉獄の右手を取りに行けば、大人しく濡れた手を繋いでくる。
    「え、俺? そう思ったことはないけどなぁ」
    「おれだってないぞ。むしろ晴れ男だと思ってた」
     確かに煉獄は誰が見ても断然晴れ男のイメージに違いない。
    「晴れ男ならもうちょっとこの雨をなんとかしてくれねーかな!」
    「無茶を言うな」
     風が強いせいか、波音も少し威嚇気味だ。こうまで濡れてしまえば、今さら何とも思わない。降るなら降れと開き直った二人は、誰もいない砂浜まで降りきった。
     迫り来る波は白波立って、ザンと大きな音を響かせながら次々に挑みかかってくる。鈍色の空と海、さらに雨で白くけぶって視界も悪い。波と雨と風の音がひと気のない砂浜に満ちて、世界から二人だけが隔絶されているようだ。
    「煉獄は海、好き?」
    「うん。……でも晴れてる海の方が好きだな」
    「あー、そりゃそうだよね」
     夏の手前の雨で、さほど寒くはないのが救いだ。けれどこのままでいたら、さすがに風邪を引きかねない。煉獄の額に張り付いている髪を後ろへ撫で付けてやると、煉獄がついと宇髄を見上げた。宇髄が繋いだままの手を解いて煉獄の肩を引き寄せると、導かれるままに煉獄が宇髄の胸へと寄り添ってくる。
     濡れた服越しに伝わる体温と温い大粒の雨。少し息苦しく感じるほどの湿度の中で、煉獄が少し熱い溜息を静かにつく。
    「宇髄の家で海の映画を観た時に、水族館みたいだと思ったんだ。外が雨で、部屋の中は少しひんやりしてて、壁には海が映ってて……」
     しっかりと両手で抱きしめてしまいたい気持ちもあったが、ゆっくりと言葉を探す表情を見ていたくて、宇髄は肩を抱いたまま煉獄の顔を覗き込んでいる。
    「だから、宇髄と海に来てみたかったんだ」
     一緒に来られて良かったと言えば、煉獄の腕が宇髄の腰へ少しきつめに巻き付いた。 
    「全身ビッショビショだし、服買いに行こうか。——部屋着になるようなやつにしてさ、今度うちへ来た時にそれを持って来るといいよ。煉獄用に置いとくから」
     煉獄は上手く言葉が選べなかったのか、大きく頷いただけだったが、少し照れたような嬉しさを滲ませていたことに宇髄は安心する。
    「服買ったらさ、その後、スパに行くのはどう?」
     風呂とサウナで温まって、ちょっとごろごろと休憩して、夕飯をそこで食べてもいい。そして新しい乾いた服を着て帰るという宇髄の提案に、煉獄はこくんと頷いた。
    「うん、それがいい。このままじゃ風邪を引きそうだ」
     濡れた身体はまだ温かさを感じるが、このままでいたらすぐに冷えてしまうだろう。手を繋ぎ直し、車まで戻ろうと湿った砂浜をザクザクと歩き始める。
     海辺を退散するとなれば大粒の雨も強風も少し落ち着きを見せるのだから、間の悪いことだ。





     雨のせいか、スパもさほど混雑していないのは良かったなと、すっかり温まった身体で煉獄は思う。
     内風呂や露天風呂、そしてサウナも一通り楽しんだ後、休憩処を探しながら二人並んで歩いている。甚平のような館内着はどれも同じ形だが、サイズ違いの煉獄と宇髄は色違いだ。館内のガラスに不意に映り込む自分たちのシルエットがお揃いの服にも見えて、煉獄は少し気恥ずかしい。
     案内板を見てみれば、リクライニングシートが並ぶ部屋の他に、畳敷きで雑魚寝ができる部屋もあるらしい。すぐ近くにあった和風の休憩処を覗きに行けば、かなり空いているようだった。
    「静かそうだし、ここにしようか」
     座布団を借りて大きな和室の壁際へ寄る。程よく涼しい風が通るのが心地良い。壁へ背を預けて座った宇髄は、右肩を回しては左手で強く揉んでいる。
    「珍しく今月ちょっと忙しくてね。今日煉獄と会うのを励みにしてたんだ」
    「そうだったのか」
     宇髄がずっと変わらないタイミングでメッセージのやり取りに応じてくれていたので、煉獄は宇髄のスケジュールを全く知らなかった。
    「今日はちょうど中休みってとこ。今日を糧にして、明日からもまた頑張れるよ」
     仕事のことを思い出したせいなのか、宇髄の笑いは少し虚ろな響きが混ざる。
    「なぁ、宇髄。おれが少しマッサージしようか」
    「ん。大丈夫だよ。ありがと」
    「上手いんだぞ」
     家でも評判が良いんだと売り込むと、じゃあちょっとだけ頼もうかなと宇髄が煉獄へ背を向けた。この反応はあまり期待されていないなと感じた煉獄は、館内着の袖を肩まで捲り上げて本気で挑む姿勢だ。
     まずは親指を滑らせて僧帽筋の硬さを探る。右の方が格段に硬い。仕事柄右ばかり酷使するのであろうことは想像に難くない。とすれば、首と肩甲骨も相当だろう。
    「良ければ、座布団を枕にして俯せになるのはどうだろう。それなら腰も揉めるぞ」
     車の運転もしていたことだしと勧めれば、宇髄は至れり尽くせりだと微笑って寝転がった。煉獄は宇髄の身体を跨いで肩に手を当てると、少し強めに揉み始める。
    「あ、気持ちいい。上手いね」
    「かなり凝っているから、強めの方が好きだろうと思った」
     親指で圧を掛けながら慎重に揉んでゆく。あまり身体を揺らしてしまわないよう、できるだけ静かに肩甲骨付近まで辿り降り、徐々に力加減を変える。ゆっくりと圧を掛けるのと、血流を促すために摩ることを繰り返して煉獄は静かに黙々と没頭した。そうしているうちに煉獄の方が汗ばんでくるほどだ。
     宇髄は顔だけ横に向けて、静かに動かない。目を閉じてじっとしているから、たぶん、このまま上手く寝かし付けることができそうだ。こうなれば圧をかけるよりも程よい強さで摩ってやるくらいの方が良い。充分に風呂にも浸かった後で体が温まっているから、強張りもほぐれやすいだろう。
     そうこうしているうちに宇髄が軽いいびきを立てて眠り込み、煉獄は思わず小さなガッツポーズを作った。
     今日はちょっと面白い。ジャンケンもマッサージも初めて宇髄に披露する特技だ。全く大したものではないけれど、それでも宇髄に対して効果があったという事実は、煉獄を楽しい気分にさせる。スマホを取り出して宇髄の寝顔を写真に収めた。これは今日の報奨としてこっそりいただいておこう。
     宇髄がうたた寝から起きるまで、煉獄は隣に寝転がってスマホを眺め始める。時々隣へ目をやれば、薄く唇を開いて一生懸命眠っている宇髄の顔がある。忙しい日々の合間、貴重な休日に煉獄と会うことを宇髄も楽しみにしていたと教えてくれたことがたまらなく嬉しかった。

     その擽ったい気分を堪能した小一時間ほど後。
     宇髄が目を覚まして煉獄の方を見ていることに気が付いた。仰向けになっていた煉獄は寝返りを打って宇髄の方へ身体ごと向く。
    「おはよう、宇髄。よく眠れたか?」
    「うん。ありがと、よく寝たよ」
     宇髄があまりにじっと見つめてくるので、何か言うのだろうと煉獄は待った。が、何も言い出さない。そして、このあまりに長く送られる視線はわざとなのだなと感じ取れた。
     だから煉獄もそれを黙って受け取った。宇髄の瞳をじっと見つめ返して、何も言わない。片腕を伸ばせば触れられる距離。それくらい近いし、それくらい離れてもいる。ここにいるのは二人だけではないから、適切な距離のうちだろう。
     この長く送られてくる視線は、おそらくキスと同じだ。視線を受け取る瞳から奥へと入り込んできて、体の真ん中を擽るような。そう思い至って、ふと宇髄の唇へと視線が向いてしまう。煉獄が何を思ったか、宇髄にはもう気付かれてしまっただろう。けれど、それでもいいと思った。ずっと触れたいと思っていたのは本心なのだから。
    「今何時?」
     宇髄が片手を伸ばして、煉獄の頬をするりと撫でた。引いてゆく指が唇を掠めたのはわざとかもしれない。
    「六時」
    「お腹空いた?」
    「そうでもない」
     食事もいいけれど、それよりも少しだけ二人きりの場所に隠れたい気持ちが勝る。宇髄に会う度に自分は欲張りになっていくようだと煉獄は思う。
     起き上がった宇髄が煉獄へ手を貸して、身体を起こした。手を離す瞬間にも少し名残を惜しむように指をついと撫でられて、煉獄は嬉しくなる。宇髄は煉獄の要望を常に察知しようとしてくれるが、その気遣いや柔らかく掛けられる言葉だけでなく、ふとした仕草すらも優しい。宇髄の心遣いはいつでも肌触りの良い毛布のように広げられて、煉獄をふんわりと抱き止めてくれる。本当を言えば、もっと乱暴なくらいに強く爪を立てられてしまいたくなるけれど。
    「帰りがけにどっか寄って夕飯食べよっか。その後、家まで送るよ」
    「うん、そうしよう」
     じゃあ行くかと二人揃って立ち上がり、最後に露天風呂へ入ろうかと相談しながら並んで歩き出す。こうして仲良く過ごせることにはとても満足している。けれど、もっと近付きたいという贅沢な願いもずっと胸の内で大きく膨らんでゆくばかりだった。



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    rica_km

    PROGRESS宇煉・天桃前提の💎🏅です
    💎🏅・🔥🍑は、どちらも従兄弟関係(年齢設定とか詳細は齟齬が出そうなのでw、ふんわりで…)
    🏅19歳(大学生・成人)・🍑16歳(高校生)の3歳差。両思いながら🍑が未成年の上、🏅が注目を浴び易い状況であることから色々堪えているところ
    💎🔥はいずれも社会人で恋人同士
    💎が一人暮らししている部屋へ🏅は泊まりに来るほど懐いているし、秘密も共有している…
    ひみつとつみひとつ◆01◆01 Tengen side
     俺のマンションには、従兄弟の天満が時々泊まりに来る。いや。時々よりは、もう少し頻繁に。
     立地が便利だからというのは理由のうちほんの一部に過ぎない。
     天満は抜きん出た才のせいで少々注目され過ぎているもので、自宅近辺には大抵マスコミ関係の誰かしらが潜んでいるらしかった。横柄だの生意気だの好き放題に言われやすい天満だが、あれで結構繊細なところもあるのだ。注目の体操選手として世間の注目を浴びるのも無理からぬことだが、衆目に晒され続けて疲弊するメンタルが有名税とは到底思えない。フィジカルにだって影響を及ぼすことくらい想像に難くないはずなのに、それでも世間様は若干十九歳の青年を好奇心の赴くままに追い回して好き放題に書き立てる。
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