Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    ワンタン

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💜 👏 💎 🌺
    POIPOI 25

    ワンタン

    ☆quiet follow

    お題「願い事」

    執筆時間は1時間30分

    七夕の願い事を書くラーヒュンです

    #ラーヒュン
    rahun

    いつもの店で、いつものようにラーハルトは店主相手に値引き交渉をしていた。店主はそう簡単に首を縦に振る男ではないのだが、逆にそれがラーハルトを燃え上がらせた。おかげで、些細な買い物ですら、いつも少々時間がかかった。ヒュンケルはというと、そんなラーハルトを興味深く、そして時に退屈そうに眺めていた。

    「ラーハルト、アレはなんだ?」

    少し長めの会計を済ませたラーハルトにヒュンケルが尋ねた。ヒュンケルが指した先には、紙で作られた色とりどりの飾りを細い竹に飾ったものがあった。

    「七夕飾りだ。あのなにやら書かれている紙は短冊という。願いを書いて飾ると、それが叶うとんだそうだ」

    「……そうなのか」

    ヒュンケルが興味深そうに呟いた。

    「丁度いい、オレたちも何か書いていこう」

    そう言うと、ラーハルトは善は急げとばかりに、ヒュンケルの手を引いて七夕飾りのところに行った。そして、適当に見繕った短冊とペンをヒュンケルに渡し、願い事を書くよう促した。

    「よし」

    軽快な音共に、ラーハルトの手によってペンが元の場所に戻された。

    「なにを願ったんだ?」

    「お前がこの先も健勝であるように願った。月並みな願いだが、今のオレにはこれしか思い浮かばん」

    戦えなくなった。歩くのがやっとだから無茶もできないはずだった。だがヒュンケルは、魂だけの存在が自らに刻まれた意志に従うように、無茶をすることをやめなかった。

    「いつもすまない……」

    「まったくだ。で?お前は書けたのか?」

    ラーハルトはヒュンケルに短冊を見せるよう、身振りで促した。その声音は、直前の会話に影響されてか、ほんの少しの呆れと優しさを帯びていた。

    “ラーハルトと旅を続けられますように”

    「大丈夫。この願いは必ず叶う、オレが保証する」

    そう言うと、ラーハルトは真剣な顔でヒュンケルのことを見つめた。あまりに長く見つめて、不思議に思ったヒュンケルに呼びかけられるほど。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    👏👏☺👏👏❤☺🙏🙏🙏🙏🙏😍🙏🙏☺🎋🎋🎋💖😭🙏💗💗💗💗🎋🎋🎋🎋🎋🎋🌠🌠🌠🌠🙏☺☺☺☺☺☺☺😭🙏
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    recommended works