アサプ成就済の転生現パロ。
プライド様だけ記憶ありで転生。やや我儘姫様寄り。ツンツンサバサバしているようでがっつり寂しがりや。
前世は映像として飛び飛びに覚えているけど(夢で見ているので前世かは疑い中)当時の感情まではない。映画を観ている感じ。名前も髪の色も目の色も今は違う。中1くらい?
転生したアーサーを学校で見つける。
今の彼女(プライド転生後の女の子)の家族仲は淡白。夢の中の彼女は家族やアーサーから愛されててずるいと思っている。だからもし彼(アーサー転生後の男の子)が自分を見て、記憶の中のアーサーみたいに自分を通り越してプライドを見てきたら自分の存在価値をなくしそうで嫌。関わりたくない。
ただ、彼の方は前世を覚えてないから普通に接してくる。
今の彼女は女友達がいるけどツンが混じってしまってあまり上手く付き合えていない。寂しい。
〜以下、本文メモ〜
背筋がピンと伸びているところは記憶の彼と同じだなとぼんやり思う。クラス全員に目を行き渡らせて、いちいち提出ノートを回収しに来る律儀さも。あとはスポーツが得意なところだとか。
でも、勉強もできるところは似ていない。夢の彼は偉人にもあまり詳しくなかったし。
もしも彼が同じ夢を「思い出して」記憶と同じ目をしてきたら、五回は向こう脛を蹴り飛ばしてやる。
思い出させないで。ただの空想だと思わせて。あんな幸せな世界があったという事実を突きつけるようなことだけはしないで。
「それじゃ昼足りねーだろ。ほれ、卵焼き自信作だからやる」
ぺしゃんこになったパンの袋に、きれいに巻かれた卵焼きが乗せられた。ごく、と違う意味で喉が鳴る。顔を上げるのが一瞬怖くなった。今、彼はどんな表情をしているのだろう。
「な、うめーだろ」
「…………まあ」
「ンだよその返事」
フンと鼻を鳴らしてそっぽを向きながら、彼は終始「私」を映していたことにほっとする。同時に、あの優しい瞳を向けられた夢の自分のことを素直に羨ましいと思った。私はきっと、この先一生そんな目で見てもらえない。
まあ、でも。何も思い出さないでいてくれたから。
「いってぇ!」
向こう脛一発で勘弁してあげる。