yokirero_20
DONE🐔🐺🥧アンソロ企画参加させていただきました「見せちゃダメ」
拙いながらも英訳をつけてみました。
My English is poor, but I tried my best to translate it into English.
PASS: Are you over 20 years old?(y/n) 14
カリフラワー
DONEルマランド展示その③『Dec. 1st』タイトル通り、12月1日の話。
同棲ルスマヴェと同じアースですが、展示①より数年の時間が進んでいます(時系列的には今月の想定で、Twitterの同棲ルマ投稿の合間に起きた話です)
ややこしくてすみません。
パスワード🗝️→ イベント初日(mm/dd) 2719
カリフラワー
DONEルマランド展示その①同棲しているルスマヴェの短編集です。本に収録していない、書き下ろしになります。
※ゆる甘ルスマヴェです、たいしたことは起きません※
パスワード🗝️→ イベント初日(mm/dd) 8119
カリフラワー
DONEルマランド2412新刊サンプルいつもの同棲ルスマヴェ短編集です。
「ゆるゆるで甘い2人の日常」は私の個人的な好みです。何も起きないです、すみません。
ルマランド新刊サンプル・ブラッドリー・ブラッドショー
コールサインは〝ルースター〟。
ノースアイランドでトップガンの教官をしている。
恋人のピート・ミッチェルと暮らしている。
色々な意味で恋人から目が離せない。
・ピート・ミッチェル
コールサインは〝マーヴェリック〟。(現在は退役)
趣味が高じて車とバイクの整備士免許を取得し、修理店で働いている。
恋人のブラッドリー・ブラッドショーと暮らしている。
日々色々な意味で恋人の重みを実感している。
※連続した日々の記録ではなく、二人のある一日を気の向くままに集めたもの、という設定です。
※上記の二人の設定は筆者の趣味です。上記の設定がなくても読み進められるものになっていますので、あまり気にし過ぎずゆるくお楽しみいただければ幸いです。
6605コールサインは〝ルースター〟。
ノースアイランドでトップガンの教官をしている。
恋人のピート・ミッチェルと暮らしている。
色々な意味で恋人から目が離せない。
・ピート・ミッチェル
コールサインは〝マーヴェリック〟。(現在は退役)
趣味が高じて車とバイクの整備士免許を取得し、修理店で働いている。
恋人のブラッドリー・ブラッドショーと暮らしている。
日々色々な意味で恋人の重みを実感している。
※連続した日々の記録ではなく、二人のある一日を気の向くままに集めたもの、という設定です。
※上記の二人の設定は筆者の趣味です。上記の設定がなくても読み進められるものになっていますので、あまり気にし過ぎずゆるくお楽しみいただければ幸いです。
カリフラワー
DONEマ右ワンライ/ルスマヴェ/お題「歌声」わかりづらいですが、段落ごとに時間が進んでます。本当にわかりづらいです。反省してます。
Sing for me 幸せだと感じる時、聞こえてくるのはいつも彼の歌声だった。
ブラッドリーは歌が上手い。ピアノも弾ける。彼の父親もそうだった。二人揃って音楽の才能があった。だけどそれをブラッドリーに伝えると、彼はこう答えた。「俺が親父と違うのは、俺はマーヴを惹きつけるために歌ってるってこと。俺の歌声はマーヴのためにあるの」だから同じにしないで、と彼は笑った。
繋ぎっぱなしのビデオ通話で、かつて僕たちは会話もせず黙って時間を過ごした。ブラッドリーは料理をして、僕は洗濯物を片付けて。お互い画面なんてあまり見ていなかったと思う。自分が映っているかどうかも気にしていなかった。ただ画面上で繋がってさえいれば、二人の時差も距離も忘れてしまった。時々思い出したように画面を見ると、ブラッドリーはナイフや缶切りを持ったまま、同じタイミングで僕の様子を確認しに来る。そして安心したように微笑み、また画面の前から消える。それを何度か繰り返していると、そのうち彼の歌声が聞こえてくる。
4107ブラッドリーは歌が上手い。ピアノも弾ける。彼の父親もそうだった。二人揃って音楽の才能があった。だけどそれをブラッドリーに伝えると、彼はこう答えた。「俺が親父と違うのは、俺はマーヴを惹きつけるために歌ってるってこと。俺の歌声はマーヴのためにあるの」だから同じにしないで、と彼は笑った。
繋ぎっぱなしのビデオ通話で、かつて僕たちは会話もせず黙って時間を過ごした。ブラッドリーは料理をして、僕は洗濯物を片付けて。お互い画面なんてあまり見ていなかったと思う。自分が映っているかどうかも気にしていなかった。ただ画面上で繋がってさえいれば、二人の時差も距離も忘れてしまった。時々思い出したように画面を見ると、ブラッドリーはナイフや缶切りを持ったまま、同じタイミングで僕の様子を確認しに来る。そして安心したように微笑み、また画面の前から消える。それを何度か繰り返していると、そのうち彼の歌声が聞こえてくる。
カリフラワー
DONEマ右ワンライ/いずれルスマヴェになるルス→マヴェ/お題「懐かしい」TVを観ている一人きりのルス。
カーテンの向こう『さて、一番のあなたが会いたいのは誰ですか?』
司会者が①の名札がついたゲストに尋ねる。ゲストの男性は緊張の面持ちで答える。
『僕が会いたいのは、謝りたい相手です』
懐かしの人に会わせてくれる番組。ゲストは皆一般人で、色々な人生を送ってきた人たち。彼らの会いたい人を、番組がアメリカじゅうを探して再会させてくれるのだ。
一番の男性は続ける。彼は職場の同僚でした。ある大きなプロジェクトで失敗してしまった時、彼一人に責任を取らせてしまったんです。会社にとっても大きな損失で、彼はその日のうちに会社を辞めてしまいました。僕は自分だけが会社に残ってしまったことが心苦しくて、その数日後に退職しました。今は全く違う仕事に就いています。彼が今どうしているかはわかりません。謝るのと同時に彼の近況が知れたらと思っています。もちろん、許してもらうために謝るわけではありません。でもこれは僕の責任ですから。
2889司会者が①の名札がついたゲストに尋ねる。ゲストの男性は緊張の面持ちで答える。
『僕が会いたいのは、謝りたい相手です』
懐かしの人に会わせてくれる番組。ゲストは皆一般人で、色々な人生を送ってきた人たち。彼らの会いたい人を、番組がアメリカじゅうを探して再会させてくれるのだ。
一番の男性は続ける。彼は職場の同僚でした。ある大きなプロジェクトで失敗してしまった時、彼一人に責任を取らせてしまったんです。会社にとっても大きな損失で、彼はその日のうちに会社を辞めてしまいました。僕は自分だけが会社に残ってしまったことが心苦しくて、その数日後に退職しました。今は全く違う仕事に就いています。彼が今どうしているかはわかりません。謝るのと同時に彼の近況が知れたらと思っています。もちろん、許してもらうために謝るわけではありません。でもこれは僕の責任ですから。
カリフラワー
DONEマ右ワンライ/お題「いい子」「悪い子」たまらんくらい最高のお題だったのでどちらも使いました
帰り支度 思えばブラッドリーは、僕の知る限りずっといい子だった。
大人の助けが必要なほど幼い頃から、ブラッドリーは他者を助けることに躊躇いがなかった。家の中では着替えを手伝ってもらっていた子が、外では道端でひっくり返った虫を草木がある場所まで戻してやり、公園では転んだ子に駆け寄り、大丈夫かと声をかけた。小さい頃は家族や僕以外には少し内気だった坊やは、転んで落ち込んだその子を控えめな態度で誘い、一緒に遊んで回った。そのうちその子は坊やの友達になり、名前と住所を教え合った。
学校に通い始めてからも、ブラッドリーは何も変わらなかった。忙しいキャロルに代わって保護者面談に出席すると、先生からは驚くほどよく坊やを褒められた。「クラスメイト同士の喧嘩を止めて、仲直りまでさせたんですよ」また、意地悪されている子がいれば常に一緒に行動し、いじめっ子にも怯むことはなかったという。優しくて強い心を持ち、それを家族や僕以外にも分け与えられる子。先生の話を聞きながら、僕は誇らしさで胸がいっぱいだった。僕が坊やを育てたわけでもないのに、すぐにでも彼をハグしたくてたまらなかった。帰宅してキャロルに報告する間、僕の隣で話を聞いていたブラッドリーは嬉しそうに小さな鼻を膨らませていた。褒められるためにしているわけではなかっただろうが、それでも大人2人に口々に讃えられることは、彼にとっても大きな喜びだったろうと思う。
2987大人の助けが必要なほど幼い頃から、ブラッドリーは他者を助けることに躊躇いがなかった。家の中では着替えを手伝ってもらっていた子が、外では道端でひっくり返った虫を草木がある場所まで戻してやり、公園では転んだ子に駆け寄り、大丈夫かと声をかけた。小さい頃は家族や僕以外には少し内気だった坊やは、転んで落ち込んだその子を控えめな態度で誘い、一緒に遊んで回った。そのうちその子は坊やの友達になり、名前と住所を教え合った。
学校に通い始めてからも、ブラッドリーは何も変わらなかった。忙しいキャロルに代わって保護者面談に出席すると、先生からは驚くほどよく坊やを褒められた。「クラスメイト同士の喧嘩を止めて、仲直りまでさせたんですよ」また、意地悪されている子がいれば常に一緒に行動し、いじめっ子にも怯むことはなかったという。優しくて強い心を持ち、それを家族や僕以外にも分け与えられる子。先生の話を聞きながら、僕は誇らしさで胸がいっぱいだった。僕が坊やを育てたわけでもないのに、すぐにでも彼をハグしたくてたまらなかった。帰宅してキャロルに報告する間、僕の隣で話を聞いていたブラッドリーは嬉しそうに小さな鼻を膨らませていた。褒められるためにしているわけではなかっただろうが、それでも大人2人に口々に讃えられることは、彼にとっても大きな喜びだったろうと思う。
カリフラワー
DONEさわマル展示その2いつもの同棲ルスマヴェ短編集です。一応すべて新しく書いたものです。
「ゆるゆるで甘い2人の日常」は私の個人的な好みなので、ご了承下さい🙏
パスワード🗝️→ イベント初日(mm/dd) 10857
カリフラワー
DONEマ右ワンドロワンライのお題「電子機器」をお借りして書きました。一緒に暮らそうよ系ルスマヴェです。
この画面を越えて 技術の進歩というのは凄いもので、日々人類の生活を変え続けている。……まあ、俺がその進歩に感謝しているのはそんな壮大な理由ではないけれど、どこかの誰かの発明が、俺に幸せをもたらしていることは言っておきたい。
ラップトップの電源を入れて、通話画面を開く。発信音が鳴れば、たちまち大陸の端にいる恋人と顔を合わせられる。これこそ、ロボット掃除機やスマートスピーカーよりも俺が望む技術の進歩だ。
「Hi マーヴ」
画面の向こうの恋人に手を振ると、彼は同じようにこちらに手を振り返した。そして俺の背後の景色をぐるりと眺めて、変わりはないか、俺に直接尋ねる前に予想を立てる。
「やあブラッドリー、変わりはないか?」
そうして俺に尋ねる。変わりはないよ。そう答えると安心したように返事をする。そうか、僕も変わりはないよ。
4298ラップトップの電源を入れて、通話画面を開く。発信音が鳴れば、たちまち大陸の端にいる恋人と顔を合わせられる。これこそ、ロボット掃除機やスマートスピーカーよりも俺が望む技術の進歩だ。
「Hi マーヴ」
画面の向こうの恋人に手を振ると、彼は同じようにこちらに手を振り返した。そして俺の背後の景色をぐるりと眺めて、変わりはないか、俺に直接尋ねる前に予想を立てる。
「やあブラッドリー、変わりはないか?」
そうして俺に尋ねる。変わりはないよ。そう答えると安心したように返事をする。そうか、僕も変わりはないよ。
カリフラワー
DONEマ右ワンライ/ルスマヴェ/お題「手入れ」さらっとお題を撫でたくらいの話で恐縮です。マーヴの作業風景を眺めながらもやもや考えるルスの話です🐓💭
あなたのそんなところが 乾いた風がハンガーに吹き込み、風に運ばれた砂が外と中の境界を曖昧にする。ぶつぶつと何かを呟く声。「ああ、あれが要るんだった」大きな歩幅で道具を取りに行く長い脚。俺には名前もわからない道具を迷いなく掴む小ぶりな右手。
「ブラッドリー、せっかく来てくれたのに構えなくて悪いな」
愛機の元へ戻ったマーヴは振り返って言った。するとソファに寝そべる俺と目が合い、マーヴは可笑しそうに笑い出した。太陽が動き、さっきまで影に覆われていたソファと俺の顔が、扉から差し込む強い陽の光に照らされているのだ。
「ほんと、俺はマーヴに会いに来たのにね。これじゃ帰る頃には丸焼けになっちゃう」
「すまない、もう少し待ってくれ」
マーヴは笑いながらもう一度謝罪した。
2728「ブラッドリー、せっかく来てくれたのに構えなくて悪いな」
愛機の元へ戻ったマーヴは振り返って言った。するとソファに寝そべる俺と目が合い、マーヴは可笑しそうに笑い出した。太陽が動き、さっきまで影に覆われていたソファと俺の顔が、扉から差し込む強い陽の光に照らされているのだ。
「ほんと、俺はマーヴに会いに来たのにね。これじゃ帰る頃には丸焼けになっちゃう」
「すまない、もう少し待ってくれ」
マーヴは笑いながらもう一度謝罪した。
カリフラワー
DONEマ右ワンライ/ルスマヴェ/お題「香り」イメージはDi○rの某香水です。香水の発売時期と願書事件が近そうだったので…。
This Scent この世で一つだけ、忘れられない香りがある。重く絡みつく、最も嫌いな香り。あれから二十年経ってもいまだ憎しみのような落胆のような、言葉にもできない苦しみを思い出す。知らない間に俺の夢をうんと遠くへと捨て去り、そのことに言い訳もしなかったあの人の香り。
アナポリスへ提出した書類の不備があの人の仕業だとわかった後、俺は震える声で彼を呼び出した。家まで来させて一体何を言ってほしかったのか、今の俺にもわからない。だけどその時の俺は人生で一番の怒りと絶望を抱えていて、なのにそれを吐き出す相手は俺をそんな暗闇に突き落とした張本人だった。眩いほど白いTシャツ。青いジーンズ。その裾に隠れた派手なカウボーイブーツ。伏せた目から消えた光はどこへいったのか。
3174アナポリスへ提出した書類の不備があの人の仕業だとわかった後、俺は震える声で彼を呼び出した。家まで来させて一体何を言ってほしかったのか、今の俺にもわからない。だけどその時の俺は人生で一番の怒りと絶望を抱えていて、なのにそれを吐き出す相手は俺をそんな暗闇に突き落とした張本人だった。眩いほど白いTシャツ。青いジーンズ。その裾に隠れた派手なカウボーイブーツ。伏せた目から消えた光はどこへいったのか。
カリフラワー
DONEマ右ワンライ/ルスマヴェ/お題「電子機器」モブ視点。もだもだ。
応答すべき彼からの着信「あ〜クソ」
やっちまった、スマホがない。どこかに置いてきてしまった。たぶんロッカーの中だろう。まあでも、心配する必要はない。昼時の食堂には、タイミングよくあいつが現れるから。
「なあ、ルースター」
鼻歌の主を見ることもなく声をかけた。
「なんだよ」
その返事は呼びかけた名前と同じ人間の声だった。振り返ると、ルースターは退屈そうにあくびをしているところだった。俺の後ろに並び、同じく俺の方を見ることもなくただ配膳される昼飯を目で追っている。
「ちょっとスマホ貸してくれ」
「自分のは?」
「ロッカーに入れてそのまま忘れてた」
あっそ、とルースターは短く呟き、トレーを片手で持ち直してポケットを探った。そして「ん」とスマホで俺の肩を叩いてそれを寄越した。やはり海軍で持つべきものは、深入りしてこない友人だ。
4536やっちまった、スマホがない。どこかに置いてきてしまった。たぶんロッカーの中だろう。まあでも、心配する必要はない。昼時の食堂には、タイミングよくあいつが現れるから。
「なあ、ルースター」
鼻歌の主を見ることもなく声をかけた。
「なんだよ」
その返事は呼びかけた名前と同じ人間の声だった。振り返ると、ルースターは退屈そうにあくびをしているところだった。俺の後ろに並び、同じく俺の方を見ることもなくただ配膳される昼飯を目で追っている。
「ちょっとスマホ貸してくれ」
「自分のは?」
「ロッカーに入れてそのまま忘れてた」
あっそ、とルースターは短く呟き、トレーを片手で持ち直してポケットを探った。そして「ん」とスマホで俺の肩を叩いてそれを寄越した。やはり海軍で持つべきものは、深入りしてこない友人だ。
カリフラワー
DONEルスマヴェ結婚アンソロ寄稿作品その2結婚後アンソロに寄稿したものです。
新婚カップルの惚気に虚無顔になっているフェニをご想像してご覧ください。
Interview With The Newlyweds「結婚して変わったこと? なんだろ……」
「特に何も変わらないよ。ブラッドリーは相変わらずお寝坊さんだし」
「〝お寝坊さん〟は恥ずかしいからやめて」
「だってそうだろう? ブラッドリーは変わらず寝るのが好きで、ほんのちょっとだらしない。シャワーを浴びずにベッドに入ろうしたり、なんなら着替えすらしないこともある。明日やればいいでしょ、なんて言うんだよ。電気もつけっぱなしで、だけど注意するとちゃんと反省するから怒れない。……フェニックス、ここだけの話、この子は一人の時も休日には少し気を抜くとこんな感じだったの? 気になってたんだけど、本人がなかなか答えてくれなくてね」
「ねえ、結婚して変わったことを聞かれてるんだよ」
1853「特に何も変わらないよ。ブラッドリーは相変わらずお寝坊さんだし」
「〝お寝坊さん〟は恥ずかしいからやめて」
「だってそうだろう? ブラッドリーは変わらず寝るのが好きで、ほんのちょっとだらしない。シャワーを浴びずにベッドに入ろうしたり、なんなら着替えすらしないこともある。明日やればいいでしょ、なんて言うんだよ。電気もつけっぱなしで、だけど注意するとちゃんと反省するから怒れない。……フェニックス、ここだけの話、この子は一人の時も休日には少し気を抜くとこんな感じだったの? 気になってたんだけど、本人がなかなか答えてくれなくてね」
「ねえ、結婚して変わったことを聞かれてるんだよ」
カリフラワー
DONEルスマヴェ結婚アンソロ寄稿作品その1結婚前アンソロに寄稿したものです。
個人誌でも同じような話を書いたような気がしますが、このアンソロの方が先に書いていたのでセーフかな、と自分で納得させています。
You Made Me Think About It 美しい鳥の声が新しい一日の始まりを告げる。快晴の朝にふさわしい、湯気を立てるコーヒーやパンケーキ。明らかに作りすぎてしまったが、気にするほどじゃない。トレーに並ぶマグカップや朝食の皿が、ベッドルームへの歩調に合わせて繊細な音を立てる。
「マーヴ、おはよう」
声をかけながら、肩を入れてベッドルームのドアの隙間を広げた。昨夜マーヴは珍しく疲れた様子で帰宅し、「もし朝九時を過ぎても寝ていたら適当に起こしてくれ」と一言残して先に眠りに落ちてしまった。実際に今朝、いつもなら彼が起きているはずの時間になってもアラームは鳴らず、マーヴも目を覚まさなかった。そして俺が朝食を用意していた間に彼はベッドの真ん中寄りまで寝返りをうち、今は俺の声に反応してぼんやりと目を擦っている。
7306「マーヴ、おはよう」
声をかけながら、肩を入れてベッドルームのドアの隙間を広げた。昨夜マーヴは珍しく疲れた様子で帰宅し、「もし朝九時を過ぎても寝ていたら適当に起こしてくれ」と一言残して先に眠りに落ちてしまった。実際に今朝、いつもなら彼が起きているはずの時間になってもアラームは鳴らず、マーヴも目を覚まさなかった。そして俺が朝食を用意していた間に彼はベッドの真ん中寄りまで寝返りをうち、今は俺の声に反応してぼんやりと目を擦っている。
カリフラワー
DONEマ右ワンライ/ルスマヴェ/お題「手伝って」前回のワンライ『空でもどこでも』の続きの話。
推しカプの休暇を終わらせるのが好き
居ても立っても居られない「ただいま〜おかえり〜」
家に響くブラッドリーの声。スーツケースのキャスターがころころと音を立て、やがて止まる。
「マーヴ、荷物は適当に置いといて」
妙にしっかりした彼の言葉が、なんだか可笑しい。
「何笑ってんの、マーヴ」
「……いや、なんでもない」
休暇を終え空港を出た僕たちは、少しずつ明るくなり始めた空の下、ゆったりと車を走らせ家路についた。上空でブラッドリーと共に過ごす誕生日は格別に幸せだった。だけど家に着いてしまえば、もう楽しかった休暇はおしまいだ。明日からは二人揃って操縦席に逆戻り。ブラッドリーは何も言わないが、きっと彼の心の中では休暇が終わる不満をぶつぶつこぼし続けているのだろう。背中が寂しそうに曲がっている。
2417家に響くブラッドリーの声。スーツケースのキャスターがころころと音を立て、やがて止まる。
「マーヴ、荷物は適当に置いといて」
妙にしっかりした彼の言葉が、なんだか可笑しい。
「何笑ってんの、マーヴ」
「……いや、なんでもない」
休暇を終え空港を出た僕たちは、少しずつ明るくなり始めた空の下、ゆったりと車を走らせ家路についた。上空でブラッドリーと共に過ごす誕生日は格別に幸せだった。だけど家に着いてしまえば、もう楽しかった休暇はおしまいだ。明日からは二人揃って操縦席に逆戻り。ブラッドリーは何も言わないが、きっと彼の心の中では休暇が終わる不満をぶつぶつこぼし続けているのだろう。背中が寂しそうに曲がっている。
カリフラワー
DONEマ右ワンライ/ルスマヴェ/お題「誕生日」そういえばマヴの誕生日の話って書いたことなかったな〜と思って書いた話
オチもヤマも何にもない
空でもどこでも もし自分の誕生日より特別な日があるとすれば、それは愛する人の誕生日しかないだろう。だってその人がこの世界に生まれてこなければ、付き合い始めた記念日も、プロポーズした日も、結婚記念日だって存在し得ない。記念日の悦びは、祝福する相手がいてこそ成り立つものだ。
マーヴの誕生日は二人で海外で過ごすと決めていた。旅行なんて久々で、計画する時から楽しみは膨らむばかりだった。西海岸より暖かい島に降り立てば、ゆったりと二人だけの時間を過ごし、完璧な休暇と呼べそうな幸せな日々だった。だけど一つだけ、この休暇で思い通りにいかないことが残っている。
「ブラッドリー、僕は君さえいればどこで誕生日を迎えたって幸せだよ」
そう慰めるように言って、マーヴはアームレストにのせた俺の左手に自身の右手を重ねた。
5072マーヴの誕生日は二人で海外で過ごすと決めていた。旅行なんて久々で、計画する時から楽しみは膨らむばかりだった。西海岸より暖かい島に降り立てば、ゆったりと二人だけの時間を過ごし、完璧な休暇と呼べそうな幸せな日々だった。だけど一つだけ、この休暇で思い通りにいかないことが残っている。
「ブラッドリー、僕は君さえいればどこで誕生日を迎えたって幸せだよ」
そう慰めるように言って、マーヴはアームレストにのせた俺の左手に自身の右手を重ねた。
カリフラワー
DONEマ右ワンライ/ルスマヴェ/お題「カラフル」お題を意識しすぎて訳わからん話になりました。
インスタ映えを意識したお店を想像していただけたら……🍰
マーヴという存在もたくさんの色でできているんだよ、的な話です🍭
その中身は ジェリービーンズのようなタイルや七色のペンキを使ったグラフィックアートの壁に囲われて、マーヴは店内を見回した。
「ねえ、ここのスイーツ美味しいらしいよ」
マーヴはこの店の可愛らしい内装を物珍しそうに観察しつつ、俺の言葉に微笑んだ。
「こういうのって、大人になってもときめくものだよね……マーヴもわかるでしょ?」
写真が載ったメニューには、この店の内装とよく似たポップな色合いのスイーツが並んでいる。子どもの頃憧れたキャンディーショップみたいで、どんな味がするのか想像するだけで目の前の写真がきらきらと輝き出す。
「そうだね、可愛らしいものは目を惹くからね」マーヴは上機嫌な俺を見て笑った。「それに、目を惹くものは試したくなる。そうだろ、ブラッドリー?」
2816「ねえ、ここのスイーツ美味しいらしいよ」
マーヴはこの店の可愛らしい内装を物珍しそうに観察しつつ、俺の言葉に微笑んだ。
「こういうのって、大人になってもときめくものだよね……マーヴもわかるでしょ?」
写真が載ったメニューには、この店の内装とよく似たポップな色合いのスイーツが並んでいる。子どもの頃憧れたキャンディーショップみたいで、どんな味がするのか想像するだけで目の前の写真がきらきらと輝き出す。
「そうだね、可愛らしいものは目を惹くからね」マーヴは上機嫌な俺を見て笑った。「それに、目を惹くものは試したくなる。そうだろ、ブラッドリー?」
カリフラワー
DONEマ右ワンライ/ルスマヴェ/お題「爽やか」ぼんやりとお題に沿ったタイプの話です🍃
これも爽やかだと思いたい…。
風が吹くとき 風が吹く。その風は木々を揺らす。踊る木の枝には高く跳ね上がったボールが触れそうになる。背の低い芝生は小さく震え、所々に広がるブランケットや新聞がめくれ上がる。
「ね、外に出て良かったでしょ?」
仰向けで寝転んだ恋人は本を開いたまま、文字を追いながら返事をする。
「公園でゆっくりしようって提案したのは僕だよ」
それからふっ、と息を漏らして笑う。
よく晴れた休日。太陽の光に誘われた人々が、芝生の上で俺たちと同じように自由気ままに過ごしている。
「じゃあ、マーヴの名案ってことにしといてあげる」
隣を見下ろすと、整髪料のついていないブルネットの髪が風に吹かれてふわりと揺れる。柔らかいその髪に触れると、彼は開いた本を胸に置いた。それから空いた手を俺の方へ伸ばし、俺の口元にそっと触れた。俺は彼の手を取りその指先にキスをした。
1174「ね、外に出て良かったでしょ?」
仰向けで寝転んだ恋人は本を開いたまま、文字を追いながら返事をする。
「公園でゆっくりしようって提案したのは僕だよ」
それからふっ、と息を漏らして笑う。
よく晴れた休日。太陽の光に誘われた人々が、芝生の上で俺たちと同じように自由気ままに過ごしている。
「じゃあ、マーヴの名案ってことにしといてあげる」
隣を見下ろすと、整髪料のついていないブルネットの髪が風に吹かれてふわりと揺れる。柔らかいその髪に触れると、彼は開いた本を胸に置いた。それから空いた手を俺の方へ伸ばし、俺の口元にそっと触れた。俺は彼の手を取りその指先にキスをした。
カリフラワー
DONEマ右ワンライ/ルスマヴェ/お題「薔薇の花」去年のワンライ『永遠に続けば』の一年後…みたいな話ですが、そこまで関係ない話になりました。
ゆるーいバレンタインです🌹
薔薇色の日 あれが一年前? 信じられない。
僕が花屋に二本だけ残ったバラを買い占めたバレンタイン。ブラッドリーが花のない花屋でバラの代わりに観葉植物を買った日。あれから一年が経ったなんて。ブラッドリーが買ったサンスベリアは、今もまだ青々とした姿で我が家のリビングに鎮座している。そうか、もうそんなに経ったのか。危うく月日の流れに置いていかれるところだった。
「ブラッドリー、言いにくいんだけど……」
今年のバレンタインは僕が残業する番らしい。ブラッドリーを廊下の隅に呼び寄せそう伝えると、彼は明らかにしゅんとした様子で小さく頷いた。
「そっか、仕方ないよね」
「ごめんね、絶対に早く終わらせるよ」
「マーヴ、そんなこと言ったら逆に帰れなくなるよ」
5280僕が花屋に二本だけ残ったバラを買い占めたバレンタイン。ブラッドリーが花のない花屋でバラの代わりに観葉植物を買った日。あれから一年が経ったなんて。ブラッドリーが買ったサンスベリアは、今もまだ青々とした姿で我が家のリビングに鎮座している。そうか、もうそんなに経ったのか。危うく月日の流れに置いていかれるところだった。
「ブラッドリー、言いにくいんだけど……」
今年のバレンタインは僕が残業する番らしい。ブラッドリーを廊下の隅に呼び寄せそう伝えると、彼は明らかにしゅんとした様子で小さく頷いた。
「そっか、仕方ないよね」
「ごめんね、絶対に早く終わらせるよ」
「マーヴ、そんなこと言ったら逆に帰れなくなるよ」
カリフラワー
DONEマ右ワンライ/ルスマヴェ/お題「お菓子」「悪戯」ハロウィン話を一つは書いてみたかったので書きましたが、全然ハロウィンっぽくない話になりました。仮装すらしてません。これが私のハロウィンです。
Treat me like a Halloween candy 小さないたずらおばけが集う日。外からは、いたずらもお菓子も大好きなおばけたちの楽しげな声が聞こえる。
「マーヴ、これで全部だっけ?」
ブラッドリーは彼らの襲来に備え、キッチンにお菓子を並べていた。恐ろしいおばけたちのいたずらを防ぎ、ご機嫌に帰ってもらうための毒々しい色のお菓子たち。少し前からブラッドリーはあれこれと買い集めていた。紫色やオレンジ色のマシュマロ、真っ黒なチョコレートクッキー、おばけや目玉の形のグミ、どれも同じ味がしそうなハロウィンカラーのジェリービーンズ。
「たぶん、それで全部だと思うよ」
「マジ? もっと買ったと思ってた……やばいな、足りないかも」
「だから言ったろ、ハロウィン用のお菓子はつまみ食いするなって」
4916「マーヴ、これで全部だっけ?」
ブラッドリーは彼らの襲来に備え、キッチンにお菓子を並べていた。恐ろしいおばけたちのいたずらを防ぎ、ご機嫌に帰ってもらうための毒々しい色のお菓子たち。少し前からブラッドリーはあれこれと買い集めていた。紫色やオレンジ色のマシュマロ、真っ黒なチョコレートクッキー、おばけや目玉の形のグミ、どれも同じ味がしそうなハロウィンカラーのジェリービーンズ。
「たぶん、それで全部だと思うよ」
「マジ? もっと買ったと思ってた……やばいな、足りないかも」
「だから言ったろ、ハロウィン用のお菓子はつまみ食いするなって」
カリフラワー
DONEマ右ワンライ/ルスマヴェ/お題「昼寝」同棲ルマツイートの一つを薄く伸ばして書いたのですが、既に投稿として表に出したネタなのでルール違反だったら消します。すみません。
読んでて集中できない仕上がりになりました…これこそ寝落ちしそうな出来💤
Sound of Wind, Chips, and Your Dream 昼下がり。なんとなく口寂しい時間。マーヴはガレージに篭っている。つまり今すぐお菓子を取り行けば、マーヴにバレずに小腹を満たせるということ。
今日の天気は快晴で、気温も風も心地良い。家のところどころで窓を開け、部屋の中まで風の匂いを感じる。こういう日はのんびりと過ごしたい。
「確かあの棚にアレがあったはず……」
収納場所を一ヶ所ずつ思い出しながらキッチンを目指した。そうだ、冷えた炭酸水をお供にしよう。シュガーフリーのドリンクなら大丈夫。決意してキッチンに入ると、思わぬ先客がいた。
「あれ、マーヴ? ここにいたん……あ、」
見るとマーヴはキッチンカウンターに突っ伏して眠っている。思わず言葉が途切れ、足もぴたりと止まった。ガレージにいると思ってたのに。どうやらマーヴを起こさないようにしておやつを用意するしかないらしい。慣れてはいるが、やはり緊張はする。目当ての棚はマーヴの真後ろにあり、ぐるりとカウンターを回り込まなければならない。そっとマーヴに近づき今一度様子を確認すると、彼は小さな寝息を立てている。
3328今日の天気は快晴で、気温も風も心地良い。家のところどころで窓を開け、部屋の中まで風の匂いを感じる。こういう日はのんびりと過ごしたい。
「確かあの棚にアレがあったはず……」
収納場所を一ヶ所ずつ思い出しながらキッチンを目指した。そうだ、冷えた炭酸水をお供にしよう。シュガーフリーのドリンクなら大丈夫。決意してキッチンに入ると、思わぬ先客がいた。
「あれ、マーヴ? ここにいたん……あ、」
見るとマーヴはキッチンカウンターに突っ伏して眠っている。思わず言葉が途切れ、足もぴたりと止まった。ガレージにいると思ってたのに。どうやらマーヴを起こさないようにしておやつを用意するしかないらしい。慣れてはいるが、やはり緊張はする。目当ての棚はマーヴの真後ろにあり、ぐるりとカウンターを回り込まなければならない。そっとマーヴに近づき今一度様子を確認すると、彼は小さな寝息を立てている。
カリフラワー
DONEマ右ワンライ/ルスマヴェ/お題「夏の終わり」夏の終わりに焦り出すルスの話🐓
なんだかんだで色々な"夏らしいこと"を経験している二人です。
サマー・タスク「ねえ、もう夏終わるよ!」
ブランチが並ぶダイナーのテーブルで、マーヴは何の前置きもなくそう口にした俺の声に目を丸くした。そのまま彼は周囲のテーブルに視線を巡らせ、他の客に俺の渾身の叫びが聞こえていないかと確認して曖昧に答えた。
「そうだね……いや、そうかな?」
「どっち?」
「そうかな、の方」
それから片手にフォークを持ち、サーモンのサラダを飲み込みながら窓の外を指し示す。
「ブラッドリー、外を見て。こんなに暑いんだ、まだ終わったりしないよ」
「そんなこと言ってたら知らないうちに置いてかれるよ」
「誰に?」
「夏に」
マーヴは口を薄く開け、わけがわからないとでも言いたげな視線を俺に向けた。そういう人が一番夏に置いていかれちゃうんだよ。
3728ブランチが並ぶダイナーのテーブルで、マーヴは何の前置きもなくそう口にした俺の声に目を丸くした。そのまま彼は周囲のテーブルに視線を巡らせ、他の客に俺の渾身の叫びが聞こえていないかと確認して曖昧に答えた。
「そうだね……いや、そうかな?」
「どっち?」
「そうかな、の方」
それから片手にフォークを持ち、サーモンのサラダを飲み込みながら窓の外を指し示す。
「ブラッドリー、外を見て。こんなに暑いんだ、まだ終わったりしないよ」
「そんなこと言ってたら知らないうちに置いてかれるよ」
「誰に?」
「夏に」
マーヴは口を薄く開け、わけがわからないとでも言いたげな視線を俺に向けた。そういう人が一番夏に置いていかれちゃうんだよ。
カリフラワー
DONEマ右ワンライ/ルスマヴェ/お題「アイスクリーム」「思い出」あの味を求める2人の話🍦
アイスクリームで汚れた子どもってなんて幸せなんだろうと思います…可愛らしいよね…
夏の味 二人の生活を始めて最初の夏。玄関先で漂う水蒸気の熱さに、ブラッドリーは水を撒いたことを後悔していた。暑さに堪える気配すらない青々とした雑草は、しなやかな葉で僕の握力に抵抗した。二人の額や背を伝う水滴ははたして汗なのか、ブラッドリーが撒いた時に浴びたぬるい水なのか、もはや何もわからなかった。
「ブラッドリー、これ以上は無理だ、中へ入ろう」
「うん、俺ももう限界…」
力を振り絞りドアを開けた。リビングからの涼やかな空気が玄関にまで流れていて、二人とも思わず大きく息を吐き出した。とにかくまずは濡れた身体を拭きたい。残った気力でタオルを取り戻って来ると、髪までくったりと濡れたブラッドリーはいまだ玄関で立ち尽くしている。
3547「ブラッドリー、これ以上は無理だ、中へ入ろう」
「うん、俺ももう限界…」
力を振り絞りドアを開けた。リビングからの涼やかな空気が玄関にまで流れていて、二人とも思わず大きく息を吐き出した。とにかくまずは濡れた身体を拭きたい。残った気力でタオルを取り戻って来ると、髪までくったりと濡れたブラッドリーはいまだ玄関で立ち尽くしている。
カリフラワー
DONEマ右ワンライ/ルスマヴェ/お題「勝負」本編のビーチフットボールを思い出して読んでください🏖️🏈
マーヴの彼氏になることは、世界中の人たちとの勝ち抜き戦✊💥🔥(byルス)
一人勝ち「結局あれって、どっちのチームが勝ったんだっけ?」
その場の全員が手を止めた。質問者のフェニックスはビールのボトルをテーブルに置き、一同の表情をランダムに確かめた。俺もつられて周囲と目を合わせると、全員が"あれ"をはっきりと思い出していた。実際の勝負から一年ほど経っているが、いまだに自分を含めたこの場の全員の答えが一致している。
「さあ…?わからないままだよね」
最初にその答えを口にしたのはボブだった。あの任務から時が経ち、初めに"同窓会"をやろうと提案したのもボブだった。彼の手は相変わらずカップからナッツを取りこぼしている。
「最後の方はただひたすら声出して走ってたな」
3678その場の全員が手を止めた。質問者のフェニックスはビールのボトルをテーブルに置き、一同の表情をランダムに確かめた。俺もつられて周囲と目を合わせると、全員が"あれ"をはっきりと思い出していた。実際の勝負から一年ほど経っているが、いまだに自分を含めたこの場の全員の答えが一致している。
「さあ…?わからないままだよね」
最初にその答えを口にしたのはボブだった。あの任務から時が経ち、初めに"同窓会"をやろうと提案したのもボブだった。彼の手は相変わらずカップからナッツを取りこぼしている。
「最後の方はただひたすら声出して走ってたな」
カリフラワー
DONEマ右ワンライ/ルスマヴェ/お題「夢」ルスがいない方が夢、ルスがいる方が現実!👩🏻🏫
歯磨く前に飲み物飲めるタイプなので2人にも飲ませた☕️
君のいない夢 これは夢だ。
東海岸にある、ブラッドリーの単身者用の住まい。部屋の中は整然としている。鍵とキャップが玄関に置かれ、外を散々歩いた靴は玄関マットの上。一人暮らしにはちょうど良い、狭くも広くもない部屋。
僕は部屋を歩き回る。ブラッドリーはいない。テレビをつけるも、音が聞こえない。音量を上げても電源を入れ直しても、この夢には音がない。
「なんだよもう」
悪態をつく自分の声だけは聞こえる。
辺りを見回すと、人が住んでいる気配を感じない。ソファの上で丁寧に畳まれたTシャツや中身が入っていないマグカップ、未開封のチップスなど、所々に置かれているのは全てブラッドリーの私物だ。だけど肝心の、ブラッドリーの存在を感じることが出来ない。贔屓の球団のロゴが描かれたTシャツは、何度も彼が着ている姿を見た。だがそれを広げると明らかに新品で、繰り返す洗濯に耐えかね剥がれ始めたプリントや色褪せたボロボロのタグが見当たらない。
3831東海岸にある、ブラッドリーの単身者用の住まい。部屋の中は整然としている。鍵とキャップが玄関に置かれ、外を散々歩いた靴は玄関マットの上。一人暮らしにはちょうど良い、狭くも広くもない部屋。
僕は部屋を歩き回る。ブラッドリーはいない。テレビをつけるも、音が聞こえない。音量を上げても電源を入れ直しても、この夢には音がない。
「なんだよもう」
悪態をつく自分の声だけは聞こえる。
辺りを見回すと、人が住んでいる気配を感じない。ソファの上で丁寧に畳まれたTシャツや中身が入っていないマグカップ、未開封のチップスなど、所々に置かれているのは全てブラッドリーの私物だ。だけど肝心の、ブラッドリーの存在を感じることが出来ない。贔屓の球団のロゴが描かれたTシャツは、何度も彼が着ている姿を見た。だがそれを広げると明らかに新品で、繰り返す洗濯に耐えかね剥がれ始めたプリントや色褪せたボロボロのタグが見当たらない。
カリフラワー
DONEマ右ワンライ/ルスマヴェ/お題「指輪」ド定番、な割にクオリティ低い💍
最初にどんな話か書いちゃってるので、引き返そうと思えばすぐ引き返せます。
小さな誓い「マジかよ…」
やってしまった。結婚指輪を失くした。
初めに指輪がないと気がついたのは今朝、基地に着いた車中だった。仕事中は指輪を外し貴重品と共に置いておくのだが、さあ指輪を外そうと薬指に触れた時、すでにそこにはあるはずの指輪が無かった。運転席からあちこちに手を伸ばし手当たり次第車内を引っ掻き回したが、やはり見つからない。遅刻するわけにもいかず始業時間前には車内の捜索を切り上げたが、基地内でもあらゆる部屋や隙間を探し回り、虚しい終業時間を迎えたのだった。
どうして。どうして俺が。よりにもよって、散々マーヴに"指輪は絶対失くさないで"と繰り返してきた俺が。真新しい指輪は数ヶ月経っても輝きを放ち、2人の新生活を明るく照らしていた…はずなのに。
2718やってしまった。結婚指輪を失くした。
初めに指輪がないと気がついたのは今朝、基地に着いた車中だった。仕事中は指輪を外し貴重品と共に置いておくのだが、さあ指輪を外そうと薬指に触れた時、すでにそこにはあるはずの指輪が無かった。運転席からあちこちに手を伸ばし手当たり次第車内を引っ掻き回したが、やはり見つからない。遅刻するわけにもいかず始業時間前には車内の捜索を切り上げたが、基地内でもあらゆる部屋や隙間を探し回り、虚しい終業時間を迎えたのだった。
どうして。どうして俺が。よりにもよって、散々マーヴに"指輪は絶対失くさないで"と繰り返してきた俺が。真新しい指輪は数ヶ月経っても輝きを放ち、2人の新生活を明るく照らしていた…はずなのに。
カリフラワー
DONEマ右ワンライ/ルスマヴェ/お題「キス」キスの日に乗じる安定のルス🐓
ルスマヴェよ、何が起きてもお互いの元へ帰ってくれ、そしてキスを重ねてお互いの存在を実感してくれ…
I’m home, baby ドタバタと響き渡る足音。音が聞こえるのは玄関からで、足音の主は体格が良いようだ。そして、かなり急いでいる。
マーヴェリックはキッチンカウンターに座って近づく足音を聞きながら、頬杖をついて笑い目を閉じた。足音にも勝る大きな声は、その主がマーヴェリックの元へ辿り着くか、マーヴェリックが返事をするまで彼を呼び続けた。
「マーヴ、マーヴ!」
キッチンへと飛び込んだ足音の主・ルースターは、荷物も下ろさずマーヴェリックの向かいでカウンターに身を乗り出した。その肩を上下させながら。
「…息があがってるけど、ちゃんと車を運転して帰ってきたんだよね?」
「え? うん、そうだけど」
はあ、と最後の大きな一息をついて、ルースターはようやく荷物を下ろした。
2838マーヴェリックはキッチンカウンターに座って近づく足音を聞きながら、頬杖をついて笑い目を閉じた。足音にも勝る大きな声は、その主がマーヴェリックの元へ辿り着くか、マーヴェリックが返事をするまで彼を呼び続けた。
「マーヴ、マーヴ!」
キッチンへと飛び込んだ足音の主・ルースターは、荷物も下ろさずマーヴェリックの向かいでカウンターに身を乗り出した。その肩を上下させながら。
「…息があがってるけど、ちゃんと車を運転して帰ってきたんだよね?」
「え? うん、そうだけど」
はあ、と最後の大きな一息をついて、ルースターはようやく荷物を下ろした。
カリフラワー
DONEマ右ワンライ/ルスマヴェ/お題「特別」せっかくの一周年なのに、ふわ〜っとした芯のない話になりました🌫️
ルスマヴェよ、生涯幸せであれ!
君は特別、僕も特別『せっかく作ったから、もう一枚あげる』
いつもよりのんびりとした朝。ブラッドリーはフライ返しにのせたパンケーキを、もう十分に焼き立てが積み重なった僕の皿に追加した。柔らかいパンケーキに背徳感ある黄金色のシロップが流れ、真っ白な湯気は向こう側のマグカップの縁を曇らせた。
『マーヴには特別ね』
そう言って笑う彼は、パンケーキの甘い香りがした。
『マーヴ、次何飲む?』
任務後の久々の集まりでも、 ブラッドリーは僕の隣を陣取り、僕の肩に腕を回す。騒がしいバーの中でも一際賑やかなテーブルで、彼は静かに囁く。目の前のボトルのラベルを読み顔を上げると、彼は小さく頷きカウンターへと消えた。
2本のボトルを手に戻ったブラッドリーに、優秀で調子の良い若者たちが声をあげ始める。俺も私もと、一斉に彼に注文を始める光景の賑やかさが喜ばしい。
1771いつもよりのんびりとした朝。ブラッドリーはフライ返しにのせたパンケーキを、もう十分に焼き立てが積み重なった僕の皿に追加した。柔らかいパンケーキに背徳感ある黄金色のシロップが流れ、真っ白な湯気は向こう側のマグカップの縁を曇らせた。
『マーヴには特別ね』
そう言って笑う彼は、パンケーキの甘い香りがした。
『マーヴ、次何飲む?』
任務後の久々の集まりでも、 ブラッドリーは僕の隣を陣取り、僕の肩に腕を回す。騒がしいバーの中でも一際賑やかなテーブルで、彼は静かに囁く。目の前のボトルのラベルを読み顔を上げると、彼は小さく頷きカウンターへと消えた。
2本のボトルを手に戻ったブラッドリーに、優秀で調子の良い若者たちが声をあげ始める。俺も私もと、一斉に彼に注文を始める光景の賑やかさが喜ばしい。
カリフラワー
DONEマ右ワンライ/ルスマヴェ/お題「傘」ルスマヴェが成立する話。いつも通りゆるいです。
一人で傘を差すと寂しい、そんなことに気づく二人の話☂️
Under My Umbrella その電話の声は躊躇いがちで、だけどそこには決意のようなものが滲んでいた、と今となっては思う。後からこんなこと言うのはずるいかな。
あからさまに名残惜しさを伝えるも、やはり彼は西海岸へと帰ってしまった。俺の「好きだ」という単純で真っ直ぐな告白の言葉と共に。返事を聞かないまま彼を見送るのはもちろん不本意だったが、彼にも仕事はあるし、ギリギリまで引き留めたって彼のためにならないことはわかっていた。もしかしたらあと一晩なら、という淡い期待を"もう帰るの?"の一言に込めてしまったのはほとんど無意識だったけれど。"今着いた"のメッセージを受け取るよりも先に彼に駆け寄った休暇の初日から、片時も彼のそばを離れなかった。東海岸で響く彼の声を、一秒でも長く記憶しておきたかったから。
2799あからさまに名残惜しさを伝えるも、やはり彼は西海岸へと帰ってしまった。俺の「好きだ」という単純で真っ直ぐな告白の言葉と共に。返事を聞かないまま彼を見送るのはもちろん不本意だったが、彼にも仕事はあるし、ギリギリまで引き留めたって彼のためにならないことはわかっていた。もしかしたらあと一晩なら、という淡い期待を"もう帰るの?"の一言に込めてしまったのはほとんど無意識だったけれど。"今着いた"のメッセージを受け取るよりも先に彼に駆け寄った休暇の初日から、片時も彼のそばを離れなかった。東海岸で響く彼の声を、一秒でも長く記憶しておきたかったから。
カリフラワー
DONEマ右ワンライ/ルスマヴェ前提のルス→マヴェ/お題「熱」マーヴに熱を上げるルスが書きたかったのに、ノープランで書き始めたらノープランのまま終わりました。5〜10分くらいの出来事。一応時系列は本編後間もないくらいです…✈︎
Well then, Pete 静かな廊下で鼻歌を歌えば、その音は自分が思うより鮮明に響き渡る。歌が上手くなった気分を味わいながら、数メートル先の曲がり角を見つめてその時を待つ。そろそろかな。
その人は重い靴音を鳴らして角を曲がり、目の前に現れた。
「ハイ、マーヴ」
人型の影に覆われたその人は読んでいた資料から顔を上げた。
「わっ、ブラッ…ルースターか」
はあ、と息を吐いて胸を押さえると、彼は眉を下げて笑いかけた。
マーヴェリック。いつか必ず俺の恋人になる人。
「読みながら歩くなんて危ないよ」
「ああ……そうだね、君は真似しちゃダメだよ」
「はいはい……」
資料を閉じて片手を空けたマーヴは坊やに優しく忠告した。そして彼はふと何かに思い至り首を傾げた。
3158その人は重い靴音を鳴らして角を曲がり、目の前に現れた。
「ハイ、マーヴ」
人型の影に覆われたその人は読んでいた資料から顔を上げた。
「わっ、ブラッ…ルースターか」
はあ、と息を吐いて胸を押さえると、彼は眉を下げて笑いかけた。
マーヴェリック。いつか必ず俺の恋人になる人。
「読みながら歩くなんて危ないよ」
「ああ……そうだね、君は真似しちゃダメだよ」
「はいはい……」
資料を閉じて片手を空けたマーヴは坊やに優しく忠告した。そして彼はふと何かに思い至り首を傾げた。
カリフラワー
DONEあぶ空2023/04/14-15 展示作品ルスマヴェ 短編集『Past Ties, Present Love』
書けたところまでの展示ですが、一日ごとの話を集めたものなので、中途半端にはなってないと思います。イベ後もちょくちょく更新出来ればいいな…
Past Ties, Present Love──マーヴとの生活は、言ってしまえばとりとめのないものだ。愛する人と生活しているからといって、毎日重大なことが起こるわけではない。ただ、何も起きない日にもマーヴはここにいて、何も始まらず何も終わらない日々にマーヴという唯一の奇跡が光るのだ。
──ブラッドリーとの生活は、シンプルだけれどかけがけのないものだ。彼は僕が目覚める前から隣にいて、眠りに落ちてもそこにいる。名前を呼べば振り返り、手を伸ばせば触れられる。大したことは起きないが、ブラッドリーがそばにいることより大切なことはないのだから、それも当然か。
20××年 ○月△日+曜日
外は気持ちの良い陽気。庭に出て伸びをすると、じんわりと身体の緊張が解れていく。
9293──ブラッドリーとの生活は、シンプルだけれどかけがけのないものだ。彼は僕が目覚める前から隣にいて、眠りに落ちてもそこにいる。名前を呼べば振り返り、手を伸ばせば触れられる。大したことは起きないが、ブラッドリーがそばにいることより大切なことはないのだから、それも当然か。
20××年 ○月△日+曜日
外は気持ちの良い陽気。庭に出て伸びをすると、じんわりと身体の緊張が解れていく。
カリフラワー
DONEあぶ空2023/04/14-15 展示作品ルスマヴェ バカンス『Caustics (後編)』
2人がバカンスに行く話、後編です🏝️『18/36』に繋がりそうな話なので、よかったらそちらもご一緒にどうぞ…(過去作に並んでます)
※このホテルはオールインクルーシブです✌️
Caustics (後編) バーは三方を囲む全てのドアが開け放たれていた。頬を掠める海風は熱気が取り除かれ、その爽やかな空気に安堵する。バーの真ん中には四角形のこぢんまりしたバーカウンターがあり、数人の宿泊客が注文を待っている。バーの角の一つにはデキャンタがいくつか並んでいる。近づいてみると"チリ・ウォッカ"、"フェンネル・ウォッカ"や"シナモン・ウイスキー"などと書かれたタグがかけられていた。かなり興味をそそられる名前だ。後でマーヴに教えてあげよう。
「ご注文は?」
「モヒートを2つお願いします」
「かしこまりました」
絶えず吹き抜ける風は窓際にもたれかけた身体を後ろから優しく撫でていく。陽に晒された素足はビーチサンダルの形に焼けていて、脱いでもくっきりと跡が残り滑稽だ。この調子ならタンクトップやサングラスの跡も残っているだろう。振り返りマーヴがいるカバナへ目をやると、薄いカーテンの向こう側に寝そべっている姿がぼんやりと見えた。本を読みながら、時折周囲を眺めている。彼は声をかけても聞こえない場所にいて、カーテンの向こうの表情はぼやけている。それでもマーヴの匂いが、感触が、話し声が、遠くから見つめるだけで思い出せる。まるですぐ隣にいるみたいに。
8302「ご注文は?」
「モヒートを2つお願いします」
「かしこまりました」
絶えず吹き抜ける風は窓際にもたれかけた身体を後ろから優しく撫でていく。陽に晒された素足はビーチサンダルの形に焼けていて、脱いでもくっきりと跡が残り滑稽だ。この調子ならタンクトップやサングラスの跡も残っているだろう。振り返りマーヴがいるカバナへ目をやると、薄いカーテンの向こう側に寝そべっている姿がぼんやりと見えた。本を読みながら、時折周囲を眺めている。彼は声をかけても聞こえない場所にいて、カーテンの向こうの表情はぼやけている。それでもマーヴの匂いが、感触が、話し声が、遠くから見つめるだけで思い出せる。まるですぐ隣にいるみたいに。
カリフラワー
DONEあぶ空2033/04/14-15 展示作品ルスマヴェ バカンス『Caustics (前編)』
2人がバカンスに行くだけの話です🏝️
Caustics (前編) 地上の楽園。月並みな表現だが、この島以上に美しい場所を見たことがない。エメラルドの海では眩い集光模様が揺れ、ゼニスブルーの空では小さな雲が漂い去っていく。
飛行機を二本乗り継ぎスピードボートで数十分。無数の島が集まる赤道直下の国で、マーヴと二人だけの休暇を楽しんでいる。10分あれば一周できるほどの小さな島が2つ橋で繋がっていて、その先には水上ヴィラが並んでいる。島そのものがひとつのリゾートホテルになっているというわけだ。
ようやくお互いのタイミングを合わせ一週間の休暇をぶん取ったからには、めいいっぱい堪能して帰りたい。気合は十分だ。
水上ヴィラは文字通り海の上に建っている。入ってすぐがベッドルームで、バスタブと大きなクローゼットがある部屋を通り抜けるとバスルームが並ぶ、横長の部屋だ。バルコニーからは直接海へ飛び込めるほか、大人が泳げるサイズのプライベートプールがあり、床の一部は眼下の海が覗ける大きなハンモックになっている。水上ヴィラは南の島の定番だが、定番こそマーヴと体験しておきたい。冒険するのはその後でいい。それにしても、こんなに美しい景色の中、マーヴと好きなことをして過ごすことが出来るなんて。夢でなくて心底良かった。
7015飛行機を二本乗り継ぎスピードボートで数十分。無数の島が集まる赤道直下の国で、マーヴと二人だけの休暇を楽しんでいる。10分あれば一周できるほどの小さな島が2つ橋で繋がっていて、その先には水上ヴィラが並んでいる。島そのものがひとつのリゾートホテルになっているというわけだ。
ようやくお互いのタイミングを合わせ一週間の休暇をぶん取ったからには、めいいっぱい堪能して帰りたい。気合は十分だ。
水上ヴィラは文字通り海の上に建っている。入ってすぐがベッドルームで、バスタブと大きなクローゼットがある部屋を通り抜けるとバスルームが並ぶ、横長の部屋だ。バルコニーからは直接海へ飛び込めるほか、大人が泳げるサイズのプライベートプールがあり、床の一部は眼下の海が覗ける大きなハンモックになっている。水上ヴィラは南の島の定番だが、定番こそマーヴと体験しておきたい。冒険するのはその後でいい。それにしても、こんなに美しい景色の中、マーヴと好きなことをして過ごすことが出来るなんて。夢でなくて心底良かった。
カリフラワー
DONEマ右ワンライ/ルスマヴェ(ルス目線)/お題「満天の星空」天井に星空を映す2人です🌌記憶に残るのは、大好きな人と見上げた作り物の星空…的な…
(唐突ですがポイピクの小説投稿機能と文庫メーカーで画像化した投稿、どちらが読みやすいか迷っているのでお手隙の際リプ等でご意見くださると助かります…)
天井を見上げて 星空に縁のある人生を送ってきたと思う。
ミドルスクールの課外活動では、人工的な光から隔絶されたキャンプ場で流れ星を追いかけた。夜間飛行では何千フィート上空が深海へと変わり、星々と泳いだ。そこは平衡感覚が失われていく恐怖と向き合い続ける孤独な世界だった。
しかしどういうわけか最も鮮明に覚えているのは、そのふたつよりも前に見た、マーヴと通ったプラネタリウムと、マーヴがプレゼントしてくれた家庭用プロジェクターの星空だ。その後に見た流星群や真っ暗な空の美しさは、その星空には敵わなかった。プラネタリウムの学芸員の穏やかな声、隣で寝落ちしたマーヴの微かな寝息や、帰り道に食べたサンデーの真っ赤なイチゴシロップも、星々と共に輝いている。
2976ミドルスクールの課外活動では、人工的な光から隔絶されたキャンプ場で流れ星を追いかけた。夜間飛行では何千フィート上空が深海へと変わり、星々と泳いだ。そこは平衡感覚が失われていく恐怖と向き合い続ける孤独な世界だった。
しかしどういうわけか最も鮮明に覚えているのは、そのふたつよりも前に見た、マーヴと通ったプラネタリウムと、マーヴがプレゼントしてくれた家庭用プロジェクターの星空だ。その後に見た流星群や真っ暗な空の美しさは、その星空には敵わなかった。プラネタリウムの学芸員の穏やかな声、隣で寝落ちしたマーヴの微かな寝息や、帰り道に食べたサンデーの真っ赤なイチゴシロップも、星々と共に輝いている。
カリフラワー
DONEルスマヴェ/お題「やきもち」やきもちエピソードを書きたかったのですが話の展開がよくわからなくて、独り言みたいな話になりました…🫗
表層を掠めただけの話…😭
視線の先に 嫉妬したことがあるかって?
もちろんある、聞くまでもない。俺の恋人が誰かを思い出せばわかるだろう。
例えばバーやレストランで、何かのきっかけでマーヴが一人になったとき。彼のもとに一人また一人と、良い顔をして近づく老若男女がいる。目の前にいることが間違いであると相手に思わせるようなマーヴの小さな棘は、彼が年を重ねた末に、相手の興味を鷲掴む謎めいた色気へと変貌を遂げた。彼がカウンターに一人小さく座り、伏目で頬杖をつき3分の1ほど残ったビールを時折ちびちびと口にすれば、ほらまた一人、精一杯緊張を隠しながら声をかけに来るのだ。
あるいは2人で行ったバイクショップで。店主と話し込み盛り上がるマーヴ。話が通じる嬉しさに、マーヴの声は徐々に大きくなっていく。店の奥の壁には家族旅行の写真が飾ってあり、店主は妻と3人の子どもたちを溺愛している。この2人には趣味以外の繋がりはない。それでも俺は、2人の熱を帯びた専門用語の流れる速さに振り落とされ、結局は一人でただ店内をゆっくりと歩いて回る。
2749もちろんある、聞くまでもない。俺の恋人が誰かを思い出せばわかるだろう。
例えばバーやレストランで、何かのきっかけでマーヴが一人になったとき。彼のもとに一人また一人と、良い顔をして近づく老若男女がいる。目の前にいることが間違いであると相手に思わせるようなマーヴの小さな棘は、彼が年を重ねた末に、相手の興味を鷲掴む謎めいた色気へと変貌を遂げた。彼がカウンターに一人小さく座り、伏目で頬杖をつき3分の1ほど残ったビールを時折ちびちびと口にすれば、ほらまた一人、精一杯緊張を隠しながら声をかけに来るのだ。
あるいは2人で行ったバイクショップで。店主と話し込み盛り上がるマーヴ。話が通じる嬉しさに、マーヴの声は徐々に大きくなっていく。店の奥の壁には家族旅行の写真が飾ってあり、店主は妻と3人の子どもたちを溺愛している。この2人には趣味以外の繋がりはない。それでも俺は、2人の熱を帯びた専門用語の流れる速さに振り落とされ、結局は一人でただ店内をゆっくりと歩いて回る。
カリフラワー
DONEマ右ワンライ/ルスマヴェ/お題「写真」どこかで読んだような話だったらすみません(たぶんありそう)(それ以前に拙すぎて内容すら理解できないレベルかもしれませんが…)
またまた離れて暮らす2人🐓🐺ルスもマーヴに負けじと独り言の音量が大きいといいな。
そして俺だけを見て なんてことはない、一人の休日。カレンダーは空白で、冷蔵庫の中身も殺風景で、次の休みにやろうと決め放置していた用事と顔を突き合わせ数時間経っていた。
「よし、やるかぁ」
一人の生活に慣れるにつれ、独り言の音量は日々大きくなっていく。
外食続きで蔑ろにしていた冷蔵庫の中身を充実させるため、そしてその他諸々の用事を済ませるため車を走らせた。郵便局へ寄り、私書箱から郵便物を受け取りスーパーへ。一週間分の食料と日用品で両手をいっぱいにして帰宅した。
買い物後の片付けを終え郵便物に目を通していると、一際重い封筒が床に落ちた。
「うお、なんだこれ」
拾い上げ読み上げた差出人の名前には、自分でも驚くほどの甘い感情が乗っていた。
5173「よし、やるかぁ」
一人の生活に慣れるにつれ、独り言の音量は日々大きくなっていく。
外食続きで蔑ろにしていた冷蔵庫の中身を充実させるため、そしてその他諸々の用事を済ませるため車を走らせた。郵便局へ寄り、私書箱から郵便物を受け取りスーパーへ。一週間分の食料と日用品で両手をいっぱいにして帰宅した。
買い物後の片付けを終え郵便物に目を通していると、一際重い封筒が床に落ちた。
「うお、なんだこれ」
拾い上げ読み上げた差出人の名前には、自分でも驚くほどの甘い感情が乗っていた。
カリフラワー
DONEマ右ワンライ企画のルスマヴェです🐓🐺お題は「バレンタイン」
イメージは平日のバレンタインです。イベント事の話が苦手な自分なりに、自分らしく書けたかなと思います。
サンスベリアの和名に由来する花言葉「永久」「不滅」をタイトルらしくなるようにもじってつけました🪴
永遠に続けば 今日は何の日か知ってるか?
目が合った途端、二言目にはこの質問をされた。ただし、質問をしたのは恋人ではなくただの同僚。答え甲斐など何もない。
「…知ってる。けど言いたくない」
力の無い答えになんだよそれ、と同僚が笑う。もし目の前にいるのがマーヴだったなら、これ以上ないほどの甘い声できちんと一言答えられるのに。今日はバレンタインだね、と。
どれだけ瞬きしようが目を擦ろうが目の前の同僚がマーヴに変わることはないし、残業のためPCや書類と向き合った時間を後から取り戻せたりもしない。
俺はバレンタインに、残業に勤しみ恋人を一人で待たせているのだ。そうか、こんなバレンタインの過ごし方もあったわけか。…当然これは嫌味だが、勤務態度の良い俺は決して口には出さなかった。その分一刻も早く仕事を終わらせ、残業仲間の同僚と別れ駐車場へと向かった。
5321目が合った途端、二言目にはこの質問をされた。ただし、質問をしたのは恋人ではなくただの同僚。答え甲斐など何もない。
「…知ってる。けど言いたくない」
力の無い答えになんだよそれ、と同僚が笑う。もし目の前にいるのがマーヴだったなら、これ以上ないほどの甘い声できちんと一言答えられるのに。今日はバレンタインだね、と。
どれだけ瞬きしようが目を擦ろうが目の前の同僚がマーヴに変わることはないし、残業のためPCや書類と向き合った時間を後から取り戻せたりもしない。
俺はバレンタインに、残業に勤しみ恋人を一人で待たせているのだ。そうか、こんなバレンタインの過ごし方もあったわけか。…当然これは嫌味だが、勤務態度の良い俺は決して口には出さなかった。その分一刻も早く仕事を終わらせ、残業仲間の同僚と別れ駐車場へと向かった。
カリフラワー
DONEルスマヴェ/お題「長い夜」離れて暮らす2人。ルスが電話越しにマーヴと夜を過ごそうとする薄い話です🐓📱🐺
いつものこととはいえ、回を重ねるごとに薄くなっている気がします…🥲
(やはり段落字下げができず読みづらいです、すみません…)
早寝と夜更かし「マーヴ?今何してる?」
『今?そろそろ着替えて寝ようと思って、立ち上がったところだよ』
スピーカーから聞こえる声はいつ聞いても甘い。夜はまだ始まったばかりのはずだが、マーヴはすでにその一日を終えようとしていた。
「早くない?」
『え、そう?』
一方の俺は、さて今夜は何をして過ごそうかなどと考え目が冴えていた。こちらの時刻は日付が変わって1時間ほど。マーヴの時計の針はまだ12のいくつか手前を指していて、日付も変わっていないはずだ。
「マーヴ、明日休み?」
『休みだよ』
この一言でさえ機械越しでなく直接聞きたい。手のひらに収まる小さな機械で、マーヴの甘い声を正確に再生できるとは思えない。
「ならもうちょっと話そうよ、ね?」
3834『今?そろそろ着替えて寝ようと思って、立ち上がったところだよ』
スピーカーから聞こえる声はいつ聞いても甘い。夜はまだ始まったばかりのはずだが、マーヴはすでにその一日を終えようとしていた。
「早くない?」
『え、そう?』
一方の俺は、さて今夜は何をして過ごそうかなどと考え目が冴えていた。こちらの時刻は日付が変わって1時間ほど。マーヴの時計の針はまだ12のいくつか手前を指していて、日付も変わっていないはずだ。
「マーヴ、明日休み?」
『休みだよ』
この一言でさえ機械越しでなく直接聞きたい。手のひらに収まる小さな機械で、マーヴの甘い声を正確に再生できるとは思えない。
「ならもうちょっと話そうよ、ね?」
カリフラワー
DONEルスマヴェ/お題「早朝」なんとまあ、薄い話でしょう…。毎日投稿している同棲ルマ妄想ツイート群の一つがちょうど「早朝に目が覚めた2人」の話だったので、それを限界まで薄〜く引き伸ばして書きました🐓🐺
段落字下げが出来ず読みづらいです、すみません…
ふたりの庭で 外はまだほんの少し暗く、夜とも朝とも呼べない時間。何か物音を聞いたわけでもなく、ただ自然と目が覚めた。昨夜は恋人と向かい合って眠りについたはずが、今は反対方向を向いている。そっと隣を振り返ると、恋人は本を読んでいた。ベッドサイドランプの柔らかな光が恋人とその手元を優しく照らす。
「マーヴ…起きてたの」
「ん?ああ、なんだか急に目が覚めてしまって。すまない、起こしちゃったかな」
「ううん、俺もなんか勝手に目が覚めちゃった」
答えるとマーヴは小さく笑った。読んでいたのは俺が勧めた小説。結構気に入ってくれているみたいだ。マーヴは本を閉じて話し始めた。
「考えたんだけど…」
「なに?」
「このまままた寝るのもなぁって」
4099「マーヴ…起きてたの」
「ん?ああ、なんだか急に目が覚めてしまって。すまない、起こしちゃったかな」
「ううん、俺もなんか勝手に目が覚めちゃった」
答えるとマーヴは小さく笑った。読んでいたのは俺が勧めた小説。結構気に入ってくれているみたいだ。マーヴは本を閉じて話し始めた。
「考えたんだけど…」
「なに?」
「このまままた寝るのもなぁって」
カリフラワー
DONEルスマヴェ/お題「帰り道」『Caustics』で書いたバカンスの帰り道。
海外旅行の帰りの空港の、非日常と現実が境目なく存在する不思議な空間が好きで、その場所を2人に過ごしてほしくて書きました🏝️
18/36 冷房の効きすぎたターミナルでは、思い出と共に自国へ帰る人々や非日常への旅に胸を躍らせる地元の人々の話し声が混ざり合い、一つの大きな音を作り上げている。ベンチの右隣にはプリンセスのイラストがプリントされた小さなリュックとうさぎのぬいぐるみが、左隣では冷房の容赦ない風を避けるためにマーヴがフライトジャケットをブランケットのように被っている。
島は暑かった。それはもうとてつもなく暑かった。ごく小さな島々で構成される赤道直下の国はマーヴが住んでいた砂漠より暑かった。海はどこで見たよりも青く澄み、水平線には同じようにリゾートホテルがそのまま浮かんだような構成の島がいくつかぼんやりと見えるだけで、世界には俺とマーヴ………とホテルスタッフと他の宿泊客しかいないような感覚がした。
4592島は暑かった。それはもうとてつもなく暑かった。ごく小さな島々で構成される赤道直下の国はマーヴが住んでいた砂漠より暑かった。海はどこで見たよりも青く澄み、水平線には同じようにリゾートホテルがそのまま浮かんだような構成の島がいくつかぼんやりと見えるだけで、世界には俺とマーヴ………とホテルスタッフと他の宿泊客しかいないような感覚がした。