カリフラワー
DONEさわマル展示作品です。6月の同棲ルマ短編集第2巻に収録予定の話をいくつか載せています📕
過去の展示などと変わり映えしませんが、どうか6月まで飽きずにいて下さると嬉しいです…。ゆるーい2人です。
パスワード🗝️→開催初日の日付(mm/dd) 5813
カリフラワー
DONEマ右ワンライ/ルスマヴェ/お題「日の出」何の話にもなりませんでした………
短いのでテキトーに読んでやって下さい🌅
太陽より早くテレビに映る美しい夕景。小さな島の一日の終わり。それを見て感激の言葉を呟くマーヴは、画面で輝く夕日に照らされている。
「この島では毎日こんな日の入りが見られるのか……羨ましいね」
太陽が沈む映像で紀行番組が終わった。太平洋に浮かぶ島国を巡る旅は、俺とマーヴを数年前の特別な景色へと誘う。
「俺たちが行った島は日の出が綺麗だったよね」
「ブラッドリー、あれは夕日だったよ」
二人はハネムーンを過ごした島を思い出していた。遮る物のない大海原。水平線へ沈む太陽が静かな夜を連れて来る。……いや、何か違う気がする。
「待って、あれは夕日じゃなくて朝日でしょ? 俺たちが見たのは日の出だよ」
夜の間に冷えた砂浜を踏みしめ、誰もいないビーチを二人で歩いた。ブランチの時間まで寝るつもりだった俺の肩を揺するマーヴの手の温度まで覚えている。
3020「この島では毎日こんな日の入りが見られるのか……羨ましいね」
太陽が沈む映像で紀行番組が終わった。太平洋に浮かぶ島国を巡る旅は、俺とマーヴを数年前の特別な景色へと誘う。
「俺たちが行った島は日の出が綺麗だったよね」
「ブラッドリー、あれは夕日だったよ」
二人はハネムーンを過ごした島を思い出していた。遮る物のない大海原。水平線へ沈む太陽が静かな夜を連れて来る。……いや、何か違う気がする。
「待って、あれは夕日じゃなくて朝日でしょ? 俺たちが見たのは日の出だよ」
夜の間に冷えた砂浜を踏みしめ、誰もいないビーチを二人で歩いた。ブランチの時間まで寝るつもりだった俺の肩を揺するマーヴの手の温度まで覚えている。
カリフラワー
DONEマ右ワンライ/ルスマヴェ/お題「クリスマスツリー」久々のワンライ参加で緊張しています。
なんだかわけのわからない話になりましたが、ルスマヴェが二度とクリスマスを一人で過ごすことがないよう、願っています🎄
Christmas with You「クリスマスに休暇が取れた」
ブラッドリーは言った。そしてその弾むような声は止まることを知らず、彼は自らの興奮を電話越しに伝えてくれた。クリスマスを正真正銘のホリデーと呼べるなんて。クリスマスを家族と過ごせるなんて。ああ、家族っていうのはマーヴのことね。俺にも誰かと過ごす順番がまわってきたんだ。マーヴに会うために、キリストが俺の味方をしてくれたんだ。
この知らせを受けた瞬間から、僕のホリデーシーズンは始まった。とはいっても、砂漠でクリスマスの浮かれた雰囲気を楽しむ方法は少ない。仕事をせず、恋人と過ごすクリスマスがどんなものかもよくわからない。ただ日ごとに機嫌が良くなるブラッドリーの声を聞くことが、慣れないホリデームードを高めてくれる。
5957ブラッドリーは言った。そしてその弾むような声は止まることを知らず、彼は自らの興奮を電話越しに伝えてくれた。クリスマスを正真正銘のホリデーと呼べるなんて。クリスマスを家族と過ごせるなんて。ああ、家族っていうのはマーヴのことね。俺にも誰かと過ごす順番がまわってきたんだ。マーヴに会うために、キリストが俺の味方をしてくれたんだ。
この知らせを受けた瞬間から、僕のホリデーシーズンは始まった。とはいっても、砂漠でクリスマスの浮かれた雰囲気を楽しむ方法は少ない。仕事をせず、恋人と過ごすクリスマスがどんなものかもよくわからない。ただ日ごとに機嫌が良くなるブラッドリーの声を聞くことが、慣れないホリデームードを高めてくれる。
IZUMI
TRAININGマーヴェリックへのプロポーズを巡って、ルースターとヤングガンズがわちゃわちゃする話。2023/12/17 愛になるまでJust do!発行
ルスマヴェ/プロポーズだいさくせん『今ちょっといい?』
そうテキストを投稿した先が、個人宛ではなくグループだったのが運の尽きだった、と後にブラッドリー・ブラッドショーは述懐する。
あんときミスらなかったら、すぐに反応寄越すヤツが居なかったら、こんな格好悪いことにならなかっただろうに……と。
『なに?』
飛んできたメッセージに付いているアイコンが、予想していなかったものだったので、遅まきながら自分の誤りに気がついた。
『すまん、間違えた』
すぐに謝罪を入れて退室しようとしたのだったが、その前に二番手、三番手が現れてしまった。
『大丈夫だよ』
『どうした?』
ブラッドリーはあーと唸りながら、入力フォームに留まっていたテキストを今度こそ送信した。
9305そうテキストを投稿した先が、個人宛ではなくグループだったのが運の尽きだった、と後にブラッドリー・ブラッドショーは述懐する。
あんときミスらなかったら、すぐに反応寄越すヤツが居なかったら、こんな格好悪いことにならなかっただろうに……と。
『なに?』
飛んできたメッセージに付いているアイコンが、予想していなかったものだったので、遅まきながら自分の誤りに気がついた。
『すまん、間違えた』
すぐに謝罪を入れて退室しようとしたのだったが、その前に二番手、三番手が現れてしまった。
『大丈夫だよ』
『どうした?』
ブラッドリーはあーと唸りながら、入力フォームに留まっていたテキストを今度こそ送信した。
yokirero_20
MENU2023.12.17愛になるまでJust Do!
南1ホール イ4ab
合同サークル【SPOOL UP】
「Merry Merry Snowy Christmas」
ルスマヴェ/全年齢/A5/20P
ルスマヴェがクリスマスを過ごすお話です。 8
カリフラワー
MENU12/17新刊サンプルです。『今日の同棲ルスマヴェ』ツイート群をSSにしたものの第1巻です。(来年作る予定の『同棲ルマ』ツイログ本とは別物になります)・『Past Ties, Present Love / The Diary of Roosmav 1』
・A5/62ページ/全年齢向け
・400円(予定)
・ほぼすべて書き下ろし
本になっても変わらず低ハードルでご覧ください。
12/17新刊サンプル3※連続した日々の記録ではなく、ある一日を日付を特定せず抜き出したもの(という設定)です。
※二人の薄い設定としては、ルスはノースアイランドでトップガンの教官をし、マーヴは退役後乗り物の知識と趣味が高じて車やバイクの修理店でバイトしている(免許とか取りそうだし…)…みたいな感じです。
※上記の設定は完全に筆者の趣味であり、設定を無視しても問題なく読み進められる内容になっていますので、どうしても二人の設定が気になる!という方はご参考までにどうぞ…笑
↓以下本文↓
―マーヴとの生活は、言ってしまえばとりとめのないものだ。愛する人と生活しているからといって、毎日重大なことが起こるわけではない。ただ、何も起きない日にもマーヴはここにいて、何も始まらず何も終わらない日々にマーヴという唯一の奇跡が光るのだ。
18876※二人の薄い設定としては、ルスはノースアイランドでトップガンの教官をし、マーヴは退役後乗り物の知識と趣味が高じて車やバイクの修理店でバイトしている(免許とか取りそうだし…)…みたいな感じです。
※上記の設定は完全に筆者の趣味であり、設定を無視しても問題なく読み進められる内容になっていますので、どうしても二人の設定が気になる!という方はご参考までにどうぞ…笑
↓以下本文↓
―マーヴとの生活は、言ってしまえばとりとめのないものだ。愛する人と生活しているからといって、毎日重大なことが起こるわけではない。ただ、何も起きない日にもマーヴはここにいて、何も始まらず何も終わらない日々にマーヴという唯一の奇跡が光るのだ。
カリフラワー
MENU12/17の新刊の書き下ろし部分サンプルです。話のタイトルは『Summer Rain』です。マーヴがルスと一緒に暮らす意思を告げる話です。
↓以下新刊の詳細↓
・『Rapture』
・文庫サイズ/330ページ程度
・全年齢向け
・900円(予定)
・web再録中心、書き下ろし2本収録
ご参考になれば幸いです🐓🐺
本になっても、どうか変わらず低ハードルでご覧ください。
12/17新刊サンプル2異常気象のためか、年を追うごとに太陽の光が鋭くなっている気がする。砂漠に住んでいるのは自分の選択ではあるが、針を刺すような日差しは勘弁してほしい。
しかし愛機のメンテナンスはどんなに暑くてもやめられない。手洗い場では、パンチングボードに留められた写真が乾いた風にはためく。ブラッドリーの愛車、ブラッドリーの昼寝姿にブラッドリーの笑顔。隙間なく重ねられたそれらの写真は、彼が来るたび増え続ける。
写真の数は僕とブラッドリーの関係を確実なものにはしてくれない。だけど一番上に貼り付けられた真新しい一枚に写る僕たちは、正直言ってかなりイケてると思うんだ。
「そろそろ古い写真はどこかに保管しておかないとな」
漏れる独り言。独りで生きていればこうもなる。
3262しかし愛機のメンテナンスはどんなに暑くてもやめられない。手洗い場では、パンチングボードに留められた写真が乾いた風にはためく。ブラッドリーの愛車、ブラッドリーの昼寝姿にブラッドリーの笑顔。隙間なく重ねられたそれらの写真は、彼が来るたび増え続ける。
写真の数は僕とブラッドリーの関係を確実なものにはしてくれない。だけど一番上に貼り付けられた真新しい一枚に写る僕たちは、正直言ってかなりイケてると思うんだ。
「そろそろ古い写真はどこかに保管しておかないとな」
漏れる独り言。独りで生きていればこうもなる。
カリフラワー
MENU12/17の新刊の書き下ろし部分サンプルです。話のタイトルは『Mav or Pete』です。マーヴとピート、どっちで呼ばれたい?という軽い話。
↓以下新刊の詳細↓
・『Rapture』
・文庫サイズ/330ページ程度
・全年齢向け
・900円(予定)
・web再録中心、書き下ろし2本収録
ご参考になれば幸いです🐓🐺
本になっても変わらず低ハードルでご覧ください。
12/17新刊サンプル1この世には、〝究極の二択〟というものがある。
飼うなら犬か猫か。休暇を過ごすなら山か海か。今日の夕食はピザかタコスか。それぞれはっきりと答えを持つこともあれば、どちらとも選び難いこともある。そしてルースターも、ある二択において答えを出せずにいた。
「マーヴ」
「なんだい?」
「……ピート」
「へ?」
庭の草花に水を撒いていたマーヴェリックが耳に飛び込んだ単語に反応し振り返った。
「マーヴ、ホースこっち向いてる!」
ルースターは自分に向けられた水しぶきを小走りで避けた。陽を受けて光の粒となった水滴の向こうで、マーヴェリックはいまだ目を瞬かせている。
「ああ、ごめん……今、僕のことピートって呼んだ?」
「うん、呼んだ」
2662飼うなら犬か猫か。休暇を過ごすなら山か海か。今日の夕食はピザかタコスか。それぞれはっきりと答えを持つこともあれば、どちらとも選び難いこともある。そしてルースターも、ある二択において答えを出せずにいた。
「マーヴ」
「なんだい?」
「……ピート」
「へ?」
庭の草花に水を撒いていたマーヴェリックが耳に飛び込んだ単語に反応し振り返った。
「マーヴ、ホースこっち向いてる!」
ルースターは自分に向けられた水しぶきを小走りで避けた。陽を受けて光の粒となった水滴の向こうで、マーヴェリックはいまだ目を瞬かせている。
「ああ、ごめん……今、僕のことピートって呼んだ?」
「うん、呼んだ」
カリフラワー
DONEマ右ワンライ/ルスマヴェ/お題「お菓子」「悪戯」ハロウィン話を一つは書いてみたかったので書きましたが、全然ハロウィンっぽくない話になりました。仮装すらしてません。これが私のハロウィンです。
Treat me like a Halloween candy 小さないたずらおばけが集う日。外からは、いたずらもお菓子も大好きなおばけたちの楽しげな声が聞こえる。
「マーヴ、これで全部だっけ?」
ブラッドリーは彼らの襲来に備え、キッチンにお菓子を並べていた。恐ろしいおばけたちのいたずらを防ぎ、ご機嫌に帰ってもらうための毒々しい色のお菓子たち。少し前からブラッドリーはあれこれと買い集めていた。紫色やオレンジ色のマシュマロ、真っ黒なチョコレートクッキー、おばけや目玉の形のグミ、どれも同じ味がしそうなハロウィンカラーのジェリービーンズ。
「たぶん、それで全部だと思うよ」
「マジ? もっと買ったと思ってた……やばいな、足りないかも」
「だから言ったろ、ハロウィン用のお菓子はつまみ食いするなって」
4916「マーヴ、これで全部だっけ?」
ブラッドリーは彼らの襲来に備え、キッチンにお菓子を並べていた。恐ろしいおばけたちのいたずらを防ぎ、ご機嫌に帰ってもらうための毒々しい色のお菓子たち。少し前からブラッドリーはあれこれと買い集めていた。紫色やオレンジ色のマシュマロ、真っ黒なチョコレートクッキー、おばけや目玉の形のグミ、どれも同じ味がしそうなハロウィンカラーのジェリービーンズ。
「たぶん、それで全部だと思うよ」
「マジ? もっと買ったと思ってた……やばいな、足りないかも」
「だから言ったろ、ハロウィン用のお菓子はつまみ食いするなって」
カリフラワー
DONEマ右ワンライ/ルスマヴェ/お題「昼寝」同棲ルマツイートの一つを薄く伸ばして書いたのですが、既に投稿として表に出したネタなのでルール違反だったら消します。すみません。
読んでて集中できない仕上がりになりました…これこそ寝落ちしそうな出来💤
Sound of Wind, Chips, and Your Dream 昼下がり。なんとなく口寂しい時間。マーヴはガレージに篭っている。つまり今すぐお菓子を取り行けば、マーヴにバレずに小腹を満たせるということ。
今日の天気は快晴で、気温も風も心地良い。家のところどころで窓を開け、部屋の中まで風の匂いを感じる。こういう日はのんびりと過ごしたい。
「確かあの棚にアレがあったはず……」
収納場所を一ヶ所ずつ思い出しながらキッチンを目指した。そうだ、冷えた炭酸水をお供にしよう。シュガーフリーのドリンクなら大丈夫。決意してキッチンに入ると、思わぬ先客がいた。
「あれ、マーヴ? ここにいたん……あ、」
見るとマーヴはキッチンカウンターに突っ伏して眠っている。思わず言葉が途切れ、足もぴたりと止まった。ガレージにいると思ってたのに。どうやらマーヴを起こさないようにしておやつを用意するしかないらしい。慣れてはいるが、やはり緊張はする。目当ての棚はマーヴの真後ろにあり、ぐるりとカウンターを回り込まなければならない。そっとマーヴに近づき今一度様子を確認すると、彼は小さな寝息を立てている。
3328今日の天気は快晴で、気温も風も心地良い。家のところどころで窓を開け、部屋の中まで風の匂いを感じる。こういう日はのんびりと過ごしたい。
「確かあの棚にアレがあったはず……」
収納場所を一ヶ所ずつ思い出しながらキッチンを目指した。そうだ、冷えた炭酸水をお供にしよう。シュガーフリーのドリンクなら大丈夫。決意してキッチンに入ると、思わぬ先客がいた。
「あれ、マーヴ? ここにいたん……あ、」
見るとマーヴはキッチンカウンターに突っ伏して眠っている。思わず言葉が途切れ、足もぴたりと止まった。ガレージにいると思ってたのに。どうやらマーヴを起こさないようにしておやつを用意するしかないらしい。慣れてはいるが、やはり緊張はする。目当ての棚はマーヴの真後ろにあり、ぐるりとカウンターを回り込まなければならない。そっとマーヴに近づき今一度様子を確認すると、彼は小さな寝息を立てている。
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DONEマ右ワンライ/ルスマヴェ/お題「夏の終わり」夏の終わりに焦り出すルスの話🐓
なんだかんだで色々な"夏らしいこと"を経験している二人です。
サマー・タスク「ねえ、もう夏終わるよ!」
ブランチが並ぶダイナーのテーブルで、マーヴは何の前置きもなくそう口にした俺の声に目を丸くした。そのまま彼は周囲のテーブルに視線を巡らせ、他の客に俺の渾身の叫びが聞こえていないかと確認して曖昧に答えた。
「そうだね……いや、そうかな?」
「どっち?」
「そうかな、の方」
それから片手にフォークを持ち、サーモンのサラダを飲み込みながら窓の外を指し示す。
「ブラッドリー、外を見て。こんなに暑いんだ、まだ終わったりしないよ」
「そんなこと言ってたら知らないうちに置いてかれるよ」
「誰に?」
「夏に」
マーヴは口を薄く開け、わけがわからないとでも言いたげな視線を俺に向けた。そういう人が一番夏に置いていかれちゃうんだよ。
3728ブランチが並ぶダイナーのテーブルで、マーヴは何の前置きもなくそう口にした俺の声に目を丸くした。そのまま彼は周囲のテーブルに視線を巡らせ、他の客に俺の渾身の叫びが聞こえていないかと確認して曖昧に答えた。
「そうだね……いや、そうかな?」
「どっち?」
「そうかな、の方」
それから片手にフォークを持ち、サーモンのサラダを飲み込みながら窓の外を指し示す。
「ブラッドリー、外を見て。こんなに暑いんだ、まだ終わったりしないよ」
「そんなこと言ってたら知らないうちに置いてかれるよ」
「誰に?」
「夏に」
マーヴは口を薄く開け、わけがわからないとでも言いたげな視線を俺に向けた。そういう人が一番夏に置いていかれちゃうんだよ。
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DONEマ右ワンライ/ルスマヴェ/お題「アイスクリーム」「思い出」あの味を求める2人の話🍦
アイスクリームで汚れた子どもってなんて幸せなんだろうと思います…可愛らしいよね…
夏の味 二人の生活を始めて最初の夏。玄関先で漂う水蒸気の熱さに、ブラッドリーは水を撒いたことを後悔していた。暑さに堪える気配すらない青々とした雑草は、しなやかな葉で僕の握力に抵抗した。二人の額や背を伝う水滴ははたして汗なのか、ブラッドリーが撒いた時に浴びたぬるい水なのか、もはや何もわからなかった。
「ブラッドリー、これ以上は無理だ、中へ入ろう」
「うん、俺ももう限界…」
力を振り絞りドアを開けた。リビングからの涼やかな空気が玄関にまで流れていて、二人とも思わず大きく息を吐き出した。とにかくまずは濡れた身体を拭きたい。残った気力でタオルを取り戻って来ると、髪までくったりと濡れたブラッドリーはいまだ玄関で立ち尽くしている。
3547「ブラッドリー、これ以上は無理だ、中へ入ろう」
「うん、俺ももう限界…」
力を振り絞りドアを開けた。リビングからの涼やかな空気が玄関にまで流れていて、二人とも思わず大きく息を吐き出した。とにかくまずは濡れた身体を拭きたい。残った気力でタオルを取り戻って来ると、髪までくったりと濡れたブラッドリーはいまだ玄関で立ち尽くしている。
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DONEマ右ワンライ/ルスマヴェ/お題「勝負」本編のビーチフットボールを思い出して読んでください🏖️🏈
マーヴの彼氏になることは、世界中の人たちとの勝ち抜き戦✊💥🔥(byルス)
一人勝ち「結局あれって、どっちのチームが勝ったんだっけ?」
その場の全員が手を止めた。質問者のフェニックスはビールのボトルをテーブルに置き、一同の表情をランダムに確かめた。俺もつられて周囲と目を合わせると、全員が"あれ"をはっきりと思い出していた。実際の勝負から一年ほど経っているが、いまだに自分を含めたこの場の全員の答えが一致している。
「さあ…?わからないままだよね」
最初にその答えを口にしたのはボブだった。あの任務から時が経ち、初めに"同窓会"をやろうと提案したのもボブだった。彼の手は相変わらずカップからナッツを取りこぼしている。
「最後の方はただひたすら声出して走ってたな」
3678その場の全員が手を止めた。質問者のフェニックスはビールのボトルをテーブルに置き、一同の表情をランダムに確かめた。俺もつられて周囲と目を合わせると、全員が"あれ"をはっきりと思い出していた。実際の勝負から一年ほど経っているが、いまだに自分を含めたこの場の全員の答えが一致している。
「さあ…?わからないままだよね」
最初にその答えを口にしたのはボブだった。あの任務から時が経ち、初めに"同窓会"をやろうと提案したのもボブだった。彼の手は相変わらずカップからナッツを取りこぼしている。
「最後の方はただひたすら声出して走ってたな」
あじ@ajf1414
DONE『なあマーヴいい加減にしろ』R18ルースターが1986年にタイムスリップして生意気なマーヴにチンイラしたり暴走したり可愛い可愛い言ったりグース亡くしたばかりのマーヴと…な話です。
※弊社のルースターはヤンデレ(?)属性があります。 6
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DONEマ右ワンライ/ルスマヴェ/お題「夢」ルスがいない方が夢、ルスがいる方が現実!👩🏻🏫
歯磨く前に飲み物飲めるタイプなので2人にも飲ませた☕️
君のいない夢 これは夢だ。
東海岸にある、ブラッドリーの単身者用の住まい。部屋の中は整然としている。鍵とキャップが玄関に置かれ、外を散々歩いた靴は玄関マットの上。一人暮らしにはちょうど良い、狭くも広くもない部屋。
僕は部屋を歩き回る。ブラッドリーはいない。テレビをつけるも、音が聞こえない。音量を上げても電源を入れ直しても、この夢には音がない。
「なんだよもう」
悪態をつく自分の声だけは聞こえる。
辺りを見回すと、人が住んでいる気配を感じない。ソファの上で丁寧に畳まれたTシャツや中身が入っていないマグカップ、未開封のチップスなど、所々に置かれているのは全てブラッドリーの私物だ。だけど肝心の、ブラッドリーの存在を感じることが出来ない。贔屓の球団のロゴが描かれたTシャツは、何度も彼が着ている姿を見た。だがそれを広げると明らかに新品で、繰り返す洗濯に耐えかね剥がれ始めたプリントや色褪せたボロボロのタグが見当たらない。
3831東海岸にある、ブラッドリーの単身者用の住まい。部屋の中は整然としている。鍵とキャップが玄関に置かれ、外を散々歩いた靴は玄関マットの上。一人暮らしにはちょうど良い、狭くも広くもない部屋。
僕は部屋を歩き回る。ブラッドリーはいない。テレビをつけるも、音が聞こえない。音量を上げても電源を入れ直しても、この夢には音がない。
「なんだよもう」
悪態をつく自分の声だけは聞こえる。
辺りを見回すと、人が住んでいる気配を感じない。ソファの上で丁寧に畳まれたTシャツや中身が入っていないマグカップ、未開封のチップスなど、所々に置かれているのは全てブラッドリーの私物だ。だけど肝心の、ブラッドリーの存在を感じることが出来ない。贔屓の球団のロゴが描かれたTシャツは、何度も彼が着ている姿を見た。だがそれを広げると明らかに新品で、繰り返す洗濯に耐えかね剥がれ始めたプリントや色褪せたボロボロのタグが見当たらない。
カリフラワー
DONEマ右ワンライ/ルスマヴェ/お題「指輪」ド定番、な割にクオリティ低い💍
最初にどんな話か書いちゃってるので、引き返そうと思えばすぐ引き返せます。
小さな誓い「マジかよ…」
やってしまった。結婚指輪を失くした。
初めに指輪がないと気がついたのは今朝、基地に着いた車中だった。仕事中は指輪を外し貴重品と共に置いておくのだが、さあ指輪を外そうと薬指に触れた時、すでにそこにはあるはずの指輪が無かった。運転席からあちこちに手を伸ばし手当たり次第車内を引っ掻き回したが、やはり見つからない。遅刻するわけにもいかず始業時間前には車内の捜索を切り上げたが、基地内でもあらゆる部屋や隙間を探し回り、虚しい終業時間を迎えたのだった。
どうして。どうして俺が。よりにもよって、散々マーヴに"指輪は絶対失くさないで"と繰り返してきた俺が。真新しい指輪は数ヶ月経っても輝きを放ち、2人の新生活を明るく照らしていた…はずなのに。
2718やってしまった。結婚指輪を失くした。
初めに指輪がないと気がついたのは今朝、基地に着いた車中だった。仕事中は指輪を外し貴重品と共に置いておくのだが、さあ指輪を外そうと薬指に触れた時、すでにそこにはあるはずの指輪が無かった。運転席からあちこちに手を伸ばし手当たり次第車内を引っ掻き回したが、やはり見つからない。遅刻するわけにもいかず始業時間前には車内の捜索を切り上げたが、基地内でもあらゆる部屋や隙間を探し回り、虚しい終業時間を迎えたのだった。
どうして。どうして俺が。よりにもよって、散々マーヴに"指輪は絶対失くさないで"と繰り返してきた俺が。真新しい指輪は数ヶ月経っても輝きを放ち、2人の新生活を明るく照らしていた…はずなのに。
nano
DONEかなり遅れての参加で迷ったんですが、主催様のお言葉に甘えてアップさせていただきます!
お題「キス」(ルスマヴェ)をお借りいたしました。
悪戯っ子🐺とそれに振り回される🐔なお話です
@mbttmdrwr
#M右ワンドロワンライ 2
カリフラワー
DONEマ右ワンライ/ルスマヴェ/お題「キス」キスの日に乗じる安定のルス🐓
ルスマヴェよ、何が起きてもお互いの元へ帰ってくれ、そしてキスを重ねてお互いの存在を実感してくれ…
I’m home, baby ドタバタと響き渡る足音。音が聞こえるのは玄関からで、足音の主は体格が良いようだ。そして、かなり急いでいる。
マーヴェリックはキッチンカウンターに座って近づく足音を聞きながら、頬杖をついて笑い目を閉じた。足音にも勝る大きな声は、その主がマーヴェリックの元へ辿り着くか、マーヴェリックが返事をするまで彼を呼び続けた。
「マーヴ、マーヴ!」
キッチンへと飛び込んだ足音の主・ルースターは、荷物も下ろさずマーヴェリックの向かいでカウンターに身を乗り出した。その肩を上下させながら。
「…息があがってるけど、ちゃんと車を運転して帰ってきたんだよね?」
「え? うん、そうだけど」
はあ、と最後の大きな一息をついて、ルースターはようやく荷物を下ろした。
2838マーヴェリックはキッチンカウンターに座って近づく足音を聞きながら、頬杖をついて笑い目を閉じた。足音にも勝る大きな声は、その主がマーヴェリックの元へ辿り着くか、マーヴェリックが返事をするまで彼を呼び続けた。
「マーヴ、マーヴ!」
キッチンへと飛び込んだ足音の主・ルースターは、荷物も下ろさずマーヴェリックの向かいでカウンターに身を乗り出した。その肩を上下させながら。
「…息があがってるけど、ちゃんと車を運転して帰ってきたんだよね?」
「え? うん、そうだけど」
はあ、と最後の大きな一息をついて、ルースターはようやく荷物を下ろした。
カリフラワー
DONEマ右ワンライ/ルスマヴェ/お題「特別」せっかくの一周年なのに、ふわ〜っとした芯のない話になりました🌫️
ルスマヴェよ、生涯幸せであれ!
君は特別、僕も特別『せっかく作ったから、もう一枚あげる』
いつもよりのんびりとした朝。ブラッドリーはフライ返しにのせたパンケーキを、もう十分に焼き立てが積み重なった僕の皿に追加した。柔らかいパンケーキに背徳感ある黄金色のシロップが流れ、真っ白な湯気は向こう側のマグカップの縁を曇らせた。
『マーヴには特別ね』
そう言って笑う彼は、パンケーキの甘い香りがした。
『マーヴ、次何飲む?』
任務後の久々の集まりでも、 ブラッドリーは僕の隣を陣取り、僕の肩に腕を回す。騒がしいバーの中でも一際賑やかなテーブルで、彼は静かに囁く。目の前のボトルのラベルを読み顔を上げると、彼は小さく頷きカウンターへと消えた。
2本のボトルを手に戻ったブラッドリーに、優秀で調子の良い若者たちが声をあげ始める。俺も私もと、一斉に彼に注文を始める光景の賑やかさが喜ばしい。
1771いつもよりのんびりとした朝。ブラッドリーはフライ返しにのせたパンケーキを、もう十分に焼き立てが積み重なった僕の皿に追加した。柔らかいパンケーキに背徳感ある黄金色のシロップが流れ、真っ白な湯気は向こう側のマグカップの縁を曇らせた。
『マーヴには特別ね』
そう言って笑う彼は、パンケーキの甘い香りがした。
『マーヴ、次何飲む?』
任務後の久々の集まりでも、 ブラッドリーは僕の隣を陣取り、僕の肩に腕を回す。騒がしいバーの中でも一際賑やかなテーブルで、彼は静かに囁く。目の前のボトルのラベルを読み顔を上げると、彼は小さく頷きカウンターへと消えた。
2本のボトルを手に戻ったブラッドリーに、優秀で調子の良い若者たちが声をあげ始める。俺も私もと、一斉に彼に注文を始める光景の賑やかさが喜ばしい。
カリフラワー
DONEマ右ワンライ/ルスマヴェ/お題「傘」ルスマヴェが成立する話。いつも通りゆるいです。
一人で傘を差すと寂しい、そんなことに気づく二人の話☂️
Under My Umbrella その電話の声は躊躇いがちで、だけどそこには決意のようなものが滲んでいた、と今となっては思う。後からこんなこと言うのはずるいかな。
あからさまに名残惜しさを伝えるも、やはり彼は西海岸へと帰ってしまった。俺の「好きだ」という単純で真っ直ぐな告白の言葉と共に。返事を聞かないまま彼を見送るのはもちろん不本意だったが、彼にも仕事はあるし、ギリギリまで引き留めたって彼のためにならないことはわかっていた。もしかしたらあと一晩なら、という淡い期待を"もう帰るの?"の一言に込めてしまったのはほとんど無意識だったけれど。"今着いた"のメッセージを受け取るよりも先に彼に駆け寄った休暇の初日から、片時も彼のそばを離れなかった。東海岸で響く彼の声を、一秒でも長く記憶しておきたかったから。
2799あからさまに名残惜しさを伝えるも、やはり彼は西海岸へと帰ってしまった。俺の「好きだ」という単純で真っ直ぐな告白の言葉と共に。返事を聞かないまま彼を見送るのはもちろん不本意だったが、彼にも仕事はあるし、ギリギリまで引き留めたって彼のためにならないことはわかっていた。もしかしたらあと一晩なら、という淡い期待を"もう帰るの?"の一言に込めてしまったのはほとんど無意識だったけれど。"今着いた"のメッセージを受け取るよりも先に彼に駆け寄った休暇の初日から、片時も彼のそばを離れなかった。東海岸で響く彼の声を、一秒でも長く記憶しておきたかったから。
Kodama_sen
DONEさわマル2305展示まんがでした!PW : 成人ですか?(y/n)+🐓🐺機体番号
大人のための粉ミルクって商品が本当にありまして…
去年見つけてからずっとルマで描きたくてね…
この後中将が巻き込まれる話しもあるんですが、また今度☺️
マに立派なすてきおっぱいがある事は存じ上げておりますが、哺乳瓶でしか得られない栄養素もまたあるわけです。お分かりいただけただろうか… 4
Kodama_sen
PAST2022年9月のMP41にて、ツイ友達のスペースに委託で出させていただいた突発突貫工事コピー本でした。コマからはみ出たペン入れに暴発具合がよくわかりますね…とにかくルマは婚約済みである事にしたかった!!この臨場感をお届けしたく、加筆修正無しでお送りいたします😆 6
カリフラワー
DONEマ右ワンライ/ルスマヴェ前提のルス→マヴェ/お題「熱」マーヴに熱を上げるルスが書きたかったのに、ノープランで書き始めたらノープランのまま終わりました。5〜10分くらいの出来事。一応時系列は本編後間もないくらいです…✈︎
Well then, Pete 静かな廊下で鼻歌を歌えば、その音は自分が思うより鮮明に響き渡る。歌が上手くなった気分を味わいながら、数メートル先の曲がり角を見つめてその時を待つ。そろそろかな。
その人は重い靴音を鳴らして角を曲がり、目の前に現れた。
「ハイ、マーヴ」
人型の影に覆われたその人は読んでいた資料から顔を上げた。
「わっ、ブラッ…ルースターか」
はあ、と息を吐いて胸を押さえると、彼は眉を下げて笑いかけた。
マーヴェリック。いつか必ず俺の恋人になる人。
「読みながら歩くなんて危ないよ」
「ああ……そうだね、君は真似しちゃダメだよ」
「はいはい……」
資料を閉じて片手を空けたマーヴは坊やに優しく忠告した。そして彼はふと何かに思い至り首を傾げた。
3158その人は重い靴音を鳴らして角を曲がり、目の前に現れた。
「ハイ、マーヴ」
人型の影に覆われたその人は読んでいた資料から顔を上げた。
「わっ、ブラッ…ルースターか」
はあ、と息を吐いて胸を押さえると、彼は眉を下げて笑いかけた。
マーヴェリック。いつか必ず俺の恋人になる人。
「読みながら歩くなんて危ないよ」
「ああ……そうだね、君は真似しちゃダメだよ」
「はいはい……」
資料を閉じて片手を空けたマーヴは坊やに優しく忠告した。そして彼はふと何かに思い至り首を傾げた。
カリフラワー
DONEあぶ空2023/04/14-15 展示作品ルスマヴェ 短編集『Past Ties, Present Love』
書けたところまでの展示ですが、一日ごとの話を集めたものなので、中途半端にはなってないと思います。イベ後もちょくちょく更新出来ればいいな…
Past Ties, Present Love──マーヴとの生活は、言ってしまえばとりとめのないものだ。愛する人と生活しているからといって、毎日重大なことが起こるわけではない。ただ、何も起きない日にもマーヴはここにいて、何も始まらず何も終わらない日々にマーヴという唯一の奇跡が光るのだ。
──ブラッドリーとの生活は、シンプルだけれどかけがけのないものだ。彼は僕が目覚める前から隣にいて、眠りに落ちてもそこにいる。名前を呼べば振り返り、手を伸ばせば触れられる。大したことは起きないが、ブラッドリーがそばにいることより大切なことはないのだから、それも当然か。
20××年 ○月△日+曜日
外は気持ちの良い陽気。庭に出て伸びをすると、じんわりと身体の緊張が解れていく。
9293──ブラッドリーとの生活は、シンプルだけれどかけがけのないものだ。彼は僕が目覚める前から隣にいて、眠りに落ちてもそこにいる。名前を呼べば振り返り、手を伸ばせば触れられる。大したことは起きないが、ブラッドリーがそばにいることより大切なことはないのだから、それも当然か。
20××年 ○月△日+曜日
外は気持ちの良い陽気。庭に出て伸びをすると、じんわりと身体の緊張が解れていく。
カリフラワー
DONEあぶ空2023/04/14-15 展示作品ルスマヴェ バカンス『Caustics (後編)』
2人がバカンスに行く話、後編です🏝️『18/36』に繋がりそうな話なので、よかったらそちらもご一緒にどうぞ…(過去作に並んでます)
※このホテルはオールインクルーシブです✌️
Caustics (後編) バーは三方を囲む全てのドアが開け放たれていた。頬を掠める海風は熱気が取り除かれ、その爽やかな空気に安堵する。バーの真ん中には四角形のこぢんまりしたバーカウンターがあり、数人の宿泊客が注文を待っている。バーの角の一つにはデキャンタがいくつか並んでいる。近づいてみると"チリ・ウォッカ"、"フェンネル・ウォッカ"や"シナモン・ウイスキー"などと書かれたタグがかけられていた。かなり興味をそそられる名前だ。後でマーヴに教えてあげよう。
「ご注文は?」
「モヒートを2つお願いします」
「かしこまりました」
絶えず吹き抜ける風は窓際にもたれかけた身体を後ろから優しく撫でていく。陽に晒された素足はビーチサンダルの形に焼けていて、脱いでもくっきりと跡が残り滑稽だ。この調子ならタンクトップやサングラスの跡も残っているだろう。振り返りマーヴがいるカバナへ目をやると、薄いカーテンの向こう側に寝そべっている姿がぼんやりと見えた。本を読みながら、時折周囲を眺めている。彼は声をかけても聞こえない場所にいて、カーテンの向こうの表情はぼやけている。それでもマーヴの匂いが、感触が、話し声が、遠くから見つめるだけで思い出せる。まるですぐ隣にいるみたいに。
8302「ご注文は?」
「モヒートを2つお願いします」
「かしこまりました」
絶えず吹き抜ける風は窓際にもたれかけた身体を後ろから優しく撫でていく。陽に晒された素足はビーチサンダルの形に焼けていて、脱いでもくっきりと跡が残り滑稽だ。この調子ならタンクトップやサングラスの跡も残っているだろう。振り返りマーヴがいるカバナへ目をやると、薄いカーテンの向こう側に寝そべっている姿がぼんやりと見えた。本を読みながら、時折周囲を眺めている。彼は声をかけても聞こえない場所にいて、カーテンの向こうの表情はぼやけている。それでもマーヴの匂いが、感触が、話し声が、遠くから見つめるだけで思い出せる。まるですぐ隣にいるみたいに。
カリフラワー
DONEあぶ空2033/04/14-15 展示作品ルスマヴェ バカンス『Caustics (前編)』
2人がバカンスに行くだけの話です🏝️
Caustics (前編) 地上の楽園。月並みな表現だが、この島以上に美しい場所を見たことがない。エメラルドの海では眩い集光模様が揺れ、ゼニスブルーの空では小さな雲が漂い去っていく。
飛行機を二本乗り継ぎスピードボートで数十分。無数の島が集まる赤道直下の国で、マーヴと二人だけの休暇を楽しんでいる。10分あれば一周できるほどの小さな島が2つ橋で繋がっていて、その先には水上ヴィラが並んでいる。島そのものがひとつのリゾートホテルになっているというわけだ。
ようやくお互いのタイミングを合わせ一週間の休暇をぶん取ったからには、めいいっぱい堪能して帰りたい。気合は十分だ。
水上ヴィラは文字通り海の上に建っている。入ってすぐがベッドルームで、バスタブと大きなクローゼットがある部屋を通り抜けるとバスルームが並ぶ、横長の部屋だ。バルコニーからは直接海へ飛び込めるほか、大人が泳げるサイズのプライベートプールがあり、床の一部は眼下の海が覗ける大きなハンモックになっている。水上ヴィラは南の島の定番だが、定番こそマーヴと体験しておきたい。冒険するのはその後でいい。それにしても、こんなに美しい景色の中、マーヴと好きなことをして過ごすことが出来るなんて。夢でなくて心底良かった。
7015飛行機を二本乗り継ぎスピードボートで数十分。無数の島が集まる赤道直下の国で、マーヴと二人だけの休暇を楽しんでいる。10分あれば一周できるほどの小さな島が2つ橋で繋がっていて、その先には水上ヴィラが並んでいる。島そのものがひとつのリゾートホテルになっているというわけだ。
ようやくお互いのタイミングを合わせ一週間の休暇をぶん取ったからには、めいいっぱい堪能して帰りたい。気合は十分だ。
水上ヴィラは文字通り海の上に建っている。入ってすぐがベッドルームで、バスタブと大きなクローゼットがある部屋を通り抜けるとバスルームが並ぶ、横長の部屋だ。バルコニーからは直接海へ飛び込めるほか、大人が泳げるサイズのプライベートプールがあり、床の一部は眼下の海が覗ける大きなハンモックになっている。水上ヴィラは南の島の定番だが、定番こそマーヴと体験しておきたい。冒険するのはその後でいい。それにしても、こんなに美しい景色の中、マーヴと好きなことをして過ごすことが出来るなんて。夢でなくて心底良かった。
カリフラワー
DONEマ右ワンライ/ルスマヴェ(ルス目線)/お題「満天の星空」天井に星空を映す2人です🌌記憶に残るのは、大好きな人と見上げた作り物の星空…的な…
(唐突ですがポイピクの小説投稿機能と文庫メーカーで画像化した投稿、どちらが読みやすいか迷っているのでお手隙の際リプ等でご意見くださると助かります…)
天井を見上げて 星空に縁のある人生を送ってきたと思う。
ミドルスクールの課外活動では、人工的な光から隔絶されたキャンプ場で流れ星を追いかけた。夜間飛行では何千フィート上空が深海へと変わり、星々と泳いだ。そこは平衡感覚が失われていく恐怖と向き合い続ける孤独な世界だった。
しかしどういうわけか最も鮮明に覚えているのは、そのふたつよりも前に見た、マーヴと通ったプラネタリウムと、マーヴがプレゼントしてくれた家庭用プロジェクターの星空だ。その後に見た流星群や真っ暗な空の美しさは、その星空には敵わなかった。プラネタリウムの学芸員の穏やかな声、隣で寝落ちしたマーヴの微かな寝息や、帰り道に食べたサンデーの真っ赤なイチゴシロップも、星々と共に輝いている。
2976ミドルスクールの課外活動では、人工的な光から隔絶されたキャンプ場で流れ星を追いかけた。夜間飛行では何千フィート上空が深海へと変わり、星々と泳いだ。そこは平衡感覚が失われていく恐怖と向き合い続ける孤独な世界だった。
しかしどういうわけか最も鮮明に覚えているのは、そのふたつよりも前に見た、マーヴと通ったプラネタリウムと、マーヴがプレゼントしてくれた家庭用プロジェクターの星空だ。その後に見た流星群や真っ暗な空の美しさは、その星空には敵わなかった。プラネタリウムの学芸員の穏やかな声、隣で寝落ちしたマーヴの微かな寝息や、帰り道に食べたサンデーの真っ赤なイチゴシロップも、星々と共に輝いている。
カリフラワー
DONEルスマヴェ/お題「やきもち」やきもちエピソードを書きたかったのですが話の展開がよくわからなくて、独り言みたいな話になりました…🫗
表層を掠めただけの話…😭
視線の先に 嫉妬したことがあるかって?
もちろんある、聞くまでもない。俺の恋人が誰かを思い出せばわかるだろう。
例えばバーやレストランで、何かのきっかけでマーヴが一人になったとき。彼のもとに一人また一人と、良い顔をして近づく老若男女がいる。目の前にいることが間違いであると相手に思わせるようなマーヴの小さな棘は、彼が年を重ねた末に、相手の興味を鷲掴む謎めいた色気へと変貌を遂げた。彼がカウンターに一人小さく座り、伏目で頬杖をつき3分の1ほど残ったビールを時折ちびちびと口にすれば、ほらまた一人、精一杯緊張を隠しながら声をかけに来るのだ。
あるいは2人で行ったバイクショップで。店主と話し込み盛り上がるマーヴ。話が通じる嬉しさに、マーヴの声は徐々に大きくなっていく。店の奥の壁には家族旅行の写真が飾ってあり、店主は妻と3人の子どもたちを溺愛している。この2人には趣味以外の繋がりはない。それでも俺は、2人の熱を帯びた専門用語の流れる速さに振り落とされ、結局は一人でただ店内をゆっくりと歩いて回る。
2749もちろんある、聞くまでもない。俺の恋人が誰かを思い出せばわかるだろう。
例えばバーやレストランで、何かのきっかけでマーヴが一人になったとき。彼のもとに一人また一人と、良い顔をして近づく老若男女がいる。目の前にいることが間違いであると相手に思わせるようなマーヴの小さな棘は、彼が年を重ねた末に、相手の興味を鷲掴む謎めいた色気へと変貌を遂げた。彼がカウンターに一人小さく座り、伏目で頬杖をつき3分の1ほど残ったビールを時折ちびちびと口にすれば、ほらまた一人、精一杯緊張を隠しながら声をかけに来るのだ。
あるいは2人で行ったバイクショップで。店主と話し込み盛り上がるマーヴ。話が通じる嬉しさに、マーヴの声は徐々に大きくなっていく。店の奥の壁には家族旅行の写真が飾ってあり、店主は妻と3人の子どもたちを溺愛している。この2人には趣味以外の繋がりはない。それでも俺は、2人の熱を帯びた専門用語の流れる速さに振り落とされ、結局は一人でただ店内をゆっくりと歩いて回る。
カリフラワー
DONEマ右ワンライ/ルスマヴェ/お題「写真」どこかで読んだような話だったらすみません(たぶんありそう)(それ以前に拙すぎて内容すら理解できないレベルかもしれませんが…)
またまた離れて暮らす2人🐓🐺ルスもマーヴに負けじと独り言の音量が大きいといいな。
そして俺だけを見て なんてことはない、一人の休日。カレンダーは空白で、冷蔵庫の中身も殺風景で、次の休みにやろうと決め放置していた用事と顔を突き合わせ数時間経っていた。
「よし、やるかぁ」
一人の生活に慣れるにつれ、独り言の音量は日々大きくなっていく。
外食続きで蔑ろにしていた冷蔵庫の中身を充実させるため、そしてその他諸々の用事を済ませるため車を走らせた。郵便局へ寄り、私書箱から郵便物を受け取りスーパーへ。一週間分の食料と日用品で両手をいっぱいにして帰宅した。
買い物後の片付けを終え郵便物に目を通していると、一際重い封筒が床に落ちた。
「うお、なんだこれ」
拾い上げ読み上げた差出人の名前には、自分でも驚くほどの甘い感情が乗っていた。
5173「よし、やるかぁ」
一人の生活に慣れるにつれ、独り言の音量は日々大きくなっていく。
外食続きで蔑ろにしていた冷蔵庫の中身を充実させるため、そしてその他諸々の用事を済ませるため車を走らせた。郵便局へ寄り、私書箱から郵便物を受け取りスーパーへ。一週間分の食料と日用品で両手をいっぱいにして帰宅した。
買い物後の片付けを終え郵便物に目を通していると、一際重い封筒が床に落ちた。
「うお、なんだこれ」
拾い上げ読み上げた差出人の名前には、自分でも驚くほどの甘い感情が乗っていた。
Kodama_sen
DONEちる@ch00087さんとの合作イラストです!「うちのマを抱いて欲しい」「熊ヒゲで‼︎」とのリクエストで抱かせていただきました🙏😇ポーズ指定とスタートのラフ:ちるさん、ルス画:谺、マヴェ画:ちるさん、ざっくり陰影塗り:谺グラデーションマップ選択:谺、仕上げ微修正:ちる&谺
秋@StorytellingAkさんに見守られながらのヘ"ット"インでございます…ありがとうございました光栄です…💖
カリフラワー
DONEマ右ワンライ企画のルスマヴェです🐓🐺お題は「バレンタイン」
イメージは平日のバレンタインです。イベント事の話が苦手な自分なりに、自分らしく書けたかなと思います。
サンスベリアの和名に由来する花言葉「永久」「不滅」をタイトルらしくなるようにもじってつけました🪴
永遠に続けば 今日は何の日か知ってるか?
目が合った途端、二言目にはこの質問をされた。ただし、質問をしたのは恋人ではなくただの同僚。答え甲斐など何もない。
「…知ってる。けど言いたくない」
力の無い答えになんだよそれ、と同僚が笑う。もし目の前にいるのがマーヴだったなら、これ以上ないほどの甘い声できちんと一言答えられるのに。今日はバレンタインだね、と。
どれだけ瞬きしようが目を擦ろうが目の前の同僚がマーヴに変わることはないし、残業のためPCや書類と向き合った時間を後から取り戻せたりもしない。
俺はバレンタインに、残業に勤しみ恋人を一人で待たせているのだ。そうか、こんなバレンタインの過ごし方もあったわけか。…当然これは嫌味だが、勤務態度の良い俺は決して口には出さなかった。その分一刻も早く仕事を終わらせ、残業仲間の同僚と別れ駐車場へと向かった。
5321目が合った途端、二言目にはこの質問をされた。ただし、質問をしたのは恋人ではなくただの同僚。答え甲斐など何もない。
「…知ってる。けど言いたくない」
力の無い答えになんだよそれ、と同僚が笑う。もし目の前にいるのがマーヴだったなら、これ以上ないほどの甘い声できちんと一言答えられるのに。今日はバレンタインだね、と。
どれだけ瞬きしようが目を擦ろうが目の前の同僚がマーヴに変わることはないし、残業のためPCや書類と向き合った時間を後から取り戻せたりもしない。
俺はバレンタインに、残業に勤しみ恋人を一人で待たせているのだ。そうか、こんなバレンタインの過ごし方もあったわけか。…当然これは嫌味だが、勤務態度の良い俺は決して口には出さなかった。その分一刻も早く仕事を終わらせ、残業仲間の同僚と別れ駐車場へと向かった。
カリフラワー
DONEルスマヴェ/お題「長い夜」離れて暮らす2人。ルスが電話越しにマーヴと夜を過ごそうとする薄い話です🐓📱🐺
いつものこととはいえ、回を重ねるごとに薄くなっている気がします…🥲
(やはり段落字下げができず読みづらいです、すみません…)
早寝と夜更かし「マーヴ?今何してる?」
『今?そろそろ着替えて寝ようと思って、立ち上がったところだよ』
スピーカーから聞こえる声はいつ聞いても甘い。夜はまだ始まったばかりのはずだが、マーヴはすでにその一日を終えようとしていた。
「早くない?」
『え、そう?』
一方の俺は、さて今夜は何をして過ごそうかなどと考え目が冴えていた。こちらの時刻は日付が変わって1時間ほど。マーヴの時計の針はまだ12のいくつか手前を指していて、日付も変わっていないはずだ。
「マーヴ、明日休み?」
『休みだよ』
この一言でさえ機械越しでなく直接聞きたい。手のひらに収まる小さな機械で、マーヴの甘い声を正確に再生できるとは思えない。
「ならもうちょっと話そうよ、ね?」
3834『今?そろそろ着替えて寝ようと思って、立ち上がったところだよ』
スピーカーから聞こえる声はいつ聞いても甘い。夜はまだ始まったばかりのはずだが、マーヴはすでにその一日を終えようとしていた。
「早くない?」
『え、そう?』
一方の俺は、さて今夜は何をして過ごそうかなどと考え目が冴えていた。こちらの時刻は日付が変わって1時間ほど。マーヴの時計の針はまだ12のいくつか手前を指していて、日付も変わっていないはずだ。
「マーヴ、明日休み?」
『休みだよ』
この一言でさえ機械越しでなく直接聞きたい。手のひらに収まる小さな機械で、マーヴの甘い声を正確に再生できるとは思えない。
「ならもうちょっと話そうよ、ね?」