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    #深夜の魔師弟お絵描き字書き60分一本勝負

    ワンドロ【研究/お月見】

    #DB
    #魔師弟
    magicMaster
    #ワンドロ

    知らぬが仏『明日ね、お月見なの!!ピッコロさんも来てくれる?』

    昨日嬉しそうにはしゃいでいたパンが隣で小さく俯いてしょげるのを見て、ちらりとビーデルを見る。

    「悟飯は」
    「なんかね、さっき突然騒ぎながら部屋に篭っちゃったの。すぐ行くからとは言ってたんだけど」

    修行場近くの小高い丘の上に遠足用のシートを引きながらビーデルは困ったように眉を下げた。

    パンはぎゅっと俺のマントを掴んで、また寂しそうに足を揺らす。
    金色に輝く満月はもうすでに頂点の半分程まで昇り、今まさに絶好のタイミングを迎えようとしているのにも関わらず、あの男は。

    まったく、と半ば舌打ちのように呟いて、パンの頭をぐしゃりとかき混ぜた。

    「待っていろ。俺が連れてきてやる」
    「ほんと?」
    「ああ」

    少しだけ嬉しそうに顔を上げたパンに、にっ、と笑みを返し、宙に浮く。

    最速で悟飯の家に着くと、窓も開けたまま、がたがたと慌ただしく走り回る悟飯がいた。

    「おい」

    俺の声掛けにも気づかず、棚を覗き込んだり、本を放ったりする悟飯の首を引っ捕えると、わっ!と叫び声を上げて動きを止める。

    「び、びっくりした。ピッコロさん…どうしたんですか?お月見に行ったんじゃ…」
    「どうしたじゃない!お前は何をやってるんだ」
    「あ!そう!そうなんです!これ!!」

    またばたばたと積まれた本の奥から大きな水槽を持ち上げると、その中にはこぶし大の蟻がいた。

    「こないだ言ってた金色になる蟻です!研究のために捕まえて飼ってたんですけど、ほら!これ!今日の月の光に当たったら急に大きくなって、毛も生えてきたんです!」

    いつぞやのように、怒鳴り飛ばそうとしていた言葉が喉に詰まる。

    それは、と呟くと、悟飯は俺が興味を持ったと思ったのか興奮した様子のまま話を続けた。

    「凄いですよね!サイヤ人と似通ってると思ったけど、これ、なんでしょう?結構個体差もあるみたいで。ほら、あっちのは僕の腕ぐらいあるんです!」
    「お、おい。そいつは尻尾とかないのか…」
    「尻尾?あぁ、確かにないですね。純粋なサイヤ人にはありますもんね」

    それも書いとかなきゃ、とメモを取る悟飯を他所に俺は焦っていた。
    尻尾がないなら方法は一つしかない。

    「……悟飯。早く支度しろ…」
    「え、あ、はい。そうですね、すいません、後にします…」
    「ああ。月見ができるのは今夜が最後かもしれん」

    え?と首を傾げる悟飯を他所に、俺は月がなくなった事に気づいたパンへの言い訳を考える。

    あまりに綺麗なその満月を見上げて、その輝きを目に焼きつけておくことにした。
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    Umi1115Tkso

    DOODLE現パロ?(30歳/45歳)の2人で誕生日祝い文です!!めちゃくちゃ遅刻!!

    個人的に足さんが室さんとおんなじ量の酒を飲んでるのに、しれっとしてたら激癖なんですよね……室さんも強いけど、情緒の起伏は激しかったら可愛いなぁ……
    あと、15歳差って何?だんだん歳の差が誤差になっていくのすごい熱いな……という話です。
    途中の足さんのセリフはご自由に補填してください!
    誕生日感薄いけど、誕生日文章です!!
    きっと最期のその日までオレの腕の中に抱えられた、生まれて一年ばかりしか経ってない生命は、春の日和よりも幾分も温かかった。その小さすぎる手を握った感触を生涯忘れることはないだろう。

    「あんなちぃさかった足摺がもう三十かぁ。オレも歳を取るわけだわなぁ」
    「よく毎年毎年、飽きもせず同じ感慨に浸れますね」

    全く、と呆れたように酒を煽る。その悪態が照れ隠しなのも承知だった。
    耳まで真っ赤にして小さくなって俯いてた子供の頃も、うるさい、恥ずかしい事を言うなと邪険にしてきた十代の頃も、火照る顔を酒のせいにして、もういいでしょうと狼狽えていた二十代の頃も。
    そうやって思い出していく全てがまた感慨となる。くぅーっと強い酒を煽ってその胸の熱さに呆けた。
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    えのきたけ

    DONE2021/9/25 ワンドロお題「赤い糸」
    2022/7/21 加筆修正
    14×29

    運命の赤い糸とは、本来『赤縄』と呼ばれていました。指ではなく、互いの足に結ばれるものだったそうです。冥界の神にこの縄を結ばれると、必ず運命の相手となってしまう。恋に落ちてしまったことを、このある種呪いのようなもののせいにしてしまえば楽になれるのでは? と少年はひとり思うのでした。
    無色透明の赤「赤い糸って、目に見えないのにどうして赤いと分かるんでしょうか」
     あかい、いと?
     霊幻は思わず、傾けた急須を落としそうになった。なみなみと注がれてしまったお茶の入った湯呑を丁寧にお盆にうつしながら、その言葉の意味を反芻してみた。今までの会話の流れが何だったのか思い出す必要があるほど、それはあまりに唐突な発言だったからだ。
     ええと、たぶん、天気の話をしていたような気がする。それか、今日の宿題の話とか。たしか、その程度のことではなかったか。
    「不思議じゃないですか、可視化されていないものを形容して」
     律から文脈に応じた返事はない。霊幻は、あかいいと、から思考が動かない。最近流行りのなにかか、昔流行ったホラーテイストのなにかか、それとももしかして、いわゆるの"運命の赤い糸"の話をしているのか。ひとり、掴めないでいる。イメージも、相槌も、糸口も。
    2205