全部風邪のせいだ「うう〜〜頭がくらくらする」
馴染みのない痛みが頭に響いてガンガンする。収まらない体の熱さで考えが纏まらず、視界がぼやける。不快だとセイバーが思わず眉を寄せていると冷静な声が上から降ってきた。
「薬は飲んだ、なら後は直に良くなる筈だ」
「……ううっ、どうしてこんな目に」
こんな状態は嫌だと嘆くと、粥を食べ終えて空になった食器を片付けながら「自業自得だな」と伊織の目が語っていた。
「川で遊んだ後はすぐに体を乾かすようにと云っただろう」
「あれだけ暑かったのだ、放っておけばすぐに乾くと思うだろうが!」
「そうやって面倒臭がってさぼった結果がこれだ。少しは反省しろ」
「むー、そこまで云うのならきみが乾かしてくれれば良かったではないか」
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