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    adashi_No6

    @adashi_No6

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    adashi_No6

    TRAINING俳優の「柴タイジュ」と、彼の大ファンの三ツ谷くんのお話。謎軸。
    ちょっと三ツ谷くんが女々しいかもしれない。この設定でもう少し書きたい気もする。
     切ない音楽と共に、鍛え上げられた肉体を持つ長身の男がテレビに映し出された。いつもならキリリとつり上がって意思の強さを示している眉がへにゃりと垂れて、蜂蜜色をした大きな目も心なしか潤んでいるように見える。今までしっかりとセットされていた綺麗な青い髪も乱れた姿で、男は寂しそうな声を出して一緒に画面に映っている女へもう一度だけ縋るように言葉をかける。

    『……本当に、オレを選んじゃくれねぇのか』
    「うぁあああ…オレだったら絶対タイジュを選ぶのに……ミホは本当に男を見る目がねぇよ…! 今まであんなに尽くしてくれた男を捨てるなんて…!」

     ドラマの中でタイジュが振られ、意気消沈している姿を見て自然と涙が出てくる。放送されてから何度も繰り返し見ている光景だけど、やっぱり何度見てもこのシーンは泣ける。手元に用意していたタオルで目元を拭いながら、「お前もそう思うよな」と抱えていたぬいぐるみに話しかけた。俳優の「柴タイジュ」を犬化してみた、というコンセプトで作られた目つきが悪いそのぬいぐるみすら、オレにとっては可愛くて仕方がないアイテムの一つだ。
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