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    えまこ練習中

    @mobr10014

    @mobr10014
    練習中ですオシセトが好きです!
    作ったお話はこちらに載っけます!
    お話は【捏造】【妄想】です
    史実に基づいてないことも好き勝手にお話に組み込んでます

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    えまこ練習中

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    セトちゃのいつもつけてる耳飾りがオシからのプレゼントだったら良いなぁ……絶対そうじゃないと嫌だ……!と思いできたお話。
    推しカプにはピアスの開けっこして欲しいという私の癖があります(オシがセトの耳を開けるだけなので開けっこはしてません😂)

    r6.9.29 修正

    #オシセト
    ociceto.

    この耳に…… (仮) ふたりだけの静かな部屋。聞こえるのはふたりの息遣いと筆を走らせる音だけだった。
     
    「はぁ……、暇だ……」
     
     その静寂を破ったのは、横たわったエジプトの守護神セト。その負け知らずの戦争の神は暇を持て余しているようだった。またすぐに戦争は始まる。戦争が始まればセトはエジプトの平和のためにしばらくここには戻れない。
    これは戦神セトにとって束の間の休息だった。

    「暇そうだな。で、セトよ、お前はこんな所にいつまでいるつもりだ? 」

    「こんな所って、ここお前の部屋だろ。良いだろ別に俺がいても。なんだよ、意地悪だな。俺が久々に帰ってきて嬉しい癖に」

     そっと目を伏せ、深いため息をついたオシリスは口を開いた。

    「……イシスだな。イシスから逃げてるのか。今度は何をやらかしたんだ? セト」

    「な、違うって! そういうんじゃねぇって。俺は、久々にお兄様とゆっくりお話がしたかったんだよ」

     またまた深いため息をついたオシリスは、その後セトになにも答えることはせずに、再び筆を走らせ執務を黙々とこなしていた。

     オシリスの部屋の寝台で我が物顔で横たわっていたセトは自身の砂を弄んでいた。
     そしてしばらくの沈黙が続いた後、再びセトがその沈黙を破った。

    「なあ、オシリス。なんでお前わざわざ自分の部屋で執務してんだよ。お前がお仕事するための執務室がちゃんとあるだろ」

    「…………」

    「俺が帰って来たら必ずここに来るって分かってたんだろ」

    「…………」

    「大好きな俺とふたりっきりになりたかった? 」

    「…………」

    「ちっ、つまんねぇーな。この国のために心身共にすり減らして疲れきったかわいい弟の戯言にも付き合ってくれねぇの? この国の王様は」

    「…………」

    「……俺、なんで【戦争の神】なんだろうなぁ。たまに分かんなくなる。戦争には、どうしても死がついてまわる。たまに逃げ出したくなる……」

    セトはふと自身の耳を触り、思い出したかのように言った。

    「あ、そう言えばこの前殺した奴が綺麗な耳飾りつけててさ、それについて言及してみたら、大切な人にもらった大切な御守り、とか言ってたっけな。俺もそういうの良いなって思ってさ、だから耳飾りつけてみよっかなって思ったんだ」


     
    「……そうか」

     涼し気な表情は変わらず、弟セトを一切見ることもないまま執務を続け、やっと反応があったかと思えば適当な相槌を打たれてしまった。
     この男はこの国の最高神であり、国民に農業・牧畜を教え多くの者から慕われているまさに善王である。
    しかしながら、真面目な反面少し不器用な部分も持ち合わせており、先程のセトのつぶやきにもあのような反応をされてしまった。セトはどうにも勘の悪いカタブツな兄にムッとしながら、もう一度分かるようにセトが言わんとすることを伝えることにした。

     
    「だから、そういう御守りの装身具をオシリスにもらいたいなぁって。なんかお前からのだったらこれからもこの国を護り続けるの頑張れそうだろ。それ着けるときここに穴も開けてくれよ」

     ここまで言ってようやくオシリスは、筆を走らせるのを辞め、立ち上がり、セトの傍へ向かった。

    オシリスの表情は若干驚いた顔のような憂いを帯びたように見受けられたが、気が付けばいつもと変わらない表情のわかりにくい顔をしていた。
     セトの元へ辿りつくと隣に腰を下ろし、自身の寝台に横になったセトの目を見つめその耳朶にそっと手を触れた。そして口を開いた。

    「なぜだ。セト、お前は砂の神。開けようと思えば自分でここ、好きに開けられるだろ。なぜだ。耳飾りだって俺じゃなくてネフティスに選んでもらえばいい」




    ―――

    「オシリス! 始まってる! 早く早く! 」

     急ぐ弟に手を引かれながら兄オシリスはその後をついて行った。
     辿りついたその場所では、神々が成神になった祝いの宴が盛大に行われていた。
     
     「わぁ、すっげぇ俺も早く成神になりたいなぁ」

     まだ成神になっていないオシリスとセトは、興味深くその宴を眺めていた。
     
    「セト、まず先に成神するのは兄である俺だぞ。セトに先を越されると兄の威厳が崩されるから困るな」
     
    「分かってるって、ないと思うけど俺が一足先に成神になったとしても、お前が俺の兄様であることに変わりはないだろ」

    「……セト。嬉しいことを言ってくれるんだな。そうだ、俺はずっとお前の兄だ。それはずっと変わらないことだ」

     オシリスは繋いだままであったセトの手をギュッと握り直した。
     
     ふたりは色々と話をしながら、そのまま宴を眺め続けていた。そうすると一部の成神した神が、豪勢な装飾が施された小さな箱を別の既に成神した神から受け取っていた。

    「ん? オシリス、あれはなんだ?お祝いの品? 」
     
    「あぁ、あの大きさの箱であれば耳飾りか何かの装身具じゃないか? 耳飾りは耳に穴を開けるから大人の仲間入りの証とも言われているらしいから。他の装身具にもだが耳飾りにも魔除けの意味合いがあるらしい。お祝いの品としては合うんだろうな」

    「ふーん、大人の仲間入り、魔除け……。俺も耳飾りつけたい」
     
    「セト、あぁいうものは重く耳に負担になる。だからまだお前には早い。俺もまだ付けてないしな」

     オシリスはセトの方を向いて、繋いでいない方の手でセトの耳にそっと触れる。

    「……成神したセトのこの耳に飾りをつけたら、お前はより綺麗だろうな」

     愛おしげに見つめてくるオシリスに、セトはたまらなくなり、抱き着いた。
    そのまま上を見上げ、そしてオシリスが耳に触れている手に自身の手を重ねた。

    「………俺が成神になったら、お祝いしてくれるだろ? オシリスがここにつけてくれよ。初めての耳飾り。兄様が開けた耳に、兄様が選んだ耳飾りを通してここにつけたい。約束、な」

    「言われなくても」

     オシリスは少し不安そうな表情をした上目遣いのセトを抱きしめなが安心させるように優しくキスをした。

    ―――

    「セト」

     横たわったセトの耳朶に触れながら、オシリスの真っ直ぐな目がセトに突き刺さる。なぜか目を逸らすことができない。身体も全く動かせなかった。
     
    「……耳飾りのことをお前が話すとは思わなかった。お前がそう望むなら、俺は喜んでここに穴を開け、その穴にお前のための祈りを込めた耳飾りを通そう」

     セトは動けないままオシリスの目に吸い込まれそうになっていた。オシリスはセトの目を見ながら耳に執拗に触れて問うてくる。

    「なぜだ。セト。何故それを俺にしてほしいんだ」

     なんでなんだ? 俺はなんでオシリスにしてもらいたいって思ったんだろう。ネフティスは……? なんで思い浮かんだのがオシリスだったんだ……。なん……で?

     しばらく動くことができなかったセトは我に返ったように急いで口を開いた。

    「お、お前がこの国の王だからだろ。俺はお前に認められて戦ってるって思いたいんだよ。ただそれだけだろ。深い意味はない」

     オシリスは悲しげな表情を見せて目を伏せた。

    「……そうか」

     セトから離れたオシリスは背を向けて部屋の片隅にある棚の中から何かを取り出し、セトの元へ戻り再び隣に腰を下ろした。

     オシリスの寝台から身体を起こしたセトは、前に出された豪勢な装飾が施された小さな箱を見た。そしてオシリスはその箱を開く。そこには黄金に輝く耳飾りが入っていた。

    「な……んで、これ」
     
    「お前が望むことが今後あるなら、と準備をしていた。本当はお前が成神したときに渡す予定だったものだ。お前が大人になった証と魔除けの耳飾りだ」

    「あっ……」

     オシリスはその耳飾りを取り出し、セトの耳にあてた。

    「あぁ、思っていた通りだ、良く似合っている。あぁ、セト、綺麗だ」

     そのままオシリスは両手でセトの顔を包み込んだ。

    「良く聞いてくれ。セト、お前は良くやってくれている。お前のおかげで助かっている」

    「…………知ってる」

     オシリスはセトの反応に少し笑ってから、また真剣な顔をして続けた。

    「お前はさっき【戦争の神】の責務に対して押し潰されそうになってると口にしていたな。お前も分かってはいると思うが、平和のためには必要なことだ。死に触れるのは辛いことだろう。お前にその役割を担わせているのは俺のせいなのは分かっている」

     セトはオシリスを見つめ返して、その言葉を聞いている。
     
    「セト、これからも戦場から帰還したら俺のところへ来い。弱音を吐きたいのであれば、俺が全部聞いてやる。まぁ、お前はなぜか俺がそんなこと言わなくても勝手に俺の所に来ていたがな」

     セトの顔を両手で包み込んでいたオシリスは、セトをそのまま寝台に押し倒した。突然のことにセトは驚いたが抵抗はしなかった。
     オシリスは押し倒したセトの耳朶に、自らの手を尖らせたものを当てた。

    「セト……」

     何かを言いかけた気がしたが、オシリスはそれをセトに言うことはなかった。
     
    「準備はいいな。痛みがあるから、と砂になるなよ」
     
    「戦神セト様を舐めるなよ。そんな痛み、余裕だろ」
     
     それが耳を貫く瞬間にオシリスの顔が近付いてきた。セトはオシリスからキスをされるのかと思った。咄嗟に目を瞑ったもののオシリスの唇が触れることはなく、チクッとした痛みが全身を駆け抜けていった。

    「反対側もだ」

     穴が開いた方の耳の近くでオシリスの声が響いて、セトは驚いてビクッとしてしまった。それに気付いたオシリスが少し笑うような気配があり、イラッとしたものの目を瞑ったまま、もう片方への衝撃にセトは備えていた。しばらくすると再びチクッとした痛みが全身を駆け抜けていった。

     セトがゆっくりと目を開くと、そこにはオシリスの顔が目前に広がっていた。オシリスは開けたばかりのセトの穴に触れた。

    「い、痛っ、おいオシリスそこ触るなよ」

     オシリスはセトの言葉を聞いていないようだった。血は拭き取られているようだが、赤くなってしまったその部分をそっと触るのをやめてはくれなかった。

    「俺が開けたこの耳に、この俺の選んだ耳飾りをつける……」

    「おい、オシリス! 痛いって! 」

     2回目のセトの抗議でやっとオシリスはその赤みを帯びた患部から手を離した。黄金に輝く耳飾りを手に取りながら、

    「……すぐにでもそうしたいところだが、穴を開けたばかりでこんなに赤くなって痛みもある中、こんな重い物をつけるのは良くないだろう。安定したらまた俺がつけてやる。穴が安定するそれまでは即席で作ったものだがこれをつけておこう」

    「い、いたっ」

     オシリスはまるでセトを誰よりも愛おしいというような眼差しで植物の一部のような物をセトの耳の穴押し込んだ。

    「さ、終わりだ。セト、そろそろイシスとネフティスのところに行ってやれ。ふたりともお前の帰りを待っていた。話をしたがってるだろう」

     オシリスは寝台から立ち上がると、執務をしていた席に戻り、また黙々と執務を始めた。さっきまでの表情は消えていた。セトがよく知る。いつものオシリスの顔をしていた。

     セトはオシリスに言われた通り、そろそろと部屋を出た。


     セトには疑問が残っていた。

     なぜ、俺はオシリスが俺にキスをしようとしてきたのだと、思ったのだろうか。
     オシリスとはそんな関係ではない。オシリスにはイシスが、俺にはネフティスがいる。
     なぜ、俺はキスを受け入れるのが当たり前だと思ってしまったのだろうか。

     考えても答えの出ない疑問に頭を悩ませつつ。セトは新しく出来た耳の痛みに耐えながら、イシスとネフティスの所に向かった。

     セトの耳が安定するのにまたひとつ戦争をこなすことになる。それが落ち着いたころ、またセトは疑問を抱きながらも、オシリスが準備してくれていた黄金の耳飾りをつけて貰いに行くことになる。

     おわり

     

     

     

     

     
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    えまこ練習中

    TRAININGR6.10.4 ながいきのワンドロ企画【また逢う日】10.9修正
    #ながいきのオシセト

    前世オシセト〜エネ時間軸のオシセトのお話
    何言ってるか分からないと思うんですが、オグドアドとか創造神ラー様が全てを創ったわけで、前世ってどういうこと?となると思うんですけ私も?です前世モノ大好きすぎて抽象的にふんわりで書いてしまいました。生暖かい心で許してください。
    前世も現世も来世もオシセト!
    俺たちの永遠 むかしむかし、まだ創造神が生まれる前、世界が混沌としている時、俺たちは存在していた。
     
     ふたりでひとつ、どんなときも一緒だった。言葉なんてものは俺たちにはいらなかった。言葉なんてなくても全て分かりあっていた。実態なんてなくても、自分たちが何なのかさえ分からなくても、何の不安もなかった。

     俺たちは幸せだった。

     俺たちは永遠にこの時が続くと思っていた。しかし、終わりは突然やってきた。永遠なんてものはないのかもしれない。
     俺の半身であるお前が消えてゆくのを俺は受け止められなかった。ずっと一緒だったお前を失うことなど考えたこともなかった。俺たちのどちらかが無くなってしまうことなど、この世界にそんな事象など起こりうるわけがないと思っていた。
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