付箋の使い方「反町さん。つかぬ事をお聞きしますが、タンタンに一体何を吹き込みましたか?」
午後の開口一番、俺の元に突然と訪れた香坂は端的にそう言い放った。
手を後ろで組み無言で佇んでいる様子は一見いつもと変わりない。けれどそこから一切微動だにせず、眉間が時折とピクついている様子からまあまあご立腹と言った所か。
幹部それぞれに与えられた空き部屋のフリースペース、そこで次の戦いにむけた策を練っている最中で唐突に言われた言葉の意味を探り始めた事でせっかく考えていたプランは全て抜け落ちてしまった。
それはそれで良い。
けれども如何せん、目の前で未だに秘めた怒りを顕にしている香坂から言われた、タンタンが絡んでるであろう案件に俺も関与しているというのは皆目見当もつかない。
2166