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    Orr_Ebi

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    Orr_Ebi

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    いたずらキッスする深津を書きたかっただけ 続かない 沢深

    #沢深
    depthsOfAMountainStream

    勘違いから始まっとけいつか、からかってやろうと思った。
    いつも女子に囲まれたり告白されたりしている男が、同じ男からキスされたら結構面白いだろうなと思っていた。

    だからしてみた。たまたま2人きりだったので。
    綺麗な顎をグッと掴んで、薄い頬にむちゅっとキスしてみた。

    そうしたら、沢北はえっと声をあげたきり固まって、深津の顔をじっと見つめる。
    あれ、笑わないのか。
    冗談きついっすよ深津さん、っていつもみたいに。
    「ふ、深津さん…」
    深津の期待とは裏腹に、沢北はじわじわと顔を赤くして、耳まで真っ赤にして、若干涙目になりながら「……っス」と言った。
    酢?
    「なにが?」
    「…だ、だからぁ、オレ、ほんと……嬉しぃ…っス」
    嬉しい?男にキスされたのに?
    「何言ってるピョン」
    「えへへ、オレも、オレ、深津さんのこと好きだったから…こんなふうに告られると思わなくて、だから、不意打ちっていうか…」
    告られる?誰が誰に?
    …まさか、沢北が深津に?
    びっくりさせるのは深津の方だったのに、なぜ今深津の方がびっくりしているのだろう。
    何も理解が追いつかないのに、目の前の沢北はもじもじとしながらうっすら頬を染めている。
    「告白はオレからって決めてたけど、でも!オレ!深津さんのこと幸せにします!オレも好きです!深津さん!」
    沢北がガッと深津の両腕を掴んで迫ってくる。
    何やら1人で盛り上がっているが、深津は冷や汗が止まらない。なんということだ。
    沢北は盛大な勘違いをしている。
    おそらく深津が沢北に不意打ちほっぺチューをしたのは、深津が片想いを拗らせて耐えられなくなったからだと思っている。
    今更間違ったピョンなんて言えない。ましてやお前のことそういう意味で好きになったことないピョン、なんて。
    さすがに悪ふざけがすぎる。
    「…よ、良かったピョン」
    人生で1番下手くそなセリフだった。幼稚園の頃の白雪姫の劇でもまだ上手く言えていた、深津は森の木Bだったが。
    「今日からオレの彼氏ってことですよね、深津さん」
    「えっ、まぁ…うん、そうピョン…多分?そう?」
    そうだよな?そうなっちゃったんだよな?と自分に言い聞かせるようにつぶやいたが、沢北は嬉しそうに深津を抱きしめるだけで、最後のぼやきは聞こえていないようだった。
    「嬉しいです」
    さっきまで乙女のように恥じらっていたのに、いきなり顔を上げた沢北は獣のような目をして深津の顔を覗き込んだ。
    あ、ヤバい本気のキスをされる。
    と思ったときにはすでに遅く、深津の唇は沢北によって塞がれていた。
    そして深津はその時また絶望する。
    コイツに唇にキスされても、本当に全く何も感じない…ー。
    犬に口をぺろぺろ舐められてるような感じだ。
    本当にごめん、沢北。
    そう思いつつ、礼儀として一応、と深津は目を閉じた。
    沢北がそんな深津をずっと見ていたとも知らずに。
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    Orr_Ebi

    DOODLE3/1のうちにあげておきたかった沢深。
    沢への感情を自覚する深の話。※沢はほぼ出てきません
    ・深津の誕生日
    ・深津の名前の由来
    ・寮母、深津の母など
    以上全て捏造です!
    私の幻覚について来れる方のみ読ましょう。振り落とされるなよ。

    ※沢深ワンドロライのお題と被っていますがそれとは別で個人的に書いたお話です
    シオンの花束 同じ朝は二度と来ない。
     頭では分かっていても、慣れた体はいつもの時間に目覚め、慣れ親しんだ寮の部屋でいつも通りに動き出す。
     深津は体を起こして、いつものように大きく伸びをすると、カーテンを開け窓の外を見た。まだ少し寒い朝の光が、深津の目に沁みた。雪の残る風景は、昨日の朝見た時とほぼ同じ。
     同じ朝だ。けれど、確実に今日だけは違うのだと深津は分かっている。少し開けた窓から、鋭い冷たさの中にほんの少し春の甘さが混ざった風を吸い込む。
     3月1日。今日、深津は山王工業高校を卒業する。そして、奇しくもこの日は、深津の18歳の誕生日であった。

     一成、という名前は、長い人生の中で何か一つを成せるよう、という両親からの願いが込められている。深津自身、この名前を気に入っていた。苗字が珍しいので、どうしても下の名前で呼ばれる事は少なかったが、親しい友人の中には下の名前で呼び合う者も多く、その度に嬉しいようなむず痒いような気持ちになっていたのは、深津自身しか知らないことだ。
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    Orr_Ebi

    TRAINING沢深ワンライお題「横顔」で書いたんですが、また両片思いさせてるしまた深は叶わない恋だと思っている。そして沢がバカっぽい。
    全然シリアスな話にならなくて、技量が足りないと思いました。いつもこんなんでごめんなさい。
    横顔横顔

     沢北栄治の顔は整っている。普段、真正面からじっくりと見ることがなくても、遠目からでもその端正な顔立ちは一目瞭然だった。綺麗なのは顔のパーツだけではなくて、骨格も。男らしく張った顎と、控えめだが綺麗なエラからスッと伸びる輪郭が美しい。
     彫刻みたいだ、と深津は、美術の授業を受けながら沢北の輪郭を思い出した。沢北の顔は、全て綺麗なラインで形作られている。まつ毛も瞼も美しく、まっすぐな鼻筋が作り出す陰影まで、沢北を彩って形作っている。
     もともと綺麗な顔立ちの人が好きだった。簡単に言えば面食いだ。それは、自分が自分の顔をあまり好きじゃないからだと思う。平行に伸びた眉、重たい二重瞼、眠そうな目と荒れた肌に、カサカサの主張の激しすぎる唇。両親に文句があるわけではないが、鏡を見るたびに変な顔だなと思うし、だからこそ自分とは真逆の、細い眉と切長の目、薄い唇の顔が好きだと思った。それは女性でも男性でも同じで、一度目を奪われるとじっと見つめてしまうのが悪い癖。だからなるべく、深津は本人に知られないように、そっと斜め後ろからその横顔を眺めるのが好きだった。松本の横顔も、河田男らしい顔も悪くないが、1番はやっぱり沢北の顔だった。
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