積み木 昼下がりの温かい陽の光が差し込むリビングで、メフィスト二世はテーブルに座りコーヒーを飲みながら、目の前の光景をにこにこと眺めていた。
真吾と、幼い一郎と三世が向かい合って積木で遊んでいた。
真吾が積木を積んでみせ、二人に遊び方を教えている。
三世は三角の赤い積木をずっと離さない。積木を持った手をブンブン振っては、お口で遊んで涎だらけにしている。積木が大きく見えてしまう、息子のぷっくりした手が愛おしい。
「三世君はその積木がお気に入りだねぇ。」
優しく話しかける真吾に、生えかけの下の歯を見せてにっこり笑った。スタイに涎が垂れて、真吾は笑って口元を拭った。
一郎は、何やら一生懸命積木を集めていた。真吾が作った積木の家と、集めた積木を見比べている。
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