140文字お題【たった一分でいい】
彼と一緒に過ごす時間は、心地いい。たった一分、それだけでも満たされる。「好き」も「愛」もまだよくわからないが、この心地よさは嘘ではないと思う。ふと、隣で眠る彼の髪を撫で、繊細なまつ毛、寝息に合わせて膨らむ体を感じる。この時が、1分でも、1秒でも、長く続けばいいのに。
【未送信メール】
猪頭は1日に1回、必ずあるシステムにログインをする。いつ再起不能になってもおかしくない自分が、最期に彼へメッセージを残せるように組んだシステムだ。思い出が増えるたびにそのメッセージは長くなっている。こんなもの、彼が見ませんように、そう思いながら、画面を閉じ、彼のもとに向かった。