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    ゆうら

    @08yurayuratti22

    主に鯉鶴・うさかど・菊トニ・尾白が好きですが
    かなり雑食
    色々書けていけたらいいな~
    どうぞよろしくです!

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    ゆうら

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    博物館のひと(🎄番外編です)
    学生宇くんと学芸員門さんの未来話
    12/25は鶴さんの誕生日なので、前ツイしたやつ(門さんが鶴さんの誕生日優先しちゃう)を元に突発的に書いたメモ書き程度の文ですが、せっかくの🎄ネタなので期間限定で公開します(後日加筆してシブに上げる予定)
    ※お付き合いしてる未来話なので、付き合ってる2人を知りたくない方は、そっ閉じしてください…

    #うさかど
    houseFrontage

    博物館のひと(🎄番外編)(1)

    今日は12月24日クリスマスイブ。

    まあ、この国においてイベント的な位置づけである故に、イブの方が盛り上がるのも無理はない。
    子ども達は明日の朝に届くプレゼントを期待して、ベッドで眠っているんだろうこの時間。
    同じ寝るでも意味が違うこの状況。
    大人って複雑だよな。
    「門倉さん。何考えてるんですか?」
    若い恋人が、上から覆い被さるようにしている。
    さっきまでは2人で、形ばかりのパーティーだってんでシチューやチキンを食べ、食後のケーキを食べていたよな?
    なんか唇の端にクリームが付いてる…とかなんとか言って、なし崩しにキスをして。
    そのままソファに押し倒されて…
    「宇佐美……まて…」
    「嫌です。待てません」
    俺が勤める博物館に、実習生としてきた大学生の宇佐美。
    彼と付き合うようになって4ヶ月経つ。
    お互い前世の記憶があって、付き合ってからも色々あった。
    恋人同士になったのだからと、半ば強引に身体を重ねたのは付き合った直後だ。
    …まあ、最初で最後までいけるはずもなく。
    その後、何かっていうと押し倒され、揉まれ、指で慣らされ…
    いつの間にか奧の奥まで開発され…
    先週もたっぷり抱かれたばかりだ。
    まあ、何が言いたいかって言うと…
    「…無理だってばぁ…」
    「何言ってるんですか!今日はクリスマスイブですよ?恋人達の性なる夜なんですよ?!」
    性なる夜って…
    20代。
    ヤリたい盛りなのは分かる。
    でもねオジサンなのよ、俺。
    クリスマスイブに託けてこのまま抱かれれば、朝まで続くのが目に見えている。
    そんな事になったら俺、明日使いものにならなくなる!
    「だいたい、今日は泊まらないって約束だろ?!」
    「それはそれです」
    「おい!」
    ええ~、俺との約束って簡単に反故にされちゃうのぉ…。
    「本当に無理なんだよ!…明日、予定があるから…」
    「…明日?」
    明日は12月25日。
    世間はクリスマスだが、敬虔な宗教家ではない俺にとっては、別の意味で大事な日だった。

    「明日は鶴見の誕生日だろ?俺達旅行に行くことになってるんだ」

    12月25日。
    俺の親友である鶴見の誕生日だ。

    ピタリと宇佐美が止まる。
    顔が見れねぇ…
    鶴見の事となると、宇佐美は恐ろしいほどの執着をみせるから言い出せなかったのだ。
    だから今日は、泊まらない事を条件に家に入れ、明日は黙って行くつもりだったのに…
    「お互いいい歳だし、物貰ってもあれだからって、誕生日はお互い旅行を贈ることにしてるんだよ」
    すると宇佐美が確認するかのように、ゆっくりと言った。

    「鶴見さんと、門倉さんが、"2人きり"で旅行に行くって事ですか?」

    "2人きり"を特に強調して言われる。
    そうだよな。
    そこに引っかかるよな。
    「…この旅行は、お前と付き合う前から決まってたし…俺に取っちゃ大事な友達だし…温泉だから痕とか困るし…」
    何も悪くないのに、モゴモゴと言い訳がましく言ってしまう。
    宇佐美は、大きくため息をつく。
    チラッと見れば、酷く悲しげな顔をしていた。
    俺はハッとなって、手を伸ばそうとしたが、次の宇佐美の言葉に唖然とした。

    「鶴見さんと旅行!!しかも2人きりで!!!」

    あ、そっち?
    浮気者~、とかじゃないんだ。
    …なんか、モヤッとする。
    ほんと、鶴見第1主義だよな。
    「…そういう事なら…なんか苛つきますけど、鶴見さんに迷惑かけられませんね」
    「そ…そうだろ?」
    よし、何とか回避…
    「迷惑かけない程度に抱きますね。ほんと、優しい彼氏に感謝してください!」
    「はぁ?!」

    ムッとしたように、宇佐美が言った。

    「せっかくのクリスマスイブなんですよ!ほっとかれる恋人に悪いと思わないんですか?!!」
    「そ…それはぁ…」
    「でもね、明日の予定キャンセルしろなんて言いませんよ。鶴見さんに失礼ですから!」
    「うう…」
    何なんだ、この状況。
    来年も付き合ってるかは知らないが…
    「次は鶴見に別日にして貰えるよう言って…」
    なんて言ったら、宇佐美がピシャリと言った。
    「鶴見さんのお誕生日を唯一、一緒に過ごせる人なんですから、来年以降もちゃんとしてくださいね!」
    「え…いいの?」
    「当たり前でしょ、鶴見さんが望んでる事なんですから!それに鶴見さんのお誕生日パーティー、僕たちは昨日だったんです。門倉さんには僕の分まで祝って貰います!!」
    そういえば、そんな事言ってたな。
    鶴見の元には、前世の関係者から今世の知り合いまで、様々な信奉者が集まっている。
    慕う者が多いため、毎年23日に集まってパーティーをしているらしい。
    前日の24日にしないのは、クリスマスイブだからなのかな?
    なお、俺は呼ばれない。
    当日祝ってくれるから良いんだと鶴見は言うが、恐らく余計なトラブルに巻き込みたくないんだろう。
    …くっ…良い奴!

    「それにしても、ああ!もう!!なんでアナタなんですか?!」

    「しょうがねぇだろ…」
    ぎゅっと上から抱き締められて、ソファが軋む音がした。
    「ちょっ…と…」
    そして、そっと耳元で囁く。
    「でも門倉さん。ちょっとだけ嬉しかったです」
    ちゅっと、耳元で聞こえるリップ音。

    「来年も僕の恋人でいてくれるって分かったので」

    「宇佐美…」

    そっと手触りのいい坊主頭に右手を伸ばし、その後頭部を撫でる。
    いつまで続くかは分からないけど、たぶん俺はコイツの隣にずっといたいんだと思う。
    我が儘で横暴で、でも優しい恋人。

    …ところで、今夜は本当に手加減してくれるんだよな?

    (2)

    本日、12月25日。
    一般的にはクリスマス。
    「朝ですよ。起きてください!」
    宇佐美の声に、重い目を開いた。
    …ほとんど、寝てないんですけど…
    「…お前…もう…ほんとに…」
    「何ですか?手加減したじゃないですか。挿れたの1回ですし、後は素股と手と…」
    「…もう…いい…」
    昨日の情交を説明しないでくれ…
    よろよろと身体を起こす。
    腰は軋むが、立てないことはないし、歩くのも問題は無い。
    …本当に手加減されたみたいだ。
    「ほら、お風呂入ってください。待ち合わせ時間まで2時間切ってますよ!」
    「ええ~そんなにあるなら大丈夫じゃ……はい、行って来ます」
    ジロリと睨まれて、有無を言わさず風呂場へ向かう。
    「朝ごはん用意しとくので、ちゃんと!しっかり!綺麗に!身体を洗ってきてくださいね?鶴見さんに迷惑かからないように!」
    なにその念押し…
    風呂場へ行き、トレーナーを脱いで鏡を見れば、身体には何の痕も付いていなかった。
    …あれ?そう言えば服ちゃんと着てたな?
    何時もなら、裸で朝を迎える事も多いし、身体中にキスマークを付けられるのに…
    冬だからって風邪引かないように着せてくれたのだろう。
    痕だって……ああ、こっちは鶴見への配慮もあるか。
    温泉入る時、気まずくなるもんな。
    あいつ…こういうところが優しい…
    「さっさと入ろ…」
    風呂から出ると、脱衣所に服が用意されていた。
    宇佐美曰く、俺のセンスは壊滅的だという。
    そりゃ、服買うとき着れりゃいいかな~、くらいにしか思ってないし…
    用意されていた服は、先日ショッピングセンターに出かけた時に、宇佐美が選んでくれたやつだ。
    それを着て脱衣所を出ると、ふわりと焼いたパンの匂いがした。
    「はい!どうぞ!旅行の準備は出来てるんですよね?」
    「え?あ、ああ、うん」
    チラッと旅行鞄を見て、宇佐美が中身をひっくり返した。
    「えぇ~??」
    歯ブラシや髭剃りやらは鞄に戻し、服の一切が回収される。
    代わりに宇佐美チョイスの服が押し込まれていった。
    「まったく!こんなダサい服で鶴見さんと並ぼうなんて、冒涜です!犯罪です!」
    「そこまで酷くないでしょ~」
    はあ、とため息をつかれる。
    「自覚がないのも罪です!」
    真剣な表情過ぎて、口を噤んだ。
    大人しく昨日の残りのシチューを器に入れる。
    …なんか、複雑。
    それは宇佐美もだろう。

    宇佐美にとって鶴見は大事な人で、俺は大切な恋人。
    俺にとって鶴見は大事な親友で、宇佐美は大切な恋人。

    …どっちが上、とか割り切れる物じゃない。
    俺の親友が別の人だったら、また違ってたんだろうな。
    荷造りを終えた宇佐美が、テーブルにつく。
    パンを囓りながら、時計を見た。
    「待ち合わせ場所どこですか?」
    「駅だよ」
    「じゃあ、あんまり時間無いですね。門倉さんに合わせて、僕も帰りますから…」
    俺は牛乳を呷って言った。
    「いいよ。ゆっくりしてけよ」
    「はぁ?だって鍵が…」
    寝室に行き、机の上に置いていた物を摑むと、それを宇佐美の目の前に置いた。
    「ほら、これ」
    「え…?」

    この家の鍵。

    小っ恥ずかしくて、小声になる。
    「こんなの、プレゼントにならねぇだろうけど…」
    そっと宇佐美がそれを取ると、握りしめる。

    「門倉さんにしては、充分過ぎるプレゼントですよ」

    そう言って宇佐美は笑うと、そのまま唇を重ねた。
    触れるだけのそれは、直ぐに離れていく。

    「お返し、期待してくださいね!」
    「え?…昨夜の…」
    「あんなのじゃ全然足りません。帰ったら覚悟してください!」
    「お、おう…」

    ま、いいか。

    大事な人が同じ俺達。
    似たもの同士の俺達って、結構相性いいのかもな?
    うん、そう思っておこう。
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