味噌汁味のキス「ん……朝か」
銀時と住むようになって数ヶ月。
この生活にも慣れてきた。
昨夜は同じ布団で寝たはずだったが、隣はもぬけの殻。代わりに隣の部屋からふわりといい匂いが漂ってくる。
銀時が作る朝食の匂い。俺の好きな匂いだ。
匂いに釣られて起き上がっては襖を開けると、机にはいつもの朝食が並んでいる。
銀時の姿を探す。台所にいた。
銀時の方へ向かうと、鼻歌を歌いながら味噌汁を混ぜている。
俺は背後から腰に腕を回した。
「お、高杉起きた? おはよう」
「あァ……」
「ちゃんと返事しろっての。松陽がいたらそう言われっぞ」
そう言って味噌汁からこちらを向いた銀時と目が合い、顔を寄せて軽く口付けをする。
「……おはよう銀時」
まともに返事をし直すと、銀時は体を震わせている。
「顔洗ってくらァ」
顔を真っ赤にして何も言い返さない銀時を背に洗面所へ向かった。
味噌汁味のキスも悪くねェな。
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ただ寝起きのチューをして欲しかっただけ。
銀さんは味噌汁の味見をした後です。