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    肴飯のポイ箱

    @sakana2015414

    pkmnでkbdnとか、kbnとdndがわちゃわちゃしてるような話を書いてます。時々ホラーなものをあげるのでそこだけ注意です。

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    POIPOI 65

    肴飯のポイ箱

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    お題『お絵かき・絵画・美術』
    絵心と、リベンジと、ちょっとした日常の話。

    https://poipiku.com/6450412/7832908.html
    と繋がっています。

    #kbdn
    #kbdnワンドロ
    kbdnOne-dropping
    #キバダン

    よく見てみよう「どした?」
    「……」
    「えっ…本当になに?」
     休日の朝。一通りのトレーニングを終えたキバナは、のんびりとカウチに座りながら数日前に発売されたポケモン雑誌を読んでいた。気になっていたコラムの続きを読もうと、ペラペラとページをめくっていたが、同居人がどうにもこうにも凄く熱い視線をずっと無言のまま向けてくること、三十分。最初は気のせいかと思っていたが、パチリと音が出そうなくらい目線がかち合った後も、何故かダンデは、座っているキバナを真正面から直立不動で見つめてくる。しかも、焦れたキバナがあれこれ話しかけても全く反応は無く、只々この謎な状態が続いている。
     ダンデは、口で説明するよりも行動で示す方が速いと思うと、時々突拍子もない行動に出ることがある。後から理由を聞くと、なるほど。という内容も多いが、理由を聞いても首を傾げる内容の時もある。今はどちらだろうか。そう考えながら、キバナはつやりと輝きながらこちらを見つめてくる琥珀色をぼんやりと眺めたのだった。
     それからまた三十分程。キバナも段々視線に慣れ、ページを捲りながら時折淹れておいたお茶を飲む。さて、何だか長期戦になりそうだし、積み本でも持ってこようかな。なんて考え始めた頃に、ようやくダンデは言葉を発した。
    「…キバナは」
    「あっ、やっと意識こっちに向いた?」
    「キミは、本当にいい男だな」
    「ありがとう…えっ?いや、ほんと…なに…?」
     疑問に答える言葉は無く、そのままダンデは自室へと機嫌良さそうに戻っていってしまった。残されたキバナは、ダンデの行動の意味が分からないまま終わってしまった事にちょっとだけ残念さを感じはしたが、とりあえずキッチンへと足を向けて、冷めた紅茶を淹れ直した。ちょっとお高めのダージリンの茶葉は、キバナの混乱を他所にフワフワとポットの中をはしゃぐようにジャンピングしていた。

    『Step2実物を見ながら描きましょう!』

    「じゃあ、そのまま寛いでいてくれ」
    「あれっ?もしかして続いてるのこれ?」
     疑問は残りつつも、まあ夕飯の時にでも理由を聞いてみよう。キバナがもう一度雑誌の文字列へと目線を下ろしていると、予想とは違いダンデはすぐに階段を降りてきた。さっきまでと一つ違かったことは、その手の中にペンとメモ帳があることだ。それを持ってキバナの前に立ったかと思えば、また特に理由も話さないままダンデはメモ帳へとペンを走らせ始める。
     キバナは、とうとう考えるのをやめて温かい紅茶を喉の奥へと迎え入れた。お高めな茶葉を使ってみたが。今の気分で飲むものでは無かったな。とちょっとだけ後悔したことはキバナの心の中だけの秘密だ。

    「丁度良かった。ふたりとも、どう思う?」
    「ギギ」
    「ふりゃ?」
     メモ帳と真剣に向き合っているダンデが気になったのか、暫くするとギガイアスとフライゴンが手元を覗き込みにくる。ダンデは、そんなふたりに手元のメモ帳を見せて、なにやら話しかけている。暫くふんふんと眺めていたふたりは、何だか楽しそうな雰囲気でダンデに頷きながら鳴き、それからキバナの方を見てもう一度元気いっぱい鳴く。
    「おおっ!やったぜ!キバナ!」
    「おめでとう。いや…そろそろ本気で何なのこの状況」
    「あれ?言って無かったか?」
    「言ってないな」
    「じゃあ、今言おう。というか、見せると言った方が正しいな」
     ほらこれ。なんて言いながら見せてきたメモ帳を覗き込み、キバナはダンデの不可解な行動の意味を漸く理解したのだった。
    「これ…オレさま?」
    「よしっ!今度はキバナにもちゃんと分かってもらえたぜ!!」
     リザードンポーズをしながら喜びを表現するダンデを見て、キバナは可愛いと思いつつ。何でこんな事になったのかを、「今度は」という言葉で正しく察した。
    「…もしかして、前に描いてたあのモジャン「キョダイマックスリザードンだぜ」……り、リザードンの絵を分かってもらえなかったのが悔しかったのか?」
    「……」
    「えっ!?今更恥ずかしがるのかよ!お前のタイミングよくわかんねぇわ!可愛い!こっち向いて!可愛い!ロトム!ロトム!」
    「やめてくれ!ロトムはステイ!冷静になったら、ちょっとだけ恥ずかしくなってきたんだ!」
     顔を隠す帽子が無い今、ダンデは顔を真っ赤にしながらキバナから離れようとするがキバナの方が手も足も長かった。顔を隠していた片手をチョコレート色の肌に掴まれ、腰も抱き寄せられて、空のような色の瞳とかち合わせられる。
    「ロロ!仲良しさんロト!」
     大騒ぎしながらドタバタと攻防を続ける二人の姿を、嬉しそうな声でくるくると周りを飛びながらロトムが写真に収めていく。
     静止画で切り取られた二人は、目を細めながらとても楽しそうに笑っていた。それを確認したロトムは、もう一度にっこりと笑って撮った写真をお気に入りフォルダに移すのだった。
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    肴飯のポイ箱

    DONEREVELЯY2411「COUNT DOWN vol.2」の書き手クイズ企画に提出した作品となります。
    お題「催眠 付き合ってないキダ」
    開催中はドキドキとしながら過ごしておりました!すごく楽しい企画でした☺️✨ありがとうございました!
    夜空、星二つ ガラルにしては気持ちの良い、からりとした青空が朝から広がっている日だった。ブラックナイトに関する諸問題で暫く奔走を余儀なくされていたキバナは、ようやく業務もひと段落し始めた。屋外での作業は晴れの少ないガラルでは何よりも優先したい事柄だ。そんなこともあって、キバナは温かな陽気の中、ナックルジムの中庭で膝と頬を土で汚しながらせっせと植物の剪定に明け暮れていた。元が城ということもあり、一般の人々が立ち入らない場所には未だに当時の面影を残す部分が多い場所だ。キバナが居る中庭もその一つで、ナックルのジムリーダーが代々手入れをしていくことがいつの頃から習わしとなっていると聞いていた。初めてその役割を聞いた時には正直乗り気では無かったキバナだったが、元々好奇心旺盛な方だと自覚していることもあって、やり始めてみればなんだかんだと楽しみを見つけ出し、気付けば少しずつこだわりも持つようにもなってきた。
    6909

    肴飯のポイ箱

    DONE12月オンイベ展示作品その②(新しいお話)
    みんなが寝静まった夜。こっそりひっそり楽しく過ごす不思議な生き物のキバナとダンデのお話
    「🎄ホリデー編🌟」
    ※ポ世界のクリスマス概念が曖昧な為、あえてクリスマスから正月までをホリデーと設定してお話をかいています。細かく考えず緩くお楽しみください🌟👻👻🎄
    それは賑やかな すっかり夜の帳が下り、静まり返ったとある家のキッチン。小綺麗に整頓されたそんな場所を小さな林檎程の大きさの何かが二つ、白い布を頭から被ってチョロチョロと薄暗いキッチンの中を動き回っている。
    「キバナ、息が真っ白だ!寒いなぁ」
    「今日も月が大きいなぁ。でも、流石に今日はみんな寝てるだろ」
     月明かりに照らされたキッチンを、キバナと呼ばれた大きい方がそれよりも少し小さなダンデの手を引きながらずんずん進んでいく。
     少し前にお菓子を貰ったキッチンは、同じように整えられていた。水切り籠にはジュラルドンとリザードンが描かれたカップが逆さまになって雫を落としていた。今日は、それ以外にもカラフルなカップや皿がたくさん並んでおり、いつもは食器棚の一番上で偉そうにしている白地に金の模様が入った大きな皿も、ピカピカに洗われて月の光を反射している。
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    肴飯のポイ箱

    DONEオンイベ開催、アンド素敵企画ありがとうございます!
    この作品は、12.3歳ごろの2人がナックルシティの片隅にあるとある喫茶店を舞台にわちゃわちゃとしていくお話となっています。
    ※両片想いほのぼのです。
    ※ガラル市民がたっくさん出ます。
    ※視点がコロコロ変わるお話です。
    少しでも楽しんでいただければと思います☺️
    とあるナックルの片隅で◆ライラック色の髪をした少年の回想

    「あ、チャンピオンだ!」
    「チャンピオン!」
    「何かイベントでもあったっけ?」
     困った。
    俺は、大きな街の真ん中で冷や汗を掻きながら、どうしてこんなことになったのかをひたすらに考えていた。
     今日は午前中にシュートでのチャリティイベントに参加した。午後はスポンサーの会社が行うガーデンパーティへの参加が予定されていたが、そちらが主催者側の事情でのキャンセルとなったので、突発的に午後は丸々オフとなった。予定されていた休みより、こういうイレギュラーな休みって得な感じがして俺は好きだ。せっかくだから前々から欲しいと思っていた物を買おうと意気込み、勢いのままユニフォームで飛び出した。自分なりに人目が少ない道を探しながら、地図アプリと睨めっこ。しかし、俺の努力も虚しくうっかり路地から大きな通りへと出てしまった。途端に集まるキラキラとした眼差しの人、人、人。応援してくれる人達の期待の眼差しを裏切ることはできず、突発的に始まってしまったファンサービス。握手に写真、サイン。もみくちゃにこそされないけれど、このままだと行きたい場所に行けないまま休みが終わってしまう。顔には出せないが内心焦りつつも人混みは消えるどころが増えていく。どうしたものかと困っていると、人混みの奥から良く通る声が聞こえて来た。
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