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    shion0614novel

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    shion0614novel

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    先日のガタケで出した胃腸炎になる🦊です。胃腸炎で苦しむ🦊の様子については、12月下旬に胃腸炎になった筆者のほぼノンフィクションです。あの苦しみを奴にも味わってほしい、それだけです。

    #今山今
    imayamaImayama

    山本冬樹、胃腸炎になって苦しむの巻(超仮題) 名前に冬の字はついているが、俺は冬が嫌いだ。正確には、秋から冬にかけての季節が嫌いだ。嫌なことを思い出して、気分が落ち込む日が多くなる。それに引きずられて、体調も悪くなる。負のスパイラルに陥りがちな季節だからだ。ただでさえ気が滅入る時期なのに、何故こんなことになったのか。腹が、猛烈に痛い。
     十二月も下旬に入り、寒い日が続くようになったある日だった。その日は、朝から腹の調子が良くなかった。昼頃、何となく熱っぽいなと思い、熱を測ると三十八度五分という表示。平熱は割と高い方だが、これは明らかに発熱している。風邪だろうか、インフルエンザだろうか。とりあえず、解熱剤を飲んで様子を見ることにした。
     夜になっても熱っぽさはあったものの、食欲はあるので普通に夕飯を食べた。しかし、この後が問題だった。猛烈に腹が痛くなり、トイレに駆け込んだ。当たるようなものは食べていないはずなのに、何でだ? 完全に下痢をしていて、暫くトイレに籠った。
     再び熱を測ってみると、三十九度。さっきよりも上がっている。まさか、胃腸炎か……? とりあえず、薬箱にある胃腸薬を飲むことにした。季節性の胃腸炎だと、旬くんに移ってしまう可能性がある。この時期、キャバクラは稼ぎ時だ。旬くんも、毎日疲れ切っている。幸いなことに、このマンションはファミリー用でトイレが二つある。とりあえず、トイレを分けておけば感染は防げるだろう。
     旬くんに、腹の調子が頗る悪い、胃腸炎かもしれないからとりあえずトイレを分けようとメールをすると、直ぐに電話がかかってきた。ちょうど休憩中だったようだ。
    『冬樹さん、熱が出てお腹下してるって、大丈夫なんですか⁈』
    「旬くん、声がでかいって」
    『すみません、でも心配で』
    「確かに腹は痛いし熱もあるけど、食欲もあるし大丈夫だよ」
    『夜間診療とか、行かなくて大丈夫ですか?』
    「とりあえず、明日の朝まで様子見て、症状が治まらないようなら受診するよ」
     そう、この時は少しお腹が痛くて熱っぽいくらいだった。急激に具合が悪くなったのは夜中だ。腹が痛くて目が覚め、トイレに駆け込むのを繰り返した。相変わらず、熱っぽさは続いていた。結局、旬くんが帰って来る頃までベッドとトイレの往復は続いた。
    「冬樹さん、一応スポドリ何本か買ってきましたよ。飲めますか?」
    「……またトイレに駆け込みそうで飲みたくない」
    「でも、下痢が続いてるんなら水分取らないと。冬でも脱水って起こるみたいじゃないですか」
    「うう……」
     年下の恋人に諭され、渋々ちびちびとスポーツドリンクを口にする。程なくして、また腹がぎゅるぎゅると痛み出した。またトイレのお呼び出しか……もう何度目だよ。涙目になりながら、何度目かのトイレに駆け込む。
    「腹いてえ……」
     暫くトイレに籠城し、フラフラとリビングに戻ると、普段ならもう寝ているはずの旬くんがまだ起きていた。繁忙期で疲れているだろうし、さっさと寝ていてよかったのに。
    「スポドリ飲んでそれって、大分ヤバいっすね。朝一で、剛力先生のところ行きますか?」
    「そうする……とりあえず、動けないわけじゃないから、旬くんは寝なよ。今キャバクラ稼ぎ時だし、疲れてるだろ?」
    「でも……」
    「ほんとにヤバいなってなったら、すぐヘルプ出すから」
    「……分かりました」
     旬くんは納得していない様子だったが、明らかに疲れている様子の夜職人間に無理をさせることは出来ない。腹痛の波に怯えながらタクシーを手配し、俺は剛力医院へ向かった。あの看護士と鉢合わせしないように願いながら、受付を済ませた。程なくして、診察室へ通される。診察室には、剛力先生と見知らぬ看護士。良かった、あの女じゃなくて。
    「山本さん、今日はどうしました?」
    「昨日から、発熱と腹痛があって……下痢が止まらないんです……」
    「……何か変な物食べました? 生ものとか生煮えのものとか」
    「それはないです」
    「なるほど、ではちょっとお腹を触らせてもらいますね。痛みを感じるところがあったら教えてください」
     触診って正直苦手なんだが、こればかりはしょうがない。念入りに腹回りを触られ、痛みを感じたところを伝えた。ド素人だから単純に分からないのだが、触診で本当に患部が分かるものなのだろうか。
    「季節柄、インフルエンザも流行っているので、念のため検査させてもらいますね」
    「はい……」
     インフルエンザの検査は、これはこれで鼻が痛くなるので嫌いだ。しかし客商売をしている旬くんに迷惑がかかるので、これも受けねばなるまい。正直めっちゃ嫌だけど。
    「インフルエンザは陰性ですね。食べ物で思い当たる節がないということであれば、恐らくはウイルス性の胃腸炎でしょう。今の時期は流行っていますからね」
     今の時期、確かに胃腸炎は流行っている。だが、この時期俺は殆ど外に出ない。最低限の買い物をするくらいなのだが、そこでもらってきてしまったのだろうか……。
    「では解熱剤と整腸剤と、腹痛が酷い時用の頓服薬を出しておきますね。下痢が酷いようなので、脱水には気を付けて。他の病院で処方されている薬との飲み合わせについては、薬剤師の指示に従ってください」
    「分かりました……」
    「それでは、お大事に」
    「はい、有難うございました」
     先生に一礼し、診察室を出ると……例の看護士と鉢合わせた。他の患者もいる手前、蹴りを喰らわせようとしてくることはなかった。だが、明らかに剣呑な目付きで睨まれ、身体が強張る。
    「……お大事に」
     非常に冷たい目付きとセットで言われると、恐怖でしかない。あっヤバい、また腹が痛くなってきた。大慌てでトイレに駆け込む。この腹痛は胃腸炎のせいなのか、はたまた精神的なものなのか。両方なのだろうか。考えれば考えるほど、腹が痛くなってくるような気がした。
     熱のせいなのか脱水のせいなのか、フラフラする。正直、薬剤師の説明も半分聞いていない状態だった。ちびちびとスポーツドリンクを飲みながら、呼んでもらったタクシーが来るのを待つ。何度目かの腹痛の波が治まった頃、調剤薬局の人がタクシーの到着を知らせてくれた。
    「……マジかよ」
    「それはこっちの台詞。あんたまた体調不良? 厄払いして健康祈願した方がいいんじゃないの?」
     停まっていたタクシーは、見知った偏屈な中年のタクシードライバーだった。まさかあの看護士が呼んだのか? ただの偶然か? 前者なら、悪質過ぎる嫌がらせだ……!
    「……一応言っておくけど、俺が来たのは偶然だから」
    「は?」
    「さっき、剛力に診てもらった帰りなんだよ。そしたら、あんたが腹の具合悪くてさっき受診したって聞いて。もしまだいたら、送ってやってくれって頼まれたんだよ」
    「いらんお節介を……」
     剛力先生は親切心のつもりなのだろう。だが、普段でさえ気まずいのに、体調が悪い時にこのタクシードライバーに当たるのは、正直きつい。
    「うっ……また腹が……」
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    PAST先日のガタケで出した胃腸炎になる🦊です。胃腸炎で苦しむ🦊の様子については、12月下旬に胃腸炎になった筆者のほぼノンフィクションです。あの苦しみを奴にも味わってほしい、それだけです。
    山本冬樹、胃腸炎になって苦しむの巻(超仮題) 名前に冬の字はついているが、俺は冬が嫌いだ。正確には、秋から冬にかけての季節が嫌いだ。嫌なことを思い出して、気分が落ち込む日が多くなる。それに引きずられて、体調も悪くなる。負のスパイラルに陥りがちな季節だからだ。ただでさえ気が滅入る時期なのに、何故こんなことになったのか。腹が、猛烈に痛い。
     十二月も下旬に入り、寒い日が続くようになったある日だった。その日は、朝から腹の調子が良くなかった。昼頃、何となく熱っぽいなと思い、熱を測ると三十八度五分という表示。平熱は割と高い方だが、これは明らかに発熱している。風邪だろうか、インフルエンザだろうか。とりあえず、解熱剤を飲んで様子を見ることにした。
     夜になっても熱っぽさはあったものの、食欲はあるので普通に夕飯を食べた。しかし、この後が問題だった。猛烈に腹が痛くなり、トイレに駆け込んだ。当たるようなものは食べていないはずなのに、何でだ? 完全に下痢をしていて、暫くトイレに籠った。
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     十二月も下旬に入り、寒い日が続くようになったある日だった。その日は、朝から腹の調子が良くなかった。昼頃、何となく熱っぽいなと思い、熱を測ると三十八度五分という表示。平熱は割と高い方だが、これは明らかに発熱している。風邪だろうか、インフルエンザだろうか。とりあえず、解熱剤を飲んで様子を見ることにした。
     夜になっても熱っぽさはあったものの、食欲はあるので普通に夕飯を食べた。しかし、この後が問題だった。猛烈に腹が痛くなり、トイレに駆け込んだ。当たるようなものは食べていないはずなのに、何でだ? 完全に下痢をしていて、暫くトイレに籠った。
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