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    r__iy1105

    田中新兵衛に心を狂わされた
    禪院直哉は可愛いと思う

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    r__iy1105

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    893パロが書きたくて息抜きで書いてたら長くなりそうだから泣いてる甚直
    そのうち書くかもだけどわからん

    甚爾君が組抜けしたいと言ったのは、俺がまだガキの頃だったと思う。
    抜けたいなら抜けさせてやればいいのにと、子供ながらに思っていたから多分それくらいの時で合っている。
    甚爾君の事は愛人の子供がと言って最初は認める事もしなかった癖に、いざ離れるとなると嫌がる理由が分からない。
    ただ成長した今となっては、戦力として甚爾君を失うのは痛手だったと気付いた。
    そんな甚爾君を自由にする為に、俺は若頭と言う立場を使って一時的に飼い犬として甚爾を飼っていた事がある。
    あの頃は、俺の立場も危うい状態だった。
    俺の基盤も整えたい意味もあったし、何より俺が甚爾君に憧れがあった。
    「直哉、また飼い犬捨てたんだって?」
    「相変わらず、五条会は耳だけは早いんやね」
    「ちゃんと飼い犬は、看取ってあげたんだろうね?」
    同じ学校に通っている悟君と傑君と一緒に、ファミレスに入りながらそんな会話をする。
    飼い犬と言うのは、単なる俺の護衛の話である。
    ここ最近、親父の容態が良くないらしく次期組長争いで禪院は揺らいでいた。
    何事も無ければ俺が親父の跡を継ぐとは思うが、腹違いの兄達が黙って居ないだろう。
    「手負いにして放ったわ。素性調べたら、兄貴の息のかかった奴やったし。それより悟君も傑君も、カタギの生活ってどうなん?」
    甚爾君は家業が嫌だった訳じゃなく、禪院の家が嫌だったと本人から聞いたことがあった。
    そんな甚爾君を自由にした後、てっきりカタギになったと思っていたが違ったらしい。
    裏世界で甚爾君の話は聞く事が多く、確かめる気もないから真意の程は分かっていない。
    だからもしカタギではないのなら、俺が組を継ぐいだら甚爾君を呼び戻したいとは思っていた。
    「え、直哉。カタギになりてぇの?俺も傑も、期間限定だけど」
    「そうそう。学生の時だけカタギさんで生きるって決めただけだよ。それに、あんまり変わらないかな。生活面とか。会合には呼ばれないけど、連絡だけは来るし」
    「え、変わらんの?」
    生活やその他の面で変わった事が多いと思ったが、そうではなかったらしい。
    離れたとしても、卒業と同時に家業に戻るからまた違うのかもしれない。
    でも生まれてからずっとやくざとして暮らしている俺は、カタギの生活が今一分からなかった。
    家の事がバレれば距離を置かれるし、無駄に喧嘩は売られる。
    後継ぎ問題で家もピリピリとしているから、カタギの世界ではそうでもないと思っていたのに当てが外れた。
    「大して変わらないよ。家と距離を置いてる特殊な子って括りにされるだけでね。あ、銀行口座とかは作りやすいかな」
    「でも、たまに警戒されね?」
    「俺が知りたいんは、そっちじゃなくて生活面なんやけど。二人共あんま絡まれんやん」
    グラスに入ったサイダーを飲むと、二人は俺を見てあーっと言って視線を外す。
    「それはさ、直哉だからだよ」
    「お前、やくざの息子以前に……ま、頑張れよ」
    「いや、何!?」
    憐れまれた視線を向けられるだけで、答えは教えられなかった。
    「あ。そろそろ俺、帰るわ」
    今日は無駄な会合があった事をすっかり忘れていたが、蘭太君から業務連絡が来ていた。
    特に中身の無い会合ではあるが、遅れると心証が悪くなるらしいが俺には関係なかった。
    だが今は次期組長争い中でもあるから、少しでも心証は良い方が良いだろう。
    「おう、気を付けろよー。そっちごたついてるんだから」
    「大丈夫やって。今日は俺が払っとくから、追加分は自腹で頼むわ」
    伝票だけ持って会計に向かい、金を支払ってからファミレスを後にした。
    だから、俺が出ていった後に悟君が誰に連絡しているかも知らなかった。
    「悟、律儀だねー。直哉の事、甚爾に連絡してあげるなんて」
    「頼まれてるから仕方ねぇだろ。気になるなら自分から行けばいいのに。面倒な奴等」

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    eyeaifukamaki

    PROGRESS愛をみつける
    ②と③の間のケイside
    タイトルたまに見つけるになってる
    “みつける”が正解です
    ケイ君も深津さん大好きだけど、さぁきたや、ノアにはまだまだ魅力が及ばない、という感じで書いてます。
    これも誤字脱字確認用
    大好きな人がアメリカに来る。その通訳に俺が任命された。爺ちゃんから頼まれて、断る理由はなかった。ずっと憧れてた人。俺の高校時代にバスケで有名な山王工高のキャプテンだった一つ上の深津一成さん。バスケ好きの爺ちゃんのお陰で、俺も漏れなくバスケが好きだ。うちの爺ちゃんは、NBAの凄いプレーを見るよりは日本の高校生が切磋琢磨して頑張る姿が好きらしい。俺は爺ちゃんの娘である俺の母親とアメリカ人の父親の間にできた子だから、基本的にはアメリカに住んでるけど、爺ちゃんの影響と俺自身バスケをやってる事もあって、日本の高校生のプレーを見るのは好きだった。その中でも唯一、プレーは勿論、見た目もドストライクな人がいた。それが深津さんだ。俺はゲイかというとそうではない。好きな子はずっと女の子だった。深津さんは好きという言葉で表現していいのか分からない。最初から手の届かない人で、雲の上の存在。アイドルとかスーパースターを好きになるのと同じ。ファンや推しみたいな、そういう漠然とした感じの好きだった。会えるなんて思ってなかったし、せいぜい試合を見に行って出待ちして、姿が見れたら超ラッキー。話しかけて手を振ってくれたら大喜び。サインをもらえたら昇天するくらいの存在だ。深津さんを初めて見た時は、プレーじゃなく深津さん自身に惹かれた、目を奪われた、釘付けになった。どの言葉もしっくりくるし、当て嵌まる。それからはもう、虜だ。爺ちゃんもどうやらタイプは同じらしい。高校を卒業しても追いかけて、深津さんが大学に入ってすぐに、卒業したらうちの実業団にと既に声をかけていた。気に入ったら行動が早い。条件もあるが良い選手は早い者勝ちだ。アプローチするのは当然。その甲斐あってか、深津さんは爺ちゃんの会社を選んでくれた。深津さんのプレーを間近で見れるようになった俺は、もっと深津さんに心酔していった。一つ上なのになぜかすごく色気があって、でもどこかほっとけない雰囲気も醸し出していて、それがまた堪らない。深津さんのアメリカ行きの話が出て通訳を任された時は、そんなに長くない人生だけど、生きてきて一番喜んだ瞬間だった。こんな事があるなんて。爺ちゃんがお偉いさんでよかった。爺ちゃんの孫でよかった。俺は深津さんとは面識がない。ただ俺が一方的に心酔してるだけ。だから、深津さんの語尾がピョンというのも爺ちゃんから聞いた。深津さんは高校の時
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