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    くさかべ

    @monimoni_are

    ↑成人

    すっかりケイゴ。ウルケイかモイケイのケイゴ受け。
    何かあったら↓まで
    拍手をぽちぽちして頂けるだけで元気が出ます。
    無駄にツールが沢山ありますがお好きなのでどうぞ。

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    くさかべ

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    ほのぼのとしたモイケイを書こうとすると、こいつら本当に出来てるのか?という気持ちになるのですが、書いてる人間がどっぷりとモイケイなのでモイケイです。

    #モイケイ
    moikei

    毎日SS8/12 馬鹿なのか?という言葉を、言わずに留めた自分を褒めて欲しい。
    「そうだ、馬鹿だった」
    「え、なんでいきなりディスられてんの」
     一つ前の台詞は我慢出来たが、言い聞かせるために続けた言葉はそのまま声になった。
    「気にするな、こっちの話だ」
    「どう考えてもそっちの話じゃなくない?」
    「うるさい、一人で宿題も終わらせられない馬鹿は黙ってろ」
    「ぐう」
     月曜日に出された宿題が終わっていない、とケイゴが言い出したのが、土曜日の夜。つまり昨日だ。
     今回に関しては珍しく、ニコは自分で宿題を終わらせていた。
     祝日が多い月曜日は、週に一度しかない科目の進みが遅い。遅れを取り戻すように、毎週小テスト代わりの宿題が出る。別クラスのカンシは、曜日が違うからか、宿題が出なかったらしい。
     ケイゴの宿題が終わっていないのは、昨日の夕飯時に、ふとそんな話をした際に発覚した。
     やっておく、というのはどうせ口だけだ。
     翌朝、出掛けるというケイゴの首根っこを掴み、宿題を終わらせたかどうか聞く。
     しどろもどろになりながら、だらだらと言い訳をするケイゴをそのまま部屋まで連れ戻し、机に座らせた。
     そして、今に至る。
    「あの……オレ予定が……」
    「やることをやってからにしなさい」
     机の上に広げられたノート、横に立つモリヒト。用事があるので出掛けます、という言い訳は通用しそうにない。
     仕方なく、シャープペンを握った。教科書とノートを見比べても、何が宿題なのかすらもわからない。
    「どうした?」
    「ちょっと休憩しない?」
    「まだ何もやってないだろ」
    「じゃあ何か飲み物買って……」
    「後でコーヒーを淹れてきてやる」
     席を外し逃げ出す理由を考えてみたが、ことごとくモリヒトに遮られる。
     まずい、全然気分じゃない。やりなさい、と言われれば言われるほど、やる気がなくなる。
     もちろん、そんなことをモリヒトに言えるはずもなく、監視するように横に立った相手の影をぼんやりと見つめた。
    「手を動かせ、手を」
    「はーい」
     自分が悪いのはわかっている。かといって、積極的に宿題をしようとは思わなかった。
    「……」
    「…………」
     手が動かない。ついでに、モリヒトも動かない。斜め横から、早くしろと言わんばかりの圧力を感じ、八方塞がりだ。
    「あの、ところで範囲って……」
     このままでは埒があかない、とモリヒトを伺う。モリヒトは、一瞬目を丸くしたが、すぐに瞳の色を真っ黒に戻し、深く溜め息を吐いた。
    「本気か?」
     嘘だったらこんなことになっていない。呆れたように聞くモリヒトに、びくびくしながら頷いた。溜め息が更に深くなる。
    「範囲はここからここ、問題は、」
     モリヒトの手が伸び、教科書をめくった。
     指先を目で追いながら、シャーペンを握り直す。
    「ああ、なるほどね」
    「量は多いが、簡単だから出来るだろう」
    「うん」
     そうやって先に教えて欲しい。出来れば、もっと優しく。
     このまま貴重な日曜日を潰すわけにはいかない。なんとか午前中に仕上げて、午後から出掛けよう。ようやく、シャーペンが動き始めた。
     
    「終わったぁ」
     朝食後すぐに始めさせられた宿題は、集中したら一時間と掛からず終わった。シャーペンを置き、背中を伸ばす。
    「やれば出来るじゃないか」
    「だから、やる気がないだけでやれば出来るんだって」
    「だったら最初からやれ」
    「ぐぬう」
     少しは褒めてくれることを期待したのに、モリヒトの口からら小言が溢れる。褒められるようなことはしていない。
    「じゃあオレ、出掛けてくるわ」
    「ああ」
     ノートを閉じ、シャーペンはペンケースに仕舞った。少し出遅れてしまったが、日曜日はまだ時間がある。
    「何処行くんだ?」
    「んー、別に決めてない」
    「そうか」
     言った直後、まずい、と思った。宿題を放置したまま、あてもなく遊びに行くなんて言ったら、小言が続いて午前中が潰れてしまう。
     しまった、とモリヒトを伺う。相変わらず、表情はよくわからなかった。
    「予定がないなら、オレも一緒に行っていいか?」
    「えっ、うん、もちろん!」
     モリヒトの予想外な言葉が一瞬理解出来ず、少ししてから慌てて頷いた。
     趣味が合うというのもあるが、モリヒトと出掛けるのは楽しい。早い段階で宿題を終わらせて良かった。
     今日は良い日になりそうだ。
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