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    くさかべ

    @monimoni_are

    ↑成人

    すっかりケイゴ。ウルケイかモイケイのケイゴ受け。
    何かあったら↓まで
    拍手をぽちぽちして頂けるだけで元気が出ます。
    無駄にツールが沢山ありますがお好きなのでどうぞ。

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    くさかべ

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    最近マガミケイゴを曇らせていないことに気付いたので、モイ←ケイの独白です。短い。

    #モイケイ
    moikei

    毎日SS8/17 届かない想いは、捨ててしまった方がいい。
     ニコはモリヒトが好きだ。そして、本人は気付いていないが、モリヒトもニコのことが好きだ。
     二人の結びつきは深い。そこにつけ入る隙がないことはわかっている。そもそも、どうにかしたいだなんて、思ってもいない。思っては、いけなかった。
    (不毛だよな……)
     机の片隅に置いたビー玉を取る。ちょっとした騒動を引き起こした、なんの変哲もないビー玉だ。
     親指と人差し指で気泡の入ったビー玉をつまみ、照明に透かす。今となっては、何がそんなに良かったのかも思い出せず、呆れた笑みがこぼれた。
     一人の時間は嫌いだ。余計なことばかり考えてしまう。階下では団欒しているのだろうが、今日はそこに混ざる気になれない。
     誰にも言えない、恋をしていた。自覚したのは、つい最近だと思う。いっそこの想いに気付かなければ、今日も呑気に団欒の輪に加わっていたのに。
    「どうせお前はくだらないって言うだろ」
     溜め息を吹きかけるように、机上にビー玉を転がした。ころころと回るビー玉は、同じ色のガラスにぶつかって床に落ちる。拾う気は起こらない。
     ぼんやりとビー玉の行方を見送り、そのまま手首を覆うリストバンドを見た。裏返して、自分ではない誰かになってしまおうか。都合の良い考えを捨て、机に突っ伏す。ぶつかってはじけた二つ目のビー玉も、床に落ちる。
     じわり、と涙が滲んだ。好きになったのが、モリヒトだった。叶うことがないことは知っている。叶ってはいけないのだ。
     ニコはモリヒトが好きで、モリヒトはニコのことが好き。この二人が正しく幸せになって欲しい、と心の底から願っている。
     自分の感情を切り離すことが出来れば、こんな気持ちにはならない。寄せられた好意にだって素直になれる。
    「もう助けてくれよ、ウルフ」
     ぽつりと呟いた。リストバンドに手をかける。裏返そうと逡巡して、やめた。
     彼は多分、何も言わない。何を考えているのかは知らないが、ケイゴにとって不利になることもしないだろう。
     鬱屈とした感情を、誰も知らない。知っているのは自分だけだ。この、愚かな恋心を、もう一人の自分はどう感じるのだろう。
     考えるのが嫌になって、リストバンドを裏返した。ぷつりと意識が途絶える。
    「アイツ、マジで馬鹿だな」
     床に落ちたビー玉を拾う。机の上に戻し、俯いた時に流れた髪の毛を撫でつけた。
    「そんなこと、知るかよ」
     秘密を共有するのは自分だけでいい。
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